韓国の新戦闘機の設計思想は徹底して殲-20を参照している?

 また韓国新戦闘機の話題です。

http://military.china.com/important/64/20120703/17293080.html


韓国メディア、韓国の第5世代戦闘機の設計は徹底して殲-20を参照しているとする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「韓国が先日発表したKFX C200、第5世代機の方案。多くの殲-20と酷似した所がある。」)

【グローバルネット総合報道】韓国の軍事ウェブサイト「Viggen軍事フォーラム」、2012年7月1日発表の文章は、韓国の最も新しく明るみに出たKFX-G5S戦闘機の方案に対し分析を行っている。文章は、もしこの方案が事実に属せば、このタイプの戦闘機は全体設計思想上あるいはすでに徹底してアメリカから中国に転向したのではないかと考えている。KFX-G5S戦闘機が体現する「中国の要素」は主に次の通りである。中国の、ステルスの代わりに機動性を第5世代戦闘機の核心的性能とするやり方を受け入れている。中国が第5世代戦闘機研究開発中に全面的作戦能力追求を放棄し、対地、対艦攻撃を核心とした研究開発内容を見習っている。だが指摘が必要なのは、KFX-G5S型戦闘機に採用されているのは多くがアメリカの比較的古い備蓄技術であり、将来自身の研究開発能力とアメリカの制限というダブルの制限を受け、前途が憂慮されることだ。

まず、KFX-G5S戦闘機は機動性をステルスの代わりに第5世代機の核心的技術の位置に据えた。

今回韓国の軍事ウェブサイト上でで明るみに出たこれらのKFX-G5Sというニックネームの第5世代戦闘機の複数の想像図から見て、外的特性は以前に公開された2種の戦闘機の風格が引き継がれており、信頼度が比較的高い。だが以前明るみに出た方案と異なり、KFX-G5S型機の機体はより多くの新技術を体現しており、これらの新技術の影響は単にこの戦闘機のみに限定されるものには程遠い。

KFX-G5S型戦闘機の明るみに出た画像から見て、この機はロシア製T-50に似た独特の「全動ストレーキ」設計を採用している。もし以前に発表されたKFX200型戦闘機が中国の殲-20戦闘機の空力レイアウトに対する検証だと言うならば、KFX-G5S型戦闘機はすなわちロシア製第5世代戦闘機の機動性能の探求である。だが両者には1つ共通点がある。それはいずれも機動性能を戦闘機のあらゆる性能の首位に置いていることに他ならない。つまり、韓国はアメリカの第5世代戦闘機の模式を打破することを試み、ステルス性に代えて機動性を戦闘機の核心的性能としたのである。このやり方は韓国戦闘機計画がアメリカ製F-22およびF-35戦闘機の難産に焦点を合わせて行った調整というだけではなく、本国の実際の需要に完全に符合する戦闘機を研究開発することを試みているのである。同時に、この挙は戦闘機開発方面でアメリカのコントロールから脱却する試みと見なすこともできる。

戦闘機の発表された順序から見て、「ロシア式」であるKFX-G5Sは「中国式」KFX-G5Sより遅いが、機動性能をメインとする思想が継続されていることは、韓国がすでに基本的に「アメリカ式」、すなわち第5世代戦闘機の研究開発の中におけるステルス性能の過度の追求を放棄したことを事前に示している。一方中国、ロシア両国の第5世代戦闘機のどちらにより前途があるかははっきりしている。これにかんがみれば、韓国は2種の高機動性第5世代戦闘機方案の模索と経験の蓄積を通じ、本国の第5世代戦闘機の発展思想はすでに基本的に確定し、最も主要な技術的参考もアメリカ製F-22、F-35から中国の殲-20に転向している(頑住吉注:えー、何で? 最新案では殲-20よりT-50に近くなってるんでしょ?)。

(頑住吉注:これより2ページ目。なお画像のキャプションは1ページ目の前半のと全く同じ、「韓国が先日発表したKFX C200、第5世代機の方案。」です)

次に、KFX-G5S戦闘機は全面的性能を最も求めることを放棄し、対地、対艦打撃能力をメインにしている

韓国が発表したこれらのKFX-G5S戦闘機の画像の中でもう1つのカギとなる重要な技術的要点は、これまでのいかなる第5世代戦闘機方案とも違って、韓国はKFX-G5S型戦闘機の構想の初めからもう外部吊り下げ搭載を主要性能と見なし、アメリカの第5世代戦闘機のように外部吊り下げを特殊な状況下で止むを得ず取る挙とは見なしていないらしいことである。韓国がKFX-G5S戦闘機のために計画している搭載方案から見て、小型戦闘機としてのKFX-G5Sは内部搭載がない状況下で外部吊り下げポイントは10カ所を超えており、基本的にF-16戦闘機のレベルに達している。もし第5世代戦闘機の、第4世代戦闘機より大きい内部空間がもたらす機内燃料搭載の優勢を再び考慮すれば、KFX-G5S型戦闘機の外部吊り下げ能力はF-16より上に違いない。だが問題は、もしステルス性能がKFX-G5S戦闘機においてすでに核心的性能ではないにしても、大量の外部吊り下げ装備のステルス性能に対する非常に大きな破壊は疑いなく第5世代戦闘機固有の技術的優勢を極めて大きく削減することだ。まさか韓国はこの点に思い至らなかったのか? 答えはノーである。原因は、韓国があるいは受け入れた中国の殲-20の、戦闘機に対する全面的性能追求の放棄という設計思想にある。

アメリカ製ステルス戦闘機の発展を回顧すれば気付くのは難しくない。第1世代のF-117であろうと第2世代のB-2であろうと、ステルス実戦機として、機のその他の性能はいずれも無条件でステルス性能のために道を譲った。第3世代のF-22戦闘機になって、アメリカはステルス戦闘機を各項目の技術性能が基本的にバランスのとれた装備に発展させることを企図した。だがまさにこの普通に見える考え方が、F-22戦闘機に盲目的な全ての追求をもたらし、技術的リスクが大きくなり、コストが高騰し、最終的に戦闘機を「デス スパイラル」に陥らせ、長期にわたり成熟が難しくなった。中国は殲-20の研究開発過程で、最初からステルス性能に対する過度の追求を放棄した。相対的に簡単なステルス技術のみを採用し、同時に殲-20戦闘機に高性能エンジンと空力外形を結合させ、現役の第4世代戦闘機に対する全面的超越が獲得されれば即OKとした。この種の方式は殲-20戦闘機を技術的難易度の比較的低い装備にさせるだけでなく、同時に殲-20を現在世界で最も前途ある第5世代戦闘機開発計画にした。これにかんがみ、韓国は果断に中国の「重点発展、全体向上」という模式を真似、KFX-G5S型戦闘機に標準的ステルス設計を採用することによって、現役のF-16戦闘機に比べステルス性能上明確な向上を獲得させた。他方面では多くの外部吊り下げ架と重点配備された対地対艦打撃武器はこの機を攻撃型戦闘機にもする。だが注意が必要なのは、対地対艦打撃能力を強調した新型戦闘機として、KFX-G5S型戦闘機の仮想攻撃対象はあるいは中朝両国かもしれないことだ(頑住吉注:何を今さら)。

第3に、KFX-G5S戦闘機はアメリカ製の古い備蓄技術を採用しており、将来の発展の前途が憂慮される。

KFX-G5S型戦闘機は全体設計思想上、徐々に中国に接近しつつあるところだが、具体的な技術上は依然止むを得ずアメリカに頼り続けている。KFX-G5S型戦闘機の画像から見て、この戦闘機はアメリカのF-16XL戦闘機に似た三角矢型主翼のレイアウトを採用しており、空気取り入れルートの構造はF-22に類似し、エンジン噴射口部分はF-35に類似している。同時に現在流行のV字型垂直尾翼の設計も使用している。ちょっと見たところではKFX-G5S型戦闘機の空力レイアウトは多くのアメリカ製先端戦闘機にあるポイントを総合したようだが、実際の状況はそうではない。アメリカ製F-16XL戦闘機が採用する三角矢型主翼とロシア製の全動ストレーキ技術は2種の体系下の異なる技術であり、有効に結合できるか否かにはなお多くの変数がある。この他、この戦闘機はアメリカ製F-35、中国の殲-10、殲-20および「梟竜」戦闘機を経て繰り返し有効性が証明されているDSI空気取り入れルートのレイアウトが採用されていない。KFX-G5S戦闘機の全体設計に依然限界があることが見て取れる。だが指摘が必要なのは、KFX-G5S型戦闘機の技術的限界は表象に過ぎず、より深層での制約要素はアメリカ方面の妨害だということだ。そしてこれらの要素はKFX-G5S戦闘機の命運を直接決定するものである。

KFX-G5S型戦闘機が採用しているアメリカ製F-16XL戦闘機の三角矢型主翼を例にすると、この主翼は実際上アメリカがF-16戦闘機の就役中期にこれに対しシステム技術グレードアップを図って研究開発したものだ。後における技術的グレードアップの難易度は予期を超え、また実際の需要に不足であり、深入りしての研究開発はなされず、最終的に技術的備蓄に回された。だが指摘が必要なのはこの主翼がいかに先進的であろうとも、結局は第4世代戦闘機に使われた技術であることだ。これが第5世代戦闘機の需要に対して使えるものなのか否か? 特に第5世代戦闘機は機内弾薬庫を持つことが必須であり、この本来スマートなF-16戦闘機のために研究開発された主翼が第5世代戦闘機の太った機体とマッチングが行えるか否かも語るのが難しい問題である。まさか韓国はより良い主翼の類型を採用することができなかったのか? 答えはノーである。一方において韓国はこれまでに主力戦闘機の研究開発に成功していない国家として全く新しい主翼を研究開発する能力を持っていない。他方面では韓国を全面的にコントロールするアメリカが、韓国国産戦闘機が過度に先進的であることを許さない。単に方案に過ぎないものに関してなら、この点はイスラエルのLavi式戦闘機の悲惨な経歴をちょっと回想するだけですぐ理解しやすくなる(頑住吉注:アメリカが資金提供を打ち切ったことで頓挫。なお、殲-10はこれを基に開発されたとの説もあるそうです)。これにかんがみて、アメリカの古い技術を多く採用した韓国のKFX-G5S型戦闘機は、国内技術の限界とアメリカから圧力を同時に受ける状況にあり、その将来の発展の前途は非常に暗い。


 議論の細部については論評できませんが、あくまで印象として、中国人が、殲-20は無理をせず安全策を取って作ったものだから他国の新世代戦闘機より前途が明るいと考えている、逆に言えばスムーズに完成すれば殲-20より優秀なものになるのが明らかな他国の新世代戦闘機が先進的すぎるがゆえに失敗するのを期待し、韓国の新世代戦闘機に殲-20に似た特徴が表れると大喜びで飛びつき、やっぱり間違っていなかったんだと自分を納得させようとする、そんな心理が伺えます。

 ちなみに、こんなニュースがあります。

http://military.china.com/important/64/20120708/17302819.html

 韓国が73億アメリカドルで60機の欧米先進戦闘機を購入する、というんです。KFX-G5Sとの関係はどうなるんでしょうか。それまでのつなぎなのか、失敗した場合の保険なのか、よく分かりません。












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