軍事競技に参加した中国の新鋭10式戦闘車とは

 当然閲兵にも参加するはずです。

http://military.china.com/news/568/20150821/20240428.html


中国の戦闘車、ロシアのBTR-80を全面的に超越 「装甲キャデラック」の賞賛を獲得

「軍事オリンピック」と呼ばれるロシアの「国際軍事競技」は濃厚な「中国味」を有するがゆえに広大な軍事マニアの関心を倍加させている。多くのメディアが関心を注ぐ「戦車両項目」競技は脇へ置いておいても、中国の武器装備はその他の競技でもパフォーマンスが間違いなく非凡だった。「防空戦闘名手」競技を例にすると、解放軍は新鋭の国産10式装甲輸送車をくり出してロシア軍のBTR-80装甲人員輸送車と激烈な勝負を行い、機械化(モーター化)部隊野戦随伴防空作戦の各詳細をあますところなく展示し尽くし、特に障害の通過、行軍と戦闘の転換、準備のない防空戦闘などの項目で、10式装甲輸送車のパフォーマンスは全て国の人に大いに安心を感じさせた。

いかにして「防空戦闘名手」となるか

「防空戦闘名手」というこの競技に言及するなら、この競技の由来にちょっと触れざるを得ない。長期にわたり兵個人が肩に担ぐ形式の地対空ミサイルがずっと見せてきたのは「小をもって大を撃つ」威力である。だが真に実戦を理解している人は皆、実際の戦場ではそんなに簡単では全くないと分かっている。何故ならこの種のミサイルは普通のロケット弾が、射手がセーフティを解除すればもう戦備が完成するのとは異なるからである。事実として兵個人が肩に担ぐ形式のミサイルは1回に1発しか撃てず、実戦の中で作用を発揮させたければ、最も基本的な火力密度を形成することが必須で、同時に現代の戦争の高い機動性という特徴を充分に考慮する必要もある。兵個人が肩に担ぐ形式の対空ミサイルはかろうじて兵個人の携帯に頼って機動できるが、高強度の機動や対抗の中で作戦能力を保持しようとすれば、困難は非常に大きい。このため、各国の軍の多くは戦術小型車両を用いてミサイル発射小チームを搭載し、こうすれば機動性の問題を解決できるだけでなく、発射小チームにより多くの射撃の機会を持たせることもできる。

このため各国軍隊の標準的な野戦随伴防空戦術は軽装甲車両と肩に担ぐ形式のミサイルをコンビネーションするというもので、その中でコストが最も低廉なものとしてミサイルを携帯した歩兵分隊に乗車して作戦させる以上のものはなく、状況に遭遇すれば遅れず下車して作戦し、これはロシアサイドが「防空戦闘名手」競技を手配した初志でもある。今回競技主催者が試合で比較しようとした内容は、誰の射撃準備時間が短いか、車両とミサイル発射チームのつながりがより一定の段階に到達しているか、である。現場写真を見れば、中国チームが登場させた10式装甲輸送車は瞬間加速度、オフロード、障害の突破、小半径旋回ないし快速制動能力方面でいずれもBTR-80を全面的に超越していたことに気付くことができる。さらに重要なのは解放軍が情報システム集成方面でロシア軍の前列を行き、10式装甲輸送車自体が車間情報共有システムを持つだけでなく、さらに能動的にミサイル分隊のために戦場態勢状況を提供し、主要な作戦動作をたった数秒以内に完成できるようにさせ、もし流動性の高い運動戦に遭遇すれば、10式装甲輸送車に搭乗する中国のミサイル射手たちは「停車してすぐ発射」し、地平線から突然に出現した敵サイドの目標に有効に対応することもできる。

中国の装輪式戦闘車の起点は高い

近年来、8x8装輪式戦闘車に代表される軽量化された装甲車両プラットフォームは各国の快速反応部隊の新たなる寵児となり、特に機動力と火力が極めて突出したアメリカの「ストライカー」戦闘車はイラク、アフガニスタンの戦場で大いに注目を集め、「装甲キャデラック」と宣伝された。このため2009年国慶節の閲兵でZBL-09「雪豹」(10式装甲輸送車の前身)が初お目見えした際、この車両は解放軍にアメリカの「ストライカー」グローバル反応部隊のような全地域機動能力を獲得させ、さらにこの車両の設計スタイルはこれまでの中国の装甲車両とは異なり、加えて人間工学的設計がより1段階上がっていると指摘する西側メディアがあり、アメリカの「ストラテジー ページ」ウェブサイトはこれを「中国版装甲キャデラック」と形容した。

もしこの車両の研究開発のルーツまでさかのぼるならば、「雪豹」の成功は絶対に空から生じたのではないとすぐに分かる。日本の「戦車」誌主筆の深川孝行の説明によれば、1990年代から、世界一流水準を持つ98式(今では99式に改称)メインバトルタンクの生産投入を実現するのと共に、中国の装甲車両開発機関は科研の中心を装輪式戦闘車領域に転じ始めた。香港の「アジア太平洋地域安全保障業務」誌は次のように言っている。2004年、「中国版装甲キャデラック」である8x8装輪式戦闘車が正式に計画が始動し、かつて中国の大型メインバトルタンク研究開発プロジェクトに参加した兵器第一機械製造(集団)有限責任会社兵器首席専門家である馮益栢が再びこれに取り組み、この国内陸軍装備の空白を埋める任務の総設計師を担当した。5年の研究開発を経、2つの少数科研サンプル車の研究開発を経歴し、一面雪の東北の果てから耐え難い酷暑の南国の山川まで、満天の黄砂の新疆のゴビ砂漠から空気が希薄なチベット高原まで、中国第1世代8x8装輪式戦闘車は過酷な試練を受け、最終的に2009年に設計定型に至り、ZBL-09「雪豹」と命名された。この車両は中国の大型装輪装甲装備の科研の空白を埋め、中国陸軍の快速機動配備、快速反応実現のために喜ばしい一歩を踏みだし、中国が軽量型機動プラットフォームと装輪装甲大系を建立するために堅実な基礎をも打ち立てた。

(頑住吉注:これより2ページ目)

装備性能は他国を超える

外国メディアの報道によれば、20トン級の装甲車両である「雪豹」は主に装甲歩兵の機動攻防作戦任務遂行に用いられる。この車両は比較的角ばった外形設計を採用し、全長8m、全幅3m、全高(頂部の装甲板まで)2.1m、車体底部と地面の距離は高さ400mmで、アメリカの有名な「ストライカー」戦闘車に比べその車体の長さと幅はより大きいが、車体の高さはより低く、車体前部と両側のラインもより複雑である。

中国軍は「雪豹」の武器配置に対し相当に明確で、それは「殲撃」の特色の突出に他ならない(頑住吉注:中国では戦闘機を「殲撃機」と言います)。「雪豹」の2人砲塔は30mm機関砲1門と7.62mm同軸機関銃を配備し、砲塔両側にはさらに紅箭-73対戦車ミサイルのレール1本があり、火力はロシアの装軌式歩兵戦闘車のスタンダードに近く、強大な正面突撃火力を形成する。またある報道は、「雪豹」は先進的な夜視機材をを配備し、砲手照準鏡は昼間光、レーザー距離測定、スターライト夜視ルートを持ち、全天候作戦能力が向上している、とする。火砲には電子コントロールシステムと簡易火力コントロールシステムが設定され、操縦員にはヘルメット式夜視装置が配備され、標準配備のCCD視察装置は昼夜あるいは視認度の比較的低い時に操縦と車内視察の需要を満足させることができ、「動対動」射撃や夜戦正確打撃が行える。今回ロシアに赴いて競技に参加した10式装甲輸送車は、そのずば抜けた操縦性能と情報システムが競技中大いに異彩を放った。

前途の見通しが無限な「雪豹」

中国の「雪豹」の登場は比較的遅く、このため鮮明な「後発の優勢」を持つ。不断に国際的にすでにある8x8装輪戦闘車の先進技術を吸収したおかげで、「雪豹」の後続の発展空間は相当に広く、特にその国内市場の前途の見通しは無限である。各種「雪豹」派生型が続々と登場するにつれ、長くはかからず解放軍の陣容内の「雪豹」は「子孫繁栄の大家族」となると見られる。

カナダの「漢和安全保障業務評論」はかつて、中国の新たな軍事変革の「重要中の重要事」は陸軍の中型作戦部隊の建設であると明らかにした。より多くの装輪式装甲作戦車両を装備し、同時に機械化部隊の総体としての重量を軽減し、快速反応に便とするのである。この変化に適応するため、より多くの軽機械化師団が「雪豹」系列の8x8装輪式作戦車両を配備済みで、しかも過去主に装軌式車両に用いられた砲塔を大量に「雪豹」装輪式戦闘車両上に移植することになる。単に八一映画製作工場が撮影した現実の題材の軍事映画「目標戦」を例にしても、もう「雪豹」シャーシをベースに発展した122mm自走榴弾砲、105mm装輪式突撃砲、戦場偵察車、レーダー車、指揮車、工程車などが出現し、これにはまだネット上に発表された35mm装輪式高射機関砲は算入されておらず、これは光電子探知計測システムを装備しており、無人機や巡航ミサイルに対応する有効な武器である。輸出方面に関しては、中国兵器工業戦線の対外貿易窓口である北方工業社はずっと力を入れて新型8x8装輪式戦闘車の輸出を企図しており、同様に北方工業社によってセールスされた中国の装輪式戦闘車がすでに何十カ国にもあまねく分布していることを考慮すれば、中国の8x8装輪式戦闘車の潜在的市場は疑いなく極めて強い生命力を持つ。(田聿)(ソース:中国国防報)


 「105mm装輪式突撃砲」は日本の「機動戦闘車」と比較されることになるんでしょうが、バリエーション展開や数では中国の方がずっと上になるのは間違いないでしょうね。














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