99改戦車

 「アーマタ」なども含め戦車の今後のあるべき姿などについても論じられています。なお優先順位の関係で遅くなりましたがこの記事が出たのは2月です。

http://military.china.com/important/11132797/20150216/19314059.html


専門家:99改戦車は最新の成果を融合 情報能力の向上は比較的大きい

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネット上に明るみに出た最新型の99式メインバトルタンク。99改の小幅な改良とは異なり、99大改の砲塔には全く新しい設計が採用されている。」)

2014年10月23日、中国の99式メインバトルタンクの設計師である祝楡生が死去した。最近、新華社、人民日報、解放軍報など主流メディアは密集してニュース報道をし、この中国第3世代メインバトルタンク総設計師で、兵器工業科学技術発展終身成就賞獲得者を偲んだ。

メインバトルタンクは「陸戦の王」と呼ばれ、陸軍の主戦装備の1つであり、第二次世界大戦および以後の何度もの戦争の中で陸戦の主役となった。最近における、祝楡生の事跡に対し偲ぶこと、および99式戦車発展史に対する回顧は、一定程度上中国国産戦車発展の歴史的過程を見せた。しかし、情報化戦争という大背景の下で、「戦車無用論」との説が次々と起こっている。ある視点は戦車は威力が非常に大きいにも関わらずかさばって重く不便であり、戦車大集団作戦の時代はあるいは終わるかもしれない、と考える。

種々の戦車の衰退を唱える論調に直面し、専門家は否定をした。情報化戦争の環境はより複雑で、戦車はもはや戦争の勝負を左右する決定的な武器ではないが、もし戦車がデジタル化時代の研究開発理念に適応できれば、依然広範な腕の振るい場所があり、陸軍のために全天候全地形の装甲火力突撃プラットフォームを提供するに足りる、という。

99式改良型の「情報力」は強い

99式戦車およびその改良型は我が国最新の情報およびデジタル化の成果を融合しており、機動性、火力、防御力などの伝統的な優勢が顕著な他、情報化作戦能力も比較的大きく向上している。

1999年10月1日、中国は建国50周年閲兵式を行い、初めて公開され明るみに出た99式第3世代メインバトルタンクからなるスクエアチームは天安門前からゆっくりと行進し、この一幕は国の人を震撼させた。

99式戦車は我が国陸軍新世代メインバトルタンクで、陸軍装甲師団および機動歩兵師団の主要な突撃力量である。1999年の就役以来、それは中国メインバトルタンクの最高レベルを代表している。長年の発展と変化を経て、99式戦車はすでに多種の改良型を派生させている。提示しておくに値するのは、99式戦車およびその改良型が我が国最新の情報およびデジタル化の成果を融合させていることである。

軍事専門家の宋忠平から見て、99式戦車が採用するレーザー制圧システムは第3世代戦車が情報化技術を吸収したことの重要な体現である。

99式戦車はトップに置かれたレーザー目くらまし制圧妨害装置を配備しており、敵サイドの視察照準機材を妨害および破壊できる。そのアクティブ式レーザー警告/対抗システムは、レーザー早期警戒システム(LWR)と致盲レーザー発射器(LSDW)各1を包括する。またさらにレーザー通信/敵味方識別システムを装備する。LWRが敵サイドのレーザー信号をキャッチすると、LSDWが1秒以内に自動的に目標を照準し、かつ高エネルギー致盲レーザーを発射して敵サイドの光電子センサーを妨害、破壊し、甚だしきに至っては相手方の観測機器操作人員の目を傷害できる。

「通俗的に言って、レーザー制圧システムは一種のアクティブ防御システムだ。」と宋忠平は言う。

「99式戦車の先進性のもう1つの重要な体現は、情報打撃連絡能力がより強いことで、この特徴は戦車に全体作戦の中でより大きな優勢を形成させる。」 宋忠平は次のように語る。戦車には三大優勢があり、すなわち機動性、火力、防御力である。情報化戦争時代、性能がずば抜けた戦車はさらに「情報力」というこの能力を加えるべきである。「情報力」が指すのは、各戦車の情報体系の間での相互の対抗、および上級や友邦の戦車と情報通達を建立する能力である。戦車が充分な「情報力」を具備して、やっとある目標区域内の集中した打撃を実現できる。

現在の戦争は全て体系作戦である。その中で、陸戦の重責を担う戦車は1つの節目となるポイントであり、いかにして戦車に対し情報データのルートを建立し、もって異なる部分、異なる体系の火力を集中するのに便とするかは、情報化戦争の下での戦車の性能に対する試練である。99式戦車は機動性、火力、防御力方面の伝統的優勢が比較的突出し、「情報力」はやや欠けていたが、99式改良型戦車の情報能力はすでに比較的大きく向上している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「99大改戦車を側面から見た写真。高さが増やされたエンジン室がクリアに見える。その動力システムが前の2つのタイプに比べすでに大幅に向上していることを説明している。」です。)

米軍メインバトルタンクは実戦の試練を経ている

ヨーロッパとアメリカの軍隊の情報化方面における優勢は、中国戦車の情報化、および中国の全体的作戦システムの情報化の探索の方向であるべきである。

99式系列戦車は「情報力」追求方面で重要な歩みを踏み出しており、その他の国もまた戦車の研究開発と改良を行う時、加速して情報化性能を向上させている。すでに研究開発されて6年のロシア最新戦車「アーマタ」に新たな情報があった。ロシアメディアの報道は、この新型戦車は5月にモスクワで行われる第二次世界大戦勝利の日閲兵式でデビューする、としている。

報道によれば、この戦車最大のハイライトは無人砲塔と完全デジタル化コントロールシステムである。砲塔の下方に人はおらず、車長、砲手、操縦員はそれぞれ戦車前部あるいは後部の隔離室の中にいる。砲手は隔離室内の武器遠隔操作システムを操作して、主砲を自動装填、撃発、排莢させ、たとえ深刻な事故が発生して主砲あるいは弾薬の意外な爆発がもたらされても、隔離室内の人員に波及することはないだろう。

「アーマタ」戦車は甚だしきに至ってはさらに独特のアクティブフェイズドアレイレーダーを装備し、最多で同時に40の地上目標と25の空中目標がキャッチでき、周囲100kmの地域を可視化してコントロールできる。

ロシアの軍事力再興計画の一部分として、ロシア国防省は2020年までに部隊のためにこの戦車を大規模装備する計画である。

ある評論は、ロシア軍戦車には弾薬方面で小さからぬ優勢がある、とする。比較して言うと、米軍のM1A2メインバトルタンクが使用する火砲はすでに25年以上顕著なグレードアップが行われ得ておらず、性能はある程度限られる。

だが専門家は全く逆の視点を出した。劉子軍は、M1A1メインバトルタンクは1990年代以後アメリカの非常に多くの回数の対外大規模軍事行動に参加したことがあり、比較的強い情報力、機動性を持ち、かつ火力は正確で、このためM1A2は依然全世界で前列に位置するメインバトルタンクである、とする。

具体的に言うと、M1A2は自主ナビゲーションシステムを配備している。劉子軍は、GPS衛星位置決定システムにより素早く正確に自身のいる方位を特定できる、とする。M1A2は車長の独立したサーモグラフィー装置を装備し、視認度が非常に低い状況下での戦車の敵との交戦能力が非常に大きく向上している。「何度もの地上戦はすでにM1A2の情報化された実戦能力を検証しており、絶え間ない情報化改良はその能動防御能力に向上を獲得させている。」

専門家の分析は、ドイツのレオパルド2系列戦車、イギリスのチャレンジャーメインバトルタンク、フランスのルクレールメインバトルタンクは全て高度な情報化レベルを持つ、とする。こうした国のメインバトルタンクは兵個人ディスプレイからデジタル化戦車ディスプレイまでを実現しているだけでなく、甚だしきに至っては無人機ディスプレイを結合し、軍種と軍種の間の情報融合を実現している。ヨーロッパの軍隊の情報化レベルはすでに師団と師団の間のドッキングに到達している。ヨーロッパとアメリカの軍隊の情報化方面での優勢は中国戦車の情報化、および中国全作戦システムの情報化が探索する方向たるべきである。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「99式大改の砲塔が『裸体』状態の側面から見た写真。砲塔前部の装甲厚は1mを超え、しかもこの装甲の装備方式は前の世代の99改の楔型構造とは異なると推測される。」です。)

未来の戦車は多種の機能を持つべき

各種の作戦の形勢の新たなる要求に適応するため、戦車の多任務能力を考慮する必要がある。全体的な情報化作戦体系の中でのみ、やっと戦車はその重要な作用を発揮できるのである。


第二次世界大戦およびその後の非常に長い時期内、戦車は出色の防御性能、機動性能、直接照準火力に頼って重要な地上突撃力量となり、かつ「陸戦の王」と賞賛された。しかし、湾岸戦争、コソボ戦争などの現代局地戦争の中では、空中打撃が決定的作用を果たし、大規模に戦車を配備した重装甲機械化部隊には腕の振るい場所がなかった。このためある声は、戦車は情報化戦争の中では寸法が巨大な「のろまな怪獣」でしかない、と考える。

しかし、戦車は放棄されることはなく、新型戦車は依然比較的強い吸引力を持っている。2014年11月4日、中国最新の輸出メインバトルタンクであるMBT-3000が珠海航空展開幕直前に明るみに出た。MBT-3000メインバトルタンクは1990年代初め、北方工業社によって、現代作戦の要求を満足させるため、対外販売を主要な目的として研究開発されたメインバトルタンクである。MBT-3000は完全デジタル化火力コントロールシステムを使用し、初めてダブルCANデータバスを採用した。猟-殲式総合火力コントロールシステムは独立した砲手、車長第2世代冷却式サーモグラフィー装置を配備し、画像安定の自動追跡機能を具備している。

宋忠平は、情報化時代には陸海空三軍の作戦の境界も曖昧化し、一体化能力を形成するだろう、とする。このうち海軍は一定の陸軍作戦任務を担い、空軍には陸軍航空隊の作戦任務があるだろう。各種作戦形勢の新たな要求に適応するためには、さらに戦車の多任務能力を考慮する必要がある。例えば新世代戦車は高原作戦、海の島での作戦、水陸両用作戦などの機能を具備すべきである。また、戦車の軽量化も発展の方向の1つたるべきで、体積や重量が比較的小さくてのみ、やっと戦車に「羽根を持たせる」ことが便利になり、遠距離機動配備が実現されるのである。

「こうした機能を良好に発揮させられるようにするには、戦車のスマート化と体系化を重視し、それを真の情報作戦力量とさせられるようにしなくてはならない。珠海航空展でデビューしたMBT3000は非常に多くのスマート化技術を採用しており、このことは戦車が情報化作戦プラットフォームの中の重要な情報の節目たるポイントになるのに有利である。

劉子軍は、情報化戦争時代において、戦車は依然重要な多用途戦闘車両であり、それが持つ高い防御力や強大な火力は、市街戦やテロ分子の打撃方面で独特の優勢を発揮し得る、と考える。専門家は、戦車の密集した使用のためには、それを歩兵と密接に協同させ、機動防空兵器を用いて戦闘隊形に対し厳密な援護を行うことだ、と信じる。航空隊、ミサイル部隊、火砲部隊を用いて敵に対し信頼できる火力殺傷を行うという状況下で、高度にスマート化、情報化した戦車は依然戦場の最も重要な武器の1つとなり、最も複雑な作戦任務を完成させることができる。

「戦車にこの武器で独自に勇敢な突撃をさせてはならない。全体的な情報化作戦体系の中でのみ、戦車はやっとその重要な作用が発揮できるのだ。」 宋忠平は、完備された作戦体系が必要で、それでやっとこのように高空、低空、超低空の制空権の獲得が保証できる、とする。各国の軍隊は戦車に制空権、制海権などをいずれも持たない状況下で勇敢に突撃させ、もって受動的に殴られる境地に陥れることはない。「各種武器の情報化体系の中でのみ、自らにあるべき能力が全て発揮できるのであり、一体化された作戦システムを作り出してこそ、有利に戦車の機能を最大程度発揮させられるのである」。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「国産新型輸出戦車の操縦室の画像。ハンドルの応用は伝統的な東側戦車の操縦模式を一変させており、右下の隅に出現したギアレバーは、国産戦車の自動変速ボックス技術がすでに成熟していることを説明している。」です。)

視点

59式から99式まで

中国戦車、世界先進水準に到達


戦車は第一次世界大戦に出現し、第二次世界大戦で名をなし、かつこれによりその陸軍内での主導的地位を確立した。世界の戦車強国に比べ、中国の戦車発展の歩み始めは30年余り遅かった。新中国成立時になっても、中国の戦車工業は依然ゼロだった。我が国の戦車に対する研究開発の時間は比較的遅かったが、成就は非常に大きい。第1世代戦車から第3世代まで、我が国はコピー生産、改良から自主研究開発までの歴史的飛躍を実現し、国際先進水準との隔たりは不断に縮小し、現在の第3世代戦車の某いくつかの性能は甚だしきに至っては世界最先端水準にある。

中国初の国産戦車は1959年に部隊装備された59式戦車である。これは中国が1950年代に旧ソ連のT-54A戦車の生産技術を導入して研究開発、生産したものである。1958年に第1両目の59式戦車が生産され、1959年になって定型に至って生産が開始され、30年余りの改造と完璧化を経て、我が国はすでに59式戦車を基礎とした車両ファミリーを形成している。

この後69式戦車が1969年に研究開発開始され、1974年に研究開発が成功しかつ部隊装備された。厳密に言うと、69式は59式の改良型戦車で、主要な改良は100mmスムーズボア砲の採用、出力を520馬力から580馬力に高めた強化エンジン、アクティブ赤外線夜視、双方向安定器および自動装表式火力コントロールシステムの採用であるが、全体構造には変化はない。69式戦車は中国が自主研究開発した初の戦車で、およそ1,000両が装備され、「第1世代戦車」と呼ばれる。69式戦車の研究開発は中国の戦車研究開発水準を高め、一連の人材を養成した。

中国の「第2世代戦車」の研究開発は1970年代末から80年代初めに始まった。これこそ広く人に知られる80系列戦車である。80式メインバトルタンクは中国の59式、69式戦車に続く第2世代新型メインバトルタンクで、1978年に研究開発が開始され、1987年に設計定型に至り、1988年に部隊装備され、正式に88式メインバトルタンクと命名された。この戦車の研究開発の意義は、中国に初めて全面的に新型戦車を研究開発させたことにあり、この戦車は戦車研究開発の貴重なシステム総合技術を獲得させた。

1980年代から90年代初め、中国は「第3世代戦車」の研究開発を展開した。実際上、1984年1月には早くも、中央軍事委員会は第3世代戦車の研究開発のために総設計師を念入りに選抜した。「第3世代戦車」総設計を担当した祝楡生は「システムが勝利を獲得する」設計理念を提出し、もってシステムの性能を最適化、マッチングさせ、第3世代戦車の設定された指標は高く、研究開発難度は高いことと、我が国の技術的基礎が薄弱で部品の備蓄が欠乏しているという両者の間の矛盾を有効に解決した。最終的に、祝楡生率いる研究開発チームは、成功裏に我が国第3世代メインバトルタンクを研究開発し、新設計の部品は89%を占め、我が国のメインバトルタンクを一躍世界先進水準グループに身を置かせた。

中国戦車発展の歴史的過程に言及し、宋忠平は総括して、第1世代戦車は限りのあるコピー生産を実現し、最2世代戦車はすでに我が国自らの付加的技術を融合させており、第3世代戦車は自主創新の成果である、と語る。中国初のメインバトルタンクである59式から、現在の99式系列戦車まで、我々はコピー生産から自主研究開発までの道のりを通った。中国人の比較的強い追い越しの能力および自主研究開発の断固たる決意は戦車工業の発展を推し動かし、以前は西側に何十年立ち後れていた戦車技術を、ついに世界先進水準にまで到達させたのである。

南方日報駐北京記者魏香鏡 実習生 李強


 日本の戦車に全く言及されていませんが「情報力」方面で欧米、中国の戦車に比べどうなのかが気になります。




















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