カザフスタン特殊部隊員が評価する95式、03式小銃

 アメリカ、ロシアとも軍事交流経験のあるカザフスタン特殊部隊員に中国の軍用銃に対する感想を尋ねたインタビュー記事の内容です。

http://club.mil.news.sina.com.cn/viewthread.php?tid=404142&extra=&page=1

 基本的にこのページを紹介します。

http://www.kongjun.com/weapons/jieshuo/287.html

 こちらは内容は同一ですが多数のページにぶつ切りになっていて煩雑です。ただし、画像はこちらにしかありませんので参考にしてください。


外国軍の特殊兵:中国の03式小銃は技術的に余りに悪い

国産の03式小銃が続々と我が軍の海防部隊に装備されて以来、これをほめる者もあり、これをけなす者もまたあり、軍事界および銃器愛好家たちの極めて大きな関心を集め、ひとたびは議論の焦点となった。

我が軍と国外の軍隊との行き来が日増しに広く、深く行われるようになるにつれ、多くの外国の軍人が我が国に来て学び、国産武器に接触する機会を持っている。カザフスタン特殊部隊のカシマノフ アレイ中尉もまさにその中の1人である。記者は彼にインタビューし、03式小銃に対する個人的な見方を語ってもらった。

カシマノフ中尉はカザフスタン武装戦力軍事学院において歩兵専攻であり、相前後してアメリカ、ロシアなどの国の特殊部隊と軍事交流したことがある。また2006年に挙行された中国・カザフスタン対テロ演習および2010年にカザフスタンで挙行された「和平使命-2010」上海協力組織国連合対テロ演習などに参加経験がある。現在ちょうど我が国の某軍事学校に留学中で、使用したことのある武器には国産の95式小銃、03式小銃、92式拳銃等が含まれる。

馬志傑(以下「」と略):こんにちは、カシマノフ中尉! あなたは中国に留学に来る前、相前後してアメリカ、ロシア等の国の特殊部隊と軍事交流したことがあり、各国の武器に対する理解が比較的深いと聞いています。アメリカのM16とロシアのAK系列小銃など1980年代以前に定型に至った小銃は大部分がコンベンショナルな構造を採用していますが、1980年代以降から世界の大部分の国が定型させた新世代小銃、例えばフランスのFAMAS、オーストリアのAUG、イギリスのSA80、イスラエルのTAR21などはブルパップ構造を採用しています。中国の95式小銃も同様にブルパップ構造を採用していますが、21世紀初めに中国が定型させた03式小銃は再びコンベンショナルな構造の採用に転じています。これは道を逆戻りしているのだと言う人がいますが、あなたはこの問題をどう見ますか?

カシマノフ(以下「」と略):中国に来た後、私はブルパップの95式小銃も、コンベンショナルな03式小銃も使用したことがあります。私の個人的使用習慣から言えば、コンベンショナルな03式小銃により傾倒しています。私は以前中国の同業者(軍人)に、一体ブルパップ小銃に何かいいところはあるのか、と尋ねたことがあります。彼らは、銃の長さが短縮でき、銃の重量が軽減でき、携行、機動等に有利だ、と答えました。私は03式小銃のストックをたたんだ状態と95式小銃を比較してみて、03式小銃が95式小銃よりも短く、また03式小銃は折りたたみ後も依然射撃できることに気づきました。

実のところ、小銃のコンベンショナルとブルパップは、単純に「良し悪し」で結論を下せないのです。ブルパップ小銃のマガジンは後ろにあり、グリップは前に置かれています。このことは射手が肩付け射撃するときに両腕が前に伸びすぎ、人間・機械間のマッチングが不足という結果をもたらします。また、ブルパップ小銃を使用して射撃する時、射手の顔はレシーバーカバー上にぴったり密着させなければなりません。頭部の暴露がより多くなり、戦場適応性が不充分です。つまり、ブルパップ小銃が示す軽便で機動性が高いという性質は、武器のいくつかの戦術性能を代価として犠牲にすることで引き換えに得られたものです。これはまさしく、アメリカ、ロシアという2大銃器大国が今に至るも大きな流れに従うことなく、コンベンショナルな小銃を継続して採用していることの根本原因の在処でもあるのです。

コンベンショナルな小銃とブルパップ小銃にはそれぞれ長所、短所があると言うべきです。ブルパップ小銃はコンベンショナルな小銃の全ての機能を代替することはできません。それは現代の小銃における一種の特殊な形式に過ぎず、別の言い方をすれば現代の小銃における一種の形式上の補充物です。中国の03式小銃がコンベンショナルな構造を採用したのは決して道を逆戻りしたのではありません。

:03式小銃の内部構造はAK47小銃と似ており、AK47のコピー生産品と見るべきだという人がいます。あなたは03式小銃に対しどの程度の理解があり、このことについてどう考えますか?

:私はかつて03式小銃の構造組成につき分解、研究したことがあります。03式はAK47といくつか似たところがありますが、全体的に言えばそれでも大きな差異があります。中国の03式小銃は、ボルトユニットの設計上、AK47小銃に類似した「長導引ボルト」を使用しています。このため両者のボルトの外形はやや似ています。ただしボルトのガイドレールの構造と運行方式ではAK47小銃の方式を放棄してもおり、M16小銃に類似した吊り下げ式ボルトガイドレール構造の採用に転じています。しかもレシーバー内には比較的長い自動機構のガイドレールが装備されています。さらにその他の部品、例えば銃口装置、ストックの折りたたみ方式もAK47と比較的大きな差異があります。

:あなたは中国の03式に対し非常によく理解されているようですが、あなたから見て中国の03式小銃は世界レベルの名銃に含められるでしょうか?

:私は個人的に、世界レベルの名銃と称することができる武器には必ず独自に到達したところがあり、もし単に他人の成功した経験の吸収に頼るのみなら全く不十分であり、斬新なところがあることが必須であると考えます。さらに、名銃はたいてい実戦経験を経て、安全、信頼性、実用性、射撃精度、人間工学性方面が認められています。例えばAK47、M16、ガリル小銃など、公認の「世界的名銃」は皆何度もの実戦経験を経てやっと徐々に世の人に認められたのです。03式小銃(左)と95式小銃(右)の銃全体の高さと照準ラインの高さを比較すると、95式小銃は03式小銃に比べ高く、ゆえに当然頬付け時に充分快適ではなく、自分の姿勢で調節して武器に適応する必要があることに気付くことができます。03式小銃にはこのような問題は存在しません。



03式小銃(左)と95式小銃(右)の銃全体の高さと照準ラインの高さの対比

中国の03式小銃には外形が美しく、信頼性が良好で、精度が高く、威力が大きい等の特徴があり、世界レベルの名銃の基本要素を具備していますが、この銃には斬新なところや飛躍が不足しています。私は個人的に、03式小銃が世界レベルの名銃の称号を持ちたいと思うなら、まだ長い通らねばならない道があると考えます。

:中国の03式小銃について率直に評価をお願いします。

:個人的に感じたことに過ぎませんが、もし私に95式小銃と03式小銃の間で好きな銃を選択させたら、03式小銃を選ぶでしょう。まず私自身ブルパップ小銃が好きではありません。何故ならばブルパップ小銃を操作する時には常に手足がリラックスできない感覚があるからです。

03式小銃は3つの方面で私に与えた印象が最も深かったです。1つは外観が親しみやすいことです。銃全体にプラスチックが外殻となり、全体に黒色で、折りたたみ可能なストックもそうです。一見すると依然ソ連式小銃の影響を残していますが、詳しく識別すればAK小銃と大きな差異があります。03式小銃のストックはガリル小銃のストックと、照準装置はM16A2小銃と、ハンドガードはSVDスナイパーライフルに似ています。簡単に言うと、03式小銃は全体的にエッジがはっきりし、ラインが明確で、美しく純朴な視覚的感覚を受けます。2つ目は操作使用が便利なことです。ブルパップ小銃と比べて、コンベンショナルな小銃は人間工学的により合理的で、戦場への適応性、戦術的機動性がより広範ですが、03式小銃もそうです。特に突然出現した目標に対し射撃を行う時、例えば短いバースト射撃、接近しての射撃、腰だめ射撃の時、03式小銃の長さは適度で、重さも適切です。目標発見から銃を構えて射撃するまでが一気呵成にでき、銃の操作時間が短縮でき、敵に先んじて発砲できます。人・機械のマッチング性は非常に良好です。一方ブルパップ小銃(95式小銃)はストックが太短いため(レシーバーをもってストックに充当しているため)、持った時手が伸びてリラックスできない感覚があるだけでなく、素早い射撃にも不利です。3つ目は射撃精度が比較的高いことです。03式小銃を使用して肩当て射撃を行う時、ストックの硬軟が適切で、快適さが適度です。照準時は容易に素早く照準ラインを構成できます。03式小銃の照準装置はM16A2小銃に似ており、しかも照準ラインが95式小銃のように高くないので、自然に頬付けした後右目の基本位置と照準ラインが一直線上になり、このため95式小銃のような頭がのけぞるような現象は起きません。この他、03式小銃を使用して撃発する時、銃のトリガーストロークとトリガープルが適度で、ガク引き現象は起きません。さらに「長導引ボルト」構造によって補われ、自動機構運動に固有の平穏な特性が得られ、03式小銃の射撃感覚は良好です。射撃精度は素晴らしく、AK47小銃と比べて高く、M16A2と比べてもいくらも差がありません。

:あなたは中国の03式小銃の多くの長所について語りましたが、どんな欠点があるか、あるいは改良を必要とする部分についてもお話くださいませんか?

:私の感覚では03式小銃は現代の世界の名銃と比べ、なお一定の隔たりがあります。それは設計理念と工程、技術という2つの方面に表れています。設計理念上の欠陥は斬新さが足りず、独自の特徴がないことにあります。また工程、技術方面ですが、中国の銃器は全体的に人に一種「作りが粗く精緻でない」印象を与えます。工程、技術方面の問題は武器の使用にも影響する可能性があります。例えば03式小銃を使用して数発連続発射すると、下部ハンドガード後方からマガジン挿入口前方までが火傷するほど熱くなります。私が細かく見たところでは、その原因はこの部分に熱伝導が比較的速い金属材料(アルミ合金)での製作が使用されていることです。もし金属材料の上を熱伝導しにくいプラスチックの層で覆えば、問題は簡単に解決です。このため、中国の銃器が世界の名銃の仲間入りをしたければ、斬新さが必要であり、製造工程や材料技術等の方面で競争力を高める必要があります。

:カシマノフ中尉、大いに感謝します! あなたの中国における仕事が愉快で、生活が楽しくありますように!


 私は03式に関してはロシア系銃器の影響はほとんど残っていないと感じています。03式に関してはここでも触れましたが、実際にどの程度のメリットがあるのかは分かりませんが、ボルト頂部、レシーバー頂部内側にレールがあり、異物の侵入に強い(異物は下に落ちる傾向にあるからでしょう)というのはM16系とも明らかに異なる珍しい特徴と言えるのではないでしょうか。またカシマノフ中尉が「公認の「世界的名銃」」としているガリルにはさほど斬新さ、独自に到達したと言える特徴はないと思うんですが。

 中国も95-1式を開発したところですからたぶんそちらがメインになっていくんでしょうが、ブルパップ小銃を採用している国の多くが精鋭の特殊部隊用にコンベンショナルな小銃を支給し、一方コンベンショナルな小銃を採用している国の多くはブルパップに一顧だにしていないという事実は重いと思います。

















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