ウクライナ情勢関連3題

 まずロシア・フランス関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20140319/18402730.html


ロシア、もしフランスが「ミストラル」販売を拒んだら巨額の違約金に遭うことに ロシアにとっては福音

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「フランス製『ミストラル』級ヘリ空母(資料画像)」)

人民ネット3月19日の情報 フランス外務大臣のファビウスは先日、フランスはロシアとの「ミストラル」ヘリ空母に関する協議の取り消しを考慮する可能性があり、原因はウクライナおよびクリミア情勢である、と声明した。ロシア下院国防委員会主席で、黒海艦隊元司令のウラジミール ケモイェドフ海軍上将は、これはロシア造船工業の「福音」となる、と考える。

2011年6月にフランスとロシアは、フランスで2隻の「ミストラル」級空母を建造する契約を締結し、契約の金額は12億ユーロだった。計画によれば、第1隻目の「ミストラル」級空母は2014年にロシアに引き渡され、第2隻目は2015年に引き渡されることになる。

ケモイェドフは18日タス通信社のインタビューを受けた時、「もしフランス人が『ミストラル』に関する契約の履行を拒絶したら、彼らにお礼を言うべきだ。我々は自分でもこの種の『缶詰の殻』は建設できるのであって、ロシアのこのクラスの戦闘艦の設計はより良く、装備もより良いのだ。」とした。彼は、多くのロシア海軍関係者はフランスでこの種の軍艦を建設することに反対だ、と強調した。

連合造船集団の消息筋の人物は同時に、もしフランスが「ミストラル」に関する契約の履行を拒絶したら、巨額の違約金に直面することになる、とした。

また、フランスが間接的に引き渡したあらゆる文書を研究した後、ロシアの専門家は、ロシアのドックにおいてこの種の軍艦を建造することは難しくなく、しかもより廉価でもある、との結論を出している。彼は、「フランス軍艦の高いコストにかんがみれば、我々はこの資金(12億ユーロ)を用いて5隻から6隻のこのクラスの軍艦を建造することができる。」と語る。彼はまた、「国際市場におけるこのクラスの軍艦のカタログ上の価格は2.5億ユーロだ、と語る。

ロシア軍事予測センター主任アナトリー チジャノクは、フランスのこの決定は自らにとって不利なだけだ、と考える。彼は、「彼らにとって不利で、しかも我々はこれら『ミストラル』のために2回金を前払いしている。これらの軍艦の購入は純粋に政治的決定だ。私は、これは彼らにとって不利になると考える。」と語る。

ロシア国防省ソサエティ元メンバーイゴール ケロテチェンコは、もしパリが「ミストラル」に関する契約の履行を拒絶したら、ロシアはこの軍艦の使用期間の非常に高いアフターサービスから脱することになる、と指摘する。彼は、「30年の期間、我々はフランスで部品を購入する必要がなく、同時にフランスは資金を返し、かつこれらロシアの要求に応じて建造した軍艦をどの国に売るか考慮せざるを得ない。」と語る。

彼はさらに、「ミストラル」購入の決定はロシアの元国防大臣シェージュコフが、充分な戦術技術的理由もない状況下でなしたものだ、と語る。

ロシア国防省国際条約管理局元局長イェフゲニー ブレンスキー上将は、ロシア海軍には今に至るも「ミストラル」に対する統一された意見がない、と指摘する。

(頑住吉注:2〜7ページ目)黒海のロシア軍に心強さを与える、ロシアの「ミストラル」級上陸巨艦海に出る

(頑住吉注:8ページ目)ロシアが建造する「ミストラル」級のモジュール


 わざわざフランスに頼んだのにはそれなりの理由があったはずで、今さら「自分でも作れるもん」というのは強がりの面もあるでしょうが、確かにフランスが契約の履行を拒絶したらすでに受け取った金は返さざるを得ず、違約金も発生し(これはあるいは理由をつけて拒絶するかもしれませんけど)、しかも一部のモジュールをロシア国内で作っている以上この艦に関する技術情報が相当程度ロシアにすでに渡されていることは間違いないわけですからその分はただで手に入れることになり、ロシアにとって結果的に非常に有利なことになる可能性はありそうです。しかしフランスが気の毒だとは全く思えません。中国相手の事実上の兵器販売も含め自分から好き好んでリスクある相手との商売を選んでいるわけですからね。

 次に朝鮮半島関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20140319/18401495.html


韓国、北朝鮮崩壊後、中国がクリミア方式を踏襲して介入することを心配

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「北朝鮮、軍事委員会拡大会を開催し、金正恩が演説 人事の割り振りを討論」)

韓国連合通信社18日の文章、原題:韓国政府、ウクライナの事態のために苦悩、朝鮮半島まで延焼することを心配

ウクライナに関する事態はまさにアメリカとロシアを中心とする2極対立の態勢を形成しつつあり、ある向きは心配して、これは朝鮮半島情勢にマイナス面の影響をもたらすかもしれない、と考える。韓国はアメリカ・ロシア両国と緊密な協力関係を保持する必要があり、もしウクライナ問題の上での処理が当を得ていないと、韓国は「新冷戦」の泥沼に陥る可能性がある。

まず、ウクライナの目下の事態は、北朝鮮核問題の解決をより困難にする可能性がある。韓国の元外務大臣宋旻淳は18日議会で、新国家党の一部の議員のためにレクチャーした時、もしウクライナが当時ソ連から独立した時核兵器を放棄していなかったら、あるいはロシアは現在このようにウクライナに対応してはいなかったかもしれず、この教訓は北朝鮮によって取り入れられる可能性がある、とした。1994年に世界第3の核保有国だったウクライナは、強国と協議を行った後、核を捨てて引き替えに大国の安全に関する承諾を得る旨宣言した。元々「ウクライナ模式」は、北朝鮮の核放棄のサンプルとして参考にすることができた。だがウクライナの現在の情勢をもって見れば、北朝鮮に向けて「やはり核を持つことが最も安全だ」との間違ったシグナルを発する可能性がある。6カ国協議再開を促すため、当事国は各種の努力を行っているところであるが、米ロが先鋭的に対立する状況下では、協議再開には齟齬が発生する可能性がある。

さらにある匿名を要求する韓国外交専門家は、もし北朝鮮にウクライナ類似の突発事態が発生したら、中国はロシアの前例たる方式を真似て、本国の居留民の保護を口実に介入を行うか否か、この点は憂慮に値する、とする。

アメリカなどの西側諸国がロシアに対する経済制裁を強化し始めるにつれ、韓国、北朝鮮、ロシア3カ国経済協力を含む韓国・ロシア関係にも赤信号が灯る。もし韓国政府が西側諸国とあまりぴったりと歩調を合わせ過ぎたら、韓国・ロシア関係が後退するのは不可避である。まさにこうだからこそ、韓国政府はウクライナの事態に対し慎重に態度表明しているのである。外務省スポークスマン趙泰栄は18日記者会見で、韓国には現在まだロシアを制裁する計画はない、とした。だがクリミア共和国の独立を承認するか否かの問題に対しては、趙泰栄は「承認しない」としている。(筆者鄭阿蘭、王剛訳)

(頑住吉注:2、3ページ目のキャプションは1ページ目と同一。4、5ページ目)金正恩、射撃競技を指導、無駄弾なしの神射手を養成することを要求

(頑住吉注:6〜8ページ目)2014年3月17日の情報、朝鮮中央通信社の報道によれば、北朝鮮最高指導者金正恩は朝鮮人民軍航空・防空軍第188部隊の飛行訓練を指導した。


 別に北朝鮮内に中国系住民が多数を占める地域があるわけでもなく事情は大きく異なるとは思いますが、確かに韓国は韓国なりに難しい立場にいるわけでしょう。

 最後にロシア・中国関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20140319/18401618.html


ロシアメディア:ウクライナ危機はロシアの中国への傾倒を迫る あるいは宇宙原子力動力技術を与えるか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「旧ソ連の一部の『宇宙』系列衛星は原子力動力を採用していた」)

「ロシアの声」ウェブサイト3月17日の報道によれば、ウクライナ危機はロシアと西側諸国の政治的関係発展の中のターニングポイントである。ロシアとEU、アメリカとの間の信頼感は重大な傷を負った。中ロ軍事技術協力に関して言えば、この局面は特別に深遠な結果を持つ。ロシア戦略・技術分析センターの専門家ワシーリ コーシンはこのように考える。

ウクライナ危機を予見可能な将来のうちに終わらせることができる希望はほとんど全くない。ウクライナ経済は崩壊し、国家機構は衰弱し、民族の矛盾は激化し、これと同時に腐敗問題も根絶されていない。もし危機の緊張度が弱まっても、ウクライナはさらに長年問題の源泉となり、しかもロシアと西側諸国の関係の「害毒」であり続ける。

この種の状況下で、ロシアに関して言えば、中国とインドの支持がカギとなる重要な意義を持つ。現在、中国はロシア最大の貿易パートナーであり、この種の緊密な関係の維持は、西側のロシアを孤立させるいかなる戦略も土崩瓦解させる。

ウクライナ危機の主要な結果、これに関わるのは、決してウクライナの運命ではなく、ロシアの未来の発展の道である。ロシアがアメリカと長期的対抗に入ることになる可能性は非常に大きい。アメリカの圧力と抗争を行うことは、あらゆる想像を超越する主要な任務になる。ロシアと中国の軍事技術協力に関して言えば、相当に深遠な結果を持つことになる。しかも中国は、最も近い一定の時間内、最終的にロシアの最も主要な外交パートナーともなる。

以前、ロシアの中国に照準を合わせた軍事技術協力の策略は、一連の複雑な要素の作用下で形成された。これには外交方面の予測の計算、西側諸国との関係のレベル、技術が中国に流出することの脅威、第三国の軍事装備市場における中国との競争、およびひとたび双方の関係が急激に悪化した場合の危機に関する計画が含まれ、この種の可能性は仮想ではあるが、可能性は少しある。以上の考慮にかんがみれば、インドに比べて、中国が獲得するロシア軍事技術の程度は制限を受ける。インドに対しても某いくつかの統制は存在するのではあるが。

この種の状況下で、ロシアはあるいは一連の武器輸出領域の政策に影響する条件や制限を放棄することになるかもしれない。ロシアサイドはBRICグループ(頑住吉注:ブラジル、ロシア、インド、中国という経済成長著しい国をまとめた名称)その他の国の軍事ポテンシャルの急速な増長に極めて興味を感じることになる。中国に対しては特にそうだと言える。アメリカが脅威の主要な源に変わり、ニューバージョンの冷戦が徐々に現実になるにつれ、ロシアは解放軍の打撃ポテンシャルが急激に増加することを非常に希望することになる。解放軍の新たな装備の急速な進歩は、アメリカのロシアに向けての圧力の力量と可能性がさらにわずかなものに変わることを意味している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ROMASHKA宇宙核反応炉電源」です。)

このため、この種のウクライナ危機が発展する(可能性は非常に高い)マイナス面の場面の下に、中ロ軍事技術協力方面にあるいは新たな、よりデリケートな領域に関わる次元と視角が出現するかもしれない。例えば原潜の設計と建造、潜水艦上に装備される装備。若干の類型の航空宇宙技術の譲り渡し(これには中国が興味を感じる宇宙船用核反応炉技術が含まれる)。例えばミサイル早期警戒システム領域における協力等々である。

これと同時に、インドとの軍事技術協力の範囲もあるいは拡大するかもしれない。現在の状況下で、BRIC諸国ができる限り早く軍事ポテンシャルが相当に巨大な独立した力量のセンターに変わることはロシアの利益に符合する。この任務を解決しなければ、ロシアは孤独に西側の圧力と抗争せざるを得ない。

このため、ロシアと中国およびその他の途上国との軍事技術協力領域において、今年非常に多くの大型協力の呼びかけが出現すると期待できる理由がある程度あるのである。

編者注:宇宙核反応炉とは、反応炉の核分裂エネルギーを電気エネルギーに変えて宇宙船およびその搭載物に使用する新型電源である。それは宇宙船に千ワットクラスの電力を提供し、したがってその作業能力を増強し、応用の領域を開拓展開することができる。伝統的な太陽電池アレイ+蓄電池連合電力供給に比べての宇宙核反応炉の主要な優勢には次のものが含まれる。重量あたりの出力が大きい、コストが低い、太陽エネルギーに依存しない、塵や埃、高温や輻射などの要素の影響を受けない、環境適応能力と生存能力が強い、体積が小さい、重量が軽い、ロケット推進システムの負荷を有効に軽減できる、宇宙船の有効負荷と信頼性が向上する。

我が国は1970年代に宇宙反応炉の研究作業を開始したが、後に一度中止した。「第九次五カ年計画」の期間、宇宙反応炉の研究は総装備部事前研究プロジェクトに入れられ、原子エネルギー院と宇宙技術研究院によって協同で引き受けられ、宇宙反応炉の概念設計が完成された。「第十次五カ年計画」から、宇宙反応炉の初歩設計とカギとなる重要技術の問題への取り組みが開始され、設計技術、製造技術、試験技術、安全研究などの方面においていずれも一定の突破が取得された。現在プロジェクトは技術設計から施工設計に至る過渡期にあり、まさに設備と部品の研究開発と単一項目の試験が行われているところである。2015年には地上試験が完成し、2020年に定型に至り、2025年に「100キロワット級核反応炉試験衛星」が発射され、軌道における実演検証が行われ、超大出力宇宙核反応炉電源技術が掌握される計画である。

ロシア、アメリカ、フランス、ドイツ、日本などの国は1960年代からもう宇宙反応炉の研究を展開し始め、現在アメリカとロシアだけが実際の発射を行っている。2004年までに、ロシアは全部で37個の宇宙反応炉を使用して電力供給を行う宇宙船を発射した。アメリカは類似の装置を1個発射したことがある。

(頑住吉注:3ページ目)ロシアが地上で行う核反応炉の性能パラメータ比較

(頑住吉注:4ページ目)初期のアメリカのSNAP-10A宇宙炉

(頑住吉注:5ページ目)宇宙反応炉の模型

(頑住吉注:6ページ目)中国の多用途モジュール式小型核反応炉の模型

(頑住吉注:7ページ目)宇宙反応炉は中国の航空宇宙事業に対し非常に大きな推進作用を生じさせることができる

(頑住吉注:8ページ目)宇宙反応炉は衛星および宇宙ステーション方面において非常に広い運用の前途の見通しを持つ


 中国とウクライナの関係が今後どうなるかについては考えましたが、ロシアと中国の関係にも大きな変化が生じる可能性があるということですね。まあこれからロシアとインドとのこの方面の関係が大きく前進するとはちょっと考えにくい気もし、ロシアメディアが軽く例に挙げた技術が中国にとって喉から手が出るほど欲しい技術だったために飛びついて過大に評価している傾向もある感じですが。














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