世界の21隻の現役空母

 別にこの内容を中国語で読む必要は何もないとは思うんですが、「え? タイって空母持ってるの?」と驚いたタイミングでこんなページを見つけたんで読んでみました。画像の右でクリックすると次の画像が見られます。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-07-26/204759_2197997.htm


一目瞭然:全世界の「現役21隻の空母」一覧表!

(頑住吉注:1ページ目)現在アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、インド、ブラジル、タイが全部で現役の空母21隻を持っている。空母は艦載機を主要な武器とし、その海上活動の基地に充当される大型水上戦闘艦である。空母に頼ってある国は国土を遠く離れた場所で、現地の飛行場施設に頼らず軍事圧力を加え、作戦行動が行える。空母は一般に単独行動はせず、常にその他の艦艇に随伴されている。合わせて空母艦隊と称し、また空母戦闘群とも称する。空母艦隊全体は空母の全体コントロール下で数百kmの範囲内の敵対目標に対し捜索、追跡、ロックオン、攻撃が実施できる。空母艦隊の強大な作戦能力ゆえに、空母は「海上の覇者」とも呼ばれる(頑住吉注:アメリカが突出して多い11隻を持ち、イタリア、スペインが2隻を持ち、他は全て1隻しか持たないということです。)。

(頑住吉注:2ページ目)アメリカの空母

1.「エンタープライズ」号原子力空母。「エンタープライズ」号空母は世界初の原子力空母で、ナンバーはCVN-65である。飛行甲板の長さは331.6m、幅76.8m、標準排水量は75,700トン、航行速度33ノットである。動力装置は8基のウェスティングハウス社製A2W加圧水型原子炉で、4台のゼネラルエレクトリック社製蒸気タービンを駆動し、4軸4スクリュー、メイン動力の総出力は280,000馬力である。この空母は1961年11月に就役した。

搭載する機隊:3個中隊のF/A-18「ホーネット」戦闘機、4機のEA-6B「Prowler」電子戦機、4機のE-2C「Hawkeye」空中早期警戒官制機、6機の「Viking」対潜機、2機のES-3「Shadow」電子偵察機、8機のSH-3「Sea King」多用途ヘリあるいはSH-60「Sea Hawk」多用途ヘリ。

(頑住吉注:3ページ目)2.「ニミッツ」級原子力空母の第1号艦「ニミッツ」号。「ニミッツ」級空母はアメリカの第2世代原子力空母で、現在世界最大の空母でもある。「ニミッツ」号空母はアメリカ初の「ニミッツ」級空母で、ナンバーはCVN-68である。飛行甲板の長さは335.6m、幅77.1m、標準排水量は81,600トン、航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG加圧水型原子炉で、4台のゼネラルエレクトリック社製蒸気タービンを駆動し、主動力機関の総出力は260,000馬力である。1975年に就役した。

標準の航空連隊:20機のF-14「トムキャット」戦闘機、20機のF/A-18攻撃機、4機のEA-6B「Prowler」電子戦機、16機のA-6E「インベーダー」攻撃機(KA-6D空中給油機含む)、4機のE-2C「Hawkeye」空中早期警戒機、6機のS-3A/B「バイキング」対潜ヘリ、8機のHH-60「Sea Hawk」ヘリ(頑住吉注:F-14戦闘機はすでにアメリカでは退役しているそうで、やや情報が古いようです)。

(頑住吉注:4ページ目)3.「アイゼンハワー」号原子力空母。「アイゼンハワー」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の2号艦で、ナンバーはCVN-69である。飛行甲板の長さは335.6m、幅77.1m、標準排水量81,600トン、最大航行速度は30ノットである。動力装置は2基の核反応炉、4基の蒸気タービンで、推進出力は284,000馬力である。1977年にアメリカ海軍に就役した。

標準の航空連隊:20機のF-14「トムキャット」戦闘機、20機のF/A-18「ホーネット」戦闘爆撃機、20機のA-6インベーダー」攻撃機、6機のEA-6B「Prowler」電子戦機、5機のE-2C「Hawkeye」早期警戒機、10機のS-3A「バイキング」対潜パトロールヘリ、6機のSH-3G/H「Sea King」ヘリ。

(頑住吉注:5ページ目)4.「カールビンソン」号原子力空母。「カールビンソン」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第3号艦で、ナンバーはCVN-70である。飛行甲板の長さは335.6m、幅77.1m、満載排水量9万トン余り、航行速度は30ノットである。動力装置は2基の核反応炉、4台の蒸気タービンで、推進出力は284,000馬力である。1982年3月13日に就役した。

標準の航空連隊:F-14「トムキャット」戦闘機、F/A-18「ホーネット」戦闘/攻撃機、EA-6B「Prowler」電子戦機、E-2C「Hawkeye」早期警戒機、S-3「バイキング」対潜ヘリ。

(頑住吉注:6ページ目)5.「ルーズベルト」号原子力空母。「ルーズベルト」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第4号艦で、ナンバーはCVN-71である。飛行甲板は322.9m、幅76.8m、満載排水量96,386トン、最高航行速度は33ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG圧力水型原子炉と4台の蒸気タービンで、総出力は26万馬力に達する。1986年10月に就役した。

標準の航空連隊:20機のF-14「トムキャット」戦闘機、20機のF/A-18戦闘攻撃機、20機のA-6E攻撃機、5機のE-2C「Hawkeye」、8機のSH-3G、6機のEA-6B「Prowler」電子戦機など。

(頑住吉注:7ページ目)6.「エイブラハム リンカーン」号原子力空母。「リンカーン」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第5号艦で、ナンバーはCVN-72である。飛行甲板の長さは335.6m、幅77.4m、満載排水量102,000トン、最高航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG圧力水型原子炉と4台の蒸気タービンで、総出力は26万馬力に達する。1989年11月11日に就役した。

標準の航空連隊:F/A-18「ホーネット」、F-14「トムキャット」戦闘機、EA-6B「Prowler」電子戦機、S-3B「バイキング」対潜機、E-2「Hawkeye」早期警戒機など。

(頑住吉注:8ページ目)7.「ジョージ ワシントン」号原子力空母。「ジョージ ワシントン」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第6号艦で、ナンバーはCVN-73である。飛行甲板の長さは332.9m、幅76.8m、満載排水量104,000トン、最高航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG圧力水型原子炉と4台の蒸気タービンで、総出力は26万馬力に達する。1992年に就役した。

標準の航空連隊:20機のF-14D「トムキャット」戦闘機、36機のF/A-18「ホーネット」戦闘/攻撃機、4機のEA-6B「Prowler」電子戦機、4機のE-2C「Hawkeye」早期警戒機、2機のHH-60「Sea Hawk」ヘリ、6機のS-3B「バイキング」対潜ヘリ、4機のSH-60ヘリなど。

(頑住吉注:9ページ目)8.「ステニス」号原子力空母。「ステニス」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第7号艦で、ナンバーはCVN-74である。飛行甲板は長さ332.9m、幅77.8m、満載排水量104,000トン、最高航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG圧力水型原子炉と4台の蒸気タービンで、総出力は26万馬力に達する。1995年12月9日に就役した(頑住吉注:恥ずかしながらこの艦の名前が記憶になく、そもそもそんな大統領いたっけ、と思いましたが実は上院軍事委員会委員長で大統領ではありませんでした。)。

標準の航空連隊:20機のF-14D「トムキャット」戦闘機、36機のF/A-18「ホーネット」戦闘/攻撃機、4機のEA-6B「Prowler」電子戦機、4機のE-2C「Hawkeye」早期警戒機、2機のHH-60「Sea Hawk」ヘリ、6機のS-3B「バイキング」対潜ヘリ、4機のSH-60Fヘリなど。

(頑住吉注:10ページ目)9.「トルーマン」号原子力空母。「トルーマン」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第8号艦で、ナンバーはCVN-75である。飛行甲板は長さ335.6m、幅77.4m、満載排水量104,000トン、最高航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG圧力水型原子炉と4台の蒸気タービンで、総出力は26万馬力に達する。1998年7月25日に就役した。

標準の航空連隊:20機のF-14D「トムキャット」戦闘機、36機のF/A-18「ホーネット」戦闘/攻撃機、4機のEA-6B「Prowler」電子戦機、4機のE-2C「Hawkeye」早期警戒機、2機のHH-60「Sea Hawk」ヘリ、6機のS-3B「バイキング」対潜ヘリ、4機のSH-60ヘリなど。

(頑住吉注:11ページ目)10.「レーガン」号原子力空母。「レーガン」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母の第9号艦で、ナンバーはCVN-76である。飛行甲板は長さ335.6m、幅78.34m、満載排水量104,000トン、最高航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W/AIG圧力水型原子炉と4台の蒸気タービンで、総出力は26万馬力に達する。2003年7月に就役した。

標準の航空連隊:20機のF/A-18C「ホーネット」戦闘攻撃機、36機ののF/A-18E/F「スーパーホーネット」戦闘攻撃機、4機のEA-6B「Prowler」電子戦機、4機のE-2C「Hawkeye」早期警戒機、2機のHH-60「Sea Hawk」ヘリ、4機のSH-60ヘリなど。

(頑住吉注:12ページ目)11、「ジョージ ブッシュ」号原子力空母。「ジョージ ブッシュ」号空母はアメリカの「ニミッツ」級原子力空母最後の艦で、ナンバーはCVN-77である。飛行甲板は長さ332.8m、幅76.8m、満載排水量104,000トン、最高航行速度は30ノットである。動力装置は2基のジェネラル・ダイナミクス社製A4W核反応炉と4台の蒸気タービンエンジンで、総出力は26万馬力に達する。2009年に就役した。

(頑住吉注:13ページ目)12.「ロシアの一人息子」、「クズネツォフ元帥」号通常動力空母、ロシア。「クズネツォフ元帥」号はロシアの現在における唯一の空母で、目下ロシア北方艦隊に配属されている。「クズネツォフ」号は長さ306.3m、幅73m、飛行甲板の長さ304.4m、幅70m、排水量5.5万トン、航行速度30ノットである。動力装置は4台の蒸気タービンで、総出力は200,000馬力である。搭載機:18機のスホーイ-27Kあるいはスホーイ-33、4機のスホーイ-25UTG、15機のKa-27ヘリ、2機のKa-31ヘリなど。1993年から戦闘序列に編入された。

(頑住吉注:14ページ目)13.「ドゴール」号原子力空母、フランス。「ドゴール」号はフランス海軍で現役の唯一の空母で、2001年に正式に就役した。現在世界でフランスとアメリカの2国だけが原子力空母を持つ。満載排水量は40,600トン、艦の全長は261.5m、幅64.4m、飛行甲板の長さ261.5m、幅64.4m、動力装置は2基のK15型圧力水型反応炉と2台のガスタービンで、全部で83,000馬力、航行速度は27.5ノットである。戦闘編成は35〜40機で、23機の「ラファールM」戦闘機、12機の「シュペールエタンダール」攻撃機、2機のE-2C「Hawkeye」早期警戒機である。この艦は2000年3月に正式に就役した(頑住吉注:おいおい、どっちが正しいんだよ、と思って検索したところ、日本語版「Wikipedia」では2001年5月となっていました)。

(頑住吉注:15ページ目)14.「インビンシブル」号空母、イギリス。「インビンシブル」号はイギリス「無敵」級空母に属する(頑住吉注:別に同型艦はないようですが。ちなみに「インビンシブル」は「卓越」と中国語訳されてます)。艦の全長は206.6m、幅27.5m、飛行甲板は長さ167.8m、幅13.5m、標準排水量は20,300トン、動力装置は4台の「オーリンフィリップス」TM-3B型ガスタービンで、総出力は112,000馬力、航行速度は28ノットである。搭載機は20機で、10機の「シーハリアー」垂直離着陸機、10機の「Sea King」ヘリである。1982年に就役した。

(頑住吉注:16ページ目)15.「ホアン カルロス1世」号空母、スペイン。「ホアン カルロス1世」号は空母と強襲揚陸艦の特徴を併せ持つ。この艦は全長230.8m、喫水線の長さ205.7m、飛行甲板の幅32m、標準排水量27,075トンである。動力装置は1台のアメリカ製LM-2500ガスタービンと2台のHOIST-720-32/40-MAN-16Vディーゼル発電機で、総出力は35,000馬力、航行速度は21ノットである。搭載機は8機のAV-8B「シーハリアー」、あるいはF-35式垂直離着陸機、あるいは12機のEH-101、NH-90などのヘリである。2008年に就役した(頑住吉注:F-35は単なる計画ですね。それにしても無茶苦茶カッコ悪い艦です)。

(頑住吉注:17ページ目)16.「アストゥリアス王子」号空母、スペイン。その満載排水量は2万トンに及ばず、軽空母に属する。全長195.5m、幅24.3m、飛行甲板の長さ175.3m、幅29m、排水量16,900トン、スキージャンプ滑走路前部のジャンプ角度は12度である。動力装置は2台のLM-2500ガスタービンで、総出力は46,400馬力、航行速度は27ノットである。搭載機は22機で、10機のAV-8B垂直/短距離離着陸戦闘機、6機の「Sea King」ヘリ、2機の「Sea King AEW」早期警戒ヘリ、4機のAB-212ヘリ。1988年に就役した。

(頑住吉注:18ページ目)17.「ガリバルディ」号空母、イタリアの軽空母。「ガリバルディ」号は全長180m、幅23.8m、飛行甲板は直通式で、長さ173.8m、幅30.4m、甲板の前端には6.5度の上昇角度がある。排水量は13,370トン、動力装置は4台のLM-2500ガスタービン、総出力は80,000馬力、航行速度は30ノットである。艦載機は16機のAV-8B「ハリアーII」垂直/短距離離着陸戦闘機あるいは18機のSH-3D「Sea King」ヘリ。1987年に就役した。

(頑住吉注:19ページ目)18.「カブール」号空母、イタリアの軽空母。「カブール」号は全長244m、幅39m、飛行甲板の長さ186m、幅34m、傾斜甲板の傾斜角度は12度である。排水量27,100トン、動力システムは4台のゼネラルエレクトリック/Avio LM2500ガスタービン、コンバインド・ガスタービン・アンド・ガスタービン(COGAG)推進システムで、総出力は88,000馬力、航行速度は28ノットである。艦載機:12〜16機のAV-8B/F-35連合戦闘攻撃機、3機のEH-101早期警戒ヘリ、4〜6機のEH-101、NH-90あるいはSH-3D多用途対潜ヘリ、あるいは30機のヘリ。2008年就役。

(頑住吉注:20ページ目)19.「ヴィラート」号空母、インド。「ヴィラート」号は元々イギリスロイヤルネービーの「ハーミーズ」号だった。1986年にインド海軍がイギリスから購入し、「ヴィラート」号と改名した。艦の全長は226.9m、幅27.4m、排水量28,700トンである。動力装置は2台のガスタービンで、総出力は7.6万馬力、航行速度は28ノットである。艦載機:12機のシーハリアー戦闘機と7機のMK-42型対潜ヘリ。

(頑住吉注:21ページ目)20.「チャクリ・ナルエベト」号空母、タイ。「チャクリ・ナルエベト」号空母はスペインによって設計、建造され、1997年にタイ海軍に引き渡された。艦の全長は182.6m、幅27.5m、飛行甲板の長さ174.7m、幅27.5m、排水量11450トンである。動力装置は2台のLM-2500ガスタービンで、総出力は44,250馬力、航行速度は27ノットである。艦載機:12機のシーハリアー戦闘機と15機のSH-3H「Sea King」式ヘリ、あるいは6機の「チヌーク」ヘリ。1998年就役。

(頑住吉注:22ページ目)21.「サンパウロ」中将号空母、ブラジル。「フォッシュ」号空母はブラジルが2000年11月にフランスから購入したもので、ブラジル海軍はすでにこれを「サンパウロ」号と改名している。これは現在ブラジル海軍唯一の空母である。艦の全長265m、幅31.7m、排水量32,780トンである。動力装置は2台の蒸気タービンで、総出力は12.6万馬力、航行速度は32ノットである。艦載機:14機のアメリカ製AF-1A(すなわちA-4)スカイホーク式攻撃機、および8機のアメリカ製SH-3A/BSea King式あるいはフランス製UH-14スーパーピューマヘリ。


 アメリカを除き空母を複数持っているのはイタリアとスペインだけで、それらの空母は弱小なものですからアメリカの突出ぶりが際立ちます。インドは明確に空母を複数持とうとしており、中国もその可能性が濃厚ですが、こうして見ると比較的大型の空母を2隻持てばすぐアメリカに次ぐ地位となる、というのが新興国にとって魅力的なことが何となく想像できます。

 まあそもそもヘリ母艦で垂直離着陸戦闘機を運用することも不可能ではない以上、ここで紹介された空母とヘリ母艦の境界線はあいまいであるとも言えます。ただ中国の場合「日本がこんなに軍拡をしている。軍国主義復活だ。」という文脈の時にはヘリ母艦を空母に入れ、「世界でこんなに少ない数の国しか持っていない空母を中国が名誉にも持とうとしている」という文脈の時にはヘリ母艦を空母に含めないというご都合主義が目立ちますが。

 これらを見ると空母にはその国の偉人の名をつけるパターンが多いですね(ジョージ ブッシュが偉人というのはどうも違和感があるんですが)。今のところ旧ソ連時代の名で呼ばれている「ワリヤーグ」にはどんな名がつけられるのかにも興味がわきます。





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