フィリピンによる中国漁民拘留事件

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/jqsj/066/


半月礁事件は決して簡単な南海の争いではない

フィリピンの南海における挑発、あるいはウクライナ情勢と関係があるか

イントロダクション:オバマのフィリピンに対する訪問が終わるのと共に、この南海に位置する国は再度剣先を明確に中国に向けた。半月礁で中国漁船を拿捕し、中国漁民を逮捕し、まるで彼らこそが南海の真の「主人」であるかのようである。まさにメディアが言うように、もし宇宙人が南海に来たら、恐らく彼らはフィリピンこそこの地域の実力的ボスだと誤解するだろう。しかし、フィリピンには本当に中国に対抗する大きな旗を掲げる胆力と気持ちがあるのだろうか? その背後の原因は恐らくすでに南海というこの範疇をはるかに超越している。

ウクライナのどたばたが落ち着いたことがあるいは半月礁事件の誘因となったか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「フィリピン、南沙の半月礁で中国漁船および漁民を捕まえる」)

キエフからマニラへ、世界の警察、暇にはしておらず

アメリカは世界で最も強大な国であり、ずっと「世界の警察」を自認している。だがおよそ某国あるいは某地域に巨大な変化が発生すると、背後にはいつもアメリカの影が少なくないのである。ウクライナや南海も例外ではなく、ある程度、ウクライナの混乱した局面のカーテンコールが半月礁事件の勃発をもたらしたと言える。何故このように言うのか? アメリカは名目上は「世界の警察」で正義のように見えるが、彼らは最も混乱を作り出すことに長け、どこかに混乱があれば、アメリカはすぐそこで利益を獲得できるのである。オバマとプーチンの「舌戦」が一段落を告げるにつれ、ウクライナ情勢も徐々にクールダウンし、ロシアとの勝負の中で決して多大な利益を占めなかったアメリカは、改めて視線を中国に向けて投げかけている。オバマのアジア4カ国訪問、日本・フィリピンとの軍事協力協議の成立は、いずれも1つの決策の表現であり、また半月礁事件もまさにオバマのフィリピン訪問が終わった後に発生しているのだ。このため、ウクライナ情勢の緩和と南海の風雲が再び起こったことには一定の関係があり、こうした事件をつなげる主体はまさにアメリカというこの暇にはしていない「世界の警察」なのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「フィリピンメディア、アキノはアメリカの代表であり、必ずや中国の咆哮を招くと痛烈に批判」)

アキノ、「巧みに」時期を選択してアメリカの反応を探る

オバマが今回フィリピンを訪問したのは日本訪問と同様で、そのために「大礼」を準備したのである。アメリカはフィリピンと正式に期間10年の安全保障業務協力強化に関する協力協議を成立させただけでなく、オバマはさらに公然と、フィリピン保護の承諾は確固たるもので、アメリカは永久に背くことはない、とした。オバマの表現は完璧と称するに堪えるが、結局のところアメリカの一方的な発言でしかなく、一体どのくらいフィリピンへの約束が果たされ得るのかは決して知り得ない。アメリカの承諾を得てすぐ狂喜した日本の政治家とは異なり、フィリピン大統領アキノ3世はやはりちょっと賢く、今回の半月礁事件はフィリピンがアメリカに対し見せた最も良い試金石である。しかも、フィリピンが中国を挑発した時期も非常に意味深長で、それはまさにウクライナ情勢が日毎に緩和する段階に選択され、アメリカを両面作戦の困った局面に陥らせることがないだけでなく、同時にアメリカにフィリピンが中国に対抗するのを助けることを拒絶する充分な口実を与えることもない。アメリカの受け止め方も考慮したし、また最大限自らの目的を達成できる、ということができる。フィリピンの今回の行動は、陰謀を巡らしてすでに久しい、ということが見て取れる。

アジアの国で誰がロシアの「売り逃げ」を助けているのか

南海問題に関して言えば、フィリピンとベトナムは悪者同士気が合うと言えるが、今回フィリピンとベトナムはほとんど同時に南海で中国を挑発しており、これは明らかにあまり平常ではない。まさに前述のように、南海の半月礁事件の勃発はウクライナ情勢と複雑に絡み合った関係があり、もしも南海問題がだんだん深刻になったら、アメリカはきっと袖手傍観はしておらず、ならばロシアが直面する圧力と困った状況はさらに一歩縮小することになるだろう。そして南海の国の中で、ベトナムはロシアと交流が緊密で、その海空軍の主戦装備はほとんどロシア製一色である。同時に南海問題の上では、ロシアのベトナムに対する態度も非常に曖昧で、決して中国側に立ってはいない。ベトナムが中国と仲違いする危険を冒してロシアが苦境を脱するのを助けることは、決してあり得ないことではない。振り返ってフィリピンはと見れば、表面上はロシアと全くつながりがないように見えるが、アメリカのフィリピンに対する承諾にはまだ検証が待たれるという時、中国に対抗できるのはロシアしかない。このため、フィリピンが半月礁の機を借りてついでにロシアの機嫌を取るのにも一定の道理がある。今世界では中国・アメリカ・ロシア三者鼎立の局面が徐々に形成され、ロシアが倒れることはいかなる一方にとってもあまり良いことではなく、あるいは、中国も実際の行動を用いてロシアが今回の困難な状況を脱するのを助けているのかもしれない。

フィリピンの中国漁民拘留は鼻息が大変に荒い

フィリピン、中国外交官の漁民釈放要求を当面拒絶

中国の拘留されている漁民、フィリピンの取り調べに直面 刑期、あるいは最長で20年に達するか

フィリピンの軍・警察、漁船への乗り込みを強行し、漁民を拘留し、空に向け威嚇射撃

中国が南海においてフィリピンを厳罰に処することには多くの利益がある

中国の強硬な措置はアメリカをジレンマ状態に陥らせることができる

フィリピンの南海における狂気じみた挑発に直面し、中国はこれに対し厳しい懲罰を行うべきである。フィリピンに終生忘れ難い教訓を与える他、中国がフィリピンを厳罰に処することはさらにアメリカに難題を出し、またジレンマ状態に陥らせることができる。もしアメリカが承諾を守ってフィリピンを助け中国と対抗したら、南海で武力衝突になり、中国と開戦する可能性が極めて高い。だが中国と開戦すれば、アメリカ本土はいまだかつてなかった脅威を受けるに至り、国内の反戦感情は日増しに高まることになり、オバマ政権は恐らく崩壊のリスクに直面する。同時に、戦争の脅威を受け、国内および国際資本は大量にアメリカから逃げていく可能性が高く、これはなお回復していないアメリカ経済にとって致命的な一撃と異なるところはないと言える。ウォール街の財閥たちがこのような結果を受け入れることはあり得ない。一方もしアメリカが自らの保全のためにフィリピンを助けるのを拒絶したら、フィリピンはきっと中国の攻勢を防ぎ止めることはできず、アメリカはこの中国南海に差し込まれた「糞をかき混ぜる棒」を完全に失うことになる。しかも、アメリカのアジアにおける盟友たちも、アメリカの真の姿をはっきりと見ることになり、そのアジア太平洋地域回帰戦略は攻めずして自壊することになるのである。

これは中国が南海戦略を調整する絶好の機会である

ウクライナの「どたばた劇」を通して我々は次のことを見て取ることができる。グローバル化のプロセスがいかに発展変化しようとも、現在世界はある程度上依然として最も原始的な「ジャングルの法則」に従っているのであり、南海問題の上で中国がどうして同様の問題に直面しないことがあろうか。南海の争いの複雑さの程度は、いかなる地縁政治的ゲームにも全く劣らないのである。まさにいわゆる破壊なきところに建設なし、ルールは人によって定められ、また人によって廃されるというやつである。今回のフィリピンの半月礁における挑発はまさに1つの得難い契機であり、中国はこの機を借りて南海戦略を調整することができる。ロシアのウクライナ東部の都市に対するやり方はあるいは決して完全には南海に適用されないかもしれないが、少なくとも中国に1つの参考に供することのできる「処方」を提供してくれている。中国は完全にロシア式の「無鉄砲」を真似ることはできないが、適当に南海で「筋肉」を見せることは、あるいは思いがけない効果を取得できるかもしれず、同時にさらに一歩受け身に向かうことも避けられる。結局のところ、南海問題の上で中国の「忍」の時間はすでに長すぎになっているのである!

各視点からの声

羅援:フィリピンとの関係が破綻した以上我々には歯には歯しかない フィリピンは代価を払おうとしている!

あるいはフィリピンは最初からもう我々の警告を重視していなかったのかもしれない。フィリピンが中国との関係を破綻させようとしている以上、我々には目には目、歯には歯で、「さらに一歩の措置」を取るしかない。

より多くの声

香港メディア:フィリピンは中国の強硬な反撃を希望している

人民日報:フィリピン・ベトナムが中国に対抗するのは自ら死の道を探すこと!

外交部:アメリカサイドの誤った言論が某いくつかの国の挑発を助長している

庄国土:中国がフィリピンに反撃する方法は非常に多い 倍のフィリピン漁民を拘留し返しても良い

フィリピンには、論争ある海域でその国内法に照らして中国漁民を取り調べる権利は全くなく、中国がフィリピンに反撃する方法は非常に多い。今比較的適度なのは、そちらがこちらを1人捕まえれば、こちらはそちらを2人捕まえる、というものだ。

より多くの声

解放軍報:フィリピンが南海で不義を多く行えば必ずや自滅する

新華社:フィリピンが再度悪事を働けば中国サイドは強硬な措置を取ることになる

人民日報:フィリピンはよく考えて行動しほしいままに振る舞うな!

ネット仲間の調査

あなたはフィリピンの半月礁における中国漁民拘留をいかに見ますか?

アメリカの反応を探っている 15.13%% 233票

フィリピンは中国と南海であくまで対抗することになる 25.2% 388票

アキノ3世が政治的資本を手に入れる手段 19.75% 304票

アメリカの歓心を買い、かつ援助を勝ち取る 25.98% 400票

中国に南海で武力を使うことを迫るための罠 11.43% 176票

はっきり言えない 2.54% 39票

総票数 1,540票

中国はフィリピンに対し怒りをこらえて沈黙することはなくルール作りが必要

習近平総書記は最近、我が国の発展は依然重要な戦略的チャンスの時期にあり、自信を強め、戦略上の平常心を保持する必要がある、と指摘した。戦術の上では各種のリスクを高度に重視し、また防ぎ、早期に計画を立て、転ばぬ先の杖で、できる限りそのマイナス面の影響を減らす必要がある。この重要な視点は、国際問題解決に対しても同様に指導的な意義がある。

結びの言葉

フィリピンは、黄岩島の挑発がかつて1度南海情勢の緊張をもたらし、しかも中国も黄岩島事件後それに対する常態化された巡航を実現し、フィリピンの関連海域における中国漁船の妨害、取り調べ、逮捕を終わらせたという歴史を忘れるべきでない。今、フィリピンは南海の半月礁で古いやり方を再び使おうとしているが、いかなる利益も手にできはしないというべきである。またフィリピンは情勢をもはっきりと見るべきである。中国の主権と領土の完備を維持保護する決意に疑いの余地はない。フィリピンがもし再三挑発したら、それを待つのはより残酷さを加えた懲罰のみである。


 戦争になって大打撃を与えてやればアメリカ国内で反戦感情が高まり、戦争を続けられなくなって講和を求めてくるはずだと思っていた国は昔もありましたね。
















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