ロシアメディア殲ー20を評する

 中国人による記述とはやはりちょっと違います。

http://military.china.com/important/11132797/20141212/19097285.html


ロシアメディア:殲ー20の構造に重大な変化が発生 就役までの時間に影響することに

(頑住吉注:この記事のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

ロシア軍事工業総合体ニュースネット12月9日の報道によれば、中国航空製造業は努力して解放軍空軍に向け最も先進的な近代化された装備を供給することを保証しており、成都飛行機工業社は第5世代戦闘機殲ー20を研究開発中である。この機の存在に関しては何年か前になってやっと世の人の知るところとなったに過ぎず、プロジェクトは今に至るも依然試験とサンプル品の試験段階にあり、いつ部隊装備されるのかに関してはまだはっきりしない。最近この飛行機の構造にいくつかの重要な変化が発生し、このプロジェクトが実現する期限に対し影響を生じさせることになる可能性がある。

殲ー20の出現は一定程度上専門家や関係者を不思議がらせて止まない。中国の設計者は他国の装備のコピー生産、国外の研究成果の利用を偏愛することで有名であるが、殲ー20は外形の上で国外の近代化された第5世代戦闘機と重要な差異がある。外形、構造レイアウト、その他の主要な特徴の上で、この機と某種の国外サンプル品とのいくつかの似た特徴を探し出すことはできるが、全体的にはこの中国国産戦闘機は明らかに全く異なる新製品である。このことは、中国成都飛行機の専門家たちは国外で研究開発された製品をコピー生産するだけではなく、参考にして完全に自らに属するプロジェクトを自主研究開発することを決定したのだということを説明している。

中国最新型戦闘機研究開発プロジェクトの背景として、1999年にユーゴスラビア軍に撃墜されたアメリカのF-117機にしばしば言及される。某いくつかの情報によれば、この飛行機の残骸は中国の専門家に渡されて研究が行われ、研究のデータは国産の新たな飛行機プロジェクトの中に応用された。理解できる原因から、中国は決して急いでこの情報が事実であると確認する、あるいは反駁してはいない。

中国の第5世代戦闘機プロジェクトが研究開発を開始したことに関する最初の報道は10年余り前に出現した。特定の時間の前、こうした噂が事実確認を得ることはなかった。2000年代末になって、中国軍はやっとこのようなプロジェクトの存在を確認し、当時研究開発作業はすでに一定の時間行われていた。初の飛行検証機は2009〜2010年に製造され、2010年1月11日に初飛行を実現した。

成都飛行機の殲ー20は外形上現有の国外の飛行機に決して似ていないが、その個別の部分はやはり人にアメリカやロシアの設計師の成果を連想させ得る。例えば、殲ー20の機首やキャノピー、エンジンの空気取り入れルートはアメリカのロッキード・マーティン社が研究開発したF-22およびF-35戦闘機と似ており、一方空力レイアウトはロシアのミグ1.44プロジェクトに酷似している。

殲ー20戦闘機は高い位置にある台形の主翼を使用し、全幅は約13〜15m、主翼は機体尾部に向け移動し、主翼後縁にはフラップおよびエレボンメカニズムがある。尾部の水平安定面が欠けているため、この戦闘機には水平前翼が使用され、機体両側の空気取り入れルート後方に位置する。機の尾翼は2枚の垂直安定面と2つの機腹部の導流片からなる。全長は22〜23m、機体には現代戦闘機の伝統的レイアウトが採用され、機首は電子設備と飛行員のコックピットで、尾部にはエンジンが置かれ、中央部は内部弾薬コンパートメントである。成都飛行機の殲ー20は研究開発時、最大の程度でレーダー暴露特性を下げることが要求され、結果的に一連の外形上の特徴に対する影響が生じ、これには大量の外部搭載ユニットの使用を放棄し、内部弾薬コンパートメントの使用に改めたことが含まれる。いくつかの情報によれば、殲ー20の空虚重量は約17.6トン、最大離陸重量は35トンに達し得るが、搭載できる有効搭載荷の具体的重量は不詳である。

(頑住吉注:これより2ページ目)

殲ー20は2台のターボジェットエンジンを配備し、いくつかのルートの情報によれば初の原型機はロシア製AL-31Fエンジンを使用し、量産型機は国産のWS-15エンジンを配備すべきことになっている。このアフターバーナー使用時の推力が150キロニュートン以上のエンジンは、機が相対的に高い飛行性能を持つことを保証するはずである。この前のある報道は、殲ー20の最大速度は2,100km/hに達するはずであり、16,000mの高度まで上昇でき、航続距離は約3,400kmであるとしていた。エンジンの機種の変化により、原型機と量産機の性能には比較的大きな差異があるかもしれない。

殲ー20は三点式シングルタイヤの脚を使用し、前の支持架は回収でき(頑住吉注:意味不明です。言うまでもありませんが脚の引き込みは前だけではありません)、メインの支持架はタイヤの径が比較的大きく、脚のハッチには典型的な歯状のエッジがあり、その主旨はレーダーの照射波を乱反射させることにある。アメリカの近代化された飛行機も類似の部品を使用している。

はっきりした原因により、中国の新型戦闘機の電子戦設備の組成状況は明らかにされていない。だが殲ー20は多剰余度フライバイワイヤシステムと近代化された照準ナビゲーションシステムを配備すると考えるには理由がある。これらはいずれも国内外の最新の研究成果を利用することを基礎に研究開発されてできたものである。中国は殲ー20のためにアクティブフェイズドアンテナアレイ機載レーダー、およびその他の一連の新たな設備を製造しつつある、あるいは製造しようとしているのかもしれない。

殲ー20試験サンプル機の初の複数の画像を根拠に、主翼の下に武器搭載架が欠けているのを見て取ることができる。また、機体と機の腹の下にハッチが見つかり、このことは中国の新型戦闘機が国外の最新型戦闘機同様、内部の隔離されたコンパートメントを使用して武器を搭載し、したがって敵サイドのレーダーに機が直面しての暴露特性を減少させ、ステルス性能と戦闘生存能力を向上させる、ということを示している。量産型殲ー20は外部搭載武器を使用し、各種の作戦任務を執行する能力を持つことになるかもしれない。内部に置かれた機関砲の存在はしばらくのところ論争の話題でしかなく、現有の画像から見て、殲ー20が航空機関砲を得ている、あるいは失っているということを示すいかなる証拠もない。

成都飛行機の殲ー20の初の検証機は2011年1月に初飛行した。その後何ヶ月か、中国の専門家は機載システムの作動状況を研究し、試験と改良を行った。2012年春、第2機目の検証機が試験を開始した。現在まで、すでに4機のそれぞれ異なる機が製造されている。第4機目の検証機の存在に関しては、何ヶ月か前になってやっと公衆の知るところとなった。公開されている画像から見て、これまでの何機かに比べ、新たな機は一連の顕著にして重大な差異があり、加工改良後の方案を根拠に製造されてできたものなのかもしれない。

第4機目の検証機のそれまでの機との突出した差異は一連の部品、ユニットのレイアウトや一部の細かい部品上に体現されている。メインの脚の区域において機体には顕著な収縮があるが、エンジンとの間の距離はやや拡大し、2つのテールブームとの間の距離はやや増加し、脚のハッチにも重大な改良が行われている。全体的な空力レイアウトは不変に保持されているが、主翼と尾翼には改良が行われ、主翼付け根のストレーキと空気取り入れルート上の門型形状に変化が発生している。また、垂直安定面と水平前翼にも適当な改良が行われている。明らかに、あらゆるこうした修正は機の空力性能を改善し、飛行に関するデータを向上させるためである。

(頑住吉注:これより3ページ目)

まだある顕著な変動は、機載電子設備の構成にも変化が発生していることを示しており、あるいはこの飛行機はすでにフルセットの航空電子設備を使用する新たな段階に入っているのかもしれない。機首の下面には某システムが突出した整流カバーがあり、光電子システムが装備されているのかもしれない。飛行機の尾部の新たな部品から、第4機目の検証機はミサイル発射探知計測システムを装備済みであると推測できる。

第5機目の検証サンプル機は11月末に初飛行を行い、機体のコードナンバーは2013である。現有の画像によれば、某いくつかの典型的なディテールは第4機目の検証機と区別できない。あるいは第5機目は、第4機目の検証サンプル機の創意と技術方案をさらに一歩検証するのに用いるのかもしれない。

現在自由に接触できる殲ー20プロジェクトの公式な情報は極めて少ない。古くからの伝統によれば、中国は決して急いで自らのこの種の最新研究開発プロジェクトの情報を分かち合うことはなく、このため各種の真相から遠く離れているかもしれない見積もりを生じさせている。例えばある視点は次のように考えている。「殲ー20の主要な武器は何機種かの空対空ミサイルである。地上目標に対し攻撃が実施できる武器は非常に少なく、このことは殲ー20のこのような能力が比較的限られていることを説明している。」 この種の推測を支持し得る論拠は機体側面部分の搭載コンパートメントの寸法で、この武器コンパートメントは大型のミサイルや空対地爆弾を全く収納できないことを示している。つまり、中国の新型戦闘機はアメリカのF-22類似の製品と見なされ、地上目標攻撃の上での能力は同様に限られている可能性がある。当然これは空中格闘能力向上のためになされた犠牲である。だが殲ー20とF-22というこの2種の飛行機は用途の上で似ているだけであって、中国の殲ー20の具体的性能が今に至るも不詳であるため、いかなる重要な結論も出すことはできない。

新世代戦闘機殲ー20の試験とテストはすでに4年近くもの長きにわたって持続しているが、しばらくのところは依然として試験が間もなく終わるといういかなる情報も伝わってはいない。このためしばしばある推測は、殲ー20というこの新型機の大量生産開始の時期は2016〜2017年より早くはならないだろう、とする。このように長い試験は某種の程度上、関連のプロジェクトの運命に関する2つの説を同時に証明しているのかもしれない。すなわち、1つはもうすぐ検証と試験が完了し、その後量産に入ることになる可能性があるというもの。2つ目はこのプロジェクトが比較的複雑であることを証明しており、無駄に長引くかもしれない、というものである。

殲ー20の研究開発作業の難度は比較的高いと言うべきである。殲ー20プロジェクトの枠組み内で、中航工業の第5世代戦闘機研究開発は多くの困難に直面している。世界の主流たる航空製造会社でさえも、類似のプロジェクトの研究開発では必ず多くの時間を必要としている。このため現在の殲ー20の研究開発作業の現状は決して奇怪あるいは尋常でないことが目立つというわけではない。中国には本国空軍のために新型戦闘機を研究開発する任務をスムーズに完成させる能力が完全にあると信じるが、新たな飛行機の具体的データは比較的少なく、その真の性能と効能を説明することはできない。あるいは量産型殲ー20の性能がその競争相手たる外国の同類製品に明らかに及ばないということも完全にあり得る。(編集翻訳;林海)


 あり得るか有り得ないかで言えばあり得るでしょうけど、もちろんそれをあてにするわけにもいかず、日本は日本でこの機に対抗し得る戦闘機を極力多く準備せざるを得ないでしょう。













戻るボタン