中国のスホーイー35導入関連2題

 相変わらずロシア側からのみ観測気球的記事が出る状況は基本的に変わっていないわけですが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/08/13/017760269.shtml


ロシア、中ロはすでにスホーイー35供給に関する意向覚え書きに署名、とする 機載レーダーで談判中

東方ネット8月13日の情報:ロシア衛星ネットモスクワ8月12日電 ロシアのジホミロフ機器製造科学研究所総裁のユーリ ビェレイは記者に向け、ロシアと中国は、北京があるいは購入することになるスホーイー35戦闘機のために輸出用「Irbis-E」(「雪豹-E」)レーダーコントロールシステムを装備する問題につき談判を行いつつある、とした。

ロシア国防輸出社は6月、今年年末までに中国と24機のスホーイー35戦闘機を供給する契約を締結する計画であると確認した。ロシアと中国のこの問題に関する談判はすでに持続すること数年である。この前モスクワは北京と、北京に向けスホーイー35を供給する意向覚え書きに署名したが、当時契約の詳細は未確認だった。

ビェレイは、「我々はインドと、スホーイー30MKI機の『Bars\』(頑住吉注:「¥」は文字化けでしょう)レーダーコントロールシステム更新および未来の多機能戦闘機無線電子システム研究開発の問題につき談判を行い、我々は中国の同業者とスホーイー35機の輸出用『Irbis-E\』レーダーコントロールシステム問題についても談判する。」とした。

「Irbis-E」レーダーコントロールシステムはいかなる天候条件下で自然および人為的妨害が存在する時にも日夜空中、地上、水上目標の座標に対する探知計測、追跡、測量を保証する。

スホーイー35戦闘機はロシアの第4++世代超機動ジェット式多用途戦闘機で、スホーイ飛行機実験設計局によって研究開発され、T-10Sプラットフォームの大規模改良型製品である。

ニュースの延伸:「雪豹-E」フェイズドアレイレーダーの研究開発機関である「ファザテロン」研究所が発表したデータによれば、このレーダーは対空作動模式下で同時に30の目標を追跡し、かつ同時に2発のセミアクティブレーダーミサイルの攻撃を誘導し、あるいは同時に8発のアクティブレーダーミサイルを誘導して攻撃が行え、攻撃過程の中でこのうち4つの目標の距離が300kmを超えることを許す。このことはスホーイー35BMはすでにR-37あるいはKS-172超遠距離空対空ミサイルを使用して飽和攻撃を発起する能力を持つことを意味している。「雪豹-E」の最大出力は20キロワットで、最大で400km離れた10,000mの高空の、レーダー反射断面積が3平方mしかない目標が探知計測でき、かつその正面からのキャッチ距離は少なくとも350〜400kmに達し得、後方からのキャッチ距離は少なくとも150kmである。その反射面積たった0.01平方mの「ステルス」目標(例えばステルス機や巡航ミサイル)に対する探知計測距離は90kmである。

「雪豹-E」レーダーは超越的に大きい視角を持つほか、さらに非常に長い探知計測距離があり、現役の多種のレーダーに比べ、このレーダーは空中目標を発見、追跡、破壊する距離が最長で400kmに達し得る。一方対地対艦攻撃任務執行時、このレーダーは任務の需要に基づき低、中、高という各種の解像度の完備された地上、水面の画像を作図することができ、かつ水面上の雑電波妨害を排除し、水上の各種目標が探知計測および追跡できる。対地対艦攻撃任務の執行時、「雪豹-E」レーダーは地上および水上の目標を追跡するのと同時に、さらに随時空中から来る脅威に対応でき、かつアクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルを誘導して正確攻撃が完成できる。


http://military.china.com/critical3/27/20150814/20192003.html


スホーイー35に2倍の価格を費やして買おうとするどんな良いところがあるのか?

最近ロシア航空企業は情報を発表し、ロシア空軍向けに48機のスホーイー35S戦闘機を提供し、契約金額は中国に売ろうとする24機の同型戦闘機と同等である、とした。ロシアの輸出型戦闘機は普遍的にその空軍で自ら用いる型に比べ技術含有量が低いので、中国が2倍の価格を費やして実力が相対的に弱い製品を買うことに相当する。軍事評論員の高峰は、市場での価格決定は双方の協議にあり、いかなる国の自ら用いる型の実戦機もロシアと同様のルールを遵守している、と考える。

ロシアメディアは、スホーイー35はロシア第5世代戦闘機生産投入前の重要な過渡的機種で、「スホーイ系」戦闘機の国際市場での地位を防衛する、とする。かつ、スホーイー35の輸出時期は2013〜2020年に集中し、その潜在的買い手は主に東南アジア、アフリカ、中東、南米地域に集中する、と指摘する。ロシアがスホーイー35を対外販売メインの製品とする以上、その定価は中国のみに対するものではないだろう。中国の購入の実力もロシアが見くびることをゆるさないものであるからなおさらである。

ならば中国が積極的に2機種の第4世代戦闘機を開発しているという時に、スホーイー35戦闘機には中国が大金を費やして購入するに値するどんな優勢があるのだろうか? 中国の軍事専門家の分析は、ロシア軍で現役のスホーイー27およびスホーイー30に比べ、スホーイー35には主に4つの方面の改良がある、とする。1つ目は機体の構造強度を上げ、機体の重量を軽減している。スホーイー35の空力構造タイプは基本的にスホーイー27と同じだが、最大離陸重量は38.8トンにまで増加し、機体寿命は30年に延長されている。燃料タンクの容量はスホーイー27に比べ20%増加している。2つ目として推力がより大きい、推力:重量比がより高い、かつ推力ベクトルノズルを採用した117Cエンジンに換装し、この機がアフターバーナーを使用しない状態下で、マッハ1.2をもって超音速巡航でき、かつ軽々と飛行方向を改変し、迅速に飛行速度を低下させ、より不可思議な過失速機動ができるようにさせている。

3つ目として全く新しい航空電子設備を採用しており、ステルス目標を発見する能力を持つ。スホーイー35の「雪豹-E」パッシブフェイズドアレイレーダーは、F-16戦闘機のようなレーダー反射断面積3平方mの目標に対する正面からの探知計測距離は350〜400kmで、F-22戦闘機のようなレーダー反射断面積0.01平方mの「超低探知計測可能性」目標に対する探知計測距離は90kmに達する。4つ目としてロシアの新世代空対空および空対地制御誘導武器を装備する。ロシア空軍の評価は、こうした武器を装備すれば、スホーイー35の空戦能力はスホーイー27の1.5倍、対地(対艦)攻撃能力はスホーイー27の3.2倍になると考えている。またこの機はさらに独特の後ろ向き攻撃能力を持っている。

中国はロシア製スホーイー27フランカー戦闘機プラットフォームの、全世界における3大使用者の1つである(他の2つはロシア空軍とインド空軍)。しかも中国はさらにこれを基礎に殲ー11戦闘機系列製品を自主開発し、かつ中国空軍および海軍航空隊に大量装備している。だがロシアの見たところ、中国が自主開発した機種は全てロシアの同類機種とは同列に論じられない。特にスホーイー27の究極発展型であるスホーイー35S戦闘機は、アメリカのF-22大4世代戦闘機には匹敵し得ないが、優勢を発揮しさえすればF-22と限度ある対抗を行うに足りる。

ロシア人は、スホーイー35のエンジンはF-22のエンジンに比べてより先進的で、フェイズドアレイレーダーはF-22のレーダーの性能と同等だが、電磁妨害環境下ではF-22に比べより優勢を持つ、と考えている。彼らは、スホーイー35は第5世代戦闘機と「一歩の隔たり」しかないとさえ言明している。だが動力方面では、スホーイー35はかつてエンジン故障ゆえに1機の原型機が焼けて損傷する結果をもたらしている。2011年モスクワ航空展でT-50が発したかの火は、117Cエンジンが成熟までまだ一定の距離があることを事前に示していた。

(頑住吉注:これより2ページ目)

またスホーイー35と第5世代戦闘機とのより大きな隔たりはやはりステルス性能と総合航空電子方面にある。ステルスのカギとなる重要な指標である戦闘機の正面レーダー反射断面積について言えば、F-35は0.1平方m以下、F-22は0.01平方m、スホーイー35は0.5〜2平方mに到達し得るのみである。パッシブフェイズドアレイレーダーは決して未来の技術の発展方向ではないため、スホーイー35のレーダーは体制の上から、F-22やF-35のアクティブフェイズドアレイレーダーに比べやや遜色がある。

軍事評論員の高峰は、客観的に言ってスホーイー35の善し悪しは用いて以後やっと分かる、と指摘する。たった24機のスホーイー35戦闘機は、中国には買うことも用いることもでき、その全体性能が中国が購入したスホーイー30戦闘機を超えることは必然なのでなおさらである。さらにはロシアのスホーイー35戦闘機導入で、中国にはもう2つの尋常ならざるな意図がある。まず中国の殲ー11戦闘機の発展の成果を検証する。中国が開発中の殲ー11Dの戦闘機の戦闘指標はスホーイー35S戦闘機に似ているとされる。2つ目は中国の第4世代戦闘機開発の助力とし、特にスホーイー35が装備する117Sエンジンは中国の大推力ターボファンエンジンの開発に対し極めて重要な参考の意義がある。


 スホーイー35のレーダー反射断面積が0.5〜2平方mというのはかなりアバウトですが、仮に0.5平方mならF-16の1/6、F-35の5倍と馬鹿にしたものでもないということになるでしょうか。5倍で圧倒的な差があるというならばF-22とF-35の10倍の差は何なのかということになりますし。中国はまだベクトルノズルでもロシアと大きな実力差があるようなのでその部分でも参考の意義は大きいでしょうね。














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