インド版T-50はどうなるのか

 ロシアが開発中のT-50ステルス戦闘機ですが、インドはこれに出資し、インドバージョンを導入しようとしています。

http://military.china.com/news2/569/20120911/17423673_1.html インド戦闘機


インド、国産T-50であるFGFA第5世代機計画の推進を加速

8月22日、これまでずっと多くの不確定な情報があふれていたインドの第5世代戦闘機計画(FGFA)の情報が再度伝わった。このロシアと共同で研究開発される最初のFGFA原型機は2014年に完成し初飛行することが有望だというのである。ロシアとインドは珍しいことにこの情報を同時に発表しており、以前の情報全てと比べても明らかに信頼できるはずである。インド空軍が明らかにしたところによれば、既定のタイムスケジュールによれば、初のFGFA原型機はロシアで製造された後、2014年にインドのOjhar空軍基地に到着することになる。2017年、第2機目の原型機がインドに到着し、第3の原型機は2019年に製造が完成しインドに到着することが有望である(頑住吉注:ずいぶん間空きますね)。インド空軍参謀長マーシャル ブラウンは、FGFAが2022年までに空軍で就役することを希望すると明らかにした。

先日インド国内メディアは、インドとロシアが今年年末までに110億アメリカドルのFGFA研究開発、生産契約に正式に署名することが有望だと明らかにした。契約の要求によれば、2030年にインド空軍は総数214機の第5世代ステルス戦闘機の購入を希望しており、装備される武器システム、飛行訓練などの費用を含めて計算すると、将来の契約の総額は300億アメリカドルを超える可能性がある。

FGFAは5年では完成は難しい

インドの第5世代戦闘機であるFGFAはロシアのT-50戦闘機に基づいてインド空軍のために開発される発展変化プロジェクトであり、スホーイ航空機社とインドのスタン航空社(HAL)によって共同研究開発される。FGFAはインドサイドの名称で、全体プロジェクトの名称は未来多任務戦闘機計画(PMF)である。

説明によれば、インド・ロシアが共同研究開発するFGFA計画は2007年に最初に提出され、当時双方はすでに成功を収めているブラモス社のモデル(双方が「ブラモス」巡航ミサイルを共同開発)を参考にし、均等に投資し、共同開発し、知的財産権を共に享受する、と表明した。このうちインド型はロシア型とは違うものになり、ロシアが購入するのは全て単座型で、インドは必要に基づいて単座型と復座型を購入する。2008年9月、インド・ロシア双方の政府はPMF計画に関する初歩的協議を行っており、当時双方はそれぞれが1機のFGFA単座型原型機を製造し、2014年に試験飛行に投入するとした。ロシア政府の当時の計算は、インド政府がロシアのすでに開始されている第5世代戦闘機研究開発計画に投資を行い、研究開発成功後インドと成果をそれぞれ享受し得ることを希望する、というものだった。だが種々の原因により、双方が実質的協議を達成することはなかった。

2010年12月、当時のロシア大統領メドヴェージェフがインドを訪問した時、インド・ロシア双方はFGFA共同研究開発の覚書に署名し、双方はこのプロジェクトに共同で投資し、将来インド空軍は214機を購入し、ロシアサイドは250機を購入することになると明らかにした。だが、この協力計画が実質的な一歩を踏み出すことは依然としてなく、インドはロシアのT-50研究開発計画に対し依然傍観者的態度だった。

今年5月、双方がFGFA共同研究開発を表明してから5年後、インド国防省は突然対外的に、この計画が2年遅延すると宣言し、初のFGFA戦闘機は2017年に正式に就役すると明らかにした。ほどなくインド国防省副大臣は、FGFAは2019年になって正式に就役すると考えられるとの新たな視点を発表し、しかも最初の40〜45機は全てT-50から改良して作られることになると明らかにした。

何度かの変更の後、インドは将来166機のT-50(T-50に基づいてインドのために改良される単座型)と48機のFGFA(共同研究開発される復座型)の購入を最終的に確定した。費用の総額は250億アメリカドルを超え、これにはFGFAの研究開発に用いられる資金が含まれる。インド空軍参謀長マーシャル ブラウンは、将来FGFAは真の多任務戦闘機となり、先進的航空電子システムを装備し、超音速巡航能力およびより出色のステルス性能を持ち、機載センサーシステムはこの機に360度の態勢感知能力を持たせ、その他この機はさらにスマート化された武器システム、データチェーンシステム、任務コンピュータシステムも装備する、と語る。

PMF計画によれば、将来引き渡されるインド空軍のFGFA戦闘機の中の43機はT-50を基礎に改良されてできたものになり、複座レイアウトが採用され、ステルス性能および超音速巡航能力が改善され、機載センサー、ネットワーク戦能力、電子戦システムが改良される。

FGFAプロジェクトの中で、インドのスタン航空社は25%の設計および開発作業を担当しこれには任務コンピュータおよびそのソフトウェアシステム、ナビゲーションシステム、コックピットディスプレイシステム、機載電子対抗システムなどが含まれ、しかもT-50の機体の改装作業も担当する。

PAK FAとFGFAの差異は、スホーイ-30Mとスホーイ-30MKIの差異にやや似ている。スホーイ-30Mはスホーイがロシア空軍のために研究開発した標準的な多任務戦闘機であり、一方スホーイ-30MKIはスホーイがHAL社と共同でインド空軍のために改良した多任務戦闘機である。スホーイ-30MKIの改良には推力ベクトルコントロール技術の採用が含まれ、またその機載航空電子システムはイスラエル、フランスなど複数の国由来である。この種の現象はFGFAにも出現することになる。将来のFGFAではインド国産の武器システムがメインになり、これにはAstra超視距離空対空ミサイルが含まれる。その他さらにロシアおよびその他の国の武器システムの能力が留保されることになる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ロシアはT-50を使ってインドをしっかりつなぎとめる必要がある

インドとの長期にわたる軍事協力の中でロシアはすでに、その第5世代戦闘機プロジェクトがもし研究開発のテンポを早めて装備されなければ、インドの実質的投資を呼び込むことは難しいことを意識するに至っている。先日スホーイ社は、同社が8月初めに将来T-50戦闘機に装備されるアクティブフェイズドアレイレーダーシステム(AESA)のテストをすでに開始したと対外的に宣言している。既存の3機の飛行テスト用T-50原型機のうち、T-50-3号機だけがこのレーダーシステムを装備しており、スホーイ社の技術人員は、「新しいレーダーシステムの地上および飛行テストにおけるパフォーマンスはいずれも出色で、これは現在ロシア国内で最も良い戦闘機機載レーダーシステムである。」と話している。

T-50に配備されるレーダーシステムはロシアのティハミロフ機器製造研究院によって研究開発されたもので、先進的な波束コントロール技術を利用している。このレーダーは遠距離探知計測能力を持つだけでなく、空対空、空対地ダブル模式同時作動能力を持ち、しかも同時に多くの目標を誘導して正確な攻撃が行える。この他、このアクティブフェイズドアレイレーダーシステムはさらに敵味方識別能力、信頼性の高い通信能力、電子戦能力を持ち、全体性能はすでに欧米の同類設備の水準に到達している。

8月に入り、スホーイ社はT-50飛行試験への力の入れ方を明らかにスピードアップし、この機は機載レーダーシステムのテストを行うと同時に空中給油試験も展開している。8月21日、T-50原型機は複数回の空中給油アプローチ試験を成功裏に完了した。空中給油試験に用いられたのは第2機目、すなわちT-50-2号原型機で、空中給油機はイリューシン-78である。

すでに飛行試験に投入されている3機の原型機のうち、第1機目の原型機T-50-1は主に飛行性能の試験に用いられ、これには間もなく開始される大仰角飛行、超機動性能の試験飛行なども含まれる。第2機目の原型機T-50-2は空中給油試験の他、さらに亜音速、超音速および各種の異なる設定での飛行限界拡大試験に用いられる。第3機目の原型機T-50-3は主に機載アクティブフェイズドアレイレーダーと航空電子システムのテストに用いられ、レーダーのテスト完了後、さらに空対空、空対地攻撃テストが行われることになる。第4機目の原型機T-50-4は年末に投入使用される。インド国内メディアによれば、ロシアは4機のT-50原型機の製造が完成した後、初のFGFA原型機の改良設計および製造作業を開始し、またインド空軍は来年T-50の試験飛行計画に正式に参与することが有望である。


 巨大な新興国同士ということで中国はインドをライバル視して強く意識しており、やがて軍事衝突に至るとの予想もまことしやかに語られており、殲-20の強敵となると考えられるインド版T-50にも強い関心を抱いているようです。しかし中国は殲-20が失敗したらお手上げに近いですが、インドは他にもいろいろなルートから戦闘機を買うことができるわけですけどね。









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