戦後の中国軍用小銃発展史

 今まで中国語のサイト等の文章を読んでいて、「〜式小銃」と言われて、「あれ、どんなのだっけ」と考えることが時々あったので、資料価値が高いと思われる戦後の小銃発展史に関する長いページを読んでみました。

http://forum.china.com.cn/thread-104223-1-1.html

http://club.163.com/viewEliteCatalog.m?catalogId=72337

(いずれも元になった文章の転載らしいです。画像が多い前者を参照してほしいんですが、どういうわけか03式およびCQ小銃に関する内容が省略されてしまっているので、そちらに関しては後者を参照してください。ただし後者は何故か当該のページが直接表示できないので、ここから「(温故知新)新中国成立後歩槍的発展史〜」というページに進んでください。)


新中国成立後の小銃発展史

1.53式歩騎銃 53式7.62mm歩騎銃は旧ソ連の1944年式騎兵銃(頑住吉注:モシン/ナガンカービン)のコピーであり、我が軍が装備した最初の制式小銃である。

この銃はボルト直動、回転閉鎖の手動単発射撃小銃である。

口径 7.62mm
全長 1020mm
銃身長 520mm
重量 3.92kg
初速 820m/s
発射速度 10〜15発/分
有効射程 400m
マガジン容量 5発

2.56式半自動小銃 56式半自動小銃は歩兵が使用する個人兵器であり、火力、バヨネット、ストックで敵兵を殺傷する。有効射程は400mに及び、火力を集中すれば800m以内の集結した敵兵を殺傷できる。また400m以内の低速空中目標に対応できる。専用の発射器を装備すればさらにライフルグレネードを発射できる。

構造上の特徴

この銃は自動装填のセミオート小銃で、重量が軽い、射撃精度が良好、機構の作動信頼性が高い等の長所を持つ。さらに折りたたみ式バヨネットを装備しており、白兵戦が行える。この銃はガスピストンショートストロークの自動火器で、ボルト下偏式(頑住吉注:テイルトボルト)フルロッキング、マガジン給弾を採用している。56式7.62mm半自動小銃系列はロシア製のSKS半自動小銃にならったものである。その改良点は以下のとおりである。(頑住吉注:日本語にない漢字で人名か地名だと思います)型バヨネットを本来の剣型に取り換えた。レシーバーカバーの連結を木製ハンドガード内に組み込み、グラスファイバーのストックを木製ストックに換え、プレスや精密鋳造部品を部分模鋳部品に換えた(頑住吉注:技術的な専門用語はちょっとよく分かりません)。

性能

口径 7.62mm
初速 735m/s
有効射程 400m
発射速度 35〜40発/分
マガジン容量 10発
全長 (バヨネットを伸ばした状態)1260mm
(バヨネットをたたんだ状態)1020mm
重量(未装填) 3.85kg

注:我が国はこの銃の使用をとっくに停止している。70年代にはまだ軍事訓練(標的射撃)に用いられたが、現在では儀礼用の銃としてのみ用いられる(中南海新華門の衛兵が使用しているのがまさにこの56式半自動小銃である)(頑住吉注:「中南海新華門」は北京にある政府の重要機関や要人の邸宅などがある地域に入る門のことです)。

3.56式自動小銃 56式7.62mm自動小銃は旧ソ連のAK-47型7.62mm自動小銃のコピー生産品である。1956年に生産定型に至り、1963年に56-1式、1980年に56-2式、1991年にQBZ56C式の改造型が生まれた。これは我が国で生産、装備された量が最大の自動小銃であり、今に至るもなお部隊に装備されている。

この銃はガスオペレーション式自動原理、ボルト回転式フルロッキング、ハンマー回転式撃発機構を採用している。セレクターの位置の変換を通じてセミ・フルオートとセーフティ状態の区別が実現される。

改造型:56-1式

1963年にはさらにAKSにならった56-1式折りたたみストックサブマシンガンが登場した。ストックは下向きに折りたたまれる。56-1式サブマシンガンは56式サブマシンガンの改造型で、1963年に設計定型が完成し、その後我が軍に装備された。外国の雑誌はこの銃を56-1式突撃小銃(Type56-1Assaultrifle)と呼ぶが、我が国の習慣に従ってサブマシンガンと呼ばれる(56式サブマシンガン、56-2式サブマシンガンも同様)。この銃が56式サブマシンガンの上に加えた主要な改造点は折りたたみストックの採用であり、これはこの銃をさらに隙のないものとし、携帯に便利なものにしている。この銃は56式サブマシンガンと同様に、各種環境条件下での機構作動信頼性が高く、我が軍の指揮官や戦闘員に大いに愛用されるサブマシンガンでもあり、現在でも依然我が軍の制式装備である。

この銃はバヨネットは装着できないが、その他の構造、性能は56式サブマシンガンと同様である。

この銃の全長は874mm/645mm(ストック伸ばし/たたみ)、銃身長は415mm、全備重量は4.3kg、空虚重量は3.85kg、30発弧形マガジンで給弾し、使用する弾薬は中国の7.62mm56式サブマシンガンと同じである。

56-2式 

1980年、56-2式サブマシンガンが定型に至った。56-2式サブマシンガンは56-1式サブマシンガンの改造型で、主要な改造点はストックのロック金具に楔鉄式が採用され、使用時の摩損による間隙を自動的に埋め合わせられるようになったことであり、射弾の「散布密集度確保に有利となった。ストックの形状も異なっている。バヨネットの装備もできる。

この銃は56-1式サブマシンガン同様、各種環境下で機構の作動信頼性が高く、やはり我が軍の指揮官や戦闘員に大いに愛用されるサブマシンガンでもあり、現在でもなお我が軍の制式装備である。

この銃はバヨネット装着時の全長1100mm、バヨネット未装着時の全長874mm、ストックをたたんだ時の全長654mm、銃身長415mm、全備重量4,4kg、空虚重量3.9kg、30発弧形マガジンで給弾し、使用するのは中国の7.62mm56式サブマシンガンと同じ弾薬である。

QBZ56C式

QBZ56C式短自動小銃は56-2式サブマシンガンを基礎に改造してできたもので、通常56式短小銃、あるいは56式短沖と呼ばれる。300m以内の集合した、あるいは単一の生体目標の殺傷に用いられる。QBZ56Cは部隊の短小、軽便な武器への必要を満足させるために1988年に研究開発が開始され、1991年に正式に設計定型が認められた。体積が小さい、重量が軽い、携帯に便利であるという特長を持つ。銃身が短く、銃身内の火薬ガスの燃焼が不十分なので、銃口部に消炎、制退機能を兼ね備えた銃口装置が加えられた。調節式リアサイトには100m、200m、300mの3つの区分がある。この銃には20連マガジン1個(平時の歩哨に立つ勤務時に用いる)と30連マガジン3個が配備される(頑住吉注:日本語版Wikipediaには「20連ショートマガジンを使用する」との記述がありますが、原則は30連なわけです。ちなみに英語版は「しばしば20連マガジン付きで携帯される」という、まあ正しい記述になってます)。

QBZ56Cは機動力が強く、高原、山地、ジャングル部隊や砲兵、装甲兵、降下兵、通信兵、化学防護兵等の兵種、および海軍陸戦隊、特殊部隊等各種武装人員の需要に適合する。だが射程が比較的短いため主力兵器ではなく、このため装備された数量は多くない。

(頑住吉注:原ページにはここにデータがありますが、少なくとも一部の数値が明らかにこの銃のものではないようなので省略します)

4.63式自動小銃 20世紀の50年代末、我が国の形勢は「大いに意気込み、高い目標を目指して大いに努力する」だった。兵器工業も活発で、完全新規の自動小銃の設計が開始された。当時、工業の基礎はすでに建設され、兵員、部隊の数もすでに相当の規模およびレベルになっていた。国家は武器をテストする試験基地を建設し、部隊も56式半自動小銃および56式サブマシンガンの装備、使用、訓練に関し相当の熟練、経験を積んでいた。戦術上の必要から新しい要求が提出され、我が軍の需要に符合する小銃の設計が必須となった。

管轄部門は完全な戦術技術的要求や指標を提出しはしなかったものの、全体的な設計指導思想は明確だった。すなわち、小銃の性能を主とし、サブマシンガンの性能を兼ね備える、ということである(頑住吉注:AK系はサブマシンガン寄り過ぎる、と考えられたようです。まあ考えが古かったと言わざるを得ないでしょう。ただし日本の64式の方が進んでいたと言い得るかどうかは疑問です)。これはまさに、半自動小銃とサブマシンガンを合わせて「歩沖合一」の自動小銃を作る、ということでもあった。同時に、小銃の主な性能を保持し、火力を増強し、サブマシンガンの単、連発射撃精度が劣る問題を克服するという要求も明確に提示された。理想上はこの新しい自動小銃をもって、半自動小銃とサブマシンガンに換える、ということだった。

我が国が初めて独自に設計する自動小銃なので、各関係方面は非常に重視した。専門の設計チームが成立し、これは高等院校、部隊軍機械部門や工場の専門技術人員によって組織された。研究開発には3年を要し、1963年に設計定型に至り、63式7.62mm自動小銃と命名された。

63式自動小銃は以下のような戦術技術指導思想を体現し、その性能、構造、戦術用途上、「歩沖合一」を実現したものである。

銃全体の構造は小銃をもって主とする要求を体現しており、全長にわたる木製ストックを採用し、フォアグリップは使用せず、バレル前部の上側は上部ハンドガードでカバーし、折りたたみ式の槍型バヨネットを装備することができた。外形は56式半自動小銃と似ている。単、連発射撃の要求に応えるため、56式サブマシンガンの構造を借用している。自動方式はガスオペレーションで、ピストンは単体部品となり、ストロークは27mmである。閉鎖方式は56式サブマシンガンと同じである。撃発機構はシア・ハンマー式で、レシーバーユニットの連結には56式半自動小銃の構造方式を採用している。マガジンは基本的にサブマシンガン用マガジンで、装弾数は20発に改められ、ボルトストップの設置を考慮してマガジンにはこれに関係する変更がなされている。

63式自動小銃は56式半自動小銃と56式サブマシンガンを有機的に一緒にこね合わせ、長所を生かし短所を補って、小銃の性能をメインにサブマシンガンの性能を兼ね備えるという要求を実現し、射撃精度を高め、信頼性を保証し、火力を増強し、重量を軽減するという目標を達成した。かつ構造は簡単で、操作訓練が容易で、我が軍がすでに非常に熟知していた勤務要領に適合していた。大部分の構造部品は56式武器と類似あるいは同じで、生産が容易だった。

63式自動小銃は我が国が独自に設計した初の小銃であり、56式武器の影響を強く受けている。この銃によって取得された成功と経験は我が国の小銃発展に重要な参考を提供し、我が国の小銃発展の歴史の中で、過去を受け継ぎ未来を切り開く作用を成し遂げた。その特徴は次の通りである。

(1)射撃精度の向上

56式半自動小銃の銃身を借用し、その長さと製造精度を保持し、これに応じて照準長も比較的長い。

自動機構は射撃精度に対し影響がきわめて大である。このため重点的な設計がなされた。ボルトの運動の平穏性を保証しなければならず、ボルトキャリア誘導レールの長さを延長し、かつレシーバー側の誘導レールとの間の間隙を制限し、ボルトキャリアが復帰して定位置に入る際に良好な導入性があるようにし、毎回の閉鎖状態の一致を確保する必要があった。同時にできるだけ自動機構の重心と銃全体の重心を接近させ、運動する部品が前後にぶつかって起こすモメントを減少しなければならなかった。

この他直銃床を採用し、かつその頸部と前部下面の形状を改善し、射撃時に銃を握りやすくした。

以上の主要な措置は単発、バースト時の精度を高め、100mにおける単発の着弾散布は約4.5cm、バーストでは70%の密集界が上下左右20x20cmとなり、56式サブマシンガンと比べて明らかな向上が見られた。

(2)機構作動信頼性の保障

自動小銃の射撃精度、信頼性、寿命、重量等の指標に関する要求は非常に厳格であり、このためとられる技術的措置は往々にして相互に制約し、ある時には矛盾さえ発生させる。だが63式自動小銃の設計中は統一、協調が得られた。その主要措置こそ国内の小銃中初めてのガス導入孔調節栓(頑住吉注:レギュレーター)の採用だった(56式半自動小銃、サブマシンガンにはいずれも未設置)。調節栓には大(直径3.8mm)、小(直径2.5mm)の2つの気孔が設けられた。正常条件下での射撃時は小気孔が使われる。特殊条件下、例えば厳寒、泥砂、泳ぎによる渡河などの情況での射撃時には大気孔が使われる。気孔の調節も便利だし、作戦現場において環境条件に応じて自分で調節変換ができる。

自動機構のストロークは135mmであり、比較的長いストロークは排莢、ハンマーコック、復帰、給弾等の作動にさらに協調性を加えることができる。

(3)三稜刮刀式(頑住吉注:槍型)バヨネットが新開発され、バヨネットの強度、剛性と刺入深度が向上した。

(4)専用ストリップクリップ(56式半自動小銃のストリップクリップ)が使え、自動小銃に付けた空マガジンに装着して20発の弾薬を押し込むことができ、空マガジンへの補充が便利になった。

20世紀の60年代、アメリカ、ソ連など代表的発達国家は相次いでM14、CKC、FN等の半自動小銃を撤廃し、これに代わったのはアサルトライフルに代表される小口径分隊用銃ファミリーだった。小口径化、銃ファミリー化は小銃発展の新潮流となった。

63式自動小銃の設計が始まった時、当時の戦術思想は特別に伝統的小銃に傾倒しており、突出した小銃性能をくり返し強調し、中、遠距離での命中率が高いことに重点を置き、距離が接近すればあえてバヨネットを使うべきで、さらに火力を増強しさえすれば足りるとしていた。このため下達された戦術要求は小銃の性能をメインとし、サブマシンガンの性能を兼ね備えるというものだった。こうして設計定型に至った63式自動小銃は連発射撃が可能で、20連マガジンが装備されることを除けば、ほとんど半自動小銃と全く同じだった。20年余を経た70年代末期、世界の形勢に変化が生じ、戦術思想にも変化が生じた。陣地攻防戦の機会は多くなくなり、一方戦争の突発性、近代化、猛烈性、隠蔽性(頑住吉注:非公然性、というような意味でしょうか)が高まったと考えられた。このため歩兵の個人武装に対する要求は火力が強く、命中率が高く、機動性が良好で、作動信頼性が高い、というものになった。この時、強烈に求められたのはアサルトライフルだった。

63式自動小銃は着手時からただちに小銃の発展趨勢に背いたものだったので、後に徹装される運命は避け難かった。

この銃は単、連発発射機構を持ち、気体式調節機構を採用し、もって各種環境下での使用信頼性を確保した。この銃はガスオペレーション式ショートストロークピストン自動武器であり、ボルト回転式閉鎖方式を採用している。ボルトストップ機構を装備し、過早発火を防止する不完全閉鎖セーフティおよび暴発を防止するマニュアルセーフティを装備している。

口径 7.62mm
全長 1342mm(バヨネット伸ばし) 1033mm(バヨネットたたみ)
重量 3.8kg
初速 735mm
発射速度 40発/分(単発) 60発/分(バースト)
有効射程 400m
マガジン容量 20発
弾薬 56式小銃弾薬

5.79式スナイパーライフル 79式スナイパーライフルは旧ソ連のドラグノフ半自動スナイパーライフルのコピー品であり、1979年に正式定型に至り、1981年に大量生産に入った。

この銃は辺境防衛哨戒所と歩兵狙撃手が使用する個人武器で、主に中、遠距離の単体重要目標を殺傷する。射撃精度が良好で、有効射程が長く、重量が軽く、機構作動の信頼性が高い。

4倍のスコープが装備され、照準誤差が減少し、射撃命中率が高められている。この銃はガスオペレーションを採用し、閉鎖方式はボルト回転式フルロッキングである。撃発機構はハンマー回転式でセミオート射撃のみ行える。射撃精度が良好、有効射程が長い、重量が軽い、機構作動の信頼性が高い等の特徴を持つ。この銃は弧形の調節式リアサイトと円柱形のフロントサイトという機械式サイト系統の他にスコープを装備し、したがって射撃時の誤差が減少し、初弾命中率が高められている。半自動射撃は戦闘発射速度を高め、チャンスを捉え、目標に命中させるのに便利である。着脱式多機能バヨネットを装備し、白兵戦に使えるだけでなく、ワイヤーカッターやノコギリとしても使用でき、ワイヤーネットや鋸鋼条(頑住吉注:検索しましたが意味不明です)等が切断でき、兵士の野外生存の補助工具である。

半自動射撃を行い、戦闘発射速度が比較的高い。この銃はガスオペレーション自動方式、ボルト回転式閉鎖、10連マガジンによる給弾を採用し、7.62mm53式弾薬を発射する。

性能

口径 7.62mm
初速 830mm
使用弾薬 7.62mmx54
有効射程 1000m
発射速度 30発/分
重量 銃の自重3.8kg スコープ、マウント含め4.4kg
全長 バヨネット装着時1368mm バヨネット不装着時:1220mm
全幅 170mm
全高 178mm
スコープ 重量0.5kg 倍率4倍 視野6度


6.81式自動小銃 81式自動小銃は70年代初めに設計され、1981年に設計定型に至った。この銃は81式7.62mm小銃(木製ストック)、81-1式7.62mm小銃(折りたたみストック)、81式7.62mm軽機関銃を含む。この3種の武器の主要構造は同じで、およそ65点の部品は互換性がある。この銃ファミリーの出現は、中国の武器を当今の世界における1銃多用、銃ファミリー系列化、弾薬共通化という発展趨勢に基本的に適合させ、部隊の訓練、使用と維持修繕をきわめて便利とし、さらに戦闘分隊の戦闘力を増強するとともに、銃器の互換、火力増強にも条件を提供した。81式銃ファミリーは射撃精度が良好で、作動信頼性が高く、重量が軽く、全長が短く、構造が簡単で隙なくきちんとしており、携行に便利で、機動性が良好で、火力が猛烈で、寿命が長く、1銃多用で、ドラムマガジン、ボックスマガジン等多数の部品が銃ファミリーの各銃の間で互換性があり、銃全体の外形が美しく上品である。1983年から全軍装備が始まり、56式武器と全面的に交代し、我が軍の目下の正式装備である。この銃は自動方式にガスオペレーションを採用し、ボルト回転式閉鎖、単、連発射撃が行え、30連マガジンで給弾し、弾頭初速は720m/s、固定のライフルグレネード発射器は空砲弾薬を使って60mm対戦車 榴弾を発射でき、実弾で発射する40mmライフルグレネード系列も使用できる。

81式銃ファミリーの成功は、我が国の小火器界が論証、設計、研究開発、生産方面において1つの新しいレベルに到達したことを示したものである。

しかし物事には常に両面性がある(頑住吉注:中国人はこの言い方好きみたいですね)。81式銃ファミリーにおいても新構造、新技術、新材料の創造や応用が足りないことが明らかであり、外形は56式サブマシンガンと似た印象すらある。これは81式銃ファミリーの重大な不足部分である。だが81式銃ファミリーが手にした達成と経験、特に開式ドラムマガジンの新発明(頑住吉注: http://www.gun-world.net/china/rifle/1981/81mag.gif 後部が開くという意味でしょうか。なら別に新しいものではないと思うんですが)は小銃の新たな研究開発と発展のための条件を作りだした。

口径 7.62mm
初速 750m/s
重量 3.4kg/3.5kg
全長 955mm/730mm
(81式/81-1式)
装弾数 30発
有効射程 400m

7.82式自動小銃 この銃ファミリーは1979年に研究開発が開始され、1981年に設計定型に至った。定型の時期が81式銃ファミリーより遅かったため装備されず、国家も命名を行わなかった。設計人員はこれを82式分隊用銃ファミリーと名付けた。(頑住吉注:ごく簡単な説明だけですが、画像を見るとトリガー・ハンマーまわりがユニット化されていることなどが分かります)

小銃 軽機関銃
口径 7.62mm 7.62mm
使用弾薬 56式7.62mm各種弾薬 56式7.62mm各種弾薬
初速 720m/s 735m/s
有効射程 400m 600m
全長 固定ストック バヨネット装着 1090mm
バヨネットなし 940mm

折りたたみストック伸ばし、バヨネット装着 1090mm
バヨネットなし 940mm
折りたたみストックたたみ、バヨネットなし 720mm
1020mm
全体重量 折りたたみストック 3.69kg
固定ストック 3.32g
4.98kg
理論上の発射速度 700発/分 700発/分
閉鎖方式 ボルト回転式 ボルト回転式
発射方式 セミ・フルオート セミ・フルオート
自動方式 ガスオペレーション ガスオペレーション
給弾具 30連ボックスマガジン 75連ドラムマガジン

8.85式半自動スナイパーライフル この銃は79式スナイパーライフルを基礎に発展してできたものである。1985年に定型に至り、装備された。これは辺境を防衛する哨戒所や、歩兵狙撃手が使用する個人武器で、主に1000m以内の単体の生体目標を殺傷するのに用いられる。外形上から見ると両者は双子のように似ている。85式スナイパーライフルの構造は79式と同じであり、照準具、弾薬、バヨネット等も79式と同じである。ただし85式スナイパーライフルの精度は79式や旧ソ連のドラグノフスナイパーライフルより優れている(距離600mにおける人胸目標に対する殺傷確率は80%以上に達する。歩兵の作戦時、通常距離は400m以内であり、200m以内であることがきわめて多い。この距離での人胸目標に対する殺傷確率は95%以上とすることができる)(頑住吉注:ここの記述では79式、85式ともソ連製より明らかに命中精度が劣ることになっていますが。ちなみに戦闘継続が可能な軽傷はこの場合の「殺傷確率」から外されているんでしょうか)。この銃は53式普通鋼芯弾を使用し、距離100mで6mm厚の鋼板、15mm厚のレンガ、45mm厚の土壁、50mm厚の木板を貫通できる(頑住吉注:強力なフルサイズ弾薬、鋼芯弾、距離100mなら鋼板を除きもっと貫通できていいのではないかという気がしますが)。銃に着脱できるバヨネットはワイヤーカッター、ノコギリ、ナイフおよび野外生活の補助工具等の多機能を兼ね備えている。一般の小銃と比べ、この銃の銃身長は100mm長く、初速は100m/s高い。このため外部弾道性能および弾丸の飛行安定性が保証される。スコープが装備され、夜間の視察、捜索、照準、射撃ができる。

口径 7.62mm
初速 830m/s
全体重量 4.4kg
全長 1220mm(バヨネットなし)
有効射程 800m
マガジン装弾数 10発
寿命 6000発
拡大倍率 4倍
出瞳距離 70mm

(頑住吉注:「出瞳距離」はたぶん接眼レンズから目までの距離のことでしょう)

9.86式自動小銃 86式は我が国が国外の民間用銃器市場の需要に合わせるために、国産の7.62mm56式サブマシンガンを基礎に研究開発した半自動小銃である。その外観は国産56式サブマシンガンと全く異なるので、この銃は我が国が新たに研究開発した小銃であると考える人がいるが、実は86式の「内装」部分は56式サブマシンガンと基本的に同じであり、各項目の性能指標も大同小異である。ただフルオート射撃ができないにすぎない。

独特のブルパップ型外観

民間用輸出型小銃とするため、86式は外観の設計上現在国際的に広く流行しているブルパップ構造を採用している。56式サブマシンガンと比べると、この銃には以下のいくつかの顕著な特徴がある。

86式は伝統的なストックを機関部の所まで前方に移し、機関部の後部と発射機構全体を包み、自動機構はストック内で運動させ得るものとした。したがって銃身長を減らさないことを保証しながら、銃の全長は56式サブマシンガンと比べ約25%短縮され、外観は太短いものになった。

86式の銃身は56式サブマシンガンの銃身と同じ長さ(いずれも415mm)であるが、全長は663mmしかなく、56式サブマシンガンのバヨネット折りたたみ時と比べてもなお211mm短い。

86式の機関部上方にはキャリングハンドルが増設され、携行が便利になった。同時に照準器もキャリングハンドル上に置かれ、照準、射撃に有利である。しかもキャリングハンドル上には光学サイト用レールがあり、光学サイトを取り付けるのに便利である。

コッキングハンドルは機関部上方、キャリングハンドル下に配置され、左右の手で等しく操作可能である。

機関部前部下方には前方に折りたためる小グリップが装備されている。小グリップを接地させて支えている時は小銃の射撃安定性を高めることができる。

機関部後下方にはスケルトンな、形状が折りたたみ金属ストックに似た斜めの支え部があり、射手が肩当てして射撃するのに便利である。必要時にはこの支え部を開き、ストックとして使うこともできる(頑住吉注:ん? これはどういう意味でしょうか)。マガジンには2種類があり、1つは20連のストレートマガジン、1つは30連バナナ型マガジンである。

銃口部にはバヨネット装着座があり、必要時にはバヨネットを装着して格闘を行うことができる。バヨネットは銃に装着していない時にはナイフとして使える。

基本性能と構造

86式は7.62mmx39弾薬を発射し、セミオート発射方式を採用し、初速は710m/s、有効射程400m、マガジン容量20発または30発、空虚重量3.6kgである。

86式の機関部ユニットはバレル座、機関部体、尾座、セーフティユニットとハンドガードなど主要部品(ユニット)からなっている。回転式フルロッキング機構は主にボルト、バレル、バレル座(機関部)等からなっている。

ボルトヘッドには左右対称に閉鎖突起があり、突起にはピッチ3mmの閉鎖螺旋面がある。

マガジンは主に本体、フォーロワ、マガジンスプリング、底板、前後左右の補強板等からなっている。

撃発発射機構は主にハンマー、ハンマースプリング、撃針、トリガー、シア、撃発機構軸とセーフティユニット等からなっている。

セーフティ機構にはセーフティと不完全閉鎖セーフティの2種がある。撃発機構には回転式ハンマーが採用されている。

当然86式にもいくつかの欠点はあり、例えば厚みが大きい、保持しにくい、発射する弾丸の口径が大きすぎるなどである。ただし86式小銃の構造は隙なく整っており、保管や移送に便利であり、銃器コレクターや狩猟愛好家に対し大きな魅力を持っている。

口径 7.62mm
全長 663mm
銃身長 415mm
全幅 49mm
重量 3.75kg
初速 710m/s
理論上の発射速度 600発/分
有効射程 400m
マガジン容量 15または30発
弾薬 56式7.62mm弾薬
自動方式 ガスオペレーション
閉鎖方式 ボルト回転
発射方式 セミオート

10、87式小銃 QBZ-87式5.8mm小銃はQBZ-81式7.62mm小銃の小口径改造型であると言ってよく、その原理、構造、外形はいずれも81式小銃とよく似ている。QBZ-87式自動小銃が発射するのはDBP87式5.8mm普通弾薬で、7.62mm普通弾薬と比べ重量が23.9%軽減されており、兵個人の負担軽減や携帯量増加に有利である。しかも5.8mm普通弾は空中を飛行する際の速度、エネルギー残存、飛行時間の短さ、ハードターゲットに対する貫通力がいずれも7.62mm弾薬を超えている。この弾薬の弾頭の初速は920m/s、有効射程は400m、理論上の発射速度は700発/分であり、いずれもロシアの5.45mm弾薬および西側の5.56mmSS109弾薬より良好である。この他、この弾薬の発射薬の低温性能は比較的良好で、厳寒の条件下での威力を保証するのに有利である。QBZ-87式自動小銃は全長945mm、バヨネット装着時の全長1105mm、ストック折りたたみ後の全長730mmである。銃の重量(空マガジンおよび付属品を含め)は3.95kg、空マガジンの重量は0.14kg、30発装弾後の重量は0.52kgである。

QBZ-87式小銃は設計定型後、ある種の必要のために専門的に外観の改造設計が集中して1度行われ、その主要な変化はストックがL字型になったことで、ストック本体はアルミパイプ製で外部はプラスチックでカバーされ、形状が独特であると同時に使いやすかった。上部、下部ハンドガード、グリップ、グリップ基部にはいずれもプラスチック部品が採用され、マガジンは全体がプラスチック構造で、銃全体が黒灰色である。銃全体の外観の変化は大きく、独自の特色を持ち、美しく上品である。スターライトスコープや他用途バヨネットが装備され、35mm 榴弾発射器を吊り下げることもできる。銃の全体重量は軽く、直射距離は遠く、射撃密度は良好である。故障率は国外の同類武器中信頼性が最も良好なロシアのAK系列(故障率0.35%未満)より低い。これらの新機軸はいずれもその後に装備された駐香港、マカオ部隊の使用するQBZ-95式小銃の上に大きな恩恵を与え、これにより中国の小銃の発展はAK-47の影響から完全に脱却した。QBZ-87式小銃の出現は、我が国の小銃発展史上における重要かつ忘れてはならない記念碑である。

口径 5.8mm
初速 920m/s
重量 3.95kg
全長 955/730mm
装弾数 30
有効射程 400m

11.95式自動小銃 95式5.8mm自動小銃は我が国の新世代制式自動小銃であり、1995年に設計定型に至り、すでに続々と部隊に装備され始めている。

この銃はブルパップ式構造を採用している。自動方式はガスオペレーションで、ボルトヘッド回転閉鎖式、セミ、フルオート射撃が可能である。給弾具には30発プラスチック製マガジンと75発快速装弾ドラムマガジンの2種があり、機械式サイトのリアサイトはピープ式である。発射音、発射炎を軽減する銃口装置が装備されている。

この自動小銃は40mmライフルグレネード系列を発射でき、快速着脱式35mm 榴弾発射器を吊り下げることもできる。さらに3倍の昼間スコープやスターライトスコープが装備され、スターライトスコープは夜間の弱光条件下で200m以内の生動目標に正確な照準ができる。この銃に装備される多機能バヨネットは素早い着脱ができる。

95式5.8mm銃ファミリーは、自動小銃、分隊用機関銃および4つの付属製品を含む。すなわち昼間スコープ、スターライトスコープ、多機能バヨネットおよび吊り下げ式 榴弾発射器である。この他さらにショートライフルと折りたたみストックの小銃がある。自動小銃が新銃器ファミリーの主体となる銃であり、その他の各種の銃と小銃は基本構造が同じで、自動機構、給弾具等大部分の部品は互換あるいは共用ができる。

95式5.8mm銃ファミリーの構造は最適化設計がなされ、レイアウトは合理的で、新技術、新工程、新材料が採用され、これにより総合性能が明らかに高められている。各項目の技術指標は先進レベルに達し、我が国の小銃の発展が1つのまったく新しい段階に達したことを示している。

その性能上の特徴は以下の通りである。

(1)5.8mm弾薬の威力を充分に発揮するため、バレルには充分な長さがある。この銃はブルパップ構造を採用しており、銃の全長が短縮されている(小銃746mm、機関銃840mm)。給弾具は共用でき、装弾数が多く、フルオート射撃が可能で、猛烈な持続火力を持つ。

(2)銃の全長が短く、重量が軽く(小銃3.25kg、機関銃3.95kg)、機動性が良好で国外の同類武器より優れている。

(3)5.8mm弾薬は後座力が小さく、銃全体の動力特性が平穏で(頑住吉注:軸線から離れたところで重い部品が動いてひねられる動きが生ずるようなことがない、ということです)、全体レイアウトは合理的である。射撃時の銃の保持、照準は快適で、振動は小さく、セミオート、バースト射撃の精度はいずれも高いレベルに達している。

(4)機構の作動信頼性が高く、各種の気候、環境条件下の作戦に適応でき、銃全体の寿命が長く、国外の同類武器より優れている(頑住吉注:何度か触れたように中国製銃器の耐久性は低い傾向にあり、これはちょっと信じがたいです)

(5)銃器ファミリー内の各銃の基本構造は同じで、大部分の部品は共用であり、自動機構、給弾具等の部品は互換でき、勤務使用、維持修繕がきわめて便利である。

(6)機械式サイト、簡易夜間照準装置があり、さらに昼間スコープ、スターライトスコープが装備され、全天候の作戦に適応できる。

(7)一銃多能、一族多銃である。このファミリーの小銃は35mm 榴弾発射器を吊り下げ、また銃口から銃弾でライフルグレネードを発射することもでき、面殺傷能力が拡大されている。多機能バヨネットおよびシースがあり、携帯に便利であり、殺傷、叩き切る、ワイヤーカット、ノコギリのように切る、削る等の機能を備えている。さらにナイフとして使うこともでき、小銃の戦術作用が拡大されている。新銃器ファミリーには小銃、機関銃の他、さらにショートライフル(全長560mm、重量2.8kg)、折りたたみストックの小銃もあり、一族多銃を実現しており、各兵種の人員の需要を満足させられる。

(8)プラスチック、硬質アルミ合金等の新材料が広汎に採用され、銃全体の外観の改善、防腐食能力の向上、銃の全体重量の軽減、生産技術簡易化に対し、いずれも大きなメリットがある。

(9)部品の違いに応じて、材料には黒色燐化、陽極酸化、全色噴塑(頑住吉注:この方面の知識が乏しいので簡体字を日本の漢字にそのまま直しただけですが、日本には別の名称がある可能性が高いです)等の先進技術が採用されて防腐食、防脱色能力が高められ、元の56式武器の抗腐食能力が劣るという難題は徹底して解決された。

(10)製造技術上の改革創新が進められ、精密鍛造バレル、熱型鍛造アルミニウム製レシーバー、またプラスチック注型成形等の新技術が採用され、デジタル制御装置が比較的多く利用され、マシニング加工でキーとなる重要部品が加工され、加工精度上の要求が保証され、装備されるすべての部品の完全互換が実現されている。

95式銃ファミリーは、我が軍が過去に装備した銃ファミリーと比較して戦術性能上の向上が達成されているが、部隊における使用中に95式銃ファミリーの欠点がいくつか提示されてもいる。例えば以下のようなものである。

研究開発時の知識や技術レベルの制限を受け、この銃の機能拡張方式として採用されたのは最も簡単な連接座式である。この種の方式は構造が簡単であるが、モジュール式機能が形成できず、部隊の機能多様な要求を満足させることが難しい(頑住吉注:古くはストーナー、最近のG36系のように各部分がユニット化され、簡単に組み替えて別の銃にすることができない、ということでしょうが、「連接座式」の意味は不明です)。

簡易夜間照準装置には放射性同位元素プロメチウム147が窪みに塗る方式で使われているが、使用中に明るさの不足や容易に脱落する問題が存在する。しかもプロメチウム147の半減期も軍品の長期貯蔵という要求を満足させることができず(頑住吉注:約2.6年です。また塗りなおせばいいような気もしますが)、支給された部隊の使用に多くの不便をもたらしている。研究開発されている第2世代スターライトスコープは価格上の問題から全面装備は不可能で、しかも200mという夜視距離も明らかに不足でもあり、全天候作戦能力の向上が待たれている。

光学照準具の照準が不便であることは部隊からの意見の表明が比較的多い問題である。これは主に95式自動小銃が「機械式サイトを主要な照準方式とすることをもって満足すべき」との要求の制限を受けて作られたものであるからで、スコープ装着後は照準線が高すぎ、快適な頬付けしての照準ができない。

91B吊り下げ式暴発防止震撼弾発射器(頑住吉注:グレネードランチャー)の撃発方式も不便である。これはM16のようにコンベンショナルな銃は通常マガジンを吊り下げ式 榴弾発射器のグリップ部位としているからで、95式自動小銃はブルパップ構造を採用しているので吊り下げ式暴発防止 榴弾発射器装着後は前部の小グリップを保持部位とするしかなく、実際の使用時には不便である。

95式銃器ファミリーはブルパップ構造を採用して銃全体のレイアウトを充分に隙なくきちんとしたものにしているが、射撃時に射手の頬付け位置が煙源に近すぎ、不完全燃焼した火薬ガスがエジェクションポートやコッキングハンドル用開口、アッパーレシーバーの放熱穴からあふれ出し、射手の目を直接刺激し、あるいは照準線上に無駄に存在して射手の持続照準射撃に影響する。この種の状況も武器の使用に不便をもたらしている。

5.8mm普通弾が採用しているダブルベース扁球状火薬は燃焼が不完全であり、95式銃器ファミリーは2,000発の弾薬を発射すると(銃全体のクリーニングが必要となる射弾数)、通常ガスレギュレーターやピストンの取り出し困難という問題が常に起き得る。しかも多弾数射撃後はさらにガス導入穴が火薬の残渣の堆積により小さくなるという問題も起こり得る。この他、良好な外部弾道性能を獲得するため5.8mm普通弾は 部分的な難題を内部弾道に転移しており、銃口圧力が高すぎるという結果をもたらし、銃口騒音と火炎の解決という問題に多くの困難をもたらしている。5.8mm普通弾が採用しているのは通常のプライマーであり、長期貯蔵後プライマーの錆蝕問題が起き、信頼性をもっての使用に潜在的問題を残している。

プラスチック部品が容易に擦れて白くなる、これは主にプラスチック材料自体の問題である。マイナス45度の低温で信頼性をもって使用できるという要求を満足させる必要があり、プラスチック材料中のガラス繊維含有率があまり高くできず、だが擦れて白くなる問題は主にプラスチックの強度不足である、この矛盾を解決するのは比較的難しい。プラスチック部品が擦れて白くなった後は95式銃ファミリーの美観に影響する。

95式銃ファミリーは分解結合を行う際、部品の紛失や小部品の間違った組み込みという問題が生じることがある。こうなると銃の正常な使用に支障をきたすことになる。

上述の問題はいずれも部隊による試用初期に多く提示されたものである。95式銃器ファミリーは常に改良されており、一部の問題は現在すでに解決されているかもしれない。目下のところどれだけの数の改良が行われたのか発表されていない。ただしすでに公開されている写真の分析から、少なくとも3つの段階を経ている。この3つの段階の特徴の区別は、コッキングハンドルの形状と、アッパーレシーバーの放熱穴の数で識別できる。

95式5.8mm自動小銃の技術的パラメーター

口径 5.8mm
全長 746mm
重量 3.25kg
初速 930m/s
理論上の発射速度 650発/分
戦闘発射速度 40発/分(セミオート)
100発/分(フルオート)
直射距離 370m
有効射程 400m
マガジン容量 30発
使用弾薬 87式5.8mm小銃弾薬


12.97式自動小銃 QBZ97式自動小銃(1999年に写真が公開されてすぐの時は99式と呼ばれていた。2000年の刊行物上で正式に97式と称された)はQBZ95式自動小銃の輸出型であり、使用弾薬は西側の国でポピュラーな5.56mmNATOで、主にSS109規格の小銃弾薬を発射する。QBZ97の全体的特徴はQBZ95式と基本的に同じで、外観上の最も顕著な差異は両銃のレシーバーの外形とマガジンである。97式はマガジンの位置に、下向きに突出した受け入れ部があるが、95式はより平坦である。97式のマガジンはストレートに挿入する着脱法であり、側面プレスで作られた「ストレート カーブ ストレート」型のアルミ合金製マガジン、すなわちM16の標準的マガジンであるが、95式は前後プレス製の回転着脱式「全体カーブ」型プラスチック製マガジンを採用している。

マガジンの位置および使用弾薬が異なるので、97式と95式のフィーディングランプも異なっている。異なる弾薬を発射するので、この2種の銃の内部弾道パラメーターは異なり、97式は95式に比べて平均のボア内圧力が高く、自動機構の良好な動力特性を保持するため、97式は95式を基礎にガス導入穴の直径、位置、シリンダー容量にいずれも適切な調整を加えている。

ボルトヘッドも異なっている。97式は95式に比べ薬莢を引き抜く力がずっと大きく、信頼性の高い使用のため、95式の基礎上にエキストラクターの関係する構造、例えばエキストラクター軸の位置、フック部の強度等に改造を加えている。この他、97式のファイアリングピン先端の直径およびボルトヘッドのファイアリングピン穴の径とのマッチングも95式と大きな差がある。

銃全長 755mm
空虚重量 3.32kg
発射速度 650発/分
有効射程 400m

13.03式自動小銃 

03式新型小銃

自動小銃は部隊装備において最も基本的な、最も広汎な武器である。現代の戦争の多様化、突撃性の需要(頑住吉注:特殊部隊の強襲作戦などを指しているんでしょうか)に合わせ、部隊各兵種の全天候作戦の需要を満足させるため、自動小銃の構造形式に対してもより多く、より高い要求が提出されるようになった。5.8mm銃器ファミリーの全体的戦術技術要求の中で、すでに明確に分隊用銃器ファミリーはブルパップ型自動小銃、折りたたみストックの自動小銃と短自動小銃等を包括すべきであるということが提示されていた。1997年以来、ブルパップ小銃、短自動小銃はいずれもすでに相次いで世に問われた。折りたたみストックの自動小銃も7年の研究開発を経て2003年12月に設計定型に至り、03式5.8mm自動小銃と正式に命名された。この銃は95式5.8mm分隊用銃器ファミリー中の最後のメンバーであり、その優秀な戦術性能はすでに世界の同類武器の先進レベルに達しており、部隊がさらに完璧に近づく作戦武器となっている。

銃全体の特徴

03式5.8mm自動小銃は戦術性能が世界の同類武器の先進レベルに達しているというだけでなく、独特の魅力を備えている。すなわち外形が流麗で美しく、折りたたみ式ストックは多くの兵種の使用要求を満足させ得る。照準線が低く、兵士の射撃時の隠蔽性が良好である。安全性が強化されている。頬付け射撃時にエジェクションポートから比較的遠く、兵士が飛び出した薬莢に脅かされたり後方にあふれ出す火薬ガスに邪魔されるおそれがない。バヨネットでの刺殺時、兵士の操銃使用がさらに便利である。機械式サイト、光学サイトの頬付けの高さが合理的に設計され、射撃が快適で人間工学的に良好である。さらに機械式サイトの照準長が長くなっており、このため射撃精度が向上している。

コンベンショナルな構造、レイアウトの小銃に関して言うと、折りたたみストックは単に銃の絶対的な長さを変えることで銃の携帯性を改善するだけでは決してない。折りたたみストックは銃全体の操作快適性にきわめて大きな影響がある。横向きのストック軸を採用し、ストックを下向きに折りたたみ(例えばロシアのAKMS突撃銃)、あるいは上向きに折りたたむ(中国の79式サブマシンガン)と、ストックと銃本体との間に克服できない縦向きのガタが生まれ、射撃精度が低下する。縦向きのストック軸を採用し、ストックを左向きに折りたたむ(例えばロシアのAK74S突撃銃、アメリカのM1A1カービン)と縦向きのガタは生まれないし、行軍状態(頑住吉注:ストックをたたんでいる)の時にも銃の射撃に影響しないが、後部スリング金具の配置にきわめて大きく干渉する。すなわちAK74Sの後部スリング金具は右側にあり、行軍状態の時は背負いやすいが、戦闘状態(頑住吉注:ストックを伸ばしている)の時は兵士を大いに困惑させ、厄介がらせる。M1A1カービンの後部スリング金具はピストルグリップの下面に配置されており、これも同様の問題がある。03式5.8mm自動小銃のストックは右側に折りたたむが、後部スリング金具は巧妙にレシーバー後端部に配置され(頑住吉注: http://military.china.com/zh_cn/critical/25/20051217/images/12954849_2005121711362015741900.jpg )行軍状態でも戦闘状態でも背負い、射撃に影響しない。将来配備される戦術銃(頑住吉注:ショートバージョンのことでしょうか)を背負うと、さらに小銃の戦闘使用が便利になる可能性がある。

03式自動小銃は「兵器知識」2004年11期において初めて公開された。ただしこの銃の外形から、また文中の言及のしかたから、この銃は95系列のメンバーであると見られた。実はこの年の初めに発表されたのはまさにQBZ95Aで(頑住吉注: http://www.gun-world.net/china/rifle/qbz95/qbz95a.htm )、当然(頑住吉注:量産された03式にはQBZ95Aとは異なる)改造個所もあり、外観上の最も顕著な差異はリアサイトが機関部の後部に移されたことである(頑住吉注:リンクしたページで分かるように、QBZ95Aのリアサイトはエジェクションポートの直後あたりにあり、03式ではずっと後方になっています)。文章での紹介によれば、この銃は2003年12月に設計定型に至った。実は1989年に新型小口径突撃銃の設計が決定した時、すでにコンベンショナル構造とブルパップ構造の2つの方案があったのである。ブルパップ方案はすなわち95式としてとっくに定型に至ってはいたが、それ自身にいくつか欠点があり、加えて部隊に2種の方案を提供して選択させるべきだと考える人もいたので、コンベンショナル方案の研究開発はずっと進行していた。ただし研究過程で95式の構造はコンベンショナルな構造の小銃上に移すことはできないことが判明し、そのため両銃の重要部品を共通とするという要求は放棄された。新型の銃器の生産が研究され、半発表状態の時は95Aと呼ばれたが、実際には両銃の構造は全く違っており、ボルトにも全く互換性はなかった。このためこのコンベンショナル方案の最終定型時、「03」との名称が採用されたのである。

この銃の性能に関しては詳細な資料がないが、発表された写真から、この銃の1つの欠点はレシーバーの生産性が劣ることに他ならない、ということが判明するのに十分である。生産にコストがかかり、この問題は試生産中にも実証されたとされる。目下ネット上で、この銃に関する論争には基本的に2種類がある。1つは「コンベンショナルとブルパップの争い」に属し、この問題は国内外の専門家が数十年論争して現在に至るも結論が出ない。このため各フォーラム上の論争の結果もまた「誰もが誰もを説き伏せられない」である。もう1つの論争は純粋に美的観点からのもので、「見た目がいいか悪いか」の論争に他ならない。この他設計者の性別のせいでこの銃の性能を責める人もいる。

多くの非難の中で、フラッシュハイダーに関する論争が最も多い。多くの人がラッパ型はバードケイジ型よりも見た目が良くないと思っている。だが実際のところこのフラッシュハイダーは何度にもわたる試験を経て模索され、やっと最終的に確定したのであり、設計者が心血を注いだ作品に他ならない。この範囲の長さのバレルに関して言うと、5.8mm弾薬のマズル内圧力は5.56mm弾薬と比べて高く、もしその他の膨張式装置(例えばAKS-74Uのような)を採用すれば、その直径は発射するライフルグレネードの基準を超えてしまう。このためM16に類似したバードケイジ型あるいはその他の類型に変えることは難しいのである。FNのMINIMIを例にすると、ラッパ型のフラッシュハイダーは発射炎の抑制や塵を巻き上げにくいという点でいずれもバードケイジ型に優っている。だがM16A2との共用のため、アメリカ軍のM249はついに最終的にM16A2のフラッシュハイダーに改められたのである。QJY88式汎用機関銃のフラッシュハイダーもMINIMIにならったものだが、試験中機関銃の発射炎がQSZ92式拳銃と比べてさえ小さいことが判明した。03式自動小銃とQJY88汎用機関銃の写真を比べてみてほしい。両者のフラッシュハイダーに共通性があることに気づくことは難しくない。ラッパ型フラッシュハイダーの設計は「外形は機能に従う」の原則に符合する。95式のフラッシュハイダーは外観上M16に似たバードケイジ型であると思わせるが、詳細に見れば、実はその内部の形状はやはりラッパ型であると判明するはずである。ただ95式のラッパ型部分はやや細長く、外部にも数本の強化リブがあって強度を増しており、このため外観上円筒形に見えるにすぎない。ただしこの種の強化リブは容易に破損し、しかも後部のバレルと接続する移行部も短すぎる。もう一つの重要な原因は、95式のフラッシュハイダーは精密鋳造で成形されているが、国産の鋳造部品は品質が低い。鋳造部品に穴をあけることは、03式のように直接旋盤で作る(コストも節約できるし、品質も保証される)のに及ばない。ただし逆に03式のレシーバーは95式に比べて生産が難しい。

03式と95式を比べてどちらがより良いのか? 私はケースレス弾薬の技術が現実化する前にあって「コンベンショナル派」に属しているので、個人的な立場として03式を支持している(頑住吉注:排莢方向の問題、エジェクションポートから流出するガスが射手の邪魔になるという問題が解決すればブルパップの方が望ましい、という考えでしょうか)。ただしさらに一歩の改良が必要である。部隊がどんな種類の武器を選択するべきか、ということに関し、私は最も良い方法は異なる地域と異なる兵種にあって、小範囲で同時に2種類の武器を装備することに他ならないと考えている。訓練や演習中、この2種の武器をまず比較し、使用者がこの2種の銃の勤務性能と作戦効能に照らして最良の選択をするのである。

具体的なデータは不詳

14.CQ自動小銃

我が国が生産するCQ自動小銃はアメリカのM16A1自動小銃をコピーし、改造したものであり、1983年に生産定型に至った。主に輸出用である。CQのハンドガードの形状はM16A2の円筒型ハンドガードと似たところがあるが、発射するのはM193弾薬であり、またM16A1型のアッパー、ロアレシーバーを採用している。ハンドガードの滑り止め突起の形状はM16A2のそれと明らかに違っており、グリップの湾曲した形状もアメリカの直線的な設計と大きな差がある。さらにストックの下部には突起が1つあり、この見たところ珍奇な設計は銃を腰だめで射撃する際にストックをより快適に肘を曲げた内側で保持するためである。上述のこれらいくつかの細目はいずれも外観上の差であり、国産のCQのアメリカのM16A1との明確な違いとなっている。軍用の輸出のための全自動型の他、一部の国の民間用銃規制法に合わせて半自動射撃のみできる311型小銃が生産されている。小銃以外に20連M16マガジンもコピーされている。

CQ自動小銃の動向については現在なお秘密保持状態にある。ただしかつていくつかの国に軍用武器として購入されたという情報が流れたことがある。ある消息筋は、国外におけるCQ小銃に関する最も早い報告は1985年であり、一部のアフガニスタン抗ソ武装勢力が使用していた武器の中にすでに中国が生産したCQ小銃があったという。中国の辺境パトロール部隊が、外形がM16に類似した小銃を使用していることがあるという話を聞く。このため国内でも少数のCQが装備(あるいは試用)されているのかもしれないと推測される。あるアメリカ軍の兵士の報告から、キューバのグァンタナモ基地の守備兵の中にもCQ小銃を使用している者がいることが判明した、という人さえいる。さらには北朝鮮の一部の特殊部隊の中にもこの種の韓国軍と使用弾薬が共通な武器を装備しているものがあるという人がいる(頑住吉注:原文では「朝鮮」と「南韓」)。以上のいくつかの情報に関して言うと、いくつかは本当かもしれないが、根も葉もない噂であるかもしれない。


 途中で気付いたんですが、これは1人の筆者が一気に書いた解説文ではなく、各銃の解説文をいろいろなところから集めてきて並べたもののようです。ですから表記が不統一だったり、古い銃について装備され始めた段階であるかのような記述があったりするんですね。あと、何故か88式スナイパーライフルに関する記述がありません。

 不確実な情報とはいえCQライフルの国内外での使用に関する記述は興味深いです。ここには書かれていませんが、最近イランが装備を始めたのもこのCQライフルのコピーと見られています。















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