尹卓少将052Dを語る

http://tuku.military.china.com/military/html/2014-04-28/223622_2486541.htm

 これは052D型駆逐艦の第1号艦「昆明艦」の最新の画像集で、初めて長距離航行して「遼寧艦」の基地である青島某軍港に入り、あるいは「遼寧艦」空母艦隊に編入されるのでは、という見方もあります。この艦に関する記事を紹介します。


少将:052D艦、「トマホーク」式の対地巡航ミサイルを装備へ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:052D級『昆明』艦」)

中国海軍が初めて開催を引き受けた第14回西太平洋海軍フォーラム年次会議は4月22日に青島で行われた。フォーラムの21のメンバー国と3つのオブザーバー国、およびフォーラムのオブザーバー国になることを申請しているパキスタンら25カ国の海軍指導者と代表、全部で150名余りが今回のフォーラム年次会議に参加した。海軍情報化専門家諮問委員会主任尹卓少将は人民ネット強国フォーラムを訪問し、「人民海軍成立65周年記念日および西太平洋海軍フォーラム第14回年次会議」につきネット仲間とオンライン交流を行った。

司会者:先月、我が国の052D「昆明艦」が正式に引き渡され就役しました。052Dの強さは一体どこにあるのか説明していただけませんか? その就役は我が国海軍のどういった方面を非常に大きく向上させ得るのでしょうか?

尹卓:まず情報化という角度から話すと、052D級駆逐艦は現在までのところ我が国の海軍で情報化レベルが最高の作戦艦艇です。情報化はまずレーダーにあり、以前の052Cはアナログ電子技術のフェイズドアレイレーダーを採用していましたが、新しい052D駆逐艦はデジタルフェイズドアレイレーダーを採用しており、レーダーのアレイ面がより扁平で、内部のユニットは非常に多くが固体で、小型化され、デジタル化されています。052D「昆明艦」の性能は非常に良く、探知計測距離、多目標処理能力は以前の戦闘艦に比べ大幅な向上があります。

また、この艦は改良型紅旗-9対空ミサイルを搭載し、射程距離がより長く、多目標打撃がより強く、防空能力が全体的に向上しています。しかも、この艦が搭載するミサイルの数は本来のそれに比べ非常に大きく増加しており、以前の戦闘艦の48発のミサイルから現在の64発まで増加し、同時に非常に多くのミサイルは共通の架台で発射でき、例えば1つの発射架で対空ミサイルも発射できるし、対潜ミサイルも発射できます。この艦は以後さらにアメリカの「トマホーク」に似た対地攻撃武器を搭載できるようになります。また、そのステルス性能は増強され、騒音に対し非常に厳格なコントロールが行われており、比較的強い対潜能力を持ちます。052D級駆逐艦は以後空母の護衛艦艇として、非常に強い区域防御能力も持ち、また非常に強い対艦、対地攻撃能力も持ち、さらに比較的強い対潜能力も持ち、2機のヘリ、あるいは曳航アレイソナーを搭載することができます。

この艦は実際上我が国海軍がより大きな駆逐艦を開発する先導艦でもあり、我が軍のいくつかの先進技術はまずこの駆逐艦上で試用され、成熟して以後我々は次世代大型艦艇上に応用するでしょう。

司会者:我々は観察を通じて、052D駆逐艦の垂直発射システムが採用しているのは前後それぞれ32ユニットの配置だということを知ることができます。64ユニットという数は052Cの48ユニットに比べ顕著な進歩がありますが、その数は米軍のアーレイ・バーク級駆逐艦、日本のこんごう級駆逐艦に比べまだ少し少ないようです。これは、後日もし海上の対抗があったら、我が海軍の052Dが戦闘力の上で依然してやられるだろうことを意味しているのでしょうか?

尹卓:052D級駆逐艦に搭載される垂直発射システムはアメリカのアーレイ・バーク級および日本のこんごう級戦闘艦に比べやや少ないでしょうが、まさにさっき言ったように、この艦が採用しているいくつかの先進技術は、我が国の次の一連のより大型の作戦艦艇上に応用されるでしょう。これらの大型作戦艦艇は基本的にアメリカのアーレイ・バーク級に相当します。64発のミサイル、この数量の完成は(戦闘艦の)基礎配備に符合します。何故なら一般に1隻の戦闘艦は1回の防空作戦の中では、最多で10〜20発のミサイルを発射し、64発のミサイルなら2〜3回のこのような戦闘に参加でき、またさらに海上での補給、装填ができ、このため64発のミサイルは作戦上の需要を基本的に満足させることができます。当然より多く配備してもいいのですが、このことは艦をより大きくし、製造コストをより高くする必要があることを意味します。

司会者:あなたは現在の052Dの艦型は、長さと幅の比率がやや小さい(頑住吉注:太短い)とも言及したばかりですが、これはどんな原因によるのですか? 軍艦の速度の低下をもたらしませんか? 軍艦の速度低下は軍艦の戦闘力に影響しませんか?

尹卓:これは非常に専門的な問題で、軍艦の長さと幅の比率を下降させることは1つの全体的な趨勢です。我が軍の過去の作戦艦艇、例えば第1世代の051駆逐艦は、旧ソ連の快速駆逐艦を参考に研究開発されたもので、当時の快速駆逐艦はミサイルを搭載しておらず、その作戦は主に火力と機動力に頼りました。このため当時の艦艇の機動能力は戦術的優勢方面において非常に大きな意義がありました。我が軍の戦闘艦が配備したのは火砲で、このため航行速度は非常に重要で、その最高速度は38ノットに達する必要がありました。一方現在の我が軍の駆逐艦では、速度はすでに最も重要な問題ではなく、30ノットの速度を保持しており、空母艦隊と行動する時、速度が空母の平常の速度に比べやや速く、空母と隊形を調整するのに便利であれば即OKなのです。

現在の艦艇は主にミサイルを使用し、航行速度上の小さな隔たりには戦術上の意義はなく、現在の攻撃は主に火砲に頼るのではなく、ミサイルの攻撃に頼るのです。速度が低下すれば、艦の形には当然調整を行う必要があります。しかも現在の情報化された艦艇は大量の艦内スペースを必要とし、艦上の容積は大きい必要があり、例えばレーダーアンテナおよび大量の処理計算機などを収納する必要があり、特に対空ミサイル、対艦ミサイルは大部分垂直発射で、戦闘艦に比較的大きな容積があることを必要とします。

また、現在の艦艇はステルス設計を採用し、艦面はできる限りきれいに、シンプルにしてレーダー反射面積を減少させる必要があり、同時に全艦艇設計は艦面が無人状態であることを要求します。何故なら艦上には大量のミサイルがあり、発射時暴露した人員を火傷させるだろうからです。また、機械電力設備、伝動装置、照準装置はいずれも艦の下にあり、甲板下の容積が大きいことを必要とし、艦型がより短く、より太く、その容積をより大きくすることを必要とします。

もう1つの原因は、現代の艦艇は人間工学的設計を必要とすることです。我々は艦員の長期の艦上での生活を考慮し、それぞれの艦員の艦内における容積をやや大きくし、非常に良好な船室の居住空間があり、より良い入浴設備、飲食設備、活動空間などがあることを確保する必要があり、こういった充分な空間を留保する必要があり、艦の容積は拡大する必要があるのです。このため艦の容積の拡大は趨勢であり、世界各国の新たに建造される軍艦は全て長さと幅の比率を減少させ、艦内容積を拡大しているのです。(張慶成 ヤンジアチー 実習生 康哲)


 次に同じテーマで内容が大部分重複している記事の、重複していない部分のみ紹介します。なお、原文では上の黄色い文字で表示した部分につながっています。

http://military.china.com/news/568/20140423/18464591.html


解放軍少将、052D駆逐艦の建造コストを明らかに:約35億人民元

現在の建造コストは1トンあたり50万前後で、もし2,000トンがさらに増加すれば、10億人民元近い建造コストを増加させる必要がある(052D艦の排水量は6,000〜7,000トンで、これにより見積もられる建造コストは30億〜35億人民元である)。また、我々はさらに我々が未来に行う戦闘は大体どんな規模の戦闘なのかを考慮する必要があり、こうした戦闘に対しシミュレーションを行った後でやっと、我々がどのくらい多くのミサイルを配備するのが適当かを確定できるのである。我々は大型コンピュータによる模擬推論演繹を経て、64発のミサイルは基本的に使用可能であると考えている。


 なるほどという部分もあるんですが、航行速度に関しては動力に問題があって高速化できないことをごまかしているのではという感じがしますが。ミサイルの数は、アメリカ、日本連合軍との全面対決というような戦闘は想定されてないということですかね。













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