中国から見た韓国の新戦闘機KF-X

 殲-20を開発中の中国から見た韓国新戦闘機KF-Xの評価です。

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志は高く命は薄く 韓国のKF-Xステルス戦闘機を簡単に分析

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「KF-X 02の模型。この機が機載兵器の外部吊り下げを採用していることに注意。これは非ステルス状態のモデルにちがいない」)

最近ある情報が、韓国がF-35の価格が何度も上昇するため、改めて韓国戦闘機計画、KFXを始動する可能性があると表明した、と指摘した。もし情報が事実に属せば、これは殲-20、心神に次ぎアジアで研究開発される第3のステルス作戦航空機ということになる。

だが筆者は韓国がこの飛行機を研究開発できるか否かに対し態度を保留する。韓国にはステルス機を研究開発する充分な経済、技術的実力がなく、またステルス技術はアメリカが輸出を禁止するカギとなる重要技術でもあり、このため最終的に韓国はやはり日本同様現実を受け入れ、F-35を購入する。

私たちは韓国がアメリカが一手に育て上げた同盟国であることを知っている。韓国軍の武器装備もアメリカ製武器がメインである。実際のところ韓国軍が自主指揮権を持ったのも今世紀のことで、1980年代、韓国経済の急速な発展、総合国力の増強につれ、韓国も自ら武器装備を「研究開発」する試みを開始した。そして相前後してK1系列メインバトルタンク、KDX駆逐艦を含む多くの機種の高度技術武器装備を研究開発した。だが航空工業領域の発展はずっと遅く、韓国航空工業は1970年代より前はずっと本国の軍民飛行機の維持メンテナンスや修理作業のみを担当していた。1970年代になってやっとアメリカの会社の権利を与えられることにより小型飛行機やヘリコプターを組み立てた。1980年、当時の韓国空軍はアメリカのF-5E/F戦闘機を導入していたが、双方の協議に基づき、韓国はF-5E/F戦闘機の組み立てを開始し、韓国が「自ら」戦闘機を生産する能力を具備したことを示した。1990年代に入って、韓国航空工業の発展は加速し始め、国際航空工業の分業に積極的に参与し始めた。いくつかの民間機の部品を下請生産し、世界の航空製造市場に極力参入しようとした。本国航空工業の発展を支持するため、韓国は空軍がF-16戦闘機を導入する際にこれを利用し、アメリカとライセンスによる組み立て生産の協議を成立させた。協議に基づき、韓国はまず12機の完成機を購入し、その後アメリカが提供したバラの部品を使って36機を組み立てた。最後には自ら72機を生産した。努力を経て、韓国は最終的にF-16C/D戦闘機の機体の70%、電子設備の40〜50%の国産化を実現した。F-100-PW-229エンジンの43%の部品も韓国によって製造された。これは韓国の航空製造の水準、生産能力に質的飛躍をもたらした。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「韓国空軍のKF-16戦闘機」)

新世紀に入り韓国航空工業は発展を続けた。本国の航空工業の発展を加速するため、韓国は各企業集団に分散していた航空企業を韓国航空宇宙工業社(KAI)に統合した。同時に国内の科研機構、施設に対する投資を強化し、航空工業の基本的枠組をひとまず形成した。そして相前後してKT-1、T-50/A-50練習機/攻撃機などの飛行機を研究開発した。しかも無人機、ヘリコプター、推進システム、ナビゲーションおよび航空電子システム領域の研究に展開した。目下韓国航空工業はすでに、先進的戦闘機、小型攻撃機、練習機、小、中型ヘリコプター、航空エンジン、部分的航空電子設備の一部研究開発、生産能力を具備している。だが韓国航空工業は他の韓国の国家安全保証業務同様、基礎が薄弱、大型工程研究開発能力の欠乏など先天的な不足が存在し、いくつかのカギとなる重要技術とシステムも国外のメーカーに深刻に依存している。例えばT-50がKAIとロッキード・マーティンの共同研究開発とはよく言ったものだが、T-50の大部分の構造がF-16と同じであるという点から見て、実際上はやはりロッキード・マーティンが代筆し、KAIはせいぜい下働きだけだった。同時にこの機が使用するエンジンはアメリカのゼネラルエレクトリックのF404、レーダーはイスラエル由来である。KAIのこのプロジェクトの中での作用はその他のプロジェクト同様、こうした設備を組み立てるだけだったかもしれない。これは韓国武器装備の共通の特色でもあり、このような背景の下、アメリカ人の助けがない状況下で韓国がKF-Xを研究開発できるというのは信じ難い。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「T-50は実際上ロッキード・マーティンによる代筆である」 「T」はトレーニングのTなんでしょうが、最近ロシアが開発しているT-50戦闘機と混同しそうな名前ですね)

KF-16計画が最終段階に入るにつれ、韓国はいかにしてさらに一歩自分たちの航空工業を発展させるか考慮し始めた。先進作戦航空機を自ら研究開発することは明らかに最もよい方法だった。2001年、韓国は正式に新世代ステルス作戦航空機を研究開発し、韓国空軍のすでに旧式化したF-4EおよびF-5Eに取って代わらせると発表した。この機はラファール、タイフーンと第4世代作戦航空機の間であると描写され、ステルス能力を増強した第4世代半戦闘機と見ることができる。2005年、韓国はKF-Xの風洞模型と画像を公開した。画像から見て、KF-Xには2種の構造型があり、KF-X 01とKF-X 02である。前者は通常レイアウトを採用し、F-22に類似している。一方後者はエンテ式レイアウトを採用しており、我が国の殲-20に近い。2種の飛行機のサイズはフランスのラファールと大差なく、全長は14m前後、全幅10m、双発を採用し、総推力は18トンである。筆者はこの2種の方案は実際上韓国の2種の技術の出所を代表していると考える。韓国自身には高性能戦闘機を研究開発する能力と基礎が欠乏しており、「持ってくる」主義を取って国外の既存の方案を持ってきて自分のために使うしかない。前者はアメリカメーカーの提出した方案を代表しており、主にT-50スタイルでもある。だがT-50と異なるのはKF-Xがステルス技術を採用していることである。ステルス技術はアメリカが空中における優勢、あるいは戦争における優勢を維持するカギであり基礎である。絶対に外部に譲り渡すことはなく、NATO同盟国でさえ例外ではない。日本は心神ステルス検証機を発展させ、アメリカの関係施設の使用を望んだが、それでもアメリカに拒絶された。ということで韓国も同様にアメリカのステルス技術譲り渡し許可を手にすることは不可能である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「KF-X 01方案。通常空力レイアウトを採用している。」)

アメリカを除けば、韓国の技術の出所はヨーロッパしかない。ヨーロッパ諸国はステルス技術においてアメリカに遜色があるが、一定の水準を具備してもおり、関係領域に比較的深入りした研究の経験がある。実際日本の心神ステルス検証機の関係する試験もフランスで行われている。それではKF-X 02の技術の出所はどこなのか? 関係する紹介がスウェーデンのサーブ社に出現していることから見て、この機の技術はサーブ社のFS2020ステルス戦闘機計画と一定の関係があるのかもしれない。FS2020はサーブ社がJAS-39戦闘機(頑住吉注:サーブ39グリペン)の後継機市場を狙って研究開発した新世代ステルス戦闘機である。2010年の韓国によるKF-X確定は新世紀韓国航空工業の2大重点工程の1つで、もう1つは韓国攻撃ヘリコプター計画である。このようなステルス戦闘機の研究開発に必要な経済、技術はすでに韓国の実力を超えているため、韓国はずっと協力のパートナーを探していた。談判を経て韓国はインドネシアとも協議を成立させ、インドネシアがKF-X共同研究開発に出資したので、対応する計画の名称もKF-X、IF-X計画と改められ、この他トルコもこの計画に一定の興味を持っている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「KF-X 02はスウェーデンのFS2020と一定の技術的つながりがあるのかもしれない。」 これはサーブ2020のイラストです。 http://www.defence.pk/forums/air-warfare/118265-swedish-stealth-fighter-concept-fs-2020-a.html )

我が国のネット仲間がKF-X 02方案を見ての第1の反応は、我が国の殲-20に実によく似ている、というものだと信じる。殲-20のあのトレードマークとも言うべきの上反角のついたエンテ翼もKF-X 02に一部体現されており、筆者はこの設計は、韓国人にはKF-Xのステルス性に対する一定の要求がやはりある、ということをはっきり表していると考える。FS2020の設計では、エンテ翼は主翼より高い位置にある。エンテ式レイアウトの原理は前翼が生じさせた渦が主翼上の気流の補充を行い、したがって分離が遅延され、揚力向上の目的が達成されるというものである。このようにすれば渦を生成、強化させるために一定の空間が必要になる。エンテ翼が主翼より高く位置することは両者の距離を明確に大きくする。だがこのようにすることの欠点は飛行機のRCS(頑住吉注:レーダー反射断面積)を増加することである。これはエンテ翼が一層の反射面を増やすからだけでなく、レーダーの電波がエンテ翼と主翼の間で複数回の反射を起こし、さらに一歩飛行機のRCSを増加させるからである。もしステルス性のためにエンテ翼を機体とフラットにすれば、渦の生成と強さが低下する。このような状況下ではエンテ翼にも上反角をつけてできる限りエンテ翼と主翼を平行にし、同時にできる限りエンテ翼と主翼の距離を大きくする。このような設計は飛行機がステルス性と機動性を合わせ配慮することをはっきり示しているからである(頑住吉注:私にはちょっと難しすぎて、黄色字部分は訳が間違っている可能性が高いです)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「KF-X02のエンテ翼に上反角がついていることに注意」)

だが詳細に観察するとKF-Xのレイアウトは殲-20とやはり一定の差異がある。殲-20のエンテ翼は後退翼であり、一方KF-Xはデルタ翼である。この設計はエンテ式飛行機の1つの欠点に関わる。前翼は主翼の上を流れる気流の中にあるので、仰角が大きい状態では失速の問題があり、このため飛行機の操縦とバランスに影響する。このためエンテ翼の機能を保証する範囲でできる限り面積を減らす必要があり、もって失速を緩和する。KF-Xの設計はエンテ翼自体の面積には限りがあることを考慮し、もしさらに縮小すれば渦の発生と強化に影響する可能性があり、このためこの問題で妥協を行ったものかもしれない。だがKF-Xの主翼は殲-20と比較的似ており、いずれも前縁が後退し後縁が前進した、端部を切った形のデルタ翼である。この設計は飛行機のアスペクト比を減少し、飛行機の造波抵抗を低下させ、したがって飛行機の超音速迎撃能力を向上させる助けになる。これはKF-Xが防空迎撃能力を比較的重視していることをはっきり表している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲-20のエンテ翼の上反角」)

エンテ翼と主翼の平行も1つのステルス設計原理、すなわち波束コントロールに関わる。波束コントロールで最も基本的な要求は、機体の主要なエッジが平行であるべきことだ。こうすれば照射されるレーダーの電波を、限られたいくつかの反射角度に集中させることができ、すると相手方のレーダーが受け取る電波を弱めることができ、レーダー上でちらつく信号に過ぎなくなり、容易には識別できなくなる。これはステルス機の外形の1つの最も基本的な特徴でもある。最もはっきりした例はF-22の機体の辺条(頑住吉注:やっと発見しました。「ストレーキ」と呼ぶようです)、主翼、尾翼のエッジが平行なことに他ならない。一方F-35の機体のストレーキは前進角がついており、これではこの機のステルス能力は直ちにはっきりF-22より低くなる。関係する画像から見て、KF-Xの前翼と機体のストレーキは一体化し、前翼と主翼の前後のラインは平行であり、比較的良好なステルス効果が達成できる。この他KF-X 02はその他のステルス設計を包括しており、菱形の機体とV字型の尾翼で、こうすれば側面のレーダー電波を逸らすことができる。この他空気取り入れルートはF-22相当の莢特(頑住吉注:意味不明です)を加えた空気取り入れ口とS字型空気取り入れルートを採用しているようで、正面から照射されるレーダー電波がエンジンを直接照射することが避けられている。全体的に見てKF-Xのステルス能力はやはり比較的高いレベルに到達し得ている。当然この前提はもし研究開発できたらの話であるが。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-22の主要なエッジは平行で、波束コントロールの概念を体現している」)

韓国もインドネシアも、またスウェーデンさえ航空電子システム、エンジンの研究開発能力はない。韓国空軍は大量のアメリカ製武器、特にAIM-120アクティブレーダー管制誘導空対空ミサイルを在庫しているが、アメリカは絶対に国外向けにAIM-120発射プログラムのオリジナルコードを提供することはなく、もってAIM-120の発射パターンが外部に漏れるのを防止している。このことを考えると、筆者はKF-Xはこうしたカギとなる重要システムにおいてやはりアメリカに頼る必要があると考える。現在見たところではKF-Xの航空電子システムはまだ確定していない。韓国は大雑把な描写を行っているだけで、これには機載アクティブフェイズドアレイレーダー、赤外線捜索・追跡システムの採用が含まれる。同時に韓国人の描写によれば、KF-Xは韓国初のネットワーク戦能力を持つ戦闘機になり、データチェーンを通じてF-15KおよびE-737早期警戒機と連合ネットワーク作戦システムを形成できるものになろう。その他の国、例えばインドネシアが大量に使用しているのがロシア性の武器、例えばR-77アクティブレーダー管制誘導空対空ミサイルであることを考えれば、IF-Xが使用するのはロシアの航空電子システムかもしれない。ステルス性に関する要求を考慮し、第4世代作戦機の機載兵器は弾薬コンパートメント化が実現され、もって飛行機のRCSを低下させる。だがKF-Xの機体の空間は限られ、相応の弾薬コンパートメントも比較的限られている。これではこの機の機内に収納しての弾薬搭載能力は制限される。筆者はKF-Xのステルス状態における空戦配備は2長、2短かもしれないと考える(頑住吉注:意味不明です。長距離ミサイル2発、近距離ミサイル2発とか?)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-35の空気取り入れルートに前進角がついていることに注意。主要なエッジの平行化はなされていない。」)

航空電子に比べ、KF-Xのエンジンの選択肢はずっと多いかもしれない。選択可能なものとしてはアメリカのF414、ヨーロッパのEJ2000およびM88系列がある。これらのエンジンの新改良型の双発での総推力は20トン近く、あるいはそれを超える。KF-Xの使用要求を満足させられるだけでなく、将来のグレードアップのために一定の余裕があらかじめ留保されるが、これはKF-Xが超音速巡航能力を持たないことをも意味している。この他機体のスペースが限られ、加えて内部弾薬コンパートメントがあり、KF-Xの内部燃料搭載能力は人をして楽観視させない。増加タンクを外部に吊り下げない状況下では、その燃料搭載係数は明らかに低く、一種の「ステルス性を持つ飛行場の囲い」の公算が高い(頑住吉注:意味不明です。燃料切れが怖くてうっかり飛べない、というようなことでしょうか)。このことから我々は、KF-Xはミグ-29に似た戦闘機であり、防空迎撃をメインとし、制空、対地攻撃にも合わせ配慮する多用途作戦機であると見て取ることができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「KF-X 02は新世代の囲いとなろう」)

韓国空軍の計画によれば、KF-Xは2018年に引き渡され使用される。韓国空軍は120〜150機程度を購入する予定で、インドネシア空軍は50機を必要とするが、関係国はいずれも必要な経済、技術的実力が乏しく、最終的にKF-Xの研究開発を成功させられるか否かはやはり未知数である。もし研究開発できても、F-35に直面すればハイエンド市場においても何ら競争力はなく、大量のアメリカ製システムの運用はこの機をローエンドあるいはその他のいくつかのF-35を購入できない国々の市場に進出できなくさせる(頑住吉注:多くのアメリカ製システムを使用するとあまり安価にはできない、ということでしょうか、それとも秘密が漏れるのを嫌ってアメリカが売らせない、ということでしょうか)。このためこのプロジェクトに対し、韓国人自身も楽観視していない。彼ら自身の評価によれば、KF-Xには100億アメリカドルの投資が必要とされ、収益はおおよそ30億アメリカドルに過ぎず、これでは対費用効果がまったくもって低い。

このため筆者はKF-Xはむしろ韓国による本国航空工業発展に向けた努力と見られると思う。この機が「志は高く命は薄く」の運命から逃れられるかはやはり観察を待つ必要がある。だが1点肯定できることがある。それは韓国空軍が日本の空自に続いてF-35の値上がりにつながる注文を行うだろうことである(頑住吉注:少なくともKF-Xの装備だけで済み、F-35を買わなくて済むという可能性はない、と言っているんでしょう)。


 どうも最近の過剰な自信と表裏一体の、「韓国人に自分でステルス戦闘機が開発できるものか」という蔑視が感じられますな。国力に圧倒的な差があるのは言うまでもないですが、技術面で韓国より中国の方がずっと上だとも思えないんですが。











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