ウクライナ製世界最大の輸送機を中国が生産するとのニュースに続報がないのは

 そもそも必要性があるのかも分かりませんが。ちなみに何故かこの記事もいつものサイトでは削除されたようです。

http://mil.news.sina.com.cn/jssd/2016-12-02/doc-ifxyiayr8806453.shtml


中国・ウクライナのアントノフー225に関する協力には何故後の情報がないのか ウクライナには全く作れない

今年8月30日、ある「驚愕の」国際航空業界の重大ニュースが中国メディアのトップ項目に出現し、「中国はアントノフー225輸送機の所有権を獲得済み」「アントノフー225大型輸送機が間もなく中国に定住」等々の目立つ表題で、このことは国際航空界に非常ないぶかしさを感じさせた。この中の最大の問題は、この譲渡協定に署名したのが見たことも聞いたこともない中国の会社だということだった。にもかかわらずこの決して有名でない会社が、何とウクライナのアントノフ飛行機製造社が譲渡したアントノフー225の所有権を獲得したのであり、甚だしきに至っては飛行機の図面、説明書および関連の知的財産権や将来の生産ラインが含まれた。2019年には第1機目の中国製アントノフー225輸送機が工場を出ることが有望等々と言うメディアさえあった。一時期皆を揃って非常に興奮させた、中国の超大型戦略輸送機問題は解決したのだろうか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「きっと大型機を作ってグローバルな戦略空軍を作り出す必要があるというのはあらゆる人の夢想であり、このためこのような情報が人を興奮させるのは理解できる」)

だがその後、ウクライナの独立系通信社は8月31日にアントノフ社の情報ソースを引用して、これは真実ではない、とした。アントノフ集団もニュース原稿を発表してやはり関連の協力は協議中で、現在アントノフー225輸送機の知的財産権は依然この工場と設計局に属する、とした。だが非常に味わい深いのは、現在までずっとアントノフが依然、この関連の協力の内容および進展状況を説明していないことである。中国がこのようにアントノフー225という、この全世界で最大の輸送機が中国に定住できるのか否かに関心を注ぐのは、これには実は一種「戦略空軍」に対する偏執に近い追求がある。きっと「大型機」「大型輸送機」を作ろう、これは数代の中国航空人および普通の中国民衆が熱く期待してきたところであり、このためこのニュースの出現後、皆の推測を次々引き起こし、トップ項目にも載る結果になったのも理解できる。だが実際には、アントノフー225というこの全世界で唯一の200トン以上の貨物が搭載できるスーパー輸送機は、現在の近況が良いとは決して評価されず、たとえ中国に定住しても、必ずしも想像の中のような非常に大きな作用は発揮できない。しかもウクライナと中国とのアントノフ-225譲渡問題に関してはずっと確定した情報がなく、問題も多方面である。だがこのように反復し人によって「ドタバタ激」のレッテルをも貼られるのには、意外だがその中に多少のやむを得ない事情がある。

ウクライナは譲りたくないわけではなくアントノフ自身さえも新たなアントノフー225を製造できないのである


(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「いわゆる70%完成した第2機目のアントノフー225輸送機。非常に多くの部品がもはやすでに生産されていないため生産回復の難度は極めて高い」)

2015年に始まり、ウクライナメディアは一度、アントノフが第2機目のアントノフー225を組立、生産し得ることを希望している、と報道したことがある。この機はかの赤い帝国の解体前およそ70%の進度まで完成しており(これは当時の「ワリヤーグ」号空母に似ている)その後はアントノフの工場内に留まっている。現在アントノフはそれを大型倉庫内から引き出し、かつクリーニング作業を行っており、改めてそれを組み立て得ることを希望している。一方唯一の1機である、UR-82060として登録されたアントノフー225超大型輸送機は、かつて何度も全世界の航空展および重大輸送任務の中に出現したが、ロシアとウクライナが対峙の状態にある時、将来この唯一のアントノフー225はさらに飛行状態を何年保持できるだろうか? これは非常に大きな疑問で、何故ならロシアから来る部品や技術の支持から離れているからで、アントノフは単独でアントノフー225輸送機を維持保護する能力は全くなく、新たな飛行機を1機製造するのは増してや言うまでもない。

周知の原因により、ここ2年来アントノフ社の人事の変動は非常に大きい(頑住吉注:知らんつーに)。元々の総裁は「ロシアに対し好感を持つ」と考えられているワシーリ ジェプロフだったが、現在ではすでに職務を解除されている。現在就任しているのはアレキサンダー ケチュバで、ほとんど完全に現政府の命令を聞き、このため基本的に何ら良好な友情の基礎を有することも贅沢に望んではならない。しかも、アントノフの設計専門家も社を離れており、大量の熟練技術工も流出している。甚だしきに至ってはアントノフの前任の総裁ワシーリさえである。ジェプロフは2011年にロシアの「衛星ニュースネット」のインタビューを受けた時、率直に「我々が払う賃金は中国が与えるほど高くなく、このため我々は人を引き留められない。しかも、2008年にロシアとウクライナが締結した『共同知的財産権保護協定』を根拠に、旧ロシア時代の知的財産権はアントノフの飛行機、およびその他の旧ロシア時代の武器システムを含め、ウクライナで生産するものは、ウクライナとロシアがこうした財産権を共同所有するものに属し、双方のいかなる一方にも、単独で第三国に販売する権利はない。」とした。

アントノフー225とアントノフー124の設計図面に関しては、旧ロシア時代、全部で2セット存在し、1つはモスクワに置かれ、「中央図面」と呼ばれた。もう1つはキエフに置かれ、「南方図面」と呼ばれた。T-10K3(スホーイー33艦載戦闘機の前身)の修理図面、および「ニトカ」艦載飛行員訓練センターの建築図面はいずれもこのように置かれた。このためでもあるが、中国はウクライナを通じて相応の技術図面を獲得した。同様の原因ゆえにでもあるが、ロシアとウクライナの間では、関連の技術協議はずっと紛糾が絶えない。しかも、現在ロシアとウクライナ双方は、軍事的対峙の状態にあるため、双方の本来の協力は基本的に完全に中止されている。

2016年に始まり、ロシアの部品の支持が欠けているため、アントノフは1機の飛行機さえ製造しておらず、増してやアントノフー225は言うまでもない。(頑住吉注:これ本来はキャプションじゃないかと思います。)

2016年に始まり、アントノフの工場は1機の輸送機も輸出したことはない。これは非常に理解できることで、何故ならアントノフはアントノフー124だろうとアントノフー225といったようなスーパー輸送機だろうと予備部品倉庫が全てロシアにあり、ロシアが現在生産を回復しているアントノフー124の組立ラインは予備部品倉庫の部品を利用して組み立てたものに他ならない。一方ウクライナはたとえアントノフー158中型輸送機や旅客機の脚さえロシアで製造しており、ウクライナの工場の建物内には少なくとも8機が置かれているが、いずれも最終的に生産ラインを降りることはできない。フラップ、貨物室の床板の支持架等々の地味なように見えるものが、実際には非常に重要なカギとなる部品で、いずれもロシアからの輸入を必要とする。ロシアの支持がなくなってしまい、ウクライナはアントノフー158といったような中型機さえ製造できず、全世界で最大のアントノフー225は増してや言うまでもない。ウクライナの手元には1機の機体があるが、それは空箱に過ぎず、多くのアントノフー225が当時全てオーダーメイドした部品は、現在では旧ロシアにはなく、ロシアにもなく、アントノフがアントノフー225を生産するのは全く不可能なのである!

これは何故アントノフが中国の支持(資金、技術などを含む全面的支持)の獲得を希望するのかの理由でもある。これは現代の大型機産業が、相当にシステマチックな工程だからである。皆がしばしば言うエンジンというこの核心部品の他、主翼のメイン構造、主翼の可動翼面はいずれも1つの会社で製造するものではないかもしれない。主翼の氷除去システムは簡単に見えるが、空気嚢式でも電熱式でも、相当に複雑な部品である。機体内電源、燃料システムはいずれも異なる基準や設計を採用し、材料、取り付け方法はいずれも全く異なる。このため、ただ単にウクライナのアントノフがアントノフー225を製造すると言うよりも、ウクライナがアントノフー225を自ら組み立てると言った方がよく、必要とされる部品は以前は全て旧ロシアのそれぞれの加盟共和国が製造していたものである。そしてロシアは現在徐々に関連の産業を回復し始めているが、それでもウクライナ向けには商品は供給せず、現在の問題をもたらしている。この困った状況を解決できるものとしては、明らかに中国しか残っておらず、これは中国のチャンスである。このチャンスは中国の30年あまりの国際航空協力の結果と自ら行った努力の結果ゆえであり、運ー20はこれを最も良く目撃した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「運ー20は中国の誇りであり、中国の大型機設計、試験飛行、製造という一連の技術が成熟したことを証明する印でもある」)

このため、中国は現在唯一の、ロシアに取って代わりウクライナの供給商となる能力を有する国であり、これは中国のチャンスの1つである。だがロシアのその中での妨害および西側の密かな扇動ゆえに、双方の協力には依然乗り越える必要がある非常に多くの曲折が存在する。だが、中国がもしこの時にウクライナになお存在する技術の基礎を掴むことの助けを借り、自らの搭載重量100トン以上の大型戦略輸送機プラットフォームの研究開発、生産を展開することができれば、非常に適した措置とも言える。当然、皆が言うところの専門家導入問題に関しては、中国は「双引工程」をとっくにやっている(頑住吉注:ウクライナの軍事工業の人材を根こそぎ取り込むことをこう言うようです)。現在最終的に同じことをすることを考慮をしてよい。(作者:無名高地)


 現在の中国の情緒として、「世界最大の輸送機」を生産したがることは大いにありそうで、設計の古い飛行機ですが大型機の経験が浅い中国にとってこれを生産することにより得るものは多そうに思えますがね。













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