柄あり手榴弾と柄なし手榴弾はどちらが優れているか

 昔は多かった柄ありが今ではあまり見られなくなっている時点で結論は出ていると思いますが。

http://military.china.com/history4/62/20150519/19710789.html


柄あり手榴弾と柄なし手榴弾の争い:どちらの種類の殺傷効果がより強いか

(頑住吉注:原ページのここにある画像にはキャプションがありませんが、たぶん中国の博物館の展示物でしょう。上の左から4番目は「72式対戦車手榴弾」と表記されてますがどう見ても地雷に近い感じですね。あるいは中国でコピーされたものかもしれませんが日本のもいくつか混じっているようです。)

手榴弾は歩兵に不可欠な武器であり、近距離で敵生体戦力を殺傷しまた武器装備を破壊する爆破型弾薬である。同時に、いくつかの特殊な手榴弾、例えば催涙弾、スタングレネードなどの特殊手榴弾は警察が常用する対暴動型武器でもある。

手榴弾は一般にその外形によっておおよそ柄あり手榴弾と柄なし手榴弾の2種に分けることができ、柄あり手榴弾は一般に木、プラスチックあるいは金属製の柄が付属する。一方柄なし手榴弾には柄はなく、全体が円柱形あるいは紡錘形である。一部のネット仲間は習慣的に柄なし手榴弾を手雷と呼ぶが、実は柄ありだろうと柄なしだろうと、軍隊用語の中では全て手榴弾と総称される。一部の老軍人は柄なし手榴弾を「メロン手榴弾」とも呼ぶ。もしあなたが戦場で敵が「おまえにメロンを味わわせてやる。」と言うのを聞いたら、決して敵があなたに食べ物をくれると思ってはいけない。それは手榴弾を投げようとしているという意味なのだ。近年来、軍事フォーラム上でしばしばネット仲間が、中国軍が今に至るも依然柄あり手榴弾を装備していることに対し不可解さを感じ、柄あり手榴弾はすでに時代遅れで、柄なし手榴弾によって淘汰されるべきだと考えているのを見る。一方一部のネット仲間は国情が異なり、解放軍が依然柄あり手榴弾を装備するやり方には情状酌量の余地があると考えている。本文は柄あり手榴弾と柄なし手榴弾の優劣につき詳細な対比を行っている。この一体「柄あり」と「柄なし」のどちらがより現代の戦争に適しているのかの闘争をご覧いただきたい。

一、構造、コストの対比

柄あり手榴弾は構造上より簡単で、よく見られる国産1967年式重量増加木柄手榴弾を例にすると、その主要な部品は木製の柄、弾殻、保護カバー、点火紐、引き輪、引き火管、導火線、雷管、炸薬などである。こうした部品は多くが鋳造あるいはプレス部品で、例えば弾殻は一般に鋳造である。一部プラスチックの弾殻あるいは薄い鋼板プレス製を採用しているものもある。点火部品は一般に全てプレス部品で、生産コストや生産技術の要求が比較的低く、もし小規模な作業場でも生産でき、戦争中の大規模生産に適する。

一方柄なし手榴弾は構造上相対的にやや複雑だろう。弾殻の技術は柄あり手榴弾と基本的に同じで、信管の構造上ずっと複雑なだけであり、コストも相応に上がる。以下画像のソ連製F-1手榴弾を例にすると(頑住吉注:引用元には画像があったんでしょうがこの記事にはありません)、その信管が基本的に全て機械加工部品で、生産技術に対する要求が比較的高く、専業の兵器工場の中でのみ生産できることが見て取れる。現代の柄なし手榴弾は構造上基本的に第二次世界大戦の時期のものと大差なく、採用される材料と信管の上でやや差異があるだけである。一部の比較的先進的な機種は普遍的にスチールワイヤーの巻き付け、およびスチールボールを採用し、前者は高速破片を半ば、後者は完全に事前に作っておくものである。さらにいくつかのタイプは電子信管等を採用している。

構造上比較的簡単であることと製造コスト上の優勢のため、第一の対決は柄あり手榴弾の完勝である。

二、殺傷効果の対比

旧式な柄あり手榴弾の多くは事前に作られた破片がなく、少数は外面に破片ジャケットを加えていたが、一方柄なし手榴弾は比較的旧式な機種でも鋳造の本体に溝がモールドされ、もって比較的多い破片を生じさせるのに便としていた。以前のいくつかの文章の中でしばしば言及された、爆発すると真っ二つになる木柄手榴弾という言い方は実はいささか言い過ぎで、旧式な木柄手榴弾も実は破片を生じさせることができる。大小が均一でなく、数が少な目であるに過ぎない。一方第一次世界大戦、第二次世界大戦中普遍的に採用された柄なし手榴弾は本体上に溝が刻まれているが、実際に生じる殺傷破片はやはりいくらも多くはなく、破片の一致性も比較的劣った。

今回の勝負の中で筆者は旧式な手榴弾を使用せず、比較的先進的な現代の手榴弾を使用して対比を行う。赤サイドの選手は国産77-1式木柄手榴弾、一方青サイドの選手はスイスのロゲ弾薬技術社が生産する「真珠」型手榴弾である。

(頑住吉注:これより2ページ目)

77-1式木柄手榴弾は我が国が1980年代に定型に至らせ生産し部隊に大量装備した新型手榴弾で、我が国が生産した最後の木柄手榴弾でもある。その基本構造は67式木柄手榴弾と基本的に同じだが、77-1式はA3鋼板の事前に溝が刻まれた弾体を採用し、爆発時弾体は有効破片300個余りを生じさせることができ、その破片の初速は毎秒1,000m以上にも達する。この手榴弾の全体重量は355〜385g、弾体の直径48mm、全長172mm、殺傷半径は7mを超える。

次に青サイドの選手である「真珠」手榴弾のパフォーマンスを見てみよう。この手榴弾はよく見られる鋼板に事前に作られた溝あるいはスチールワイヤーを巻き付けた半ば事前に作られた破片を採用しておらず、独特のスチールボールによる完全に事前に作られた高速破片を採用している。こうした完全に事前に作られた高速破片は弾体内に包み込まれ、しかもさらに顧客の需要に基づいて異なるサイズの破片を使用することができ、全部で6種の異なる寸法の破片を選択に供することができる。破片の直径は1.58〜3mmの間で異なる(頑住吉注:こんな狭い範囲に6種もあるのに意味があるんですかね。せいぜい3種類でいいような気がしますが)。メーカーの宣伝によれば、この手榴弾の威力はその他の同類手榴弾に比べて70%大きく、その貫通力はNATOの4512スタンダード防破片ベストを貫通するに足りる。加えてその比較的軽い重量(330g)があり、兵士はより遠くに投げることができ、より多くの手榴弾を携帯することもできる。

第2回目の対決の中で、柄なし手榴弾はその比較的多い破片と威力をもって辛勝した。

操作性と安全性能

続いて我々は2種の手榴弾の操作性能と安全性能を対比してみよう。柄あり手榴弾は一般に以下のようなステップを使用する。まず手榴弾を取り出し、しかる後に保護カバーをひねって開け、湿気を防ぐ紙を突き破り、引き輪を引き出す。最後に引いて点火して投擲し、あるいは引き輪を投擲手の小指にひっかけ、しかる後に投げ、手榴弾投擲時の慣性を利用して引いて発火させる。平時映画あるいはテレビドラマの中で次のようなシーンを見ることができる。戦闘準備警報が鳴った時、非常に多くの兵士がこぞって手榴弾の保護カバーをひねって開け、陣地の上に起き、敵が突撃してくるやすぐ投弾する。

一方柄なし手榴弾はずっと簡単である。手榴弾を取り出した後、手榴弾と保護レバーをしっかりと握り、安全ピンを抜き、直接投げれば即OKである。操作の便利さから見て、柄なし手榴弾は柄あり手榴弾に比べずっと優越している。

安全性能の上では、柄なし手榴弾は柄あり手榴弾にはるかに勝る。柄あり手榴弾は保護カバーを除きその他のセーフティ装置がほとんどない。もしまず紐を引いてから投擲すれば、投擲前に手榴弾はすでに発火状態にある。一方小指に引き輪をひっかけて投擲すれば、手を出た瞬間に手榴弾はもうすでに点火されている。もし手榴弾に早期発火現象が発生したら、投擲者は軽くて負傷、重ければおそらく命を失う。1967年から1971年までの間に生産された若干ロットの67式木柄手榴弾にこのような状況が発生したことがあり、1名の幹部に障害が残る結果をもたらした。

柄なし手榴弾のセーフティ機構はより完備されている。ソ連製F-1手榴弾を例にする。手榴弾には安全ピンがある他、さらにセーフティレバーがある。手榴弾の投擲前、まず安全ピンを抜くことが必須で、この時セーフティレバーは依然ファイアリングピンの尾部をひっかけて押さえ、それを安全状態に置いている。手榴弾を投げた後、人の手から解放され、手榴弾上のセーフティレバーが回転し、ファイアリングピンとファイアリングピンスプリングに対する制限を解除する。直ちにファイアリングピンがプライマーを打撃し、導火線に点火し、最後にやっと手榴弾は起爆する。手榴弾は手から出た後でやっと点火され、加えてセーフティレバーが回転してファイアリングピンをリリースするまでに依然零コンマ何秒かの時間が必要なため、この時手榴弾はすでに一定の距離を飛び出していて、もし早期発火現象が発生しても、投擲者に対する脅威は相対的に小さい。

当然、柄あり手榴弾の中にもセーフティ機構が比較的完備されたものもある(例えば第二次世界大戦中にソ連が採用したRGD-33攻防両用手榴弾)。一方柄なし手榴弾の中にも簡単な引いて点火する方式を採用したものもある(また例えるならナチスドイツのM-39系列手榴弾)。だがこの2種の手榴弾は非主流の種類に属するため、決して柄ありおよび柄なし手榴弾の代表たり得ない。このため本文はそれを除外する。

上述の原因を総合し、第3の対決は柄あり手榴弾の惨敗である。

四、機能の開拓展開

この話題に至り、非常に多くの読者はいぶかしさを感じるかもしれない。手榴弾にまだどんな機能の開拓展開があるのか? まさか柄あり手榴弾をハンマーに使おうとでも? 当然、もしあなたが意外な爆発を心配しなければ、もちろん柄あり手榴弾を用いてハンマーとして敵と格闘することができる。

第1の開拓展開機能はおそらく最もよく見られるものである。すなわち、手榴弾をひとまとめにくくる、つまりよく言う集束手榴弾である。抗日戦の中で大型武器が欠乏していた中国軍はしばしばこの粗末な武器を用いて日本の侵略者の戦車や構築物に対応した。だがひとまとめにくくった手榴弾は重量の上で余りにも度が過ぎており、一般に投擲することは非常に難しく、多くの状況下での集束手榴弾の使用はほとんど共倒れ戦術同然だった。しかも手榴弾の装薬量は大きくなく、小型の構築物に対応するにはまだ我慢できるものだが、もし堅固なトーチカならば、ちょうどうまく射撃口から入れるしかなく、さもなければ役には立たない。戦車に対応することに関しては、大体はやはりキャタピラやエンジンカバーの爆破である。現代の手榴弾は依然この機能を保っており、例えばドイツのDM51手榴弾数個の弾体を連結して集束手榴弾を構成し、あるいは前後に接続してタンデム式爆破筒を構成することができる。

第2の開拓展開機能は平時ハリウッド映画の中でも見ることができる。手榴弾を用いて地雷に改装するのである。これは手榴弾の第三次産業と評価でき、下の図の中のものは柄あり手榴弾を用いて圧迫により発火する信管を追加装備した地雷である。当然、この種の売買は柄なし手榴弾でも作れ、圧迫あるいは足を引っ掛けることにより発火する信管を追加装備すればもうOKである(頑住吉注:「第三次産業」、「売買」はここでは余技のような意味で使っているんですかね)。

第3の開拓展開機能はよく見るものとは評価されない。銃口に追加装備されたランチャーを用いて手榴弾を発射するのである。このことは柄あり手榴弾と柄なし手榴弾いずれも実現できる。第一次世界大戦の時に早くもイギリス人はこうしたものを使用して「ミルス」手榴弾を発射した。通常手榴弾の底に長い棒をねじ込み、あるいは円形の弾底ネジ蓋を装着し、このようにして気密性を保証することができた。当然、直接発射することもできるが、正確さは保証できない。使用前は注意が必須である。まず空砲弾の使用が必須で、さもないと直接弾丸を用いて手榴弾を撃つことになる。次に手榴弾を完璧にランチャーに入れることを保証するのが必須である。特にセーフティレバーをランチャー内に入れることが必須である。最後に、発射前に安全ピンを抜く必要がある。手榴弾が空砲弾の火薬ガスによって放出された後、セーフティレバーはもはやランチャーによって制限されず、したがってファイアリングピンをリリースし、手榴弾に点火する。

アメリカ人のやり方はちょっと独特である。彼らは手榴弾に尾翼を装備し、しかる後にライフルグレネードとして使用した。当然、使用前はやはり手榴弾を尾翼に取り付け、セーフティレバーを尾翼上の制限溝の中に挿入する。発射プロセスに大差はなく、安全ピンを抜き、空砲弾を用いて発射する必要がある。違うのは、この弾は発射の瞬間にセーフティレバーが外れるのではなく、発射過程の中で慣性により外れるというところにある。

手榴弾使用の上で極めて豊富な経験を持つ解放軍はこの方面でも落伍に甘んじず、95小銃に我が国が生産した手榴弾投射器を装備している。この投射器はイギリス人のものに似ていて、柄あり手榴弾も使用できるし柄なし手榴弾も使用できるというだけである。柄あり手榴弾を使用する時は、引き輪を投射器側面の制限溝内に固定し、投射過程の中で手榴弾はこれが引かれることによって発火する。柄なし手榴弾を使用する時は、セーフティレバーを制限溝内に固定し、安全ピンを抜いた後で発射する。同様にどの種類を発射するにも空砲弾の使用が必須である。また、中国はさらに独特の集束手榴弾投射器を研究開発し、迫撃砲の発射薬包を用いて一度に数発の手榴弾を放出する。

最後の勝負の中で、双方の選手はパフォーマンスが同様にずば抜けており、このため試合は引き分けである。

また、さらに2つの流れ伝わることはなはだ広い噂もちょっと事実確認しておく必要がある。第1の噂は、柄あり手榴弾は柄なし手榴弾に比べて遠くまで投げられ、正確にも投げられる、というものである。我が国の科研部門はかつて非常に全面的な比較を行ったことがある。解放軍にそれぞれ柄ありと卵形を用いて投擲試験を行わせた。試験の結論は、柄ありは柄なしに比べ遠くまで投げられず、柄なしに比べ正確にも投げられない、というものだった。距離は重量によって決まり、正確度は訓練レベルによって決まるのである。試験中ある問題が発見された。軍隊の腕比べはしばしば遠くに投げた者が勝ちとなるが、試合に用いられるのは全て訓練弾であり、後に実弾で試験を行うと、優勝者が投げた手榴弾は基本的に全て落下する時間がなく、遠くまで投げすぎて、直接空中でもう爆発したのである。

第2の噂は、柄なし手榴弾は斜面あるいは屋根の上に向かっては投擲できず、さもないと投擲者のそばに転がり落ちる、というものである。第2の噂は真であり、第二次世界大戦の時ソ連軍は兵士にこのようにするなと注意を促していた。一方柄あり手榴弾にはこの制限はなかった。

解放軍の老兵が柄あり手榴弾をより好んだという説は間違った論である。筆者が接したことのある兵士は皆柄なし手榴弾をより好むとした。何故ならそれは軽く、小さく、携帯と使用がいずれも柄あり手榴弾に比べ便利だからである。

解放軍がまだ柄あり手榴弾を装備しているのは、主に在庫量が多すぎ、すぐには消耗し終わらないからである。加えて現在では大規模な戦争の脅威もなく、勤勉節約という一貫した作風に基づき、依然継続して柄あり手榴弾を使用している。また、解放軍は新型の柄なし手榴弾も装備済みで、例えば82-2式手榴弾である。この性能は国外が装備する手榴弾に決して遜色はない。在庫の旧式柄あり手榴弾が徐々に消耗されるにつれ、どんどん多くの部隊が新型の柄なし手榴弾を装備することになる。


 やはり結局柄なしの方が優れているということのようですな。しかし比較されている特徴はたまたま柄あり、柄なしでそういう特徴のものが多いというだけで本質的なものではなく、劣っているとされた方に優れているとされたものの特徴を盛り込むことも充分できると思われますが。また、斜面あるいは屋根の上に向かって投擲した柄ありの手榴弾が投擲者の方に戻ってこないというのはちょっと納得できません。可能性がいくらか低いだけでは。

















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