殲ー11D準ステルス戦闘機

 8月22日のコラムで、「中国、殲ー11Dを研究開発して韓国の新型機に対応、と伝えられる 第3世代半基準の系列」という記事を紹介しましたが、その殲ー11Dに関するより詳しい記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20130901/18025954.html


情報、中国の新型殲ー11D戦闘機が明るみに出る、とする 七大ステルス絶技を持つ

韓国の「中央日報」8月19日の報道によれば、韓国次世代戦闘機(F-X)の最後の競争入札の中で、アメリカのボーイング社のF-15SE「サイレントイーグル」が最終的な選択候補機種となった。韓国が60機のF-15SE準ステルス戦闘機を装備する可能性は極めて大であり、加えて以前購入したF-15K戦闘機があり、韓国は今後数年で100機余りのF-15系列重戦闘機を装備することになる。中国は殲ー11Dと呼ばれる第3世代半戦闘機を研究開発して対応する、と伝えられている。

「サイレントイーグル」ステルス化へと足を踏み出す

アメリカ空軍は大股でステルス化に踏み出すと同時に、第3世代機に対する改良およびグレードアップ作業を決して軽視してはいない。F-15戦闘機に対するステルス化グレードアップはまさにその1つの実例である。改良を経た後、F-15SE「サイレントイーグル」戦闘機はステルス能力でF-22とは比較し難いが、その正面のステルス能力は国際版のF-35と同等で、「セミステルス戦闘機」と言える。

F-15SEは世界最強の第3世代機と呼ばれる。金持ちであるがゆえに鼻息が荒いアメリカ空軍はこの種の中途半端なステルス戦闘機を気に入らないが、経費が限られ、短時間内にステルス戦闘機を開発できない国にとっては、「サイレントイーグル」のようなセミステルス戦闘機の装備も、空軍の戦闘力を向上させる近道と言える。

アメリカがF-15SE「サイレントイーグル」を登場させたのは、ボーイングがこの挙を通じて議会の「ラプター」輸出の「先端技術」秘密漏洩問題に対する制限を有効に避けることを希望したからである。現在、F-15SEの1機あたりの価格は約1億アメリカドルである。ボーイング社はすでに韓国、シンガポール、イスラエル、サウジアラビアを優先目標市場に確定しており、かつこの機の最終的な国際受注数を190機に到達させ得ることを希望している。

(頑住吉注:これより2ページ目)

殲ー11Dの七大ステルス技術は非常に出色

ある専門家は、中国は「第4世代機技術をもって第3世代機をセミステルス戦闘機に改良する」の発展模式を採用して、最終的に自身の需要に適応した第3.5世代あるいは第3.75世代ステルス戦闘機を開発することができる、と考える。中国にとって、殲ー11戦闘機の改造は自由自在と言うべきで、殲ー11Aに始まり、B、C、D型が不断に出現し、かついずれも特定の作戦用途を持つ。前の何タイプかは電子設備に対し改良を行っただけだったが、殲ー11Dになるとこのタイプに対しては最も徹底的な改良が行われる。

中国は殲ー11に対し七大方面のステルス化改良を行うとされる。すなわち、機首のレドーム、キャノピー、エンジンの空気取り入れ口、主翼と機体の連結部分、2枚の垂直尾翼、脚コンパートメントのカバー、武器コンパートメントのカバーである。中国の殲ー20および殲ー31両機種の上での完備されたパフォーマンスから見て、このような改良を行うことは完全にできる。

具体的には次の内容を含む。1つ目に機種のレドームと機体の連結部分にステルス設計を行う。2つ目にキャノピーのガラスに対し金属メッキ処理を行い、これに前方あるいは側面からのレーダー波を反射させてコックピット内部に照射できるようにする(頑住吉注:コックピット内に照射すること自体が重要なのではなく外部に反射させない、ということですね)。さらにコックピットと機体の連結部分にステルス化の鋸歯型改良を行う可能性がある。3つ目はエンジン空気取り入れ口に対する整形処理を行い、かつ空気取り入れ口とエンジンのタービンブレード上に特殊なステルス塗料を吹き付け塗装し、そのレーダー反射波を可能な限り最小にする。4つ目は機体と主翼の連結部分に特殊な整形武器コンパートメントあるいはサブタンクを搭載し、この側面の最大のレーダー波反射源を遮蔽してしまい、さらに武器を内蔵可能にさせる。5つ目は2枚の垂直尾翼を外側に傾いた設計に改めることで、これは殲ー11系列で初めての実現である。6つ目は脚コンパートメントカバーと武器コンパートメントカバーの鋸歯式設計で、さらに一歩レーダー反射面を減少させ、戦闘機のステルス化に有利とする。7つ目は先進的AESA機載アクティブフェイズドアレイレーダー、およびこれと協調して運用できる新世代デジタル式電子戦システム(DEWS)を採用し、さらに一歩電磁波の漏洩を減少させ、かつ攻撃の有効性を増加させることができるようにする。

こうした改良を経ると、殲ー11Dは成功したセミステルス戦闘機となり、そのレーダー乱反射断面積(RCS)の値は以前の十何平方mから1平方m以下にまで減少すると見られる。戦術性能の上では、中国最新の航空電子技術を採用した殲ー11Dの能力はより出色さを加え、隠蔽された状態下で突然致命的な一撃を発動することができる。

(頑住吉注:これより3ページ目)

「韓国のF-15SEに対応」と邪推

韓国の「中央日報」の分析によれば、韓国空軍は今後数年で100機余りの重戦闘機を装備することになり、このことは疑いなく中国東北部方向の防空作戦に非常に大きな挑戦をもたらし、中国はすでに殲ー11Dと呼ばれる第3世代半戦闘機を研究開発中で、これに対応する、という。実は、この言い方はいささか牽強付会である。

1つ目として、中国が殲ー11に対しステルス化改良を行うのは大勢の赴くところであり、これと韓国のF-15SE導入とをごっちゃにして語るべきではない。もしこの2つの戦闘機を比較しても、実際上の意義は大きくない。何故なら現代の空戦は常に体系的対抗であって、もし双方に対抗の機会があっても、まずどちらの支持体系がより強大かを見る必要があり、その次にやっと訓練レベルと飛行員の総合的素質によって決定されるのである。

2つ目として、今韓国のF-15SE導入はまだ論証段階にあり、一定の不確定性が存在する。一方中国の殲ー11ステルス版研究開発までの時間は、韓国の導入の実施時期よりずっと早いだろう。もし日本や韓国がF-35やF-15SEを導入しても、中国にとってはどんな脅威とも評価できない。何故ならとっくに殲ー20および殲ー31が研究開発されているからである。(本報特約執筆原稿 陳光文)


 えらい強気ですがまあそれはいいとして、中国にも韓国にもこのタイプの機があって日本にはない、というのはやや不安です。F-35の遅延や、まさかとは思いますが失敗作になれば致命的なことになりかねませんからね。











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