AK-12アサルトライフル登場の背景

 あまりインパクトのない銃に見えますが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/04/10/017470976.shtml


AK-12小銃、神話をつむぎ続けることを欲する より良くロシアの未来兵個人システムとマッチ

ソ連の戦略家ジューコフはかつてこう言ったことがある。「人員、武器、軍事思想、これが軍隊の3つの基本要素だ。」 ロシア軍は「新たなる様相」改革以来この3つの基本要素に照らして一連の調整と発展を行っており、現在「新たなる様相」軍事改革が終わりに近づくにつれ、ロシア軍は調整の重点を体制編成から武器装備の更新へと移している。関心を集めるロシア第5世代カラシニコフ自動小銃AK-12が研究開発、試験に成功し、かつ正式に量産に入り、間もなくロシア軍部隊に配備されることは、その改革発展のまた1つの力作に他ならず、これはロシア軍が「新たなる様相」を再構築し、武器装備の近代化建設推進で段階性の目標を実現したことを意味しているだけでなく、同時にロシアが誓って軍事工業企業を再興し、その主要な軍事科学技術領域における世界に先んじた地位を回復しようとする断固たる決意をもはっきり示している。

周知のように、ロシアが独立して建軍した後、ソ連の70%近い軍事遺産を継承したが、経済の悪化が軍事費の長期にわたる深刻な欠乏をもたらしたため、ロシア軍武器装備建設を長期にわたって停滞し前に進まない困った状況にさせ、毎年装備される新たな装備は終始一桁台の数を徘徊し、ロシア軍の戦闘力の向上に深刻に影響しまた制約した。

だが2008年のロシア軍「新たなる様相」軍事改革以来、特にプーチンの第3回目の大統領任期開始後、軍隊に対する関心度は日増しに上がり、「新たなる様相」軍事改革の効果を不断に深化させ、ロシア軍の近代化建設水準を全面的に推進し、かつ近年来のロシア軍改革の実際の状況を根拠に、2020年までの新たな軍隊建設発展計画が制定された。この計画の中で、ロシア軍は武器装備研究開発に入れる力の度合いと資金投入の程度を拡大しており、2015年までにロシア軍の近代化された武器装備の比率を30%にまで高め、2020年までに70%に到達させ、某いくつかの高度技術軍種は100%に近づけるという換装全体計画を提出した。

AK-12自動小銃の研究開発と装備はこの計画の重要な内容の1つである。ロシア軍が使用する現役自動小銃は1970年代にソ連軍が装備したAK-74で、現在まですでに40年余りの「歴史」があり、この種の状況はすでに深刻にその他の国の兵個人武器装備の世代交代の速度に立ち後れている。

AK-74は超越的に高い精度と比較的大きな殺傷力をもって世界で最も良い自動小銃の1つとなっている。だがロシア国防省が先に発表した国家試験結果から見て、間もなく装備されるAK-12に比べれば射撃精度、後座力、マガジン容量、重量および各種スコープ、距離測定装置、指示器などセットになる設備の取り付けの素早さの程度という方面において、AK-74はAK-12に比べていずれにも比較的大きな隔たりがあり、特にAK-12が重点的に作り出した兵士が特殊な状況下で片手でセーフティのスイッチを完成させる、ボルトを引く、マガジンを交換するなどの操作特性はさらにAK-74がどうしても追いつけないものである。

また、ロシア軍がAK-12自動小銃に換装するもう1つの重要な原因は、より良くロシア軍の未来の近代化された兵個人作戦システムとマッチさせる必要があることである。21世紀に入り、未来の作戦の需要を満足させるため、世界各国の軍事強国はこぞって兵個人作戦システムの研究と開発に専心している。ロシアもこの研究開発の行列に加入し、かつ照準具、アーマーやヘルメット、通信およびナビゲーション部品などの方面で突破性の進展を取得しており、ロシア軍はすでにいくつかの精鋭部隊の中にこのシステムを装備している。素晴らしい中での不足は旧式なAK-74自動小銃と兵個人作戦システムが設計理念や某いくつかの技術性能方面においてマッチせず、システムの需要を満足させられないことであり、加えてロシア軍の武器装備発展計画の不断の推進と共に、どんどん多くの部隊がこのシステムを装備することになる。このため、このような大きな背景の下に、ロシア軍は新世代の兵個人武器を研究開発してこのシステムに適応させ、もってこのシステムを素早く大規模使用に投入できるのに便とすることを早急に必要としている。しかもAK-12自動小銃の当初の設計理念はまさに未来兵個人作戦システムの研究開発に基づいていたのであり、特にAK-12の人間工学方面でなされた重大な改良やセーフティ機構、アクセサリーレール、伸縮可能なストック、ボルトストップなどの機能設計の上での特性は、AK-12自動小銃をより良くこれとマッチし、もって兵個人作戦システムの需要を満足させられるようにする。これもロシアが力を尽くして新世代兵個人武器を開発する重要な原因の1つである。

この他、新世代AK-12自動小銃の研究開発は、ロシアが世界に向けその軍事工業産業再興をはっきり示し、さらに一歩軍事工業の生産能力を高め、主要な軍事科学技術領域での世界の指導的地位を回復する重要な措置でもある。2012年2月、ロシアの第7回大統領選挙直前、プーチンはロシアの全国紙で「強大であることはロシア国家の安全の保証」との一文を発表し、この文章の中に単独で存在した一章は、「ロシア軍事工業総合体に対する新たな要求」だった。文章は多くの紙面をもってロシア軍換装計画および軍事工業企業の改革と発展の問題に言及していた。プーチンは文章の中で、「軍事工業企業はロシアの誇りであり、こうした企業の中には強大な知識および科学技術のポテンシャルがある。だがその中に累積する問題も、我々は否定できない。30年来、我が国の軍事工業企業は実際上近代化のチャンスを逃した。今後10年の中で我々はこの種の立ち後れた状況を完全に変え、主要な軍事科学技術領域での世界に先んじた地位を回復する必要がある。私は、我々の軍隊の中心的装備が頼るのも主に軍事工業企業と我々の科学技術的基礎であると再度強調する。」と指摘した。 プーチンの話は疑いなく経済的困難を嫌というほど受け、転んだままなかなか立ち上がれずにいるロシア軍事工業企業のために「興奮剤」の注射を1本打ったのである。

だがロシアメディアが新世代AK-12自動小銃研究開発開始の情報を正式に報道して以来、ロシア軍は決してそれがカラシニコフの「血統」を持つがゆえに明確な購入の希望を露わにしてはおらず、軍はずっとAK-12に対し慎重な様子見の態度を取り、いくつかのAK-12の前途が軍によって好意的に見られていないことに関する情報が新聞の端々に頻繁に見られる。甚だしきに至ってはロシアの元国防大臣セルジュコフはさらに一度、国外から自動小銃を購入してロシア軍の作戦能力を向上させることになる、と言明した。この情報は多くのロシア民衆を理解し難くさせたが、別の側面からロシア民衆の本国軍事工業企業に対する不信と悲観的感情を屈折して映し出してもいた。一部の民衆の心中には、「まさか世界一流の軍事工業システムを有するロシアが本当に外国の武器を購入して自らの部隊を武装しようとしているのか? これは伝説的色彩を帯びたAK系列小銃がすでに立ち後れていることを意味しているのか否か、ロシア軍事工業企業には『第5世代』アサルトライフルを自主研究開発する能力があるのかないのか?」など一連の疑問さえ出現させた。

だが論より証拠で、2014年12月にAK-12が国家試験をパスし、かつ2015年春に大量生産を行い、ロシア軍部隊に装備されることが計画されるのと共に、ロシア軍事工業企業は4年近い時間を利用して、外界および国内の、その生産能力に対する疑問の声や憂慮を根本から打ち消したのである。これはロシアの伝統的軍事強国としての実力の体現でもあれば、さらにはロシア大統領プーチンが改めて政権を担当した後のロシア国防建設振興が取得した業績の具体的な象徴でもある(頑住吉注:「具体的」と「象徴」は相容れないような気がしますが)。

しかし否定できないのは、AK-12の最終的な量産とロシア軍部隊への装備にはまだいくつかの早急に克服を必要とする問題が存在している、ということである。例えば購入コストである。AK-12はいくつかの近代化の元素をとけ込ませているため、もたらされるのが購入コストの増加であるのは必定で、ロシア軍はその購入価格はAK-74に比べおよそ25%程度高いだろうと見ている。

さらに新旧武器の配置比の問題がある。現在ロシア軍が持つAK-74自動小銃の総量は1,000万挺を超えており、比較して言えばロシア軍の総兵力は現在約100万人であり、いかにして新旧武器の比率配分を行うか、不使用状態で置かれる旧式武器はどのように処理するのか、こうした全てはロシア軍が現在重点的に考慮することを必要とする問題である。

だがどうであろうとAK-12の研究開発成功はロシア軍改革、発展のまた1つの先駆的事業であり、それがカラシニコフAK系列の神話をつむぎ続け、真にロシア軍の「利器」となり得るか否かに関しては、遠からぬ将来我々に1つの答案が与えられると信じる。

(作者は王建華 ジャンユエ 関永豪 機関:石家庄陸軍指揮学院)


 AK-12は従来のAKを人間工学的に改良しただけのもので、従来型は兵個人作戦システムにマッチせずAK-12ならマッチするということがあるのか、多少不便でも従来型で間に合うのではないか、また新旧が併存しても比較的大きな問題にはなりにくいのでは、などちょっと納得いかない論でしたが。

















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