アメリカが台湾に売る軍艦は高過ぎ?

 仮にそうでも他に選択肢はないわけですが。

http://military.china.com/important/11132797/20151219/20970510.html


台湾メディア:建造価格4,500万、艦齢30年を超えるアメリカの艦が台湾に向け1.9億の価格を要求!

台湾「中央社」の報道によれば、アメリカは最近10項目の総額18.31億アメリカドルの対台湾兵器販売案につき、議会の審査プロセスを進めた。これは台湾の馬英九当局任期内第4回目、アメリカのオバマ政権第3回目の対台湾重大兵器販売の宣言である。中国大陸はいち早く強烈な抗議を表明し、かつ関連の会社を制裁するだろうとした。島内の「総統選挙」が近づくデリケートな態勢の下で、対台湾兵器販売は各方にどんな影響をもたらすことになるのか?

規模は小さいが国民党、民進党両陣営とも歓迎を表明

台湾中興大学国際政治研究所の教授である蔡明彦は17日、今回の兵器販売は2010年の62億アメリカドル、2011年の58億アメリカドルいずれと比べても経費規模がずっと小さい、とした。台湾成功大学政治経済学研究所の教授である周志傑も、前の何回かに比べ兵器販売の質と量はいずれも減少しつつある、と考える。今回の兵器販売を含め、アメリカサイドは遅々として島内が渇望してすでに久しいF-16C/D戦闘機と潜水艦の販売に同意していない。

台湾の軍事評論員である陳国銘は、今回の兵器販売は艦艇の数は増加しないが(頑住吉注:退役する艦と同じ数なので)、共に販売されるSQQ-89水中作戦システムと曳航ソナーは台湾海軍の欠陥であり、この曳航ソナーは台湾海軍の対潜戦力を有効に向上させることになり、大陸に照準を合わせた意味は言わずとも明らかである、とする。

政治家たちは軍事専業の上から問題を考慮することが非常に少ない。ひとたび兵器販売と来れば、台湾の国民党、民進党陣営で「喜大普奔」(頑住吉注:大きな喜びを皆で分かち合う)しない者はいない。「総統選挙」が近づいており、まさにこの機を借りてアメリカとの「恩愛」を大いに見せつける好機である。ある視察は、台湾に充分な防御力量を保持させることは、いわゆる「朝野の共通認識」である、と考える。

馬英九執務室スポークスマンの陳以信は、アメリカが長年来台湾に防衛性武器を提供していることに対し、馬英九は「肯定と感謝」を表明している、と代弁した。陳以信はわざわざ、過去7年半以来、アメリカの対台湾兵器販売総額は201.3億アメリカドルを超え、ここ20年来金額最高の時期である、と指摘した。馬英九任期内の兵器販売の「政治的功績」は卓越し、毎年平均の兵器購入金額は25.1億アメリカドルに達し、李登輝や陳水扁の時期をはるかに超えている。

民進党陣営もあえて怠慢にしてはいない。民進党事務局長の呉昭燮は、民進党はアメリカに対し真摯な謝意と支持を表明し、「アメリカは台湾の重要な安全保障上のパートナーであり、兵器販売行動は台湾の安全およびアジア太平洋地域の平和と安定の維持保護を強化することになる」云々とした。

(頑住吉注:これより2ページ目)

選挙が近づく時間的ポイントは非常にデリケート

蔡明彦は、アメリカが台湾に兵器を販売することには、軍事的考慮だけがあるのではなく、さらに政治的考慮がある、と語る。ある香港メディアの分析は、アメリカがこの時間的ポイントで対台湾兵器販売を宣言したのには、以下の原因があるかもしれない、とした。1つ目はアメリカの軍、政界の一部のすこぶる影響力ある人物が一貫して対台湾兵器販売を堅持する必要があると主張し、不断にオバマに圧力を加えていること。2つ目は軍事工業企業も兵器の商売と利潤のため、各自の手段によって影響力を行使したこと。3つ目はこの時間的ポイントが非常にデリケートで、台湾地域の選挙まで残すところ1ヶ月であること。

この時期に対台湾兵器販売を宣言することは、2012年の台湾「総統選挙」の前に台湾に対しビザを免除することを宣言したことと同工異曲の妙があるのか否か? 国民党「立法委員」の林郁方は次のように語る。選挙前にこの動作をすることは、確かに非常に容易に国民党の選挙情勢を向上させ、助けるものと解釈される。特に4年前すでに1回発生したことがある。今1回再来し、具体的なそろばん勘定がどうかは、アメリカ自身だけが最もよく分かっている。

林郁方の眼中では、アメリカが馬英九の任期がまもなく終わるという時に台湾に対し兵器を販売するのは、むしろ一種の褒賞で、意味するのは馬英九政権担当時期の大陸政策に対する一種の肯定で、馬英九の両岸関係処理に対する認可と見なすことができるかもしれない。または林郁方は、「総統選挙」後もし民進党の蔡英文が当選したら、再び兵器販売を宣言し、中国大陸はより強烈に反発するだろう、と考える。

アメリカの台湾海問題専門家であるBonnie Glaserも類似の見方を表明する。「私は皆が揃って民進党が改めて権力を奪回すると予期している以上、アメリカは民進党が勝利を獲得した後中国大陸の憂慮を深刻化させることを望まないと考える。」 Bonnie Glaserは、民進党が政権につく可能性がある何ヶ月か前、アメリカがもし中国大陸に誤読させる可能性がある行動を取ろうとする、すなわち「蔡英文をつけあがらせ」、再度台湾に向け兵器を販売したら、あまり賢い決定とはならないだろう、と考える。

反発と抗議の引き金になる他に制裁を加える

中国国際問題研究院の院長である蘇格は、アメリカのこの挙は中米関係の大局と台湾海の平和と安定に不利である、とする。アメリカの戦略家は大陸と台湾との間に不和を作り出すが、両岸の矛盾や衝突が戦争レベルにまでエスカレートすることも希望しない。アメリカの真のそろばん勘定はやはり自らの利益である。アメリカがこの地域に危険を作り出し、「中国人が中国人を打撃する」ことを挑発するのは、その膨大な6,000億アメリカドルの軍事費支出のために名目を探すためである。

対台湾兵器販売は中国大陸を激怒させるだけでなく、島内有識者の反発も引き起こしている。台湾の両岸平和発展フォーラム呼びかけ人で労働党主席の呉栄元は17日声明を発表し、アメリカの対台湾兵器販売は、台湾がさらに一歩米日安全保障軍事同盟の作業の中に納入され、中国大陸の平和的発展を抑止することを迫り、両岸の対立構造を形成し、全ての中国人、両岸関係の平和的発展を支持する民衆は、これに対しこぞって厳粛に対峙し、強烈な反対を提出する必要がある、と指摘した。

香港中評ネットの文章は、これまでアメリカの対台湾兵器販売の後で、中米の軍事的行き来はしばしば中断した、と考える。2007年から2011年までの間、両軍の上層部の相互訪問は2回アメリカの対台湾兵器販売が原因で「凍結」された。2011年以後、米中軍事交流はまたアメリカの対台湾兵器販売が原因である程度スローダウンしたが、決して完全に中断はせず、その後はさらに持続、安定、実務的発展の趨勢を呈している。今回の対台湾兵器販売が中米の軍事的行き来に影響するか否か、人々は刮目して待つ。

周志傑は、中国大陸は一方において抗議を提出し、もう一方で台湾に対し兵器を販売する兵器商を制裁すると宣言もしており、これは民進党の蔡英文がもし政権についたら、将来的に兵器購入が強化される可能性に着眼したものに違いない、と考える。これは事前に大陸の立場と態度を回答しかつ伝達するものである。

(頑住吉注:これより3ページ目)

価格が空しく高いが一体引き合うのか否か?

ある人は帳尻を計算した。今回の兵器販売の象徴的武器であるペリー級護衛艦は1970年代の骨董品で、すでにアメリカ海軍から全部退役し、アメリカはかつてトルコ、タイに無償贈与した。もし今回台湾に販売される中古品の「比較的新しい」ものでさえ1984年に進水している。この艦は研究開発当初建造コストを4,500万アメリカドル以内に制御することが要求されたが、この2隻の就役してすでに30年を超える艦船は、何と台湾に1.9億アメリカドルという天文学的価格を要求している。

アメリカの台湾に対する兵器販売が多くの台湾人によって「凱子兵器購入」(頑住吉注:「凱子」は「みつぐ君」に近い意味みたいです)と呼ばれるのも不思議ではない。その意味はアメリカが台湾を「愚かだが金持ちのカモ」としていることを指す。何故なら対台湾兵器販売は台湾にとってもつじつまの合わない勘定だからである。台湾は本来兵器購入の資金を、島内民衆に継続して重い経済的負担を背負わせるのではなく、経済の促進、民生の改善に用いることができるのである。

呉栄元は、アメリカの台湾に対する兵器販売は台湾社会に対する最も直接的な傷害であり、台湾の財政予算をアメリカの兵器商人の口の中のひとかたまりの大きな肉に変え、台湾が毎年中国大陸から獲得する大量の利ざやを真に一般庶民に用いることができなくさせる、と語る。アメリカの台湾に対する兵器販売の結果は現在の台湾の財政的に困窮した局面をさらに悪化させ、人民の生活を改善する財政資源を外部に流出させて空しく消耗させ、台湾民衆の生活や福祉に全く益がない。

日本の「外交学者」はアメリカの対台湾兵器販売を評論し次のように語った。台湾海両岸の軍事的バランスは現実には大陸が空中で圧倒的に台湾に勝り、台湾には自らの獲得した空中の優勢に頼るチャンスがない。ならば、台湾軍は兵器購入に頼ってこの種のの優勢を獲得できるのだろうか? 答えは明らかにノーである。呉栄元は、「保護費」も実際の役に立たない以上、台湾当局と社会各界はアメリカからの兵器購入停止の共通認識を形成し、兵器購入予算を人民の生活を改善する社会政策の実行に用いるべきであり、これには解決が迫られる年金、健康保険、高齢者などの財務問題が含まれる。


 台湾としては大陸の脅威が高まっている以上高くても買わざるを得ないわけですし、最新設備を使ってグレードアップした艦の価格が高いのもやむを得ないんでしょうけどね。















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