ロシアとインドの関係、空母引き渡し遅延で冷え込む?

 「ヴィックラマディヤ」事故がらみでロシア・インド関係が少しぎくしゃくしているようです。

http://military.china.com/news2/02/11078239/20121029/17498814.html


ロシア、中古空母故障での損害賠償請求を拒絶 インドはまだ「切れ」てない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「試験航海中の『ヴィックラマディヤ』号。その動力システムにこの過程で重大な故障が発生した。」)

ロシア国防大臣セルジュコフは先日ニューデリーを訪問したが、持って行ったのはいずれもロシア・インドの軍備協力に関する「良い知らせ」で、主要な目的は両国間の空母故障により勃発した摩擦の沈静化のためである。

ロシアがインドのために改装する中古空母「ヴィックラマディヤ」号は重大な故障に見舞われ、かつこれによりインドから1億アメリカドルを超える損害賠償請求を受けてから、長年盤石だったロシア・インドの軍備協力にはいくばくかの暗い影がかかった。この背景の下、ロシア国防大臣セルジュコフの本来10月初めに予定されていたインド訪問の日程は臨時に延期され、さらに両国メディアの議論百出を招いた。

ロシア・インド政府間軍事技術協力委員会主席セルジュコフは当然実際の行動をもって外界の猜疑を静めることを心得ていた。彼が先週のやや早い時期、ついにニューデリーに姿を表した時、まず行ったのはインドへの謝罪で、自分の訪問が遅延したのは、最近プーチン大統領の視察の外遊に随行したせいだと言った。第12回ロシア・インド政府間軍事技術協力委員会の会議を主催して開催する期間、彼はさらに少なからぬポジティブな情報をもたらした。彼は強調した。「モスクワのインドとの軍事技術協力に対する立場にはいかなる変化もなく、双方がこれまでに最終決定した陸海空を包括する一連のプロジェクトはいずれも継続して推進されることになる。」

インドは何のために当面「切れ」ないのか

不運がその身にまとわりついている「ヴィックラマディヤ」号空母は会談の中での不都合な話題だった。ロシアの「独立軍事評論」ウェブサイトは、双方は真剣にこの艦の修繕と改装の件を討論した、とする。セルジュコフは、ロシアサイドが来年第4四半期に艦を引き渡すことを承諾した。問題の動力システムを打ち捨てて論じなければ、これまでに行われた何度もの試験は全て非常に成功しており、これには艦載機の発着も含まれる。

セルジュコフは、空母は非常に複雑な装備であり、「ヴィックラマディヤ」号空母の改装工程は10年近く続き、1隻の船を新造するのと差はいくらもないとした。ある分析は、インドサイドが訪れたロシア国防大臣に対し当面「切れ」なかった原因は、彼らも同様に錯誤を犯したことを知っていることにある、と考えている。まさにロシアの「北方機械製造工場」総裁が9月末に副首相ロゴージンに報告したように、空母上の冷却および窒素制御装置にいずれもあんなこんなの問題があり、そしてこれらの設備の供給商はインドが推薦したのである。

この他、全速航行中に内部崩壊事故が発生したボイラーもインドの要求に基づいて生産された。ロシアが艦艇上に使用するボイラーは一般に重油を燃料に用いるが、インドは「ヴィックラマディヤ」号のボイラーにディーゼル油を用いるよう要求した。ロシア艦艇は通常耐熱石綿板を使ってボイラーの壁面と炉内を隔てているが、インドはそのような材料の不採用に固執した。この種の石綿は人体に対し無害であるのにもかかわらずである(頑住吉注:え? そうなの?)。

ニューデリーがロシア製武器を捨てることは難しい

面倒が絶えない空母プロジェクトと比べ、双方がその他に計画した討論は明らかにずっと気軽で愉快なものだった。まず、ロシアがインド空軍に向け新たな1ロット42機のスホーイ-30戦闘機を継続して提供する契約は、年末に行われることが有望である。この前、イルクーツク飛行機製造工場社長は、一部の飛行機はすでに生産済みで、最も遅くて2014年には引き渡せると発言した。セルジュコフは、契約書はすでにインドサイドの詳細なチェックのために渡されており、ロシア・インド軍事技術協力深化の重要な印として、この機はライセンス形式でのインド国内における組み立てが実現する、と明らかにした。2012年になって、インド空軍はすでに230機のスホーイ-30戦闘機を購入しており、このうち半分近くはインドのHAL飛行機製造社から出荷されることになる。ロシアサイドの収益は85億アメリカドル以上である。

もう1つの重大な成果と言うに耐えるのは、「ブラームス」超音速巡航ミサイルの協力しての生産である。このプロジェクトが始動した10年前から、インドサイドはすでに1,000発以上のミサイルを獲得している。目下、ロシアのカリーニングラードの「琥珀」造船工場がインドのために11356型護衛艦を生産しているところで、それぞれの艦に16発の「ブラームス」が装備され、来年3隻が就役する。「ブラームス」プロジェクトに参与するНПО機械製造工場の責任者は、この前の南アフリカ共和国国際武器展で、インドの専門家は「ブラームス」のパフォーマンスに対し非常に満足し、これをスホーイ-30戦闘機に搭載して空中発射することを希望した、と漏らす。また報道によれば、インドの専門家はさらにこのミサイルをロシアがインドのために建造する可能性がある(もし入札に成功すれば)ディーゼル・電池動力潜水艦に装備することを望んでおり、垂直発射システムによって発射された時の打撃距離は300kmを越える。このため、「ブラームス」の水上発射試験は年内にインド洋で展開されることになる。

不一致が完全に消し去られるにはまだ遠い

過去2年でロシアがインドの新世代戦闘機と攻撃ヘリプロジェクトの入札で2度とも欧米の国に敗れたことは、モスクワをすこぶる不快にさせた。セルジュコフが非常に重い圧力下でインド訪問に成功したことは、ロシア国内の世論を憂鬱から喜びに転じさせた。激烈な競争は存在するものの、ニューデリーは武器の入手ソースの多元化を渇望しており、ロシアはインドに対する軍事技術協力方面に依然優勢が存在すると考えている。さらにある報道はロシア駐インド大使トルビニコフの最近の発言を引用し、2015年までにロシアは再びインドに向け価格140億アメリカドルの武器を提供することになる、とした。第5世代戦闘機、遠距離ロケット砲、メインバトルタンク改良、輸送ヘリなどの領域のポテンシャルには見るべきものがある。

(頑住吉注:これより2ページ目)

どの方面から見ても、セルジュコフの今回のインド訪問は満足すべきものに終わったと言うに耐え、充分な意欲をもってクレムリンに復命できる。だが、彼は紙1枚の承諾は残したものの、当時ロシアがインドの中古空母改装を助けることを承諾した時も誠実で信頼できるようだったことを考慮すれば、インドメディアの関連報道にはいささか興奮の情が少なく、同じロシアとの軍備協力の中でさらに注意して「その行いを見守る」べきであると考えている。

事実は双方の不一致が間違いなく完全に消し去られてはいないことを証明している。セルジュコフの帰国後ほどなく、ロシア軍事工業総合体ウェブサイトはインド国防省の消息筋の人物の話を引用して、ロシアサイドはインドサイドの「ヴィックラマディヤ」号改装の品質問題で提出した損害賠償請求を拒絶した、とした。理由はごく簡単である。故障はいずれもインドサイドが購入した質の劣った部品に関連して引き起こされたのであり、施工のみに責任を負うロシアサイドには責任を負う必要はないというのである。


 いろいろ問題はありながら、お互い必要としているということですね。まあいろんな2国間関係がそうですけど。











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