F-22には欠陥がある?

 F-22を批判する記事が最近ちょっと目立つようですが、米中の緊張の高まりとも関係があるんですかね。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/10/21/017879028.shtml


F-22、三大致命的欠陥が存在すると指摘される:袋叩きにされやすい 武器が強くない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「米軍のF-22『ラプター』ステルス戦闘機がポーランドに配備される」)

F-22には三大致命的欠陥が存在

米軍がF-22「ラプター」を21世紀の戦闘機として登場させて以来、宣伝者はずっとその卓越した技術性能を吹聴している。燃料の節約、超音速巡航、先進的な航空電子設備およびレーダーによって発見されにくいステルス性能は、アメリカ空軍が新世紀の制空権を占めるのを助けることができる、と。しかし「国家利益」誌ウェブサイトは最近文章を掲載し、空戦の勝負を決定する基準をもって推し量ると、「ラプター」戦隊には実際上致命的欠陥が存在し、かつ真に米軍戦闘機の実力を向上させることはできない、と考えた。

数が少なく「袋叩き」にされやすい

F-16戦闘機の設計師の1人であるピエール スプレイは、戦闘機が勝利を獲得するのには五大要素が必要で、すなわち戦闘機の数、飛行員の質、敵に先んじて発見し敵に先んじて打撃する能力、敵機を超越する機動性能、瞬間のチャンスをつかんで敵機を殲滅する能力である。「F-15、F-16戦闘機はまさにこの五大要素を根拠に製造されたのである。」 しかし、F-15、F-16に取って代わるのに用いられるF-22はそれにもかかわらず基本的にこうした要素を考慮していない。「第1項目目の指標だけについて言えば、F-22は全世界の装備数でせいぜい中等レベルと評価できるに過ぎない」とスプレイは言う。アメリカ空軍は元々750機のF-22を購入する計画だったが、超越的に高い製造コストの制約を受けて、最終的に186機にまで減った。だがこの186機の中で2機は飛行停止状態にあり、そのうち1機は航空電子設備が過度に老化したため飛行の価値を失い、もう1機は緊急着陸を迫られたために深刻な損傷を受け、少なくとも4年の時間と9,800万アメリカドルを費やしてやっと修復できる。

ペンタゴンの事情を知る人物が明らかにするところによれば、米軍のあらゆる186機のF-22の中で、123機だけが「戦闘飛行状態」にあり、もう20機は予備用機で、その他は検証機や練習機である。スプレイは、「もし一切がスムーズでも、アメリカ空軍のF-22は毎日のべ60機しか出動できない。残酷な空戦の中でこんなに少ない出動機数は実際お笑い草である。」と語る。

総機数の不足はF-22戦闘機中隊の編成数の「縮減」をももたらしている。アメリカ空軍の言い方によれば、それぞれのF-15あるいはF-16中隊は通常24機の戦闘飛行状態にある飛行機および2機の予備用機を編成し、「このようにしてこそ飛行中隊の作戦効率が保証できる。」 しかしF-22中隊はそれにもかかわらずこの原則を完全に無視している。資料は、現在アメリカ空軍は6個「ラプター」作戦中隊しか編成していないことをはっきり示している。「このうち5個中隊には21機の戦闘飛行状態にある機の他+2機の予備用機しかない。もう1つは空軍国民警護隊中隊に属し飛行機の編成数はさらに少なく、予備用機を含んでも20機しかない。」と「国家利益」誌ウェブサイトは書いている。「このような数と編成の規模は、空戦の中で非常に容易に数の優勢を占める敵機の包囲攻撃に陥る。第二次世界大戦の時期にソ連の簡単で実用的な戦闘機は、『袋叩き』戦術を用いてドイツ空軍の先進的な戦闘機の進攻を撃退した。」 (頑住吉注:実際にはソ連戦闘機の中には少なくとも低空では同数でもドイツ戦闘機と互角に戦えるものが多かったようです。)

「銃はあっても弾がない」のは非常にまずい

文章はさらに、アメリカ空軍は大量の資金をF-35の研究開発プロジェクトの上に移しているため、F-22戦闘機のグレードアップが深刻な影響を受けている、と明らかにした。「現在、未グレードアップの『ラプター』は依然最も先進的な武器と充分に結合できていない。ある見積もりは2017年まで「ラプター」は全てAIM-9X空対空ミサイル(米軍の「サイドワインダー」ミサイル系列の中の第4世代にして最新機種)および最新のAIM-120D中距離空対空ミサイルを装備できない、とする。また、少なくとも2020年まで、F-22はいずれも飛行員のために適したヘルメット照準システムを装備することはないだろう。資金と技術の問題は、F-22就役第1日目にもうヘルメット照準具装備計画が水の泡となることを運命づけたのである。

さらにある基本的な欠陥が「ラプター」の足を引っ張る。弾薬搭載量の深刻な不足である。ステルスのため、F-22のあらゆる機載武器は全て機体内部に置くことが必須で、1回に搭載できる武器の数が比較的少ない結果をもたらし、その攻撃能力を深刻に制約している。報道は、F-22の現在の実際の弾薬搭載量は厳格な秘密保持状態にあるが、演習人員の不平の中からは、「ラプター」が充分なミサイルあるいはその他の弾薬を搭載できないことがごく容易に判断できる、とする。「演習終了後、飛行機から這い出た飛行員の第1の不満は機載ミサイルの消耗速度が非常に速いことである。特に敵サイドの電子妨害がある状況下では、F-22のミサイルは非常に早く「浪費」され、飛行員は止むを得ず機を操縦して帰投する。」 あるF-22の飛行員は、「秘密保持の原因から君に向け正確な機載ミサイルの殺傷比率を明らかにすることはできないが、私は君に、機内のミサイルは全く使用に充分ではなく、もし発射するごとの命中が達成できたとしても、数が圧倒的優勢を占める敵機に対応することはできない、と教えることはできる。」とした。

優秀な飛行員が深刻に不足

文章は、充分な優秀な飛行員と地上勤務人員の欠乏は、F-22戦闘機が充分に作戦ポテンシャルを発揮するのを制約するボトルネックである、と考える。

傑出した飛行員は不断に空戦あるいは実戦に近い高強度の訓練に参加してこそ質を高めることができる。だが訓練予算の制限を受けて、F-22飛行員は毎月12〜14時間の飛行訓練しか獲得できない。資金に限りがある他、装備不足も飛行員の訓練に保証が得られない原因の1つである。文章は、もし空軍武器学校で訓練を受けるF-22の精鋭飛行員でも充分な装備の保障が得られず、止むを得ず近隣の第53試験・評価大隊と戦闘機を「共有」している、とする。「このことは、ネリス空軍基地に駐屯する2つの精鋭飛行中隊が止むを得ず半分のF-22中隊を共用していることを意味している。この十機あまりの飛行機は、飢え乾いた精鋭飛行員にとって実際焼け石に水と言える。」

また、合格点の出せる地上勤務人員の欠乏もF-22の作戦状態に深刻に影響している。アメリカ軍の試験報告は、F-22の外表面金属の塗装層の防水効果は劣り、かつ磨耗して損傷しやすく、空中を1時間飛行するごとに、もう30時間あまりのメンテナンスや維持保護を行う必要がある、とする。「このことは大量の合格点の出せる地上勤務人員と設備を必要とする。だが不幸なことに、我々にはそれがない。大多数の戦闘機の地上勤務人員は厳格な養成訓練を受けてやっとF-22のためにサービスできるのである。」 (陳小会)


 だから安価なF-35を大量装備しようとしたわけですがそのF-35の価格も高騰してやはり想定通りの大量装備などできそうになく、かといってロシアや中国の次世代戦闘機より優位に立てるという条件の下にずっと安価な戦闘機が作れるか大いに疑問です。



















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