新型中型輸送機「運ー30」

 殲ー20ステルス戦闘機、運ー20大型輸送機、武直ー10武装ヘリ、直ー20汎用ヘリ(中国版ブラックホーク)など、どうもきりのいい数字を割り当てられるのは重要機種、みたいなパターンがあるようで、これもそうなんでしょうか。

http://military.china.com/zh2014/news/11167116/20141109/18942159.html


国産運ー30「新中運」初お目見え 最大搭載重量あるいは35トンに達するか

11月9日、中国航空展正式開幕まで残すところわずか2日余り、ここ何日か航空展現場には運ー20というこの絶対のヘビー級の「秘密に関わる飛行機」がお目見えし、かつ素晴らしい飛行を行うだけでなく、さらに我が軍の新型中型輸送機である運ー9の地上展示があり、展示館内ではさらに「運ー30」(Y-30)および「新中運」の文字が表記された4発ターボプロップ中型輸送機の模型が初お目見えした(頑住吉注:輸送機は中国語では「運輸機」で、「新中運」は新型の中型輸送機、という意味です)。

運ー9がすでに定型、成熟し、部隊への大量装備が開始されるのと同時に、何故さらに「新中運」方案の出現があるのだろうか?

実は、我が国の大型軍用輸送機研究開発成功後、次の一歩として考慮することが必要なのは、我が国の中型輸送機の更新世代交代の問題に他ならず、結局のところそれは我が国の空軍輸送機部隊の装備の主体であり、そして輸出の主力機種なのであって、先進的な中型輸送機の研究開発は同様に意義が重大なのである。

運ー20の研究開発成功は国の人を震撼させたが、200トン級の大型軍用輸送機の価格は必ずや比較的高価になると定まっており、我が国の現在の総合国力をもってしては、まだ現有の輸送機を全部この機に換装することは難しいかもしれないと言え、このため相対的に廉価な機種を補充として必要とし、これが我が国の新型中型輸送機の存在意義なのである。

現在我が国の空軍が装備する主力戦術輸送機は国産の運ー8輸送機で、最新改良型運ー9はすでに部隊に引き渡されている。運ー9は運ー8に存在する問題を根拠にこれに照準を合わせた性質の改良を行った機種で、その最大の特徴は国産の5,300馬力ウォジャン-6Cエンジン(頑住吉注:日本語にない漢字を使った語でターボプロップの意)を採用し、複合材料の6枚羽プロペラを配備したことで、最大離陸重量、巡航速度、上昇能力全てに運ー8に比べての比較的大きな向上がある。全体的に言って、運ー9の主要な戦術技術指標はすでにアメリカのC-130J型輸送機に相当している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「最近、『運ー30』(Y-30)および『新中運』の文字が表記された4発ターボプロップ中型輸送機の模型が初お目見えした。」です。)

だが中米両国空軍の主力戦術輸送機である運ー9とC-130Jには1つ共通の欠点がある。それは貨物室が小さめで、陸軍の新世代戦術機動車両の輸送を満足させられないことに他ならない! C-130Jの貨物室の長さは12.19m、幅3.12m、高さ2.74mで、運ー8の貨物室の長さはおよそ13.5m、幅3〜3.5m、高さ2.4〜2.6mである。もしこの2機種の研究開発された時代に戻って見たならば、運ー8(アントノフー12)とC-130の貨物室はすでに充分に広々としていた。だが、冷戦後歩兵戦闘車両の発展も日増しに重防護に向かい、装備の寸法も厳しくなり、この2つの中型輸送機の貨物室の搭載の極限を超えた。装甲車両の他、陸軍航空部隊の武装ヘリも場所移動の輸送を考慮する必要がある陸軍装備である。現代の武装ヘリは機動性が高く、火力が強力で、「飛行戦車」の呼び名があるが、これに伴って来るのは機載設備、ミサイルの増加、およびローターの頂部に置かれるマスト(頑住吉注:ミリ波レーダーでしたっけ)の導入で、これらは全て武装ヘリ全体の体積(特に高さ)をもどんどん大きくしている。AH-64、「タイガー」武装ヘリのようにで(頑住吉注:ちなみに武直ー10は「タイガー」に近いサイズのようです。ただし武直ー10にはまだミリ波レーダーを装備したタイプはないようで、ただし廉価版武装ヘリである武直ー19にはあります)、それらのローター頂部の高さは普遍的に3.8m以上で、これはすでにC-130Jの(頑住吉注:貨物室の)高さを超えている。

運ー8に関して言えば、置かれた状況はやはりC-130Jと同様である。1990年代から、我が陸軍も快速反応部隊の建設を開始した。「ストライカー」旅団に似て、やはり装輪式装甲車車両ファミリーを装備した。特に新世紀に入って、我が国の快速反応部隊はまたより先進的な09式8x8装輪式歩兵戦闘車に換装し、戦闘重量は18トンにまで増加し、しかもそのいくつかの改良型、例えば突撃砲、迫撃砲・榴弾砲、連装35mm自走高射機関砲などの戦闘重量はさらに20トンを超えた。このため現在我が国の快速反応部隊の戦術戦略機動は全てまだイリューシンー76に頼って空輸されるしかないと言える。だが我が国空軍の現有のイリューシンー76の数は不足し、大規模な空輸は支持し難い(頑住吉注:空中給油機など他にも使いたい用途がありますしね)。このため我々は我が軍の区域をまたいでの機動演習の中で、こうした「軽量型」装輪装甲車がまだ主に鉄道輸送を採用しているのを見るのである。だが鉄道を採用しての機動と、ヘリが自ら場所移動する方式は、前者に関しては時間的効果が保証し難く、後者に関しては武装ヘリの貴重な飛行時間の浪費である。しかも容易に軍事行動の意図を暴露し、これは快速反応部隊の反応能力を大いにそいでいる。

西欧諸国は自身の特徴に基づき、戦略空輸任務(離陸トン数、貨物室の容積が比較的大きいべきである)と戦術空輸任務を併せ配慮した、サイズが大きめの中型戦術輸送機を必要とする。これこそ現在のA400Mであり、この機は比較的大きな貨物室を採用し、幅4m(これはすでにイリューシンー76の3.4mを超えている)、高さ3.85m、長さ17.70mで、容積は356立方mにも達する。最大搭載重量は38トン、最大搭載重量での航続距離は3,800km、巡航速度は780km/h、上昇限度11,000mである。主要な戦術技術指標はアメリカのC-130Jよりはるかに優れており、欧州諸国の新時代の主力戦略/戦術輸送機でもある。このため展示される「新中運」の模型の中に、我々は例えばA-400Mのように広くて大きな貨物室があるのを見るだろう。このことは快速反応部隊が装備する装甲車両、自走砲、ミサイル発射車、野戦レーダーなどの電子設備にも有利で、こうしたものはメインバトルタンクのようなトン数はないが、それにもかかわらず寸法はより大きく、貨物室の寸法、装備に対する要求がすこぶる高い装備の輸送となる。これはまさに、現在我が軍に運ー9中型輸送機が装備されたばかりという状況下で、「新中運」にそれでも合理的な存在への需要がある原因なのである。

「新中運」に関しては、広く大きい貨物室がすこぶる人の関心を引く他、さらにターボプロップエンジン動力がある。だがこれに関してはあまり多くの疑問は口にできない。結局のところターボプロップエンジンは現在の戦術輸送機の通常にして主流の選択なのである。ターボプロップエンジンは同クラスのターボファンエンジンに比べ価格がより低く、燃料消費率がより低く、全寿命での使用コストは当然やや低い。さらに、ターボプロップエンジンの低空低速性能はより高く、飛行、発着などの性能がやや良好である。新世代中型輸送機のそれは運ー9のウォジャン6系列エンジンではなく、出力がより大きい新世代ターボプロップエンジンを選択したとされる。元々の計画の中の運ー8X輸送機は4台の6,500馬力級ターボプロップエンジンを使用し、離陸重量は約81トン、搭載重量30トン、搭載重量20トンの時の航続距離5,350kmだった。だが珠海航空展のこの模型の方案にはまだいくつかの運ー8Xの影があり、オリジナル方案を基礎に全面改良最適化した結果に違いなく、ヨーロッパのA400M輸送機に似た上翼単葉+T字型尾翼レイアウトを採用したため、軍事マニアからふざけて「中国版A400M」と呼ばれている。これまでの回の珠海航空展に展示された出力がより大きい5,000キロワット(7,000馬力)級ターボプロップエンジンを結合させると、性能はある程度向上しているに違いない。新中運はA400Mほど大きくなく、性能指標もやや下かもしれないが、最大搭載重量が35トン前後に達するのは有望に違いない。このようになればA400M機に直面し、価格の優勢が保持されるという状況下で、将来世界軍用輸送機市場の有力な挑戦者になる。(スペシャルサンクス:航空ネット)

(頑住吉注:後のページのキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)


http://tuku.military.china.com/military/html/2014-11-09/227425_2565238.htm

 この模型の画像集です。過去の珠海航空展に展示されたエンジンの公表されたスペックを結合させればこうなるはず、といったちょっと楽観的過ぎる見方も見られますが、確かに中国のターボプロップエンジンには最先端のターボファンエンジンほどの問題はないようで、成功作になる可能性は充分あるでしょう。デザイン的にも旧東側っぽさから脱却した感じですね。




















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