中国空母艦隊の編成は?

 まあそもそも中国国産空母が戦闘力を持つまでにはまだ相当な時間がかかり、その時になればここにはまだ登場していない055大型駆逐艦なども選択肢に入ってくるかもしれないわけですが。

http://military.china.com/news/568/20141229/19156292.html


中国海軍空母艦隊を解析:航路護衛艦艇は米軍に比べより複雑

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「軍事報道が放送した中国海軍初の空母遼寧艦の画面」)

空母自体とその艦載機が構成する作戦武力は、攻撃、防衛、後方勤務補給方面いずれにおいても相当に有限で、依然その他の作戦艦艇とのコンビネーションを必要とし、それでやっと比較的完備された攻防戦力が達成される。しかし1つの空母戦闘群の編成には決して定まった量がないわけではなく、国家の戦略思想、任務の必要性、財政状況に照らして定められる。アメリカ海軍の編成によれば、1つの空母戦闘群には少なくとも1隻の空母、2隻の駆逐艦、1隻の巡洋艦および1〜2隻の原潜があるべきである。だが米軍の空母戦闘群の編成の中には、戦闘武力を強化する編成もあり、これはすなわち1隻の空母を核心とし、さらに2隻の巡洋艦、4〜6隻の駆逐艦、1〜3隻の原潜、2隻の補給艦があるというものである。

現在アメリカは11隻の空母を持ち、全世界のチャンピオンに君臨している。外界は2015年に中国が第2隻目の空母を配備するかもしれないと予測しているが、もし遼寧艦というこの訓練用空母を加えても、それは依然米軍の1/5に及ばない。また、現在中国海軍がここ10年近く以来護衛艦と駆逐艦の発展が猛烈に迅速であるという状況下で、未来の中国空母戦闘群の水上艦艇は米軍の空母戦闘群の最低武力編成の数量より多いはずである。一方水中戦力では、中国海軍はアメリカ海軍と同じにはならないだろう。何故ならアメリカ海軍には原潜しかなく、ディーゼル・電池潜水艦は決してないため、中国空母戦闘群の編成は、水中戦力が原潜の配備のみに限られないかもしれず、中国の性能が比較的優良な通常潜水艦が加入する可能性がある。

これにより、筆者は中国の未来(2015〜2020年)の空母戦闘群の編成を見積もる。水上作戦艦艇方面では、2〜4隻の護衛艦、4〜6隻の駆逐艦、および少なくとも1隻の補給艦があるはずである。水中作戦力量方面に関しては、1〜2隻の原潜、および2〜4隻の通常潜水艦があるはずである。

多をもって勝ちを得る:空母を護衛する水上戦力

現在の中国海軍水上艦艇の発展状況に照らし、筆者は中国海軍空母戦闘群の水上艦艇の編成は、アメリカ海軍の大型空母戦闘群の水上艦艇の編成数量に比べさらに多く、護衛の層の数もより複雑になると考える。筆者は、中国の空母を護衛する水上艦艇のあり得る編成は、あるいは外周、中部、内層の3つの部分に分けられるかもしれないと考える。

空母戦闘群の水上外周護衛について言えば、すでに遠洋作戦経験を持ち、防空能力が比較的良い054A/江凱II型護衛艦、あるいは054B/江凱III型護衛艦が空母戦闘群の外周警戒として選択できる。配備の数に関しては、少なくとも2隻で、最多でも4隻は超えないはずである。

次に、中部の護衛について言えば、現在中国海軍が大量生産している052C/旅洋級II型駆逐艦は、その防空作戦能力が欧米の先進的な駆逐艦と比肩し得るため、この旅洋級II型駆逐艦が未来の中国海軍空母戦闘群の中部護衛を担当するに足りる。しかもこの型の駆逐艦の量産数から見て、中国にはこれを最初の空母戦闘群の艦隊作戦武力の1つに納入する意志もあるようだ。配備数に関しては、2隻以上のはずである。

最後に、内層の護衛に関して論じる。現在中国は一段と力を入れて旅洋級駆逐艦に比べ防空と対艦武力がさらに強大な駆逐艦を建造しつつあり、これすなわち052D/旅洋III型駆逐艦で、第1号艦はすでに2012年8月28日に進水し試験を行い、第2隻目も2012年12月28日に進水し試験を行っている。配備数に関しては、2〜4隻のはずだが、4隻を超えることはあまりありそうにない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

筆者は未来の中国空母戦闘群の水上護衛艦の数と編成は米軍に比べより多く、また複雑になると考える。この意見を持つ主要な理由は2つある。

その1、中国海軍水上戦闘艦の戦力は依然米軍にやや劣り、特に防空作戦方面がそうである。現在アメリカ海軍空母戦闘群の水上艦艇は全てアーレイ・バーク級駆逐艦をメインとし、この型の駆逐艦は72発のスタンダード2型およびスタンダード3型対空ミサイルを持ち、世界の同クラスの駆逐艦で最高と称するに堪える。一方中国の旅洋II型駆逐艦は48発の海紅旗10型対空ミサイルしかなく、旅洋III型駆逐艦に関しても64発の海紅旗10型対空ミサイルしかない。この2種の水上戦闘艦の防空火力は中国海軍の優秀者と称するに堪えるが、それにもかかわらずアーレイ・バーク級駆逐艦には及ばないのである。このため、中国はアメリカ海の大型空母戦闘群の編成(2隻の巡洋艦+4〜6隻の駆逐艦)のようにはできず、より多くの水上戦闘艦が必須で、かつ外、中、内三層という多層の防護圏をもってであり、それでやっとより妥当に空母の安全を確保できるのである。

その2、中国空母の数はアメリカに遠く及ばず、相対的に中国空母はより多くの水上護衛艦を配備することができる。中国は近代化され性能が優越した水上艦艇を持つが、依然アメリカには及ばない。だが中国が新たな艦を建造する速度はそれにもかかわらず世界のトップに君臨する。しかも新型艦艇の研究開発速度はどんどん速くなり、配備数にはどんどん多くなる趨勢がある。

多種の選択:空母を護衛する水中戦力

中国の空母を護衛する水上戦闘艦との比較で言うと、中国の現在の空母の護衛としての潜水艦は、数でも性能の選択性でも水上戦闘艦に遠く及ばない。

ディーゼル・電池潜水艦について語る。一般に軍事研究者の大多数は米軍の空母戦闘群の編成をもって中国空母戦闘群の編成を測り評価する依拠とする。だが基本的にこの種の比較と評価には2つの大きな問題がある。第1に、アメリカは世界の覇権であり、アメリカ海軍の主要な任務は全世界の平和と安定の維持保護である。このため、遠洋作戦をもってメインとするアメリカ空母戦闘群は、ディーゼル・電池潜水艦ではなく、当然に航続力、潜航能力、攻撃力がより強い原潜を持つことを必要とする。

しかしアメリカとは異なり、中国は全世界の覇権でもなければ、多くの隣国と主権をめぐる争いを持ち、また中国と軍事対抗を行うことを企図する者も持つ。このため、中国の空母作戦武力の短期的計画について言えば、依然地域の争いの処理をもってメインとし、その次が遠洋の経済的利益の維持保護である。これをもって見るに、中国空母戦闘群の護衛業務は決して必然的に全てを原潜に頼る必要はない。地域の領土主権をめぐる争いが引き起こす軍事衝突の処理では、伝統的潜水艦もまた空母護衛の任務が担当できるのである。

第2に、中国とアメリカの水中作戦兵力の組成の差異である。現在アメリカ海軍には原潜しかなく、伝統的潜水艦は決してない。これに比べ中国は現在通常潜水艦をもって水中作戦の主力とし、かつ全世界で数が最多の通常潜水艦を持つが、原潜はごくごく少ない。このため、現在の中国の041/元級は間違いなく未来の中国空母戦闘群の水中作戦兵力の選択肢の1つと考えられる。

現在中国海軍では少なくとも3種の原潜も選択肢として供することができ、それぞれ漢級、商級、秦級原潜である。あるいは秦級原潜が未来の中国空母戦闘群の主要な水中の武力となると考えられる。しかし筆者は中国が秦級原潜を大量配備する、あるいはより新型の原潜が研究開発されるのでない限り、中国海軍はこのアメリカ空母に対応する戦略性武器を、地域の軍事衝突における空母戦闘群の護衛に用いることはないはずだと考える。秦級原潜の配備数が限られているという状況下では、中国はこれをアメリカ空母戦闘群に対抗する、あるいは阻止する非対称作戦に用い、これが地域の争いにおける空母戦闘群の護衛に用いるよりも優先されることになる。

これにより筆者は次のように推測する。未来の中国空母戦闘群の水中護衛兵力は、4隻の元級ディーゼル・電池潜水艦と2隻の商級原潜から組成される可能性が高い(だが中国がより新型の原潜を研究開発した後では、秦級原潜が空母戦闘群の中に配備される可能性が排除されない)。しかも中国は2隻の原潜をもって空母戦闘群の最も外周とし、一方4隻のディーゼル・電池潜水艦は空母戦闘群の最も近い内層の護衛とする可能性がある。(ソースは「軍事家」2014年3期 作者:台湾大学政治学博士 林宗達)


 中国には空母が少なく、護衛艦艦艇が急速に建造されているので1隻あたりの護衛艦艇はアメリカより多くすることができるというのはその通りでしょうが、いくら多くしてもアメリカの空母戦闘群に対抗し得るものになるかは今のところ大いに疑問です。ただし艦艇の質も向上しつつあるようなので遠い将来どうなるかは分かりません。


















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