「東風-21D」は飛行ルートを変えて迎撃をかわすことができる?

 中国の対空母弾道ミサイルにも「大きな脅威だ」と「大げさに言われているだけ」の2つの見方があります。

http://military.china.com/important/11132797/20130630/17919563.html


アメリカ、中国の対空母ミサイルはすでにグレードアップされている、とする 米軍は戦闘艦を増派して対応する必要がある

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカは意図的に中国の『空母キラー』の威力を誇大に言っている」)

アメリカメディアは最近、解放軍の対空母弾道ミサイルはすでに配備に投入されているだけでなく、すでにパワーアップ型の開発も開始されている、と推測した。将来もし米軍がそれでも空母を中国周辺に派遣して威嚇を行いたいなら、艦載戦術核兵器の準備を整える必要がある、という。だが事実として米軍は意図的に中国の「空母キラー」の威力を誇大に言っており、その目的はその中国周辺に配備される作戦力量を継続して拡充することである。

「東風ー21D」は飛行ルートを変えられる

アメリカのシンクタンクであるジェームスタウン基金会は「中国簡易レポート」で、ずっと外界の関心を集めている中国の東風ー21D対空母弾道ミサイルはすでに配備に投入されている可能性がある、と推測した。そしてこれに続き、解放軍が異なる特徴を持ち、補充作用を果たすその他の対艦弾道ミサイルを研究開発する可能性がある、という。

日本の「外交学者」誌は、大多数のレポート(アメリカ国防省のレポートを含む)は中国の対艦弾道ミサイルの射程は「約1,500km」と見積もっているが、解放軍がすでに海上を移動する船舶を照準しかつ打撃するという難題を解決済みである可能性にかんがみれば、中国はあるいはすでに対艦弾道ミサイルの射程延長を試み始めているかもしれない、とする。

アメリカの海軍戦争学院のウェブサイトは、ひとたび射程がより長い「空母キラー」が登場すれば、米軍の空母戦闘群を用いて中国を威嚇する策略は重大な傷を負うことになる、とする。ここ2年、「ワシントン」号、「カールビンソン」号、「ニミッツ」号空母がいずれも中国周辺海域に出現しており、このことはアメリカ軍が将来3つの空母戦闘群を中国周辺に配置し、もって「緊張した情勢」に対応する可能性をはっきり示している。だが中国の対空母弾道ミサイルの対抗能力にかんがみれば、アメリカ軍の西太平洋への空母配備は脅威に直面することになる。

アメリカのシンクタンクであるエンタープライズ研究所は、中国の陸上基地対空母弾道ミサイルは海上を移動する空母に命中可能であると考える。このことは東アジア海域で活動するアメリカ空母を脅威に直面させる。報道は、この「空母キラー」はさらに飛行方向を変えることができ、これにより迎撃の難しさがさらに加わる、と考える。また、解放軍はさらに対艦巡航ミサイルを発射できる潜水艦、水上戦闘艦、戦闘機を動員して、コンビネーションされた対空母弾道ミサイル作戦を行うかもしれず、アメリカ軍の空母は非常に不利な立場に陥れられる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

米軍には「公然の秘密」がある

事実としてアメリカは中国の「空母キラー」の威力を誇大に言っており、その目的は口実を探してそのアジア太平洋地域における海上戦力の拡充を継続することである。

アメリカの「外交政策」誌は、中国の対空母弾道ミサイルの脅威に対抗するため、ペンタゴンは目標としてより小さい中型および小型の空母の建造を増やし、新型遠距離戦闘機を開発する計画である、とする。また、東アジア海域に配備する3つの空母艦隊の安全を確保するため、米軍はこの海域に配備するより多くのイージス艦を必要とし、かつ東アジア地域で対ミサイルネットワークの構築を継続する必要がある、という。

ロシアの「ペリスコープ-2」誌は、米軍には1つの「公然の秘密」がある、とする。すなわち、あらゆる米軍の空母艦隊は戦術核兵器を搭載している可能性があるというもので、したがって核威嚇力を具備した海上のプラットフォームとなる。ペンタゴンは、中国の対空母弾道ミサイルの脅威を強調するが、その意図は米軍は軽易に艦載核兵器を放棄してはならないのだということを証明することにある。もし解放軍が正確制御誘導武器を用いてアメリカ空母艦隊に脅威を与えたら、米軍はすぐ艦載核兵器を動員して報復が実施できるのである。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

14分間の「追撃戦」

「ペリスコープー2」は、アメリカ軍はそれぞれの中国の対空母ミサイル全てが正確に空母に向かって飛び得ると仮定しているが、現在これはまだ実現できない、と考える。

報道は次のように指摘する。現在世界に1,500〜2,000kmのかなたにある空母を正確にロックオンできるレーダーは1つもない(何故なら空母は不断に移動中だから)。ましてや空母に対する追跡を行うことはできない。解放軍は同時に偵察機、潜水艦、衛星など多種の装備を動員することが必須であり、それでやっとレーダーと組み合わせて1〜2千m離れた空母に対し位置決定が行える。位置決定に成功した後、東風ー21Dミサイルは平均毎秒2,380mの速度で目標に向かい飛行することができる。もし空母が発射基地から2,000km離れていたら、ミサイルの飛行過程は840秒必要となる。米軍の空母の速度は約32ノットであり、この14分以内に空母は完全に目標区から離れてしまっている可能性がある(頑住吉注:32ノットは時速約59km、秒速約16mで、840秒あれば13km以上進むことになります)。

報道は、これは決して中国の対艦弾道ミサイルが空母にとって脅威ではないと言っているわけではない、とする。もしミサイルに核弾頭、大面積殺傷性複数弾頭、電磁パルス弾などが装備されていれば、その脅威は非常に大きく増加する。推算によれば、搭載荷が900kgの東風ー21D弾道ミサイルは大量の子弾頭が搭載でき、その殺傷半径は300〜500mに達し得る。この範囲内に位置する米軍空母の艦載レーダーなどの装備および一部の艦載機は命中を受ける可能性があるが、空母が破壊されることはない。

(頑住吉注:あとのページのキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)


 中国にも対艦弾道ミサイルの威力を誇大にみせかけてアメリカ軍の介入を防ごうとする意図があり、アメリカにも予算獲得のため大げさに言う動機があり、本当のところは実際に使われるまで分からないと思われます。中国には仁愛礁のフィリピンの上陸艦を東風-21Dで破壊しろなどという過激な意見もありますが、まさか実行はしないでしょうし仮に実行して命中しても静止目標に対してですからね。もちろん静止目標でも命中できなかったら移動する空母にはまず命中しなさそうだと判断できますが。

 対艦弾道ミサイルではありませんが中国のミサイルに関する記事をもう1つ紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20130630/17919632.html


外国メディア、中国の先進ミサイル群はアメリカのパトリオットミサイルを迎撃不能にさせる、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「韓国の『国防時代』の報道によれば、韓国が軍事的に周辺国に対する抑制を行いたいなら、周辺国の遠距離打撃手段(例えばミサイルなど)に対する迎撃能力を持つことが必須である。外界の想像と異なるのは、韓国が北朝鮮の戦略ロケット軍を深刻な脅威と見ているだけでなく、中国の第2砲兵隊も『潜在的防御対象』としていることである。」)

「パトリオット」は中国の第2砲兵隊を防ぎ難い

最近、韓国は北朝鮮の中、近距離弾道ミサイルの脅威に照準を合わせ、一段と力を入れて「韓国型ミサイル防衛システム」(KAMD)を構築し、かつ力を尽くしてアメリカから陸上基地型パトリオットPAC-3末端段階対ミサイル迎撃システムを導入している。だが「国防時代」は次のように指摘する。パトリオットPAC-3は最後の突入段階に入った来襲する弾道ミサイルにしか対応できず、大気圏外迎撃ネットワークを形成することはできず、例えば中国の第2砲兵隊のような、膨大なミサイル群を使い、かつ分離誘導式多弾頭攻撃技術を持って武装している「戦略の師」には対応できない。

韓国の保守派の軍事専門家はさらに次のように指摘する。中国はすでにミサイル弾頭のレーダー乱反射面積(RCS)を縮小する電波吸収材料技術を掌握しており、第2砲兵隊がすでに「隠蔽防御突破」機能の高い新式東風系列ミサイル発射能力を持た後では、パトリオットPAC-3システムが装備するようなフェイズドアレイレーダーはリアルタイムに追跡することはできない。中国がひとたびベクトルコントロール技術を利用してミサイル弾道の中段の飛行ルートを改変したら、パトリオットPAC-3の迎撃はさらにお話にならなくなる。

パトリオットPAC-3は北朝鮮の戦略ロケット軍に対応できるのか? 「国防時代」の答えは否定的のようだ。ひとたび北朝鮮が華城-6号、ノドン-1号などのミサイルを集中発射する「飽和攻撃」の手段に出たら、パトリオットPAC-3を核心とするKAMDシステムも同様に万全を確保し難い。北朝鮮は主に、ミサイルに大規模殺傷性弾頭(WMD)を搭載して人口密集区を攻撃する手法を用い、戦時にもし1発のミサイルがソウル、仁川などの大都市に落ちただけでも、壊滅的打撃をもたらすに足りる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

韓国軍の対ミサイルは「ツーステップ」

理解されているところによれば、韓国軍は「ツーステップ」の策を取り、KAMDに周辺のいかなる「ミサイルの脅威」にも対応できる能力を持たせようと努力しているところである。

一方において韓国国防科学研究所(ADD)はまさに一段と力を入れて遠距離高空制御誘導武器(L-SAM)を試作しているところである。その目標は高度60km以上の高速目標の迎撃で、しかも1回の作戦の迎撃数はアメリカのパトリオットPAC-3に比べ4倍に向上するというもので、ADDはL-SAMは「東アジアのパトリオット」だと自慢している。

別の方面では、より有効な大気圏外対ミサイルシステムを狙い、韓国国防事業庁はイスラエル航空機工業社(IAI)が研究開発したアロー-3システムの導入を追求しているところである。アロー-3はイスラエルの最も先進的な弾道ミサイル防御兵器で、迎撃弾は2段タンデム式ロケットエンジンを採用し、その前に就役したアロー-2に比べより遠くが打撃でき、かつ中距離弾道ミサイルを打撃する能力を持つ。

韓国連合参謀本部もアロー-3がKAMDシステム建設により適した総合的な目標であると考えている。1つには韓国はすでにイスラエルから「ターコイズ」レーダーを導入しており、もしアロー-3を購入したければ、直接このレーダーを基礎に「スーパーターコイズ」をグレードアップすることになり、技術的実行可能性でもコスト的メリットでも適している。もう1つはアロー-3はすでにイスラエルで配備が終わり、かつ実戦経験を経ている。さらに韓国が、アメリカではなくイスラエルのミサイル防衛システムを導入することによって、韓国がアメリカの「対ミサイル同盟」に加入するのではないかとの中国の心配を解消できるからなおさらで、「両方怒らせない」が達成されるのである。


 どんなに金をかけても中国が本気で行うミサイル攻撃を防ぎきるのは難しいとはいえ、日本もこの方面でもっと努力する必要があるでしょう。


















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