ロシアの専門家ら、対日関係を語る

 まあロシアとの関係改善は日本にとっても基本的には望ましいわけですが。

http://war.163.com/16/0404/09/BJQ0UJLA00014OVF.html


ロシアメディア:中日の競争はロシアにとって有利 政治の上で日本を重視すべき

参考情報ネット4月4日の報道 ロシアの連塔網は3月31日ある文章を掲載し、題は「日本との接近はロシアにとって有利か否か」である。文章は次のように言っている。何故日本政府は力を尽くしてロシアとの関係を改善するのか? 何が両国が真の意味での協力を展開するのを妨害しているのか? ロシア・日本関係は、対立の態勢が日増しに激化する米中関係にいかに影響するのか? モスクワカーネギーセンターの専門家たちはこれ、およびその他の問題をめぐり、「21世紀のロシアと日本:いかに協力を発展させるか」と題する討論会で思う存分言いたいことを言った。以下はこの会での主要な視点の記録の摘要である。

衝突は袋小路

ロシアBRICs諸国研究委員会執行主任ゲオルギー トロラヤ

冷戦以来、東北アジア地域はずっと全世界の衝突の潜在的危険の震源地と見なされている。しかし、事実の上で果たして本当にそうなのか? その他の火薬庫(例えば中東、南欧、トルコ、アフリカ)に比べ、今の東北アジアは情勢平穏の典型と称するに堪える。当然、ここには依然多くのなお未解決の問題と矛盾が存在するが、当地域の国にとって、それらは決して最も重要なものではない。例えば、ロシアと日本の間、東京と北京およびソウルの間には領土争いがある。だが各国の外交政策の中で、決して主要な位置にはない。不愉快な歴史が残した問題は依然として隣国間の関係に影響しているが、同様に関係国の政権および社会の核心的議題には発展していない。

おおよそ朝鮮半島のいたずらに長引く衝突だけが原則性の意味を持っている。北朝鮮にとって、これは存亡に関わる問題である。ソウルから見て、重要なのは国家の分裂を終わらせることである。双方はずっと非常に強硬に舌戦を繰り広げているが、戦争したがる人はいない。このため、東北アジアが今置かれている「衝突の袋小路」状態は相当に安定している。この現状に将来において改変が発生することに関する予測も根拠を欠いている。甚だしきに至っては北京とワシントンとの間の極めて深い矛盾も、徐々に激化するだけで、顕著な悪化はない。

こうした背景の下、ロシアと日本には協力拡大のポテンシャルが存在するのか否か? 表面的に見れば、これは非常に難しいようだが、両国いずれも共通の困難に直面していおり、似た経済および地縁政治の難題に遭遇し困ってもいる。例えば、両国は北朝鮮の核計画、地域の海洋、環境およびエネルギー源の安全などの問題の上で成功裏に協力できる。人を遺憾にさせるのは、南千島列島(日本は北方領土と称する)の帰属の争いが協力の面前に横たわる障害となっていることである。しかし、領土問題は近い時期内に必ずしも解決できないが、安倍政権は依然ロシア・日本協力拡大のプラグマティックな路線を選択している。

日本は決して反ロシアではない

ロシア外務省の下に属する国際関係学院東方学教研室主任ドミトリー ステリェリゾフ


現在のロシア・日本関係を左右する主要な要素は全世界の地縁政治構造の改変である。それはアメリカの実力の減退、日本の自身の全世界的地位に対する改めての定義付けと関係がある(東京は努力してより独立し、アメリカの言いなりにならない政策を実行している)。日本は第二次世界大戦の遺産と決別し、真の意味での「正常な国家」となることを企図しており、これはその外交政策のロシアの方向の上にも体現されている。

現在の日本の首相である安倍晋三は雄大な志に満ちた、歴史に名を残すことを企図する政治家である。経済の上で決して人を注目させる成就を取得していないため、彼は外交の強化、隣国(特に中国、韓国、ロシアの三国)との関係の正常化と和解を実現することによって、上述の弱点を補うことを企図している。

このため、彼は一定の譲歩、極めて大きな柔軟性、甚だしきに至ってはいくつかの国内支持率を犠牲にするなどの代価の助けを借りて、本質的にモスクワとの関係を改善し、ロシア指導者との間の私的関係を利用し、領土問題を解決し、膠着から脱することを推し動かすつもりである。しかも日本の社会世論の中に出現する某いくつかの変化も、彼の上述の方面の努力を推し動かしている。

第二次世界大戦で負けた暗い影はもはや新世代の日本人の心理的負担ではなく、彼らはむしろ妥協という方式によりロシアとの領土問題を解決することを受け入れる傾向にある。また、安倍はトランプがアメリカ大統領になった後、対日政策がより強硬なものに変わるのを心配しており、同時にモスクワと北京がウクライナ危機ゆえにさらに一歩接近することに対しても憂慮を感じている。

振り返ってロシアはと見れば、ロシアはまだ決して日本との関係を処理する統一された路線を制定していない。東京との対話の中で、以下のような3種の方式が非常にはっきり見られる。すなわち、保守、現実、親日である(極東において、日本はちょうどドイツのように、地域の経済の拠り所である)。今、モスクワが持つのは非常に慎重な様子見の立場である。すなわち、領土問題の上での態度は改変を許さないが、もし非常に必要でなかったら、東京を批判することはないだろう。

中国の要素

ロシア科学院極東研究所高級研究員ワシーリ コーシン


2005年前後には早くも、日本はもうロシアと中国の軍事、政治協力の拡張展開に対し深い憂慮を感じていた。アメリカが提供できる安全保障に対する自信が日増しに弱まっているため、東京は独立してこの領域の隠れたリスクを解決することを企図している。日本の専門家は、中国人民解放軍、特に海軍の作戦実力が急激に上昇しつつあることに注意している。このため、東京は止むを得ずロシア方向の外交努力を強化している。だがウクライナ危機はこのような考え方の実行に極めて大きな難度を増やした。結局のところ日本は止むを得ず対ロシア制裁陣営に加入したのである。

長期にわたり、ロシアはずっと日本という要素の助けを借りて中国の地域での影響力を抑えてバランスをとることを企図している。だが現在このようにしようとする難度は明らかに上がっている。最近、ロシアの中国との経済協力展開の考え方に顕著な変化が発生し、これはロシアのエリートの日増しにはっきり覚醒する頭脳と関係がなくもない。2014年の事件後、モスクワは劇的な性質の、極端に理想化されたロシア・中国関係発展の考え方を生じさせたが、その後、ロシアの置かれた形勢の日増しに客観的になる分析と共に、このような考え方はきわめて大きく修正された。

ロシアと中国の経済貿易関係の発展速度は、決してロシアがウクライナ危機勃発当初の時に予測し見積もったように速くはない。一方においては中国自身が様子見の立場を持つからで、もう一方ではロシアの立場がより慎重なものに変わったからである。心的態度もより平和になり、決して今後北京に向け過大な譲歩をする必要はないと考えている。このため、もしロシアの西側との関係が徐々に安定に向かえば、ロシアには日本との関係を復興させるチャンスがある。その時、ロシアは経済大国間の競争を有効に利用し、自身の発展のために奉仕させることができる。

ロシアの対策

ステリェリゾフ

ロシアは当然はっきり考えるべきである。自らが一体日本から何を獲得することを希望するのか、かつこれを基礎に国益を明確にし、未来戦略を制定すべきである。現在は着手しようとしており、何故なら両国関係を処理する時、ロシアは長期的に受動的に対応する状態にいることは不可能だからである。

もう1つの大きな重要問題は、両国の相互に対する需要が異なることである。日本人はロシアとの地縁政治領域での協力をより希望し、特に中国の実力が日増しに増強される背景の下ではそうである。だがロシアは相手方をまず経済的パートナー、投資および技術の提供国と見ている。ロシアは今に至るも依然日本が政治大国、独立した地域のプレーヤーであることを認めていない。これは甚だしきに至っては戦略制定方面のミスではなく、ロシアの政治エリートの心理的認知のせいである。彼らは日本に対し一種全く根拠のない軽視を抱いている。

コーシン

モスクワの対日政策は全体的に言って合理的だが、協調の強化を必要とする。ロシアの政治家および外交官は今に至るも依然協調せずそれぞれのことをし、しばしば東京に向け相互に矛盾したシグナルを伝達している。ロシアは、ロシアが対外貿易多元化を実現するプロセスの中で日本が重要な作用を発揮することを当然に意識するべきである。このため、モスクワは対日行動方面で明確かつ合理的な戦略を制定する必要がある。

トロラヤ

東北アジアは現在某種の意味での停滞状態の中にある。ロシアは明らかに自身の積極的な行動によって上述の実力構造のプレーヤーを改変することはできない。現有の地縁政治の条件の下で、日本によって相応の提案が提出されることは好都合だが、東京は米日軍事戦略同盟をより重視している。

ロシア・日本関係の改善は両国の今後数世代の統治エリートの任務である。現在、モスクワも東京も、依然理解せず、信用せずの眼光を相手方に投げかけている。将来、ロシアと日本は自然の結果として当地域の協力パートナーを結成することが完全にできる。だが、もしこの望ましい光景の実現を希望するなら、ロシアは今から開始し関連の土壌を育てる必要がある。(編集翻訳/童師群)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:日本とロシアの争いある島嶼」)


 何というんですかね、かなり本音をぶっちゃけているとは思うんですが、全部損得に基づいた議論であって、特定の問題においてどちらの主張が道理として正しいのかとか理想とか情とかの要素が全くないですよね。まあ外交なんてそんなもんかもしれませんけどもこれじゃお互い相手に対する心からの信頼感は生まれようがない気がします。














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