「戦車ワールドカップ」に参加する中国の戦車は96A

 重複部分もありますが関連の記事を2つまとめて紹介します。

http://military.china.com/news/568/20140711/18625713.html


ロシアメディア:国際戦車ワールドカップ8月に開幕 中国・ロシア・インドが同じ土俵で競技

【グローバル軍事報道】 ロシアの「消息」ネットの報道によれば、ロシア軍は7月初めモスクワ近郊のアラビノ標的場で「戦車両項目-2014」国際競技準備会議を行い、中国、インドおよび独立国家共同体の関連の国の軍代表が招待に応じて出席した。競技は8月4日から16日に行われ、中国代表チームは自らの戦車を携えて競技に参加することになり、その他の10余りの代表チームは統一してロシア製のT-72戦車を使用する。その時、5,000名余りの観衆を収容できる競技場は公衆に対し解放され、全世界の軍事マニア、特に戦車愛好者は大いに目の保養をすることができる。

ロシア国防大臣ショイグの創意

「戦車両項目」がその名を取ったのはロシア人が愛好する現代冬季両項目スポーツである。現代冬季両項目は冬季オリンピックの正式種目で、オフロードスキーと射撃という2種の異なる特色の競技項目が有機的に結合し、選手に動と静が相互に転換する総合能力を持つことを要求する。「戦車両項目」は「現代冬季両項目」の競技制度を「借用」し、競技項目には障害オフロード(この期間には浅瀬、浮き橋、対戦車壕など各種の天然および人工の地形障害を跨ぎ越える必要がある)、および戦車砲と機銃の射撃(800から1,800mの距離内の戦車、ヘリ、対戦車ロケットランチャーなど異なる類型の目標に対し打撃を実施する)が含まれ、競技の方式には単一項目競技とリレー競技が含まれ、戦車兵の戦闘の素養に対する総合的な検証でもある。

ロシア軍の組織者の説明によれば、「戦車両項目」競技の件の創意はロシア国防大臣ショイグに由来する。彼の就任後、すぐ多種の創新方式を採用して部隊の軍事訓練業務を推し動かし、これにはソ連軍の常態化された突撃戦備演習の復活、全軍と各軍兵種の範囲内で軍事技能の大規模な腕比べを展開する、競技の方式をもって将兵の武技練習の積極性を高めることが含まれる。分析者は、ロシア軍が「戦車両項目」国際競技を行うことは多くの目的を達成することができる、と考える。1つ目はロシア軍の武技に精通する熱情と訓練効果を向上させること。年初に始まってロシアの各大兵団と集団軍はもう「戦車両項目」の選抜競技を開始し、その後東、西、中、南部という4大軍区が各自選抜競技を行い、各軍区で出場が決定した優勝戦車チームがさらに全軍の決勝戦に参加した。この種の各層にわたる選抜方式は疑いなく各将兵の訓練の積極性と部隊の集団的栄誉感を刺激して引き起こす。また、ロシア軍の訓練部門はさらに競技の結果と暴露された問題を根拠に、現行の訓練大綱に対し目的性を持った改訂が行える。2つ目は武をもって友と会い、国際的な友情を増進する。軍事の腕比べは合同演習のレベルの高さには及ばないが、それでもやはり絆の感情を引き起こし、軍の間の友情を増進する効果を引き起こす。3つ目は戦車技術の発展を促進できる。それぞれの道の名手が同じ土俵で切磋琢磨し、各国の戦車研究開発商、設計師が現場に来て見学し、長所を取って短所を補い、相互に交流し、共同で戦車研究開発と保障技術の発展を促進する。ロシアはさらに国際戦車市場の主要な輸出国の1つであり、ロシア製戦車の競技場における素晴らしいパフォーマンスは潜在的ユーザーの視線をも引きつけるだろう。

2013年8月、ロシア軍はアラビノ標的場で第1回「戦車両項目」国際競技を開催した。ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア(全て独立国家共同体構成国)という4カ国の軍隊が人員を派遣して競技に参加し、4カ国の競技に参加する戦車は赤、緑、黄、青という4つの異なる色に塗装され、審判識別にも便利なら、鑑賞性も増加した。結果として、ロシア西部軍区から来た第138独立機械化歩兵旅団の戦車チームが優勝し、カザフスタンとベラルーシの競技参加戦車チームはそれぞれ第2位と第3位を獲得した。

中国とインドが同じ土俵でPK戦

第1回「戦車両項目」が予想を超える良好な効果を取得したことにかんがみて、ロシアは2014年度「戦車両項目」を「独立国家共同体カップ」から「ワールドカップ」へとグレードアップさせることを決定した。ロシア軍関係者が明らかにするところによれば、ロシア国防省は年初に全部で41カ国に招待の手紙を発し、これにはアメリカ、イタリアなどのNATO構成国が含まれた。だが時局は予想し難く、ウクライナ危機のエスカレート後、ロシアとアメリカや西側との関係は悪化した。NATOはロシアに対し一部の軍事制裁を実施し、イタリアはすでにもはや競技に参加しないことを決定し、アメリカ、ギリシャ、チェコなどの国もやって来て参加することはないと見られ、ウクライナは今に至るもまだ回答していない。

6月23日、ロシア陸軍作戦訓練局の局長アレキサンダー ビリヤゼフはメディアに向け、ホスト役のロシアを含め全部で14カ国が「戦車両項目-2014」国際競技に参加し、これには中国、インド、その他のロシアと友好的なパートナー国(例えばベネズエラやクウェート)および独立国家共同体の姉妹国が含まれる、と明らかにした。中国を除くその他の国の代表チームはいずれもロシア製T-72型戦車を使用して競技に参加する(クウェートも以前自らの戦車をもって競技に参加する意志があった。クウェート陸軍は200両余りのアメリカ製M1A2戦車を装備している。だが後になって突然放棄し、あり得るのはアメリカサイドからの圧力があったということである)。7月7日午後、国際戦車両項目競技に参加する中国の競技参加装備が満州内から国境を出、モスクワに出発した。中国サイドを代表して競技に参加する4両の96Aメインバトルタンク、1両の燃料輸送車、1両の特殊修理車は全て南京軍区から来たものである。装備は鉄道によって満州内に輸送された後、ロシアサイドの軍用列車に乗り換え、さらに6,000km余りを機動してモスクワに到着する。

ロシアメディアが明らかにするところによれば、「戦車両項目-2014」は8月4日から16日、アラビノ標的場で行われると定められ、各国の競技参加チームはタマン機械化歩兵師団の野営地に宿泊する可能性がある。開幕式でロシア軍は素晴らしい「戦車ワルツ」をデモンストレーションする。その時、8両のT-80戦車と2両の「ムスタ」自走砲がそれぞれ2ブロックの30x30(頑住吉注:何故か単位ありません。mじゃ狭すぎ、kmじゃ広すぎるような気がしますが)の場所の上で各種特技操縦デモンストレーションを行う。競技は普通の観衆や軍事愛好家に向け開放され、観客席には少なくとも5,000人が収容できる。、今回の大規模競技の優勝代表チームは「戦闘友情」トロフィーを獲得し、優勝した戦車チームメンバーに対しては自動車が贈られる。

今回の戦車ワールドカップをうまく行うため、ホストは全方位の念入りな準備を行った。ロシアのタマン機械化歩兵師団の技術人員は競技のルートに対し整備、手直しを行い、競技ルートの総全長を7.6mまで延長し(頑住吉注:kmの間違いでしょう)、幅を40mまで広げ、もってリレー競技段階の選手たちが追い抜きやすいようにした。また、さらに一歩競技の難度を高めるため、伝統的な段差、軌道橋、浅瀬などの障害の他、さらに対戦車壕、火力地帯、斜面、浮き橋などの新たな障害を増設した。

6月23日から28日、ロシアのアラビノ標的場で全軍の「戦車両項目」競技が行われた。これはロシアサイドの選抜競技でもあるし、8月の国際競技場施設および組織作業に対する全面的な検証でもある。ロシア4大軍区はそれぞれ4組のT-72戦車チームとBMP-2歩兵戦闘車チームを派遣して競技に参加し、最終的に西部軍区と東部軍区から来たチームがそれぞれ戦車チームと歩兵戦闘車チームの優勝を獲得した。このうち、戦車チームの優勝は、西部軍区のレニングラードのカメンカ警備区から来た戦車チーム(ナート ハディエフ上尉率いる)で、あるいはロシアを代表して8月初めに行われる「戦車両項目」国際試合に出場するかもしれない。提示しておくに値するのは、競技の期間、クウェートの駐ロシア武官が団体を率いて見学し、かつロシア製T-72B競技参加戦車、およびタマン機械化歩兵師団の兵士宿舎と食堂を視察したことだ。クウェートサイドの視察団メンバーは、ロシア軍が今回行う競技は規模が大きく、準備のレベルが高いと指摘している。(任之)


 コラムで、「何故夏にやるのに冬季なのか分かりませんが」と書きましたが、「現代冬季両項目スポーツ」の戦車版、という意味で、また検索してみると「現代冬季両項目スポーツ」とは要するにバイアスロンのこと、つまり戦車版バイアスロンということなわけですね。普通分かるのかもしれませんけど何しろスポーツ全然興味ないもんで。「ロシア国防省は年初に全部で41カ国に招待の手紙を発し」とありアメリカ、イタリア、ギリシャなども招待されているということはたぶん日本にも来たと思うんですけど参加しないようで残念です。10式が言うほど凄いならぜひ世界に見せつけてほしかったところですが。「ウクライナは今に至るもまだ回答していない」って今それどころじゃないでしょう。イスラエル、北朝鮮あたりはどうなんですかね。


http://military.china.com/important/11132797/20140711/18624431.html


中国の96A戦車、ロシアに赴きT-72と「一騎打ち」 4つの優勢と1つの劣勢

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「解放軍の96戦車、国外に出てロシアに赴き競技に参加」)

総重量:41.5トン

操作人員:3人

主要な武器:125mmスムーズボア砲

最大速度:時速65km

優勢:目が良い。照準が良い。打撃が正確。自動化の程度が比較的高い。

劣勢:最大速度が不利

南半球のブラジルでサッカーワールドカップはもうすぐクライマックスの時を迎えるが、北半球ではもう1つの「戦車ワールドカップ」が間もなく開幕し、中国チームが競技に参加する。

メディアの報道によれば、戦車「冬季両項目世界選手権」は7月26日から8月10日、ロシアのモスクワ州「アラビノ」標的場で行われ、13カ国が競技への参加を確認しており、22カ国が視察員を派遣する。現在、初めて競技に参加する中国代表団の装備、国産96Aメインバトルタンクはすでに満州内から国外に出、モスクワに出発している。

中国サイドを代表して競技に参加する4両の96Aメインバトルタンク、1両の燃料輸送車、1両の特殊修理車は全て南京軍区から来たものである。装備は鉄道によって満州内に輸送された後、ロシアサイドの軍用列車に乗り換え、さらに6,000km余りを機動してモスクワに到着する。

「戦車現代両項目」は「戦車大会」、「戦車冬季両項目」とも言い、この名はオフロードスキーとライフル射撃を競技内容とする「冬季両項目」スポーツが元になっている。2013年、ロシア国防大臣セルゲイ ショイグは第1回「戦車両項目」競技を発起し、誰の戦車が「速く走り、正確に打撃するか」全力勝負させた。ロシア、カザフスタン、ベラルーシ、アルメニアという4カ国が第1回大会に参加し、最終的にホスト国のロシアが優勝した。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ロシア製T-72メインバトルタンク」です。)

ロシア製T-72B

主要な性能パラメータ

総重量:46.5トン

主要な武器:125mmスムーズボア砲

最大速度:時速80km

優勢:身軽で敏捷。速度が驚異的。

劣勢:目が近視。射撃の正確さが高くない。自動化の程度が高くない。

南京軍区、中国を代表して競技に参加

競技に参加する中国の96Aは96式の最新改良型である。この戦車は付加装甲と上反穏像式照準システムを装備し、戦車の防御力と火力コントロール性能がさらに一歩向上し、総合性能はロシア製T-90Cに相当する。

96Aは中国の現在の陸戦主戦装備で、消息筋の人物が明らかにするところによれば、南京軍区は国内で比較的早く96戦車を装備し、使用経験が豊富で、このため今回の競技では地理的位置が相対的により近い北京軍区あるいは蘭州軍区を派遣して競技に参加させなかったのである。また、現在最新の99A2メインバトルタンクは「和平使命-2014」演習の中で姿を現すと見られる。

西側、臨時に競技参加を取り消す

今年4月、ロシア国防大臣セルゲイ ショイグは、今年の「戦車冬季両項目」の中で、ギリシャはその最精鋭のドイツ製レオパルド2A6E戦車を出動させ、もしアメリカやドイツが本国の戦車を派遣して参加させなくても、観衆は西側、ロシア、中国の最も優秀な戦車が同じ場所で疾風怒濤の腕比べをするのを見られることになる、と明らかにした。

人民ネットはかつて、イタリアの「アリエテ」C1戦車、ウクライナのT-84、さらに「火力コントロールシステムが世界で最も先進的」として知られるチェコのT-72M4CZがいずれも出場するだろう、と報道した。だが今月、ロシア国防省は今回の戦車大会では中国を除きその他は全てロシアのT-72B戦車を操縦して競技に参加する、と明らかにした。ロシアによって提供される戦車の外国の競技参加者は7月末にロシアに到着し、装備、場所に適応し、かつ試射を行うことになる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「96A戦車」です。)

秘密を明かす

戦車オフロード競技、走って標的を撃ち、「バレエを踊る」

メディアが明らかにした画像から見て、競技の中で戦車装備は全て赤、黄、青、緑などの鮮やかで美しい色に塗装され、このようにして観衆が遠距離からその所属チームを識別できるようにする。

軍事コラムニストの高岩は新京報記者に対し、競技の中で参加する戦車は一般に10kmから20km行進する必要があり、行進の中ではカーブした道、浅瀬、丘、機械橋あるいは段差などの障害に遭遇し、さらに「地雷原区域」の中で地雷の位置をマーキングした棒の間を抜ける必要があるだろう、とした。標的射撃も普通の「冬季両項目」とは異なり、戦車の砲手は900〜2,200m離れた場所から射撃し、標的は戦車あるいは低空を飛行する飛行機の模型である。

中央テレビの報道によれば、実戦の効果を模すため、戦車の射撃は定点射撃、機関銃射撃、移動しての標的射撃に別れ、標的射撃時の目標は全てランダムな位置から出現し、砲手は限られた時間で目標に命中させることが必須で、さもないと500m多く走る罰則を受ける。

また、去年の競技の中では趣味性を増加するためさらに「戦車バレエ」がデモンストレーションされた。いわゆる「戦車バレエ」とは何両かの戦車が輪を描いて行進しながら主砲を揺り動かし、かつ車体を用いて幾何図形を描き、音楽に合わせて「軽快に踊る」ものである。これはロシア軍戦車部隊の日常の一種の調剤であるとされる(頑住吉注:「一服の清涼剤」みたいな意味ですかね)。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「資料画像:南京軍区某部が装備する改良型96A戦車」です。)

解読

「リムパック軍事演習との比較可能性はない」

この前ある分析者は、アメリカのリムパック軍事演習はまだロシアを招待して参加させておらず、このためロシアが「戦車ワールドカップ」を主催する意図はその装甲戦力をデモンストレーションし、本国の武器をセールスするところにあり、アメリカを「挑発」している疑いがある、と考えた。

だが軍事専門家宋忠平は、今年の戦車大会はすでに第1回目ではなく、しかも招待された競技参加国もNATOメンバー国および中国まで拡張展開されており、ロシアは装甲領域でいくつかの競技を行うことも希望しており、これはロシアがリムパック軍事演習に招待され参加するかしないかとは直接の関係はない、とする。しかもリムパック軍事演習の歴史上、ロシアも2012年だけは招待を受けて参加している。

また、リムパック軍事演習と競技戦車大会の内容から見て、リムパック軍事演習は伝統的および非伝統的安全領域の多くの科目を包括し、海軍の総合的実力の全力勝負であるが、戦車競技大会は戦車の機動性能と火砲の射撃能力の全力勝負であり、両者の間には比較可能性はない。(ヤンシンユー)


 中国が最新の99系列で参加しないのはおそらく負けても言い訳ができるからでしょうが、負けを恐れて参加しないよりはいいでしょう。明らかにロシアに地の利があるわけですし。このルールで勝ったから戦車として優秀とは言い切れない(例えば防御力や航空戦力との連携の能力などは評価されないわけで)とはいえ、唯一T-72B以外の機種として参加する中国の戦車がどういうパフォーマンスを見せるかは大いに注目されます。
















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