F-35の技術は遅れている?

 「ロシアメディアがこう言っている」という体裁の記事ですが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/01/09/017240723.shtml


ロシアメディア、米軍のF-35戦闘機が戦力を形成する時は技術的にすでに10年立ち後れている、とする

【グローバル軍事報道】 ロシア軍事工業総合体ニュースネット1月9日の情報によれば、アメリカ空軍の新型汎用攻撃戦闘機F-35はペンタゴンの4,000億アメリカドル経費を費やし、20年近い研究開発と試験を経て、最終的に部隊装備される時、この機はより古い飛行機のように有効に地上部隊を支援する能力はないかもしれず、何故ならそのセンサーが充分な視野を提供できず、ビデオカメラから獲得される情報もリアルタイムに歩兵に送ることができないからである。

F-35単発ステルス戦闘機の専用版はアメリカ空軍、海軍、海兵隊の武器庫の中のほとんどあらゆるより古い初期型の機種の飛行機と交換するのに用いられ、これには地上部隊の支持専用のA-10攻撃機が含まれる、とされる。だがこの種の状況が発生した時、歩兵は空中の支援を失うより大きなリスクに直面することになるだろう。

アメリカ空軍のあるF-35プロジェクトに参与する将校は軍事ウォッチャーデイブ マゾンダに対し、F-35がひとまずの戦闘力を形成する時、すでに古さが目立ち、少なくとも10年立ち後れることになるだろう、何故ならその武器とセンサーの能力が近距離空中支援の要求を満足させることができないからで、甚だしきに至っては2000年代中期にもうすでにこの種の要求に符合していた多機能戦闘機にも及ばないだろう、とした。この問題はF-35の光電子照準システムが使用する技術と関係があり、主な原因はこの技術が10年前に研究開発に成功し、現在ではすでに完全に立ち後れていることである。この光電子照準システムは基本的に大寸法の高解像度赤外線テレビカメラに似ており、地上目標の視覚による識別と管理コントロールに用い、さらにレーザー制御誘導航空爆弾のために目標のマーキングができる。

別のあるF-35プロジェクトを熟知するアメリカ将校は、F-35が使用する光電子照準システムは重大な退歩であると指摘する。この技術が登場したのはすでに十何年もの昔で、最近出現した技術の完璧化を補充できていない。またさらに飛行性能とレーダーステルスレベルの間で某いくつかの妥協が探求され、このこともこの新たな飛行機の航空電子設備が人を失望させる原因の一つである。

滑稽なのは、アメリカ空軍、海軍、海兵隊の現役の比較的古い飛行機は、逆に最新世代のセンサープラットフォームを配備でき、その性能がF-35の配備する光電子照準システムのセンサーよりずっと先進的だということである。最新世代のセンサー、例えばロッキード・マーティン社の「スナイパー」ATP-SEとノースロップ・グラマン社のLITENING-SEシステムで、より良い高解像度の赤外線およびスペクトル画像が提供でき、しかも成像距離がより遠い。また、こうした飛行機はさらに地上部隊に向けこの種の動画情報を送り、これにより貴重な情報、データを提供する能力を持つ。

上述の2種の設備はいずれもさらに赤外線レーザービームを使用して目標をマーキングし、飛行員と地上指揮システムが自らの攻撃行動中の座標を確定するのを助けることができるが、これはF-35の光電子照準システムが持たない機能である。一部の飛行員は、赤外線マーキング機能は地上部隊に対する近距離空中支援に必要な組成部分であると考えている。F-35が装備する光電子照準システムは新型戦闘機の一体化された組成部分であり、本来は吊り下げポッド式照準システムに取って代わるのに用いられ、主要な目的は戦闘爆撃機の対レーダー性能(頑住吉注:敵レーダーに対する攻撃性能ではなくステルス性能のことのようです)の留保である。吊り下げポッド式照準システムはやや外に向け突出し、いくつかの不必要な信号の「漏洩」をもたらすかもしれない。しかも、飛行性能と対レーダー性能の間でいくつかの妥協をした他、この挙はさらに15年前の技術を基礎とする機載システムがグレードアップ、完璧化を行うチャンスを減少させる可能性がある。このため、F-35機が地上部隊に向け即時のビデオ情報を提供できるということは非常に想像し難い。

1990年代後半にペンタゴンがF-35プロジェクトの初期バージョンを確定した時、EOTS光電子照準システムは当時まだ「最新技術」に属していた。だが、ペンタゴンとロッキード・マーティン社がF-35研究開発契約を締結して以来の14年内に、関連の技術にはすでに軍事行動の経験を根拠に改良と完璧化が行われている。この期間、F-35が使用するEOTS光電子照準システムの技術はすでに2世代立ち後れた。言い換えれば、そのビデオカメラの解像度のレベルは、甚だしきに至っては現在イラク、シリア、アフガニスタン上空を飛行する米軍戦闘機が装備する現役の制御誘導システムのレベルに達しない。このことは、将来のF-35の飛行員には米軍現役戦闘機の飛行員のように遅れず戦場の詳しい状況を洞察する能力はない、ということを意味する。

アメリカ空軍の多くのF-16のような戦闘機は、現在全て先進的なLITENING-SEシステムを使用しており、その先進的な性能はLITENING IIシステムより2世代のレベルで先んじている。また、ロッキード・マーティン社は空軍向けに新型の「スナイパー」ATP-SE(先進照準吊り下げポッド-増強型センサー)システムを提供しつつあり、これはF-35の光電子照準システムのセンサーを基礎とした「スナイパーXR」システムの改良版である。さらにまずいのは、F-35が自らの収集した(現在の基準をもって見れば質が比較的低い)ビデオ情報を地上部隊に送ることができず、何故ならその性能がイラクおよびアフガニスタン戦争勃発前の作戦任務の要求にしか符合しないからである。当時戦闘機から地上に向けリアルタイムでビデオ情報が送れるとは誰にも考えられなかった。だが、現在でもアメリカにはF-35にこの種の能力を賦与することを保証するいかなる計画もない。

アメリカ空軍の地上部隊に対する空中支援任務の経験を持つ多くの飛行員は、赤外線目標支持モジュールがないことはF-35機に存在するもう1つの大問題であると考えている。これに比べ、A-10、F-15EあるいはF/A-18のような戦闘機は、近距離の対地支援協同作戦の時、地上部隊が目標の座標に接近した、あるいは飛行員が敵軍部隊を発見し、かつ発砲する時、機載赤外線目標指示装置をONにして目標の状態をマーキングできる。「連合ターミナル攻撃コントロール員」と呼ばれる地上指揮システムで飛行機の赤外線指示装置(前線空中照準員)の光線を見れば、すぐに飛行員がすでにマーキングした目標の正確な位置が確定できる。また、もし飛行員が某興味あるものを見たら、やはり赤外線指示装置を使用して地上指揮システムの注意を引き起こし、しかる後に目標をロックオンし、目標の等級を確定することができる。遺憾なことに、F-35は永遠にこの点を達成することができない。

F-35機のメーカーであるロッキード・マーティン社の公式代表は記者が提出した関連の問題に解答できなかった。F-35プロジェクトにしばらくのところ上述の問題を解決する目的性を持った計画はないことはごくはっきりしている。

アメリカ空軍のある代表は、原則的に言って充分な時間と追加の投資を持つという状況の下に、F-35の光電子照準システムの問題は本来的には正すことができる、と指摘する。だが、このことは1機あたりの飛行機の製造コストをさらに500万アメリカドル増加させることになるだろう。問題はアメリカ兵器メーカーが通常わざと、後日大量の資金で近代化グレードアップを行う必要のある製品を製造する、というところにある。実際には元々できることなのにまず計画し、しかる後にさらに艦艇、飛行機などの製品のために軽易なグレードアップ後の武器システムを生産するのである。

要するに、F-35新型戦闘爆撃機は無数の回数の改良と長期の遅延を経、大量の予算、資金を費やし、最終的に戦闘力を形成する時には、その技術性能は比較的立ち後れが目立つということになるだろう。F-35は大量装備の前に相応の改良を行うことが必須で、さもなければその個別の性能はペンタゴンの現役戦闘機にさえ及ばない。(編集翻訳:林海)


 内容から見てロシアメディアがアメリカメディアの記述を紹介した、あるいはそれを元に記述した記事なのではないかと思われます。どこまで当たっているのかは分かりませんが、仮に当たっていても金さえあればどうにでも改良できる内容だろうなとは思います。問題はこれ以上金がかかったらあるいは致命的かもしれないというところにあるわけですが。「飛行性能とレーダーステルスレベルの間で某いくつかの妥協が探求され」に関してはステルス機全てに当てはまることなはずです。
























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