ヘーゲル国防長官に「遼寧艦」を視察させた意図は

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/jqsj/063/


中国が遼寧艦を開放したのは艦を見せたのでもあり剣を見せたのでもある

中国がヘーゲルの空母視察を許したことは多くの情報を伝達する

イントロダクション:アメリカの国防長官へーゲルの今回の訪中は収穫がすこぶる豊富だったと言うことができ、中米の「話があれば率直に言う」新型の大国関係を体験する初めての人ともなったし、中国初の空母遼寧艦に上った初の外国人ともなった。だがへーゲルの遼寧艦視察に直面し、各方の反応は必ずしも同じではなかった。誉めるものもけなすものもあり、興奮するものもあれば喪失感を持つものもあった。だがどんな種類の反応も全て、中米関係にすでに厳然と発展変化が発生していることを示している。

中国がアメリカサイドを遼寧艦に上らせたのは「一石三鳥」の挙である

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国空母の非常に長い艱難の道、ついに飛天一躍になる」 「飛天一躍」はどう訳していいのか分からんのでそのままにしますがまあ大体分かりますわな。)

解放軍は苦しんで34年待ち、ついにアメリカに対する「負債」を完済した

1980年5月、劉華清将軍率いる中国海軍代表団がアメリカを訪問し、かつアメリカの「キティホーク」号空母の視察を許された。これは中国人民解放軍と科学技術人員の初めての空母への搭乗だった。艦に上ると、空母の規模、気勢、現代作戦能力は、劉華清将軍に極めて深い印象を残した。劉華清将軍は、空母は中国海軍に不可欠の作戦プラットフォームであると考えた。中国には非常に早くからもう空母建造の計画があったが、資金および技術的条件の制限を受けて、中国の空母の夢は遅々として完成できなかった。だが遼寧艦の就役は、中国にこの空白を埋めさせた。今回アメリカ国防長官へーゲルが遼寧艦視察を提案したのは、アメリカサイドおよび中国サイドいずれにとっても得難いチャンスだった。アメリカサイドにとっては、それは最大限中国初の空母を理解することができるチャンスだったと言える。一方中国サイドにとっては、アメリカへの「人情の負債」を完済することができるチャンスだったと言えるのである。34年の不断の努力を経て、中国は空母の無から有への発展変化を完成させ、同時にゲストからホストへの発展変化も完成させ、その意義は中国にとって無比に重大と言える。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカ国防長官へーゲルの中国空母視察の詳細が明るみに」)

中国の遼寧艦開放は大国の風格をいかんなく見せた

西側世界にとって、中国の軍事力は疑いなく神秘的と言え、まるで一切の装備、技術、人員全てが中国によって「赤い鉄のカーテン」の背後に隠されているかのようである。さらに中国の軍事の不透明さを攻撃するのは、西側メディアの得意とするところである。今回中国がアメリカ国防長官へーゲルに向け遼寧艦を開放したのは、西側メディアを大いに驚愕させたと言え、インドメディアは「へーゲルが遼寧艦に上ったのは破天荒な歓迎の儀式である」とさえ報道した。中国軍は実際の行動を用いて世界に向け責任ある大国にあるべき風格を見せ、中国の軍事の透明度を見せ、同時に西側メディアに有力な反撃を与えたのである。まさに中国国家主席習近平がヨーロッパを訪問した時に、「中国というこの獅子はすでに覚醒したが、それは平和的で、親しみやすく、文明的な獅子である」と語ったようにである。中国人民解放軍も武力の師、文明の師のイメージをもって世界の面前に現れ、世界に、中国の強い軍は決して覇権を争うためではなく、世界平和を守護する重要な存在になるためだ、と知らせることになるのである。

中国、アメリカに向け遠洋海軍の新たな実力を見せる

今回中国軍がアメリカの国防長官ヘーゲルらの人に遼寧艦を開放した程度は非常に大きかったと言え、彼らに飛行コントロール室、飛行甲板、操縦室がある艦橋など多くの重要施設を視察させただけでなく、さらに彼らに向け飛行機の発進とヘリの回収場所、制動ケーブルなど現場の作業状況をデモンストレーションした。また、中国空母将兵が有能でよく訓練されていることもアメリカ国防長官へーゲルおよびその随行人員に深い印象を残した。これら種々のパフォーマンスは中国軍のために栄誉を勝ち取っただけでなく、さらにアメリカに向け中国海軍の強大な実力を見せつけた。周知のように、戦争の勝負を決定するのは単に武器だけではなく、より重要なのは人である。アメリカ空母に比べ、遼寧艦はあんなに大きく、あるいは速くもないが、遼寧艦将兵の軍事的素養と職業精神はアメリカ空母上の同業者たちに劣ることはないだろう。長年の発展を経て、中国海軍はすでに当時の近海海軍から遠洋型海軍に徐々に発展変化している。我々には、中国国産空母就役後、中国の最も先進的な空母の舵を取る将兵は、いかなる敵対勢力も肝胆寒からしめる戦力になると信じる理由がある。

アメリカ国防長官へーゲルが遼寧艦に上ったことは熱い議論を引き起こしている

インドメディア、へーゲルが遼寧艦に上ったことは破天荒な歓迎の儀式であるとする

日本メディア、中国の空母開放はアメリカサイドの疑念をまだ消し去ってはいない、と考える

中国は遼寧艦の開放日を設けて民衆に勇姿を見せるべき

遼寧艦の完璧なパフォーマンスはアメリカがおごり高ぶる元手を打破する

中国軍、剛と柔を併せ持ち、中米の新たな関係を見せる

へーゲルの今回の訪中の旅では、中国の熱情を感じた他、おそらく彼を最も忘れ難くさせたのは、中国軍のかつてない強硬な態度表明である。中央軍事委員会副主席範長竜上将の「中国人民は不満足」から、国防部長常万全上将の「中国は領土を守るためには戦いを恐れない」まで、へーゲル本人もおそらく予想していなかっただろう。彼の日本における過激な言論が中国軍上層部のこのような強い反応を引き起こした。だが中米の軍の上層部がもしこれについて相互に根に持ったら、明らかに両国関係発展の大きな趨勢に符合しない。先にへーゲル一行の人員が遼寧艦を視察することに同意したことは、疑いなく両軍の交際過程の1つの潤滑剤となった。しかも、遼寧艦上の将兵の完璧なパフォーマンスは、中国は平和を熱愛するが、国家防衛の決意もまた絶対に児戯ではなく、解放軍には言ったことの責任を取る能力がある、ということも示した。軍上層部の「剛」と遼寧艦開放の「柔」が一体に結合し、中米両国の「言うことがあれば率直に言い、争っても決裂しない」の新型大国関係が表れ尽くし、同時に中国の大きな胆力と識見、大いなる知恵も充分に体現されている、と言える。

アメリカメディアが遼寧艦をけなすことはアメリカの喪失感を暴露している

かつてはいつも中国は5つの常任理事国の中で唯一空母のない国だった。アメリカメディアが中国がアメリカ、ロシアなどの国の空母を視察したと報道する時は、いつも一種傲慢な語気を帯びていた。しかし遼寧艦の就役と共に、遼寧艦をけなし、疑問を呈する各種の報道が頻繁に出ており、へーゲルなどの人が遼寧艦の視察を終えた後、アメリカメディアは「米軍の将校たちはこの空母には何の意味もないと感じた」とさえ言った。その毒を帯びた語気は人に次のように問いたい気持ちを禁じ得なくさせる。「アメリカメディアはどうしたのか?」と。もし仔細に理解すれば我々が、アメリカメディアのこの種の「毒」が、実は一種の喪失感の表れであると気付くのは難しくない。空母はアメリカの実力の象徴と言えるが、中国の勃興はこの一切に変化を生じさせた。アメリカ人は、中国がその遠洋戦略、アメリカに匹敵し得る艦隊を作り出すことを不断に学習し、アメリカはもはや大洋の唯一の覇者ではなくなる、中国の時代が間もなくやってくる、ということに気付いている。このことから見れば、アメリカメディアのこの種の態度もすぐに理解できるのである。

各視点からの声

趙小卓:アメリカ国防長官の遼寧艦視察は、解放軍近代化の過程を探求することを望んでのこと

アメリカが遼寧艦に対し興味を感じるのは全く不思議ではない。30年余り前から中国は急速に勃興し、中国人民解放軍の近代化は急速に推進されている。西側はずっと中国の近代化推進がどんな程度に到達しているのか知りたがっている。

さらに多くの声

外国メディア:アメリカサイドが遼寧艦に上がった意義は大きくない

日本メディア:中国の空母開放は米軍との対立を避けることを欲したため

アメリカ国防省:へーゲル、遼寧艦将兵の職業を敬う態度を賞賛

金燦栄:中国が自らの宝をアメリカに見せるのは絶対に凄いことだ

新型の軍事関係は中米両国にとって不可欠と言え、中国が遼寧艦を開放したのは中米両軍が信頼を建立する1つの非常に良い要素で、中国がアメリカサイドと新型の軍事関係を建立したがっている誠意を反映している。

より多くの声

香港メディア:中国がアメリカ国防長官が空母に上ることを許可したやり方、疑義に遭う

外国メディア:中国が遼寧艦を開放したのはアメリカに向けての誇示

学者:へーゲルは中国の誠意が見られることを望んだ

ネット仲間の調査

あなたはアメリカ国防長官へーゲルの遼寧艦視察をどう見ますか?

中国の軍事の透明度を充分に説明した 17.18% 142票

アメリカサイドに向け中国海軍の実力を見せた 28.66% 237票

中米両軍のさらなる一歩の交流促進に有利 17.9% 148票

中国がアメリカに向け投げたオリーブの枝(頑住吉注:平和の象徴)である 7.5% 62票

中米の新型の大国関係を体現している 17.78% 147票

はっきり言えない 11.01% 91票

総票数 827票

アメリカ、遼寧艦の搭載機は少なく投射能力はごく限られる、とする

アメリカの安全保障業務ニュースネットは、リニューアル、建造継続された遼寧艦は20機の固定翼機しか搭載できず、一方アメリカの「ニミッツ」級空母は60機の固定翼機を搭載でき、「このためもし2〜3隻遼寧艦のような空母があっても、相当に限られた力量投射能力しかない。」とする。

結びの言葉

アメリカの前国務長官ヒラリーはかつてこう言った。「太平洋は充分に広く、中米両国を受け入れられる」 中国が今回アメリカに向け遼寧艦を開放したのは、正式に中米は敵ではなく友であるべきである、という同じ願いを表明したかったのでもある。だがこの一切は、中国の核心的利益を損なわないという前提を必要とする。中米両国が新型の大国関係を構築するにはまだ非常に長い行かねばならぬ道がある。両国の空母がこの非常に長い道の守護者となり得ることを希望し、広大な太平洋が永遠の太平を享受し得ることを希望する。


 遼寧艦で多くの将兵が訓練され、国産空母が揃った時にはアメリカも無視できない戦力になるとは思いますが、現時点の「遼寧艦」にはさしたる意味はないというアメリカのマスコミの感想はそのまんまだと思いますが、やはりちょっとこの筆者は愛国心が強すぎて、この旧ソ連製中古空母をリニューアルした空母の意義を余りにも過大に評価しており、ちょっと気持ち悪いです。





















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