イランの国産ステルス戦闘機出現 その3

 重複部分も多いですがこれまでで最も詳しい記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20130223/17694702.html


西側、イランの国産ステルス戦闘機に対し驚き、また疑う

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「イランの新型戦闘機『征服者313』」)

最近イランはその国営テレビ局を通じて新型戦闘機「征服者313」の研究開発成功を宣言し、かつ高い調子でこの戦闘機はレーダーの探査をかわすことができるステルス戦闘であると言明した。イランの大統領アハマディネジャドはさらに自らこの戦闘機の発表式に参加した。その後、アメリカ、イギリスなどはイランは決してステルス無人機を作り出してはおらず、さらに発表された飛行の画像は偽であり、画像処理ソフトでの加工を経ているとした。一時、イランが本当にステルス無人機を製造したのか否かが再度人々の普遍的な関心を引き起こした(頑住吉注:何故か無人機となってますがどう考えても間違いです)。

「征服者313」の3大特徴

イランの多くの当局者は、「征服者313」の設計と製造は完全にイランによって完成され、この機は「非常に独特かつ比類のない」先進的外形と構造設計を採用し、エンテ式レイアウトを使用するイラン初の戦闘機である、と言明する。この戦闘機は高度科学技術材料を使用し、レーダー反射面積が非常に小さく、非常に短い滑走路上で着陸と離陸ができ、世界で最も先進的な戦闘機と勝負できる、という。イランはさらに、「征服者313」はすでに何千時間かの試験飛行を行っており、関連の飛行員はこの機の性能に対し満足を表明している、とする。だがイランは決してこの機の詳細な技術的パラメータを発表してはいない。

人々がイランの発表した画像と放送された動画から推断すると、「征服者313」は単座の、亜音速の、かつ一定のステルス能力を持った攻撃機であり、機体は灰色を呈し、外観はモダンで、アメリカ製のF-5「タイガー」戦闘機に似ている。全長は14m、全幅12m、最大離陸重量は12トン前後に違いない。エンジン技術の複雑性とイラン自身の技術的実力を考慮すると、この機のエンジンはミグー29に使用されるRD-33エンジンかもしれない。

「征服者313」には主に3つの大きな特徴がある。すなわち、1つはエンテ式空力レイアウトの採用である。以前のイランが研究開発した戦闘機は全て通常空力レイアウトだった。エンテ式レイアウトの特徴は前翼の重心からの距離が比較的遠く、比較的小さいエンテ翼を採用すればもう充分なモメントが保証でき、したがって構造重量が省略できることである。

2つ目は機の背面に空気取り入れルートを設ける方式を採用したことである。すなわち、空気取り入れ口が機体の上方に位置する。この種の設計のメリットは機体内の有効体積の増加、構造効率の向上、機により多くの任務搭載荷を装備することができるようにすることである。欠点は大仰角飛行時、機体に遮られて空気取り入れ効率が顕著に低下し、このため高速機動する戦闘機には適さないことである。このことから、「征服者313」は一種の小型対地攻撃機に違いないということが見て取れる。

3つ目は比較的多くのステルス設計の採用である。その機体上部および側面には1本のはっきりした側線(頑住吉注:側線というと魚の体の側面にある振動を感知する能力を持った線を思い起こしますが、文脈から言ってここでは傾斜面?)があり、上方および側方から来るレーダーの電波を屈折させるのに用いることができる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「イランは実際には決して先進的ステルス戦闘機を生産する能力を持たない」です。)

西側諸国が「征服者313」を否定する7つの理由

イランのこの驚くべきニュースに対し、アメリカ、イギリスなどの国の一部の専門家は納得せず、イランが発表した「征服者313」は決して実戦に投入できるステルス機ではないと考えている。彼らはこれに対し7つの大きな疑問を提出している。

1.外表面から見て、「征服者313」はアメリカのFー22「ラプター」戦闘機の安っぽいレプリカ、あるいは小型のラジコン模型に過ぎないようであること。その主翼の外側は下に向かって傾斜し、コックピットの設計は簡単で、内部の機器はごく少ない。機が小さすぎるため、見たところプライべート機であって実戦機ではないようである。しかも機首部分が非常に小さく、レーダーは入らないようだ。コックピットは成人の操縦員を収容できないほどに小さい。しかも機は見たところプラスチック製のようだ(頑住吉注:まあ厚く塗装してしまえば見た目で材質を判断するのは不可能だと思いますけど)。

2.「征服者313」はエンテ式レイアウトを採用すると同時に機の背部からの空気取り入れを採用してしまっている。エンテ式レイアウトの優勢の1つは大仰角状態の機動性が良いことだが、背部からの空気取り入れは大仰角機動時の空気取り入れ効果に必ず影響し、その機動性能を制限する。機の背部からの空気取り入れ方式の採用は、通常援護機群がある大型機に適する。小型機がもしこのレイアウトを採用したら、ごく容易に相手に撃墜される。同時にエンテ式レイアウトと機の背部からの空気取り入れというこの相互に矛盾したレイアウトを採用することは、全く人を不可解にさせる。

さらに人を信じ難くさせるのは画像が、この機が何とステルスに対し大いにメリットのあるブレンデッドウィングボディ設計を採用しておらず、その非常に厚い主翼と機体の結合部に巨大な隆起も見られることである。

3.「征服者313」の主翼末端には稀にしか見られない下反角がある。この種の設計は高速性能を強調する機に多用される。しかし高速性能を強調する機は一般に細長い機体、薄型の主翼、超音速空気取り入れルートを採用する。だが「征服者313」の機体は太短く、主翼は非常に厚く、高速性能を強調した設計でないことはごくはっきりしている。このような飛行機の「性能がずば抜けている」ことはあり得ない。

4.イランは「征服者313」の性能はアメリカ製のF/A-18「ホーネット」戦闘機に似ていると言明するが、「ホーネット」戦闘機は決してステルス戦闘機ではない。非常に明確にイランの報道には自己矛盾した部分がある。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「イランは機のステルス設計方面において間違いなくすでに一定の突破に成功している」です。)

5.イランはこれは一種の戦闘爆撃機であり、空中格闘もできるし地上目標も攻撃できると言明している。実際には亜音速機が有効な空中格闘を実施することは非常に難しい。また機にいわゆる「先進的航空電子システム」が装備されているというのも決して事実ではない。そのガラス化コックピットが使用しているのは第3世代作戦機の多機能ディスプレイで、第4世代戦闘機の航空電子システムのレベルには全く達していない。

6.機の画像は撮影時の光線の角度でも主翼の平面の影でも、イランが以前発表した戦闘機の画像に極めて似ており、しかも飛行時の雪山の背景はネット上のイランのダマワンデ峰の画像と非常に似ているが、イランが新型機の試験をこの地域で行ったことはあり得ない(頑住吉注:この項目説明不足のようで何を言っているのかよく分からないです)。

7.イランはかつて何度も自らの「先進武器」を展示したことがあり、アメリカなど西側諸国をひとしきり驚かせ恐がらせたこともある。だが後の事実は真相を明らかにし、イランのいわゆる先進武器の非常に多くは偽で、全く実戦投入できない武器があった。例えば、何年か前イランは自国が製造する「閃電」戦闘爆撃機はアメリカのF/A-18戦闘機と性能が近いが、威力はより大きいと言明した。だが後の事実は「閃電」はアメリカが装備するF/A-18C/Dに比べれば、ほとんど一撃にも耐えないことを明らかにした。

また、人々は普遍的にステルス戦闘機の研究開発は相当に困難であると思っており、現在世界でアメリカとロシアだけが成功裏に試験飛行したことのあるステルス戦闘機を持っている(頑住吉注:、と西側の一部専門家が言っている、という記事ですが、ロシアを入れていいなら中国も入れていいでしょう)。アメリカは世界トップの軍事強国であるが、初のステルス戦闘機Fー117の研究開発から試験飛行成功までに長年の時間を経ており、F-22は十何年かの時間を経ている。同時にステルス機の技術はある国のカギとなる重要技術であって、他国から買って手に入れることは非常に難しい。アメリカの封鎖の下、イランは現有の戦闘機の維持すら問題になっており、世界第3の成功裏にステルス機を試験飛行させた国になるのは非常に難しい。

このため、イランが今回「征服者313」は新世代国産ステルス戦闘機であると発表した時、西側諸国は当然これに対し驚きもし、疑いもしたのである。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「第4世代戦闘機の生産には比較的強い航空工業の基礎を必要とする」です。)

イランの航空工業の能力は決して強大ではない

イランは湾岸の、そしてイスラム教国の中では工業技術が比較的発達した国である。現在イランの航空工業はすでに一定の規模を持ち、かついくつかの機を研究開発、コピー生産している。

イラン空軍が主に装備するのはアメリカ製軍用機である。1979年のイランイスラム革命の前、アメリカ・イラン関係は「蜜月期」だったことがある。当時アメリカはイラン向けに大量の武器装備を提供した。後にアメリカ・イラン関係は急激に悪化し、アメリカはイラン向けにいかなる武器装備および部品も輸出することを禁止し、イラン空軍の実戦機の稼働率および出動率もこれにつれ大幅に低下した。

このため、イランは本国の軍事航空工業発展に努力し、かつ比較的大きな進歩に成功した。最も顕著に示すのはイランの「閃電」国産戦闘機が2007年に空軍に引き渡され使用されたことである。2010年、イランはさらに「閃電」戦闘機を基に改良した「雷電」国産戦闘機を対外的に発表した。同年イランは2本の「先進無人機」生産ラインの稼働を始めた。イランの生産する無人機は長時間探知計測と監視が行えるだけでなく、必要時はさらに武器を搭載して地上目標を攻撃できる。

だが現代の軍用機研究開発は非常に複雑なシステム工程であって、非常に多くの技術学科に関係し、非常に多くの基礎施設を必要とする。しかも軍用機製造業は資金投入の多い、技術的リスクの高い業種であり、現在世界中で独立して先進的戦闘機を研究開発できる国は指を折って数えられるほどである(頑住吉注:例えば日本やインドは含まれないですね)。

イランの軍事科学技術能力から見て、長時間最も先進的な軍事技術を得られなかったためその軍用機研究開発能力は決して強くはなく、いくつかのカギとなる重要システム、例えばエンジン、航空電子システムはまだ国外製品に頼る必要がある。その「閃電」戦闘機はアメリカの1950年代のFー5戦闘機を模倣して研究開発してできたものに他ならない。F-5自体は構造が簡単、技術が掌握しやすいという特徴を持つ。このため、「閃電」の性能も、国際的な第2世代と第3世代戦闘機の間のレベルに近いものになる。イランはそれでも10年を越える研究開発時間を費やしており、その航空技術の基礎が非常に薄弱であることが見て取れる。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「中国はすでにステルス戦闘機を開発する充分な技術的実力を持っている」です。)

計画によれば、イランの第4世代あるいは第5世代の「雷電」でやっとステルス技術が使われる。ごく短い何年かという時間内に第1世代(頑住吉注:文脈から言って第2、3世代では)から第4、第5世代までの躍進を実現しようとしても、イランのような国にとってはほとんど不可能である。

この点に関しては、「征服者313」の特徴からも手がかりが見いだせる。この機のスタイルはデブで、外皮の表面は非常に荒削りで、キャノピーは受け入れ難いほど変形している。コックピット内には非常に多くの正常な戦闘機なら備えることが必須の設備が欠けており、しかも密封が厳密でない。また、以下の3点は特に注意するに値する。

1つ目は機のフライトエンベロープが比較的狭窄で、このため技術と材料に対する要求が比較的低い。これもイラン航空工業とイランの現在の経済、技術的実力に符合する。

2つ目は加工技術から見てその表面の手作業による加工跡がはっきりしており、充分平滑に整えられていない。これはステルス機にとって大タブーである。何故なら1本の合わせ目の閉鎖が厳密でないことでも、ステルス機のステルス性能が幾何級数的に低下する結果がもたらされ得るからである。

3つ目は航空電子システムが極めて簡単なこと。「征服者313」の機首は非常に小さく、提供できるスペースは限られ、その機載レーダーのアンテナの口径は相対的に小さい。小型機として「征服者313」の提供する電力供給もごく限られ、このため機に比較的大きなレーダーが配備されることはない。その探知計測性能と探知計測距離は必然的に限られたものになる。機体に光学ウィンドウがないので、この機には光学探知計測システムは装備されていないことが見て取れる。だが第4世代戦闘機の航空電子システムはいずれも総合処理システム+光ファイバーデータバスを採用しており、電子工業技術に対する要求が比較的高い。イランの電子工業能力が比較的低いことは明らかである。

また技術レベルから見て、飛行コントロール技術の発展につれ、一定の工業能力を持った国がF-22の空力レイアウトに類似し、見たところSF的色彩にあふれた戦闘機を設計することも相対的に容易なものに変わり、このためこの種の外形設計がある国の航空工業の真のレベルを反映することは決してできないのである。

(頑住吉注:これより6ページ目。画像のキャプションは「イランのステルス戦闘機のステルス性能がアメリカのF-117のレベルを超えることはない」です。F-117はステルス性を過度に重視したことが早期退役の原因になったともされ、それを超えないのは当たり前では。)

不断に先進的武器を登場させることはイランの政治的策略である

軍事的実力から見て、イランは60万の軍隊を持つが、この軍隊は実は散漫な武装で、数は多いが質は劣るという問題を抱えている。イランの軍事力は主に正規軍と革命防衛隊からなり、両者はいずれもそれぞれ独自の陸、海、空の3大軍種を持つ(頑住吉注:ナチス親衛隊でも空軍や海軍は持ってなかったですね)。だが近年来イランが行った演習から見て、正規軍と革命防衛隊相互に意志疎通とマッチングが欠けているという欠陥が非常にはっきりしている。イラン空軍と革命防衛隊の戦闘機の数は合わせて260機を超えず、しかも機の年齢は多くが30年を超え、主にアメリカ、ロシア、東欧諸国から導入した中古品であり、これらの機は20年余り前にはとっくに時代遅れだった。イランも自身の空中戦力の真の状況をはっきり知っている。

現在アメリカおよび西側のイランに対する経済、軍事的圧力は日増しに強まっている。特にイスラエルは頻繁にイランに対し武力を行使するとの言論を発している。イランがこの時その「征服者313」を公開したのは、主に政治的および戦略的考慮に基づいてのことである。1つ目はこの機を借りて自らの軍事工業の実力を見せつけ、相手方を威嚇する。2つ目は以後のイラン核問題談判のためのカードを増やす。3つ目は国内人民の自信を高めることである。

今回イランが「征服者313」を公開したのは、まさにそのイランイスラム革命34周年を慶祝する「10日黎明記念活動」の期間であり、この情報の発表もイランがこの活動を記念する重要な内容の1つと見なすことができる。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。7ページ目は「イランのステルス戦闘機は真の意味での第4世代戦闘機とではまだ非常に大きな隔たりがある」、8ページ目は「先進的ステルス戦闘機を製造することは、ある国の総合的国力の体現である」です。)


 まあ西側だけでなくロシアも中国もこの戦闘機に関しては疑問を呈しており、こけおどしの性格が強いことは間違いなさそうですね。













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