C919は真の中国国産機か

 日本の国産旅客機と比較して読むのも面白いかも。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/11/06/017916239.shtml


陳虎点兵:殲ー20は必要、C919も必要

新華ネット特別原稿:11月2日、中国商飛が研究開発する初の国産C919大型旅客機がついに生産ラインを降りた。これは疑いなく人を興奮させる事柄だが、興奮の他、我々は各種各様の「異なる」声も聞いており、その中には疑問の声あり、不満足の声あり、心配の声もある。

「国産」に疑問? 1本ごとのネジ全て国産というのは非現実的

「疑問」の声の最も典型的なのはいわゆる国産大型機のこの「国産」という二文字に対する疑問である。ある人は言う。C919は実際には国際協力の産物であり、その多くの核心的部分は、そのエンジンを含めいずれも国外と協力した製品であり、ならばこのような大型機を国産と呼べるのか?
 
C919が「国産」かという疑問に対しては、我々の身辺の例を用いて対比してもかまわない。例えば我々のシェフが皆に歓迎を受ける新しい料理を作る。だがこの料理は決して全部の手順全てシェフによって完成されたものではなく、その加工の過程の中には材料を切る、材料を洗う担当者がいる。シェフがする必要があるのは彼の方法に照らして歓迎を受ける料理を作ることに他ならず、この料理がシェフの作ったものでないと言えるだろうか?

実は現在商用大型旅客機の全世界における研究開発、生産方式は、全て国際協力の方式である。商用飛行機といったようなプロジェクトでは、国際協力はまるでシェフが人気料理を作るようなもので、核心的なものは全体設計であって、全体設計を掌握する者が、この飛行機の最終的な知的財産権を掌握し、全核心技術を掌握するのである。実際にはそれぞれの1本のネジ全て1つの国によって生産されている商用大型機の機種は1つもないのである。中国という、このこの商用飛行機研究開発の道を行き始めたばかりの国に対し、それぞれの1本のネジ全て国内で生産することを要求するのは、明らかに非現実的である。またこれは商業的法則にも符合せず、何故なら国際協力は大型機研究開発の技術的リスクやコストを最低まで下げ、その性能を最良に到達させることができるからである。

C919研究開発の計画は、この飛行機が不断に成熟に向かうにつれ、その国産化の程度も不断に高まることを示しており、特にエンジンである。実際我々の国内にも平行して長江-1000高性能エンジン研究開発計画がある。国産化は1つの過程であり、この過程は比較的長いものかもしれない。

ならばいかにして我々の大型機をできる限り早く研究開発させ、市場に向かわせより多くのユーザーに受け入れられるようにさせるか? 明らかに国際協力は便利で速い道であり、早道である。

「機種」に不満足? 「子供」は立つことを会得し、歩くことを会得して、やっと走ることができる

疑問の他、もう1つの異なる声は「不満足」の声である。あるネット仲間は、C919は中型の幹線旅客機としか評価できず、世界最先端の大型商用飛行機に比べるとまだ非常に大きな隔たりがあり、例えばボーイング787に比べると、明らかに同クラスにはない、とする。

国産化が1つの過程であるのと同じく、我々が大型商用飛行機を研究開発する道も同様に1つの過程であり、まるで小さな子供のように、立つことを会得し、歩くことを会得して、やっと走ることができるのである。現在C919がこのような機種を選択しているのは、相当に適したものだというべきで、何故ならC919のようなクラスの幹線旅客機はそのユーザーが最も広いからである。我々の見たところ、ボーイング737、エアバスA320はC919の主要な商業的競争の対象であり、この2機種は世界で最もよく売れる2機種と言え、同時に国産大型機研究開発初期にはより多く国内の需要に照準を合わせ、そして国内航空市場でもこのクラスの機種は需要量最大の機種である。このためC919がこのようなクラスを選択したのは、国産飛行機研究開発、生産の突破点としてであり、明らかに比較的適したもののはずである。

「打水漂」を心配? 困難を正視し、高い起点において研究開発、生産 (頑住吉注:「打水漂」は水切りのことで、転じて無駄という意味を持ちます。)

まだある声は「心配」の声である。ある人は次のように心配する。このような大型機は研究開発への投資が非常に大きく、リスクも非常に大きく、特に将来まだ国際航行適性ライセンスを取得する必要があり、まだ非常に多くの困難にぶつかるだろう。また現在C919のプロセスは計画に比べすでに遅延しており、このことはそれが非常に多くの困難にぶつかったことを示し、ならばこの機へのこのように大きな投資は無駄ではないのだろうか? 我々のこのような商用大型機研究開発計画は市場の認可を失い、最終的に商業上の失敗の案例となるのか否か?

この種の心配は、各方面全てに存在するかもしれない。だがこの種の心配もまた不必要である。中国が航空大国になる過程で、投資とリスクは直面することが必須なものである。実はC919への投資は世界のその他の商用飛行機研究開発の巨頭の投資に比べ、ずっと小さいと言うべきである。ドイツの「シュピーゲル」の報道によれば、C919への現在の投資は83億アメリカドル、一方ボーイング787は320億アメリカドルで、ならばこのように大きな投資の差異は、我々のC919が同様に中国の一貫した伝統を保持していることを示している。多く・速く・立派に・無駄なく、有限の投資を用いて最大の収益を獲得する、である。この種の投資の上での制御はコストコントロールに最も有利で、この機が将来市場の成功を取得するために、低コストの基礎も固めたのである。

またC919は技術上その競争相手に比べ少なからぬ優勢もあり、関連の専門家の話を借りれば「より安全、より快適、より経済的、よりエコ」で、当然これにはいずれもいくつかの機器の数字の支えを必要とし、後日発注者や乗客の認可を得る必要もあるが、このことは我々のC919が研究開発の初めからもう比較的高い技術的起点に立脚していたことを示す。このため「心配」はあっていいが、心配ゆえに我々が国産商用飛行機研究開発の道を行かないということはあってはならない。

C919の未来:この登場したばかりの子供はより多くの拍手を必要とする

我々はある非常に直接的な対比をしてもよい。我々の第4世代戦闘機殲ー20に対する疑問や心配の声はおそらく非常に少ない。何故なら我々の国家の安全は殲ー20のような第4世代機で保障する必要があることを皆知っているからである。だが国家の未来は単に国防の安全だけを必要とするわけではなく、国家の経済および技術上の発展も必要とする。この角度から言ってC919の意義は殲ー20に全く劣らない。この機は我々に技術上の成長をもたらし、徐々により多くの高付加価値製品を生産させ、経済の未来の発展のために活力を提供するだろう。国外の航空の巨頭による市場に対する独占を打破するだけでなく、未来の膨大な民間航空機市場のために自らの製品を提供し、もはや人の制限を受けることはない。また、商用飛行機の軍用ポテンシャルも疑いの余地がなく、この意味から言って、我々は殲ー20を必要とするが、我々はC919をも必要とするのである!

また、C919の世界に対する意義も過小評価できないと言わざるを得ない。もし中国商飛が将来ボーイング、エアバスと肩を並べたら、この市場の競争はより激烈さを加え、この種の競争は航空会社に対しても乗客に対してもよいことで、結局のところ競争がもたらすのは高い効果と利益、そして低コストである。殲ー20に対し、皆ひとしきりの拍手を与えるが、ならばC919が生産ラインを降りたことに対しても、我々は同様、甚だしきに至ってはより多くの拍手を送るべきなのである。何故ならこの機は単にまだ世に出たばかりの子供に過ぎず、将来彼にはまだ非常に長い行かねばならぬ道があるからである。だが彼は結局のところすでに世に出たのであって、我々はすでに航空強国への道を突進しているのである! (陳虎)


 日本の国産旅客機に対しても投資に見合うのかなど疑問の声はあるでしょうが、それに対し「心神」には文句ないだろう、なら旅客機も同様に必要なのだ、なんて言って多くの人がなるほどと思うなんてことは全く考えられず、このあたりは日中国民の意識の違いでしょうね。















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