台湾軍の新世代小銃、XT97

 これまで基本的にアメリカなど他国製小火器のコピーばかりを作ってきた台湾ですが、ちょっと目新しいアサルトライフルを登場させていました。2009年には公表されていたらしいんですが、私は知りませんでしたし、検索してもごく少ない情報にしか行き当たりません。このページを執筆しているのは中国人のD-Boy氏です。

http://blog.163.com/gunworld@126/blog/static/12214428320097179314138/


SCAR 七割+XM8 三割=XT97

第10回、「台北国際航空宇宙および国防工業展」が2009年8月13〜16日、世貿一館(頑住吉注:世界貿易第一会館みたいな感じでしょうかね。モーターショーなど多くのイベントが行われてます)が4日間開催された。この展示会は国内唯一の軍、民間用航空宇宙製品および国防武器装備展示会であり、国内外の航空宇宙科学技術、国防工業、航空サービスおよび航空スポーツ等の産業の展示、取引の場でもある。

この展示会において、後方勤務部は新型のXT97モジュール化アサルトライフルを展示した。この銃の紹介に関し、私は手抜きして多くを語らない。皆さんは画像の説明を見てほしい。

(頑住吉注:原ページにはここに台湾の新聞記事が転載されてます。読み慣れている中国本土の簡体字ではなく繁体字なのでちょっと読みにくいですが、内容は次の通りです。「5.56mm XT97アサルトライフル 国防部軍備局生産製造センター第205廠が生産する「XT97アサルトライフル」は現代の歩兵、航空降下部隊、海軍陸戦隊、砲兵および装甲歩兵車載人員向けに開発された新型多機能小銃である。銃全体にモジュール化設計が採用され、分解組み立てが素早くでき、維持修繕作業簡略化に有効であり、銃の〜率(意味不明ですが製品の検品での合格率?)が高められている。この他、異なる口径のバレルに素早く交換する機能、前部に置かれたコッキングハンドル及び調節可能な伸縮折りたたみストックを持ち、これにより操作および戦場の必要に順応する。しかも多用途のタクティカルレールおよび折りたたみ式フロント、リアサイトを装備し、迅速に各タイプの光学サイトを装着できる。日、夜間作戦任務が遂行でき、操作使用の弾力性が高く、市街、ジャングル等の作戦環境での使用に適合する。 「XT97アサルトライフル」の性能緒元概要は次の通り。5.56mmバレル装備を例にすると、全長わずか85p(ストック収縮時77p、ストック折りたたみ時58p)、重量4s(マガジン含まず)、作動方式はガスオペレーションでセミ・フルオート射撃が行え、有効射程は60mmに達する。この他、銃本体の設計がバレル交換機能を持つものなので、5.56mm以外にも作戦任務の必要により9mmバレルにも交換でき、運用の弾力性が極めて高い。」 なお次の画像は小さすぎて文字が読み取れません)

展示されたサンプル銃に過ぎないので、あまり多くの資料は発表されていない。このため我々は外観写真からこの銃の特徴を理解するしかない。

一見した人にこの銃が与える全体構造、外観の印象は、SCARのパクリそのものである。だがフォアグリップやストック基部の輪郭にはXM8の面影があり、このため私は7割SCAR、3割XM8とだけ言う。しかしここで言っているのは外観のみであり、内部構造は含まない。

XT97の内部にはその他の銃の特徴もある。例えばこの銃は1つのピストンによって、ボルトキャリアと一体のピストン連結バーを駆動する。この原理はFN SCARに似ているが、この部品の形状はT57(台湾製M14)により似ている。ガス導入リングの形状はT86/91から取られている。下の画像は、左がモジュール化されたバレルユニット、右は重いボルトキャリアである。

XT97には左右どちらの手でも操作できるコッキングハンドルもある。だがFN SCARと異なるのは、XT97は左右交換できるコッキングハンドルを採用しているのではなく、左右両方にあり、ただしコッキングハンドルが折りたためることだ(形式はG3に似ているが、具体的な構造は異なる)

XT97にまだある独特な設計は、ストック折りたたみのロックである。これはセレクターと形状や操作が同じ装置であって、このためまるでストックに余計な一対のセレクターがあるように見える。このような設計がいいか悪いかはプルーフを経なければ分からない。

この銃はレシーバー上部に全長にわたる一体のレールを採用しており、充分な長さがあってスコープや夜視装置が装着できる。

ストックは折りたたみも伸縮もでき、機能上FN SCARと同じである。ただしFN SCARのような高さ調節できるチークピースはない。

さらにXT97と同時にSimmunition FX彩色弾を発射する訓練銃も登場した。この銃のマガジンは透明で、実弾用マガジンと区別するのに便利である。

この他、今回の展示会では同時にT97と命名されたセミオートピストルも展示された。一見すればすぐにグロックのパクリと分かる。ただしマニュアルセーフティが追加され、これは台湾警察サイドの要求で追加されたものだ。


 グロックもどきはグロック18のセレクターそっくりのマニュアルセーフティが追加されている以外そのまんまコピーのようでちっとも面白くありませんが、XT97ライフルは非常にカッコよく、意図通りに細部まで設計が成功していれば世界最先端水準のアサルトライフルになりそうであり、95式、03式、そして89式より進んでいる感じです。どこかで見たようなデザインの寄せ集めという感じで、あまり新鮮な驚きはありませんが、台湾の小火器が新しい時代に入ったという印象を受けます。ストックのロックは確かに変わったデザインですが、たぶんこれによって大きく有利になることも不利になることもないでしょう。

 台湾軍はアメリカ軍の強い影響を受けており、たぶんXT97は制式採用前の名称で、正式採用後にXが取れてT97になるんだと思うんですが、

http://zh.wikipedia.org/wiki/XT-97%E7%AA%81%E6%93%8A%E6%AD%A5%E6%A7%8D

 この台湾版Wikipediaのページを見ても現在テスト段階で装備はまだされていないということです。しかしTが取れるとグロックコピーと同一の名称になってしまい、ちょっと不都合な気もしますが。








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