中国、戦略爆撃機を開発?

 ロシアのバックファイアを導入するとか、全翼式戦略爆撃機を開発中だとか、いろいろ噂は以前からありましたが。

http://military.china.com/important/11132797/20150708/19977148.html


外国メディア:中国当局メディア、新型爆撃機宣言書を発表!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「既存の中距離爆撃機はすでに中国空軍の未来の需要を満足させられない」)

中国国家英文新聞「中国日報」は火曜(頑住吉注:先週のです)、紙面全体をもって「中国は遠距離爆撃機開発を計画する可能性がある」との文章を発表した。この文章は、現在我が国の中距離爆撃機(轟ー6系列)はこれをもって未来の空軍が「戦略兵種」たる需要を満足させるには不足であり、中国は切迫して遠距離戦略爆撃機を必要とする、と提示した。フランス通信社など外国メディアは次々とこの文章の内容を引用して関心を注ぎ、これは中国が新世代遠距離爆撃機を開発する「宣言書」だと考えている。

以下「中国日報」の文章の一部の内容を抜粋し、もって読者を楽しませる。原作者は趙磊(音訳Zhao Lei)である。

「爆撃機を大々的に開発」

これは中国空軍少将の劉玉堤が臨終の時に残した願いで、この92歳の老人はかつて朝鮮戦争の空戦の英雄および人民解放軍空軍の高級指揮員だった。

1月16日、北京空軍総合病院の病床で、この伝説の英雄は彼の最後の力を使って上述の文字を書き、かつ別れを告げに来た中国空軍司令員の馬暁天に与えた。その早朝、劉玉堤将軍は逝去した。

我々は馬司令がこの残された願いの完成を承諾したのか否か決して知らないが、最近の多くの兆しは、中国がすでに次世代戦略爆撃機開発の決心をしていることをはっきり示している。

カナダの「週刊漢和安全保障業務」の報道によれば、最近軍の会議で、中国空軍は「戦略軍種」と定められ、以前は第二砲兵隊だけが戦略軍種と考えられていた。この時の会議に参加した将校は、中国空軍はすでに遠距離戦略爆撃機を優先開発プロジェクトと定めている、と話す。

中国航空界の定義によれば、遠距離戦略爆撃機は10トンを超える空対地武器を搭載し、空中給油しない状況下で航続距離が少なくとも8,000kmで、敵サイドの人員や軍事施設の攻撃を執行する任務を持ち、戦略爆撃機は敵サイドの空域に飛行して入り、例えば重要軍事施設、軍事工場や大都市などの目標を打撃できるべきである。

また中国の「航空知識」誌も新型戦略爆撃機開発に対し討論を行った。この刊行物は6月に一連の文章を発表して中国の爆撃機の性能を分析し、かつ遠距離ステルス爆撃機の開発をアピールし、このことは中国航空工業界内部がすでに、中国はすぐ遠距離戦略爆撃機の設計を開始すべきとの共通認識を達成していることを示している。

(頑住吉注:これより2ページ目)

「中距離爆撃機は解放軍空軍の戦略打撃能力および戦略威嚇能力方面の欠陥を克服できず‥‥このため空軍は敵サイドの防空システムに浸透できる大陸間戦略爆撃機を確実に必要とする。」 この文章の中ではこのように語られている。

中国国防大学軍事専門家の呉国輝(音訳:Wu Guohui)は2013年10月次のように語った。大型爆撃機はかつて一度軽視され、何故ならそれらは生存能力が低下したと考えられたからである。しかしアメリカ、ロシア、中国はすでにステルス爆撃機のメリットに注意するに至っている。それらは核攻撃が実施でき、遠距離正確打撃通常武器も発射できる。しかも繰り返し使用でき、このため繰り返し使用できない地対地ミサイルに比べ対費用効果の優勢を持つ。

「アメリカは毎年12億アメリカドルを投資しノースロップ・グラマン社でB-2爆撃機を基礎に第2世代ステルス爆撃機を開発している。またロシアはその現役爆撃機に対しグレードアップを行い、かつ新たなステルス爆撃機の開発を行っている」 彼は、「中国はこの領域で依然立ち後れており、このため我々は我々自らの遠距離爆撃機を開発すべきである。」と語る。

中国空軍が現在使用する爆撃機は主に西安飛行機製造会社が生産する轟ー6型で、この機はソ連時代のツポレフ-16「バジャー」を基礎に発展してできたものである。

アメリカ戦略爆撃機司令部は現在ボーイングB-52、ロックウェルB-1、ノースロップB-2爆撃機を持ち、一方ロシア遠距離航空隊司令部はツポレフ社のツポレフ-160、ツポレフ-95、ツポレフ-22M爆撃機を持つ。

西側の航空工業界の情報源によれば、中航工業社はすでに最新の航空電子設備と新材料を使用して轟ー6機に対し持続的にグレードアップを行っており、すでに各種任務を執行する爆撃機ファミリーを発展させていて、これには空中給油機や偵察機が含まれる。しかし、この種の飛行機の機体構造設計やエンジンはすでに時代遅れになっており、このことはこの機に遠距離爆撃任務あるいは敵サイド空域への突入を執行できなくさせている。

轟ー6爆撃機の欠陥の現れの1つは、中国が今年3月まで、爆撃機を派遣して中国本土を遠く離れた場所に行かせたことが全くなかったということである。今年3月、数機の轟ー6系列最新型である轟ー6Kが西太平洋に行って演習を実施した。

「轟ー6KはロシアのD-30KP-2エンジンを装備し、その作戦半径をその他のタイプの1,800kmから3,500kmにまで延長させているが、この機は依然飛ぶのが遅すぎる。」 ある西側の軍事分析家は中国日報に、「この飛行機の最大飛行速度は時速1,050kmでしかなく、中国が大量の戦闘機を航路護衛のため派遣しない限り、この機は容易に超音速迎撃機によって迎撃される」と教えた(頑住吉注:B-52と同程度で、ツポレフ-95より速いですけどね)。

遠距離打撃任務執行を確保するため、中国は現在先進的な爆撃機の開発を開始すべきで、これは飛行速度がより速く、かつ強大な防御突破能力を持つべきである、と彼は語る。

(頑住吉注:これより3ページ目)

去年、中国の「中国航空報」は、ある新たなまだ秘密解除されていないプロジェクトの事前研究作業がすでに批准を得ている、と報道した。

新浪ネットの報道は、ある情報源は暴露し、このプロジェクトはほかならぬ遠距離爆撃機プロジェクトで、このプロジェクトは2008年に中航工業が提出したものであるとしている、とする。

この未確認の情報の他、中国軍の熱情も当局の報道に事実確認を得させており、中国最高指導層の支持は空軍の先進爆撃機開発を駆動しつつある。

今年1月、中央軍事委員会主席の習近平は山西省西安の爆撃航空隊を視察し、かつ「新型爆撃機」に乗り込み、つまり轟ー6K型機で、これは中国で現在最も先進的な爆撃機である。

「習近平主席はすでに解放軍空軍を戦略軍種と位置付けており、このことは空軍が、過去同様防御能力のみを強調するのではなく、進攻能力の発展を加速することが必須であることを意味している。」 中国の「航空知識」誌副編集長の王亜楠は語る。「空軍に遠距離爆撃機を装備することが必須だというのは、もしこの種の武器がなかったら、戦略軍種とは呼べず、真に進攻能力を具備することもできないからである。」

だが具体的にどのような戦略爆撃機を開発するのかに関し、中国の軍事専門家の視点は決して一致していない。

王亜楠は、中国はツポレフ-160に似た戦略爆撃機を開発すべきあると考える。

「我々の新たな爆撃機はツポレフ-160同様超音速性能を持つべきである。当然我々の飛行機は可変後退翼ではなく固定翼を採用する必要があり、可変後退翼にすれば設計の複雑性を増加させ、かつ現代の空中作戦に対しあまり大きな作用はない。」と彼は語る。

「また、私は我々がB-2に似た全翼式爆撃機を必要とするとは考えない。何故ならこの種の飛行機を開発することは中国にとって技術および経済上いずれもチャレンジと言えるからだ。何故我々はきっと天文学的数字の資源を投資して中国版B-2爆撃機を開発する必要があるのだろうか? それが見たところカッコいいからか、また疑うに値するステルス能力のためか?」

しかし解放軍科学技術大学の杜文竜教授はこの種の視点に不同意である。

「我々の新型戦略爆撃機は高い生存能力と遠距離防御突破能力を持つべきで、この2点は飛行機が低い観測可能性を持つべきことを要求する」と杜文竜は語る。ツポレフ-160は超音速飛行できるが、通常の空力レイアウトは決してステルス性能を支持しない。

中国第二砲兵指揮学院教授の邵永霊は、今日世界各国の防空システムはいずれもすでに非常に先進的で密集し、中国の次世代戦略爆撃機はステルス能力を具備することが必須で、またさらにより大きな弾薬搭載量を有する必要があり、少なくとも轟ー6Kの6発の巡航ミサイル搭載という能力を超えるべきである、と考える。


 全翼式戦略爆撃機の開発が「中国にとって技術および経済上いずれもチャレンジと言えるからだ」というのは全翼形式の「利剣」無人機がスムーズに進展していないらしいことを踏まえてのことでしょうかね。個人的には中国による戦略爆撃機開発は、空母同様国家の自尊心を満足させる意味が実用上の意味より大きいような気がしますが。






















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