中国と周辺の国と地域との関係3題

 まずシンガポール軍の台湾、大陸との関係に関する記事です。

http://military.china.com/news2/569/20141106/18934604.html


シンガポール軍、大陸に赴いて訓練 台湾メディア:台湾に対する挑発の意味がはなはだ濃い

【グローバル軍事報道】 台湾がシンガポール軍に演習・訓練の場所と協力・援助を提供する「星光計画」はすでに実行されて40年の長きにわたるが、台湾は現在すでにシンガポール軍の海外演習・訓練の唯一の選択肢ではない。台湾の「自由時報」は5日に台湾軍上層の当局者の話を引用し、シンガポールは11月2日、70人の部隊を中国大陸に派遣し、かつ南京軍区の解放軍部隊と合同訓練を行った、とした。

「自由時報」の報道は、中国大陸とシンガポールの今回の合同軍事訓練のテーマは「歩兵中隊山地合同戦闘行動」で、双方はそれぞれ70人の中隊級部隊を派遣して訓練に参加させ、合同訓練はすでに今月2日に開始され、期間は8日である、とする。双方の部隊は「合同訓練、共同指揮、肩を並べて作戦」の方式を取り、「これは解放軍南京軍区初の中隊を単位とし、外国の軍隊と行う合同訓練でもある。」 報道は、シンガポールは1975年から毎年「星光計画」に基づいて陸海空部隊を台湾に行かせて演習・訓練あるいは合同訓練を行っているが、大陸は近年来不断にシンガポールに向け手招きし、何度も海南島などの地域を無償提供し、シンガポール軍に海外演習・訓練を行わせたいと表明してきたが、アメリカの関与の下に決して決定には至らなかった。2009年および2010年、シンガポール軍はかつて2度対テロ治安維持任務を担当する陸軍の小グループを派遣して広州に行かせて大陸と対テロ安全保障合同訓練を行ったが、今回は性質が全く異なり、シンガポールが初めて中隊級の正規部隊を派遣して正規の軍事作戦訓練を行うものである。台湾軍の上層部の人物はさらに、シンガポール軍は今年中国大陸と接触が頻繁で、4月および8月にそれぞれ両国海軍の軍事交流活動があり、さらにシンガポール陸軍は9月中隊級部隊を派遣して南京軍区に行かせ合同訓練を行っており(頑住吉注:じゃ初めてじゃないですわな)、「この一連の行動には、確かに尋常ならざる味がある。」とした。

こうした状況に対し、台湾「国防省」は、解放軍とシンガポール部隊が最近中国大陸で合同訓練を行っていることに関し、「国防省」はいずれも訓練の項目と関連の詳しい状況を有効に掌握できるが、コメントはしない、とした。一部の島内世論は、解放軍の南京軍区は対台湾作戦を担当する軍事単位であり、大陸が長期にわたり台湾と軍事協力を行ってきたシンガポール部隊を南京軍区に引き込んで合同訓練を行うのは「台湾に対する挑発の意味が相当に濃厚である」と考える。この挙がシンガポールの「星光計画」の協力対象が将来台湾から大陸に転じることを意味するのか否かに対しある台湾軍上層部の人物は、現在台湾とシンガポールの間の軍事協力計画に決して改変はなく、シンガポール軍人は依然台湾での演習・訓練を維持しているが、シンガポールの最新の挙動に対し、軍はこれが個別の案件であるが、やはり中国・シンガポール双方の常態的性質の協力・訓練であると深く理解している、とする。

何度もアジア安全保障フォーラム(すなわちシャングリラ対話)に参加したシンガポール南洋理工大学国際関係学院准教授の李明江は5日「グローバル時報」のインタビューを受けた時、シンガポールの武装部隊が長期にわたり台湾で山地作戦訓練を行っているのは歴史的原因が形成したものであるが、中国大陸とシンガポールの最近の軍事演習は双方の軍事演習で、「これは初めての演習ではなく、規模は非常に小さく、何の秘密とも評価されない。」とした。 李明江は、台湾の心配は全く必要がなく、シンガポールは台湾における訓練場所と訓練施設を放棄する必要は決してなく、「星光計画」が大陸に持っていかれることは有り得ない、と考える。彼は、大陸とシンガポールの政治および経済上の往来は密接だが、軍事交流には限りがあり、今回の小規模軍事演習は実は1つの新たな試みで、「象徴的意義が実際の意義より大きく」、大陸と東南アジア諸国の軍事交流強化の一部分でもあり、「いかなる地域に向けられたものでも挑発するものでもない」、と語る。

台湾の「グローバル防衛」誌のベテラン編集者陳国明は「グローバル時報」に、シンガポールは「八方美人」の道に精通しており、ずっと各種の多国間あるいは二国間合同軍事演習への参加に熱中し、この前は台湾南部の山地で訓練を行い、今回は70人の部隊を派遣して南京軍区に行かせて合同演習させ、これは大陸に行って見てみようというもので、何故なら大陸の地理的条件は台湾に比べずっと優越し、海の島での演習および山地、砂漠の演習など各種条件を具備しているからだ、と教えた。彼は、将来シンガポールと大陸がより深い軍事演習を行う可能性もあり、シンガポールは国土が狭小で、戦略的縦深が欠乏し、今までずっとその他の地域と軍事演習を行う伝統を持つからなおさらで、「第三者が四の五の言うのもよろしくない」、と考える。【グローバル時報駐台北特約記者 林曦 本報記者 屠麗美】


 「大陸と東南アジア諸国の軍事交流強化の一部分」であるのは確からしいので、全体的動きとしてはやはり安心しているわけにもいかないようです。

 次はフィリピン・中国関係です。

http://mil.chinaso.com/detail/20141031/1000200032732801414743915014534413_1.html


フィリピンメディア:中国の卓越した地位を受け入れるべき 中国に対し暴力による対抗を挑発するなかれ

フィリピンの「マニラ時報」10月30日の文章 原題:「フィリピンは中国との関係の推進が必須」

元大使ロベルト ロメロ(かつてフィリピン外務大臣の任にあった・編者注)は29日、中国が勃興し経済のスーパークラスの巨星となることは不可避であり、このためフィリピンは速やかに、西フィリピン海(南海)の争いが原因で悪化し中断している北京との関係を回復、甚だしきに至っては強化することが必須である、と語った。

ロメロは、フィリピンの指導者は中国の卓越した地位を受け入れるべきである、とする。彼はマカティに位置するデュシットラグーナホテルで行われたフィリピン・中国商業フォーラムで次のように言った。「何故我々は努力して我々の関係を正常化するべきなのか? それは(中国の勃興が)我々が受け入れざるを得ない現実だからである。(このため)接触と相互の適応が不可避なのだ。」

外交領域の専門家であるロメロはさらに次のように言った。中国は急速に勃興し全世界経済のスーパークラスの大国となり、フィリピンの「経済福祉」に影響している。フィリピン政府には国際仲裁を探求する権利があるが、このようにすればさらに一歩両国の本来すでに悪化している関係に損害を与えるだけだろう。たとえ商業的関係と民衆の交流は継続しても、中国政府がフィリピンと関係がある商業プロジェクトを掌握コントロールするたびに、フィリピンに対し不利な措置を取るだろう。

ロメロは、2012年にスカーボロ浅瀬(すなわち中国の黄岩島・編者注)の対峙事件のために争いが始まって以来、フィリピン経済は影響を受けている、と考える。両国の貿易の発展は減速し、元々計画されていた大規模投資は中国のフィリピンに対する制裁ゆえに、喪失するか「忘れられる」かである。こうした争いは一定程度上フィリピン経済の成長速度減速をもたらしている。

この元大使はさらに、中国に対し暴力による対抗あるいは挑発行動を採ってはならないと注意を促す。例えばアキノ大統領はEUが北京の九段線原則に対し反対する自分の立場を支持するよう図っている。彼は、中国は絶対に海上の争いとフィリピンに対する関係その他の方面を分けることはなく、領土主張問題で退却することもない、と語る。このため、仲裁プロセスにはきりがないだろう。何故なら中国が簡単に譲歩することはないだろうからである。

ロメロは語る。「我々はいかにすれば妥協の環境をやっと創造することができるのか? 第一歩としては異なる主権の要求を生み出す問題をはっきりさせ、(中国の)動力を理解することだ。」 中国は西フィリピン海に2大利益を有する。すなわち、エネルギー源獲得と戦略的関心である。経済成長のため、中国は「切迫して家の門の石油を獲得することを必要としている。」 戦略的関心方面では彼は説明し、中国は融通無碍に太平洋とインド洋に進入したがっており、これに対しフィリピンは、中国において「高揚した感情と愛国主義の熱情を刺激して引き起こす」のではなく、当然同情すべきである、と語る。

ロメロは、フィリピン政府がアメリカに助けを求めるやり方は事情を「さらに複雑」に変えるだけだろう、と指摘する。もっと前、中国人は主権問題を棚上げし、海洋資源を共同で開発することを提案した。主権主張国はこの方向に向かって努力し、地域の平和と安定の維持保護という角度から海上の協力を行うべきである。


 フィリピンの置かれた立場は日本とよく似ている面が多く、日本にもこういう主張をする人はいますね。私はフィリピンの国際仲裁手続きには非常に期待していますが。

 次はインドとの関係です。

http://military.china.com/news2/569/20141106/18935468.html


インド、インド洋を「インドの洋」と見なす:中国艦艇に過度に敏感

人民ネット北京11月5日電:「インド時報」の最近の報道によれば、インドは「中国の潜水艦がスリランカに停泊」した事件に対し強烈な反対意見を持ち、かつスリランカ当局に電話し、「強烈な不満」を表明した。軍事専門家曹衛東は中央テレビのインタビューを受けた時、インドはインド洋を「インドの洋」と見なし、中国の潜水艦の正常な港への停泊と補給がその海軍に対し脅威をもたらすと考えるが、実際にはインドの反応は過敏である、とした。李莉は、中国海軍艦艇の港への停泊、休養整備、補給はインドに対しいかなる影響もなく、インドは過度に敏感である、とした。

中国国防部のある当局者は2日、中国海軍の1隻の通常潜水艦がアデン湾、ソマリア海域で航路護衛任務を執行し、その期間スリランカで技術的性質の停泊を行い、海軍潜水艦が海外の港で休養整備、補給を行うのは世界各国海軍に通用しているやり方である、とした。

軍事専門家李莉は、その他の軍種と異なり、海軍は毎回出航し任務を執行する時間がいつも数カ月の長きにわたり、艦艇が必要とする燃料、および人員が必要とする淡水、食物などは全て停泊して補給する必要がある、と指摘する。しかも、長期的に海上で任務を執行すると、人員は岸に停泊して休養することも必要とし、しかもこの種の停泊はさらに所在国に金を払う必要があり、完全に非軍事行動である。「中国はアメリカのようにどこに行っても自らの補給基地があるわけではない。我々は申請を経て、所在国と双方で一致を達成させ、しかる後に港に停泊して補給を行うのであり、何ら非難できるところはない。」

スリランカはインド洋のすぐ近くで、「インド洋は公共の海域であるにもかかわらず、インドはそれを『インドの洋』と見なし、自らの勢力範囲として画定し、このため中国の潜水艦がスリランカに出現する時、インドは非常に不安になるのだ。」 曹衛東は、中国艦艇が遠海に向かい、海上ルートの公共の安全の維持保護の行動を実行するのは、国際社会の共通の利益を維持保護するためであり、しかも我々の艦艇は公海海域で正常な補給を行い、軍事演習しているわけではなく、インドの反応はいささか過敏である。」と語る。

李莉は、中国艦艇がスリランカの港に停泊して休養整備、補給をすることはインドに対しいかなる影響もなく、インドが過度に敏感なのだ、とする。

(邱越)


 まあ表面的な理屈はそうかもしれないですけど、中国も南シナ海などの国の港にアメリカの潜水艦が停泊したら「いかなる影響もない」とは感じないですわな。



















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