台湾、アメリカ海兵隊を退役した中古のハリアー戦闘機を購入?

 いまさら感がぬぐえませんが。

http://military.china.com/important/11132797/20160124/21276228.html


武をもって統を拒む:台湾軍は何故アメリカの中古AV-8B垂直離着陸戦闘機に目を付けたのか (頑住吉注:この場合の「統」は統一、統治などの意味でしょう。)

最近、ある台湾メディアは暴露し、アメリカ政府の内部情報源が明らかにしたところによれば、アメリカ国防省国防協力局は剰余物資プロジェクト(EDA)によって台湾向けにAV-8B「ハリアー」式垂直/短距離離着陸戦闘機を販売することを考慮中である、とした。さらにある民進党の幕僚は、今回の台湾地域指導者の選挙前、アメリカに赴いて「面接試験」を受けた蔡英文はもうすでにアメリカサイドと「意見交換」しており、かつ2019年から「ハリアー」式の購入を開始することを計画している、と明らかにした。この古い戦闘機の購入を求めるのは、台湾「空軍」が台湾は少なくとも20年後になってやっとアメリカのF-35B戦闘機を購入できると見積もっているからだ、とされる。現在の台湾空軍の切迫した需要を解決するため、まもなく政権につく民進党は止むを得ず、退いて次善の策を求めるしかなく、まずAV-8B「ハリアー」式垂直/短距離離着陸戦闘機を購入してあり得る不利な局面に対応する。アメリカ工業界の人物はこれが「絶妙の商売」だとし、何故ならこうした飛行機を販売する時には「非常に高価な機体構造と電子設備のグレードアップ」を行う必要があり、アメリカの軍事工業の巨頭はまた大儲けすることになるからである。

AV-8B戦闘機というと、まずイギリスの「ハリアー」式戦闘機について語らざるを得ない。この機は亜音速単座単発垂直/短距離離着陸戦闘機で、イギリスのロールスロイス社が研究開発した世界初の実用型垂直/短距離離着陸戦闘機で、その主要な使命は海上パトロール、艦隊の防空、海上目標の攻撃、偵察、対潜などである。「ハリアー」式戦闘機は中低空性能が良い、機動が敏捷、配置が分散、戦線と共に迅速に移動できるなどの特徴を持つ。だが最大の欠点は垂直離陸時の航続距離と活動半径が小さく、弾薬搭載量が少なく、かつ陸上での使用時の後方勤務保障が困難なことである。1982年のイギリスとアルゼンチンのマルビナス島戦争の中で、イギリスロイヤルネービー航空隊の「シーハリアー」式および後に加入したロイヤルエアフォースの「ハリアー」式戦闘機は、最終的に23:0の極めて良い戦果を取得し、このことは世界で最初に戦争に投入された垂直/短距離離着陸戦闘機を大いに目立たせ、名声をも大いに轟かせた。

(頑住吉注:これより2ページ目)

アメリカはごく早くからもうこの機の垂直離着陸性能に目を付け、かつ1970年代初めからもう一定数の「ハリアー」Mk50を導入して海兵隊の使用に供し、コードナンバーはAV-8Aで、主に近距離空中支援や偵察に用いられた。だが米軍の使用中、この機のいくつかの機能になお向上が待たれることが発見され、そこでイギリスの原メーカーと合同でこれに対する改良を行い、さらに推力がより強い新型エンジン——F402-RR-406(「ペガサス」Mk105)を使用した。これこそ後期改良型AV-8Bで、「ハリアーII」とも呼ぶ。この機はイラクを打撃する「デザートストーム」行動に参加し、小さくない戦果を取得したが、イラク防空火力によって5機が撃墜されもした。アメリカはAV-8Bに対する改良を決して停止することはなく、さらに続々とAV-8B+(「ハリアーII+」)をグレードアップした。これは主に探知計測距離が120kmに達し得るAN/APG-65攻撃レーダーの使用、より推力の大きな新エンジン——F402-RR-408(「ペガサス」Mk107)への換装、さらに先進照準型LANTIRN吊り下げポッドへの換装だった。この吊り下げポッドは多センサーのレーザー目標指示やナビゲーションシステムを含有し、戦闘機の飛行員に地上目標を高精度探知計測、キャッチ、追跡、識別し、かつ通常および正確制御誘導武器を投下させるようにできた。この吊り下げポッド内部には640&times 512ピクセルの前視赤外線カメラ、電子結合ユニットテレビカメラ、スポット追跡/距離測定装置、赤外線マーキング、レーザー指示器などが装備され、こうした新たな装備はAV-8B+のために正確制御誘導弾薬の発射能力を提供することができ、かつAV-8B+の打撃精度を現役戦闘機水準まで高め、低空夜間作戦能力を増強した。

(頑住吉注:これより3ページ目)

新たなAV-8B+は先進的でないとは言えないが、この戦闘機の比較的早いロットの寿命はすでに30年あまりに達し、最も短くても15年以上になっており、しかも米軍を退役するのはきっと比較的早いロットであって、このためその残された寿命はすでにごく限られていると言うことができる。ある台湾で仕事をするアメリカ軍事工業界の分析員の考えるところによれば、アメリカ海兵隊を退役してきたAV-8B戦闘機は「使用されること過度に頻繁で、残された就役価値はすでに大きくなく、〜」(頑住吉注:明らかに文が変になっていて訳せませんがエンジンの換装と構造、電子設備のグレードアップを必要とする、ということだと思われます) 実は、これは何ら不思議なことでもなく、アメリカというこの保護傘を引き留めるため、台湾のどの回の兵器購入が高価なことおびただしい「洋ゴミ」でなかっただろうか! だが、台湾が現在直面する状況に関して言えば、良い武器はアメリカが売らないだろうし、良くないものは台湾が得ることはできるが、それにもかかわらず高価な代価を支払う必要がある。

実際上、AV-8B戦闘機の購入に対し、台湾軍は十何年か前に早くももう購入の実行可能性を評価したことがある。一般的分析によれば、中国大陸の絶対的なミサイルと海空の優勢に直面し、ひとたび台湾海で開戦すれば、あらゆる地上に暴露した台湾軍基地と装備は全て解放軍の猛烈な弾雨の打撃に遭うことになる。特に台湾軍戦闘機は、もし僥倖にも破壊されなかったとしても、使用できる滑走路がなく、二次収拾(頑住吉注:鹵獲?)を待つしかないものに変わる。最も良い対応方法は、短距離離着陸能力を持つ戦闘機の導入で、残存したちょっとの滑走路に頼ってもう離陸して開戦でき、その生命力と戦闘力はああいった完備された滑走路に頼る戦闘機より優れている。しかも当時もう米軍の専門家の提案があり、台湾軍は中古のAV-8Bの購入を考慮しても良く、当時F-35はまだ量産されておらず、台湾軍にはこの選択しかない、というものだった。だが、台湾軍の当時の最終的な評価、結論は、空軍がアメリカの退役戦闘機を導入するのはよろしくない、だった。何故ならアメリカサイドは台湾軍が要求する完全新品の「ペガサス」ジェットエンジンを提供することができず、このことは後の保障作業に克服し難い面倒をもたらすだろうからである。しかし、現在事情には変化があったようで、何故ならアメリカはかつて2011年に一定数のイギリスが在庫処理した「ペガサス」Mk105および「ペガサス」Mk107エンジンを購入したからで、当時の名目は海兵隊が自ら使用するAV-8B戦闘機の改装、予備用だったが、現在まさに台湾に販売しようとしている。このことは今回の対台湾兵器販売に門戸を開いたに等しく、台湾軍ももはやこのために頭を悩ませる必要はない。

(頑住吉注:これより4ページ目)

だが話を戻すと、台湾軍は本当に垂直離着陸戦闘機を必要とするのだろうか? 台湾の「漢光演習」軍事シミュレーションによれば、台湾軍は台湾西部の軍用飛行場と戦闘機を発着させることができる高速道路は、台湾海戦争勃発後48時間以内に即全てが解放軍の千発以上のミサイルに破壊される可能性があると考えている。このため台湾軍は米軍の専門家の提案を聞いて、台湾空軍は戦時半数の戦闘機を花蓮と台東、2つの東部の基地まで東に移動させる。一方ああいった破壊され損傷した台湾西部の飛行場と高速道路網は、垂直離着陸戦闘機の離陸、作戦に用い、もって大陸の軍の上陸作戦力量を打撃し、かつ東部に移動した戦闘機は共に制空権奪取任務を執行するのが最も良い。これに対し、最も良い装備としてはきっとF-35Bしかない。しかし、台湾方面の比較的楽観的な予測でも、この第4世代ステルス戦闘機を得たければ、おそらく20年後まで待つ必要がある。

このため、台湾は現実の中に立ち戻らざるを得ず、それは退いて次善の策を求め、F-35Bが買えず、F-16C/D戦闘機さえも暫時得られないなら、まずAV-Bを用いて数を満たそう、というものに他ならない。現在の「ワシントン-北京-台北」関係をもって言うと、アメリカが大統領選挙期間に政治的圧力の危険を冒して兵器販売を緩和する確率が相当に高く、特に中古の古い戦闘機はそうである。もしAV-8Bのグレードアップでも、F-16C/Dやより先進的なF-35Bの北京に対する脅威に比べれば、より容易に大陸によって黙認される。しかもこの戦闘機は古い機のグレードアップ改造であって、決してアメリカが製造する全く新しい機種でもないので、この兵器販売が中国の激烈な反対に遭う可能性は比較的低いと見られる。これはアメリカが再三台湾の防衛能力を向上させる承諾を考慮する新たな試みでもある。同時に、アメリカがもし台湾向けにAV-8B戦闘機を販売したら、メリットも相当にはっきりしており、依然として北京の憤怒を招くリスクは冒すだろうが、この種の「進攻性がやや低い」作戦プラットフォームを、アメリカの一部の議員は一方的に「比較的米中関係に深刻な衝撃をもたらさないだろう」、かつこの戦闘機の販売に参与したアメリカの会社も中国大陸の厳しい制裁に遭うことはあまりないだろうと考えており、しかも廃物がさらに良い金で売れるのであって、この種の売買をアメリカがしないはずはない。

(頑住吉注:これより5ページ目)

だが特に皆の特別の重視を引き起こす必要があるのは、今回のAV-8B戦闘機購入決定が選挙に勝利した民進党から来ているのであって、現在依然政権を担当する国民党ではない、ということである。これはあるいはもしまだ政権についていなくても、民進党はすでにそのあり得る「台湾独立」行動推進ゆえに必ずや引き起こされる両岸対抗の準備を開始していることを説明しているのかもしれない。甚だしきに至ってはこのように言うことができる。将来の民進党政権担当後、必ずや継続して大陸の反台湾独立の譲れない最低ラインを挑発することになり、このため、台湾軍に対応の準備を整えさせ、一方特殊な需要に符合する先進武器は「武をもって統を拒む」ために伏線を張っている。これに対し、海峡両岸の平和を愛好する人は極めて大きな関心を引き起こすべきである。


 ないよりはましでしょうが比較的少数のはずの中古ハリアーがどれだけの作用を発揮し得るか大いに疑問です。

















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