ロシア製SR-2Mサブマシンガン その2

 続きです。

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9mmx21系列拳銃弾薬の最大のメリットはサイズが適度で、拳銃とサブマシンガンで汎用できることである。だが、この寸法の弾薬は決して初めての出現ではなく、その前にイスラエルのIMI社がもう9mmx21民間用弾薬を研究開発していた。民間の射手と軍隊に普通の9mmパラベラム拳銃弾薬に比べ威力が大きいが、寸法の増加は顕著でない新型弾薬を提供することを企図したものだった。IMIの新弾薬は薬莢をやや延長し、装薬の量を増加させていた。依然伝統的な構造の弾頭を使用しているせいで、この弾薬の実際の性能は決して出色のものではなく、使用分野も充分に広くはなく、最終的に同社の41AE拳銃弾薬同様、民間市場のあだ花的な通りすがりとなった。中央精密機械科学院がこれを参考にしたのか否かに関しては知り得ないが、両者の薬莢の寸法は確かに非常に似ている。ロシア人の新たな弾薬の最大の優勢は全く新しい構造の弾頭を採用したことで、これによりもたらされる出色の総合性能は、最終的にそれを新たな成功した弾薬の種類にならせた。

 説明を必要とするのは、この種の弾頭構造は7N29に初めて出現したわけではなく、より早く研究開発に成功した9mmx19 7N21拳銃弾薬にだった、ということである。7N21は普通の9mmパラベラム弾薬の威力を向上させるために設計されたもので、発射薬量がより多く、このためチャンバープレッシャーが高めで、アメリカの「+P+」の水準に到達していた。7N29のスチールコア弾は7N21の弾頭設計をそのまま用いているが、薬莢の長さが21mmに改められ、より高い威力を保持するのと同時にチャンバープレッシャーを下げていた。7N29の薬莢と弾頭のジャケットはいずれも両面を銅でカバーした鋼板をプレス加工してできており、リムレスのストレート薬莢とベルダンプライマーを使用する。この弾薬に使用される弧形フラットトップ弾頭は弾薬全体の最大のハイライトで、その構造はやはり3ピース式設計に属し、ジャケット、ポリエチレンライナーとスチールコアからなる。鉛を含まないため、エコな弾頭と評価できる。一般的な後部をすぼめるスチールコア弾頭とは異なり、この弾頭は前の口をすぼめる設計を採用し、スチールコアの先端部はジャケット前端に暴露している。その鋼芯は弧型で底と先端が平らな円柱形だが、用いられる材料は普通のスチールコア弾が使用するソフトスチールではなく、熱処理を経たハードスチールコアであり、もってハードターゲットを貫通する時にスチールコアの変形を減らし、貫通力を高めるのに便とする。スチールコアの外周とジャケットの間に裏打ちされるポリエチレンジャケットは一般の3ピース式弾頭の中の鉛ジャケットの作用に相当し、スチールコアとジャケットの結合を緊密にさせることができ、かつ弾頭がライフリング内を圧迫されながら進む時の圧力を軽減し、ライフリングの摩耗による損傷を軽減することができる。スチールコアのジャケット外部に暴露した部分は黒色の密封塗料が塗られ、さびの発生を防止しかつ水分などの雑物質がスチールコアとジャケットの間の間隙内に進入するのを阻止する。

この種のスチールコアが外部に露出した前をすぼめる弾頭は、スチールコアが最も先に目標に衝突するため、普通の3ピース式弾頭のスチールコアがジャケットと鉛ジャケットを貫通する時のエネルギー消耗を減少させており、貫通能力を高めることができる。同時にスチールコアのフラットトップ設計は小さな角度で着弾した時に跳弾が発生するのを防止できる。この弾頭はソフトターゲット貫通時にスチールコアが変形しないが、前がすぼめられたジャケットの縁は抵抗を受けるためめくれて開き、弾頭の直径は貫通過程の中で徐々に拡大し、このため弾頭のソフトターゲットに対する停止作用を非常に大きく高める。この弾薬は70m以内で4mm厚の合金鋼板に対する100%の貫通実現を保障でき、この威力は一般の拳銃弾薬では望んでも及ばない。近距離内での停止作用もベルギーの5.7mmx28弾薬やドイツの4.6mmx30弾薬と比べものにならない。

SR-2からSR-2Mまで

性能がずば抜けた新弾薬ができたため、ロシア人の考える新型兵個人自衛武器(当然名称上は依然「サブマシンガン」と呼ぶ)の研究開発作業は相対的に言って順風満帆というべきだった。新たな銃の主要な技術指標はロシア連邦安全局によって提出され、体積、重量ができる限り小さいことが要求され、同時に火力は猛烈で、精度が高い必要があった。9mmx21新弾薬の威力は比較的大きかったため、新たな銃がもし伝統的なストレートブローバック原理を採用したら、ボルトの重量を増加することが必須となり、銃全体の体積、重量をコントロールすることが非常に難しいだけでなく、同時に重量が加えられたボルトは運動する時に振動をもたらし、射撃精度を保証できなくさせる。このため、最初から中央精密機械科学院はこの構造を放棄し、合わせて放棄されたものにはロシアではこれまでずっと採用されることが非常に少ないディレードブローバック原理があった。

ロシア人は最も時間と労力を省く方案を選択した。新たな銃の作動原理と基本構造は中央精密機械科学院が以前に研究開発したVSS消音スナイパーライフルのそれをそのまま使った。VSSはガスオペレーション式自動原理、ボルト回転閉鎖を採用したセミオート銃器で、そのレシーバーはことのほか小さく精巧に設計され、このためその構造模式をそのまま用いて発射方式が選択できるミニサブマシンガンを設計することは完全に実行可能だった。最も早い設計見取り図はVSSを基礎に直接改良され、元々あった消音器が取り消され、バレルとレシーバーとボルトが短縮され、もってより短い9mmx21弾薬の発射に便とした。同時にハンドガードを新規設計し、固定ストックを金属プレス折りたたみストックに改め、この他さらに後方に向かって傾斜したダブルカアラムダブルフィードボックスストレートマガジンを採用した。だがこの設計は決してサンプル銃に転化されず、主要な原因はこの方案がハイライトに欠け、新たな弾薬を用いるよう改めた縮小版VSSでしかないことだった。全体レイアウトは普通のサブマシンガンとあまり大きな差異はなく、特にそのマガジンの位置はグリップ前方に位置し、片手射撃に適さなかった。

新たな設計は目的性を持った改修が行われ、グリップをマガジンハウジングと一体化し、トリガーをマガジンの前方に移動し、同時にハンドガードの形状を変更し、両手で銃を持つのに便とし、ストックはアメリカのM3サブマシンガンに似たスチールワイヤーを折り曲げた伸縮ストックに改められ、収縮するとちょうどレシーバー尾部に位置した。このUZIやMP169に似たマガジンとグリップを一体化したサブマシンガンの設計レイアウトのメリットは、銃全体の長さを非常に大きく短縮し、マガジン交換に便利で、比較的片手射撃に適することだった。SR-2サブマシンガンの全体レイアウト模式はこれにより最終決定した。

最初のSR-2サンプル銃の構造配置は大体においてVSS消音スナイパーライフルと同じだったが、セレクターが追加され、もってセミ・フルオート射撃を実現し、ハンドガードは木製で上下ツーピースの様式で、グリップはトリガーガードと一体構造に設計され、プラスチック製だった。発射機構はロアレシーバーのグリップ後方に位置し、レシーバー左側にはセレクターレバーがあり、右側にはセーフティレバーがあり、後者はAKの様式に似、セーフティ位置まで上向きに押した時はコッキングレバーのスリットをカバーでき、防塵蓋の作用を果たした。コッキングハンドルとエジェクションポートはいずれもレシーバー右側に位置した。機械照準具を使用し、リアサイトはレシーバーカバー尾部に取り付けられ、ウィング状のガードがあった。











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