055新型駆逐艦はどんなものになるのか

 ロシアメディアによる評論です。

http://military.china.com/important/11132797/20150222/19317424.html


外国メディア、055艦の凶猛な火力を分析 8種の対艦・対空ミサイルが装備できる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネット仲間が制作した中国海軍055型駆逐艦のCGによる方案」 なおこの記事の画像のキャプションは全てこれと同じです。)

ロシア軍事視察ネット2月18日の報道によれば、「遼寧艦」空母の引き渡し、就役に続き、055型将来駆逐艦(ミサイル巡洋艦)の建造着工はまた1つの、中国の世界海軍大国の地位を求める雄大にして壮大な志を確認する大事件となる。

中国人民解放軍海軍は防御範囲を拡大し、近海から前進し、公海にまで延伸しようとしている。公海における作戦は、当然武器と性能がより強く、陸からの支持が欠乏した状況下で行動できる新型艦艇を必要とする。比較すると、中国がこれまで建造した駆逐艦は寸法の上で護衛艦のレベルに相当し、武器は原始的ミサイルシステムと自衛防空システムだけに限られていた。だが現在建造されている中国海軍の新たな戦闘艦は恐らく世界最大の駆逐艦の1つになる。055型駆逐艦は最も近代化された空域監視コントロール設備と遠距離対空ミサイルシステムを配備し、海上戦闘区域防空対ミサイル防御を確保することになるとされる。この新型ミサイル駆逐艦(巡洋艦)の排水量は1.2〜1.3万トンと見積もられ、アメリカのDDG-1000「ズムウォルト」級駆逐艦のすぐ次で、世界で2番目に大きい水上ミサイル・砲戦闘艦となる。

中国の055型新型ミサイル駆逐艦の性能は優越し、武器は精良で、火力は威力が猛烈である。主要な武器システムには128のミサイル垂直発射架が含まれ、アメリカのMk.41垂直発射システム(2組の64ユニット発射モジュール)と大体同等である。アメリカ軍の戦闘艦同様、055型駆逐艦のミサイル発射架は範囲が広い各種武器の貯蔵と発射に用いられ、これには「海紅旗-9B」(S-300に似る)遠距離ミサイルおよび「海紅旗-16」(「ブナ」に似る)中距離ミサイル、「海紅旗-10」(それぞれの発射ユニットに4発のミサイル)近距離対空ミサイルシステム、「紅旗-26」外層空間迎撃ミサイル(アメリカの「スタンダード-3に似る)、そして「長剣-10」遠距離巡航ミサイル、「鷹撃-100」および「鷹撃-18」(分離式超音速戦闘部を使用)対艦ミサイル、「長桜-5」対潜ミサイル魚雷が含まれる。汎用艦砲方面では、当初のある報道は155mm遠距離艦砲システムを配備し、後にレールガンに交換されるとした。実際の状況はあまり興味深くないかもしれず、現在明るみに出ている最もあり得る方案は、H/PJ-38型130mm新型艦砲の配備である。近距離自衛システム方面には、1130型11本バレル自動近接防御砲(発射速度毎分11,000発)および24連装回転弾体熱捜索ミサイル発射装置(RIM-116に似る)が含まれる。また、055型駆逐艦上には駐機場所と機格納庫があり、2機の対潜ヘリが搭載できる。

(頑住吉注:これより2ページ目。)

2014年12月、江南長興造船工場で式が行われ、055型ミサイル駆逐艦の建造に正式に着工され、この艦は2017年に進水し、2019年に引き渡され就役すると見られる。中国当局の消息筋の人物は、第1ロット8隻の055型駆逐艦は普通のメイン動力装置を使用し、これは4台のQC-280型ガスタービンエンジン(アメリカのゼネラルエレクトリックのLM2500の複製品)から組成される、とする。その後055型サブ系列駆逐艦は原子力動力装置を用いるよう改め、航続距離がもはや制限を受けないことを保証するという。だが欧米の専門家はこれに対し懐疑的な態度を持ち、何故ならこれまでの原子力動力水上戦闘艦の使用経験は、この種の戦闘艦の使用コストは高すぎ、しかもこれを補ういかなる真の優勢もないことを証明しているからで、結局のところ艦船の航続距離は燃料の制限を受けるだけではないのである。アメリカ海軍は20年前にもう自らの最後の1隻の原子力動力巡洋艦を淘汰している。ロシア海軍は現在残る2隻の「海鷹」級原子力巡洋艦のみを使用しているだけで、主要な原因はいかなる真の代替艦もないことである。要するに、現在の世界にはその他の、まだ原子力動力装置を使用するいかなる非空母型水上戦闘艦もないのである。

055型ミサイル駆逐艦の公式な画像が欠乏しているため、中国のこの新型戦闘艦の建築の外形が主要な論争の内容となっている。この艦は一体アメリカの「ズムウォルト」級駆逐艦を参考にしているのか、それとも中国の戦闘艦のより通常の発展の道をそのまま用い、国産駆逐艦をさらに一歩発展変化させる模式を継続するのか、現在まだはっきりしていない。

現在のあらゆる近代化された駆逐艦は、アメリカの「アーレイ・バーク」級、イギリスの「ダーリング」級、日本の「あたご」級、「こんごう」級、インドの「コルカタ」級を含め、全てまずは専業の防空戦闘艦である。当然この位置付けは決して戦闘艦の合理的な汎用性能を妨げるものではない。この現象には主に2つの原因がある。1つは空襲兵器が現代の海戦の主要な脅威となっていること。2つ目は先進的な探知計測設備の艦への搭載を保証し、充分な高さでアンテナアレイを装備することを保証し、充分な遠距離対空ミサイルの戦闘基数を保有するためには、排水量が7,000〜8,000トンより小さくない大型遠洋戦闘艦を必要とすることである。さらに加えて汎用性、良好な耐航性、比較的高い航続力の確保が必須で、このため近代化されたミサイル駆逐艦の排水量はしばしば1万トンに到達し、甚だしきに至っては超えるのである。当然遠距離対空ミサイルシステムと区域防空対ミサイルシステムの配備も、現在の近代化された駆逐艦(巡洋艦)が存在する主要な原因である。その他のあらゆる攻撃および防御武器(遠距離巡航ミサイル、対艦ミサイル、対潜ミサイル、自衛対空ミサイル)の軍艦上の配備空間に対する要求はワンランク低くなり、都合よく相対的により小さい水上戦闘艦(軽護衛艦、護衛艦、沿海域戦闘艦、甚だしきに至っては小型砲艦)あるいは潜水艦上に装備することができる。

(頑住吉注:これより3ページ目)

専業防空駆逐艦を作り出すために最も有効なレイアウト方案は2基の異なる周波数帯のレーダーを使用することである。まずセンチメートル波(X周波数帯)探知計測レーダーで、「鋭敏」なビームを発射し、小型低空飛行目標(対艦ミサイル)が探知計測できる。この種のレーダーの主要な用途は、地平線の上に上ったばかりの低空飛行する対艦ミサイルを遅れず発見することである。非常に重要なカギは、来襲する対艦ミサイルが目標に命中する前には1分間に満たない反応時間しか残されておらず、かろうじて使用に充分だということである。この状況下では探知計測レーダーの処理機の素早い作動能力とより高いデータ更新頻度が極めて重要で、このためこの種のレーダーに対する要求は最高でもある。その次はデシメートル波(SあるいはL周波数帯)警戒レーダーで、遠距離目標、甚だしきに至っては地球に近い低軌道目標の探知計測に用いる。このためセンチメートル波レーダーと比べ、デシメートルレーダーの探知計測距離はより遠く、発する出力はより大きい。

中国の055型ミサイル駆逐艦に関する多くの問題に関しては、湖北に建造された実物大模型によって回答され得る。ネット上に流れ伝わる画像によれば、055型駆逐艦のレイアウトはイギリスの45型「ダーリング」級に酷似している。推測によれば、055型駆逐艦の模型の長さは160mを超える。超視距離監視レーダーアンテナアレイはごくはっきりと前部マスト頂部に位置し、もって最大の程度で無線電信の地平線を拡大するのに便としている。駆逐艦の尾部にはもう1つの遠距離探知計測レーダー(イギリスのS1850Mレーダーに似る)アンテナアレイの配備が計画されている。

(頑住吉注:これより4ページ目)

近年来のレーダー技術の不断の進歩と共に、中国のあらゆる駆逐艦も日本、アメリカ、インドおよびあらゆるヨーロッパの国の海軍の駆逐艦同様、アクティブフェイズドアレイアンテナレーダーを配備することになる。画像から見て、055型駆逐艦の多機能マスト外部表面にはアクティブフェイズドアレイアンテナ、通信システム受信アンテナ、各種センサーがいっぱいに分布している。アクティブフェイズドアレイアンテナ技術はレーダーの使用範囲を拡大することができる。空中や海上の目標を探知計測する他、さらにナビゲーションレーダーの任務、浮遊機雷の探知計測、無線電信技術偵察の展開を兼ねることができ、最も重要なのは対空ミサイル制御誘導レーダーの職責を担うことである。その数が千をもって計算される受信モジュールの中で、それぞれのモジュールが全て相互に独立して作動できるが、実践の中では信号を強化するため、往々にして数十の受信モジュールが連合して行動し、数十の単独のビームを形成し、目標を照明し、すでに発射されたミサイルをコントロールし、したがってこの戦闘艦に密集した空襲に反撃できる実際の能力を具備させる。

ロシアメディアは最後に、興味深いのは中国人民解放軍海軍の予算がロシア海軍の予算の2倍でしかないことだ、と指摘する。コストと効果・利益があまり一致しないことはごくはっきりしており、結果として人を驚愕させる異常現象が出現している。これにより推測し、2種の結論が出せる。中国造船工場の労働力のコストが極めて低いか、中国海軍の真の予算規模が厳密に秘密保持されているかで、実際には公式発表の数字を倍も超えている可能性がある。(編集翻訳:林海)


 日本もズムウォルトを参考にした次世代艦の開発が必要なのでは。ちなみに自分では中国の軍事費は透明だ透明だと主張してますけど、事実上の同盟国のようなロシアのメディアにまで疑われてますね。


















戻るボタン