「利剣」無人機初飛行

 中国初のステルス無人機の初飛行成功はやはり大きな話題になっています。

http://military.china.com/important/11132797/20131121/18165997.html


「利剣」ステルス無人機には弱点がある 艦載型は技術的難関に遭遇することに

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「最近、あるネット仲間が中航工業沈陽飛行機設計研究所によって設計され、中航工業洪都社が製造した国産『利剣』無人作戦攻撃機が、西南の某試験飛行センターで成功裏に初飛行を完成させる一組の画像を発表した。」)

「利剣」ステルス無人機を簡単に分析:尾部噴射管が弱点、艦載は1つの方向

紅岸

中航工業によって設計、製造された「利剣」ステルス無人機は2012年12月13日に組立を終えてラインを降り、今年5月からメディアは「利剣」無人機が地上滑走試験を開始したとの情報を明らかにした。今回の初飛行成功は我が国が無人機ステルス技術において一定の進展を取得し、未来の空対地打撃手段が多様化に向かうことを示している。

外形から見て「利剣」無人機は巨大な翼のようで、翼と機体は融合し、かつ移行ははっきりしておらず、ダッソー社の「ニューロン」、米軍のX-47Bに比較的似ている。X-47Bは全翼、背部からの空気取り入れというレイアウトを採用し、この空力設計は飛行機のステルス性能の向上に有利で、現在全世界の主流ステルス無人機プロジェクトはほとんど全て類似のレイアウトを使用してステルス目的を達成している。このことは、F-117が明るみに出て以後、全外形レーダーステルス技術がすでに徐々に成熟を開始し、かつ無人機プラットフォーム上に応用されていることを反映している。

沈陽飛行機などの機構は10年前にもう無人機ステルスと関係のあるプロジェクトを始動させ、無人機の乱反射源およびその特性を重点的に研究し、これには探知計測性の低い組み合わせ、電波吸収材料などが含まれた。ステルス技術という角度から見ると、「利剣」無人機の主要な乱反射源は主翼構造と尾部噴射口に集中している。背部からの空気取り入れは非常に大きな程度上、空気取り入れルートと関係のある回折と乱反射を低下させている。垂直尾翼と機体の角乱反射、鏡面乱反射はなくなっている。一方尾部噴射口にはほとんどいかなる処理も行われておらず、完全に外部に暴露している。これと比較されるX-47Bや「ニューロン」などはいずれも尾部噴射口に対し処理が行われ、赤外線の輻射を下げている。

空力外形によるステルスの他、電波吸収材料もステルスを実現するカギとなる重要な道である。初期の電波吸収技術は、例えば機体の表面に酸化鉄を混合したが、現在は基本的に全て複合体ステルス塗料を使用し、レーダー波を吸収する周波数帯をより幅広くしている。無人機ステルス技術は多くの学科に関わり、もし空力設計が要求に達しても、技術が難関を突破せず、あるいは電子技術に欠陥があれば、いずれも全体的効果に影響する。これはちょうどレーダー反射面積が漁船サイズの護衛艦でも、赤外線輻射あるいは輻射騒音は依然元のままで、ステルスを実現できないようなものである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは1ページ目と同じです。)

「利剣」無人機に関して言えば、初飛行成功後は強度がより高い試験飛行が行われることになり、飛行コントロールシステムが徐々に完備されたものになった後は艦載型の研究開発が可能だが、空母上への降着は艦載固定翼無人機最大の技術的難題であり、より信頼性が高く、先進的な正確着艦システムを必要とする。艦に搭載された後の「利剣」無人機は有人戦闘機と混成編隊を組み、艦載機連隊の監視、偵察、情報収集や打撃能力を向上させることができる。

「利剣」無人機が就役すれば我が軍の打撃手段を極めて大きく拡張展開することになり、偵察、目標指示、対地攻撃などの任務が執行できる。2011年のリビア戦争がまさに1つの例で、無人機は4割近い打撃任務を引き受け、敵サイドの目標と施設を正確に打撃するのと同時に人員の死傷も避け、コストが低く、効率が高い特徴は未来の戦争をほとんどゲームをするようなものにし、このため「遠隔戦争」という言い方もある。湾岸戦争の期間、多国籍部隊は大量の無人機を動員して目標監視、座標捕捉、戦場管理および評価を行い、戦場の情報総数の8割前後を占め、特に対テロ行動の中で、正確制御誘導武器を搭載した無人機は、テロ分子の頭目を発見した後直ちに行動を取ることができ、その他の空中プラットフォームを呼んで目標に対する打撃を行う必要はなく、情報の時間的有効性を向上させた。

無人機プラットフォームの応用から見て、艦載ステルス無人機は1つの重点的発展方向である。空母プラットフォームによってさらに一歩固定翼無人機の作戦半径を開拓展開することができる。X-47Bを例にすると、作戦半径は2,800kmに到達し、空中給油能力を持ち、戦術目標ネットワーク、データリンクの枠組みの下で遠距離パトロール、警戒、攻撃任務を担うことができる。「利剣」無人機に関して言えば、初飛行成功後は強度がより高い試験飛行が行われることになり、飛行コントロールシステムが徐々に完備されたものになった後は艦載型の研究開発が可能だが、空母上への降着は艦載固定翼無人機最大の技術的難題であり、より信頼性が高く、先進的な正確着艦システムを必要とする。艦に搭載された後の「利剣」無人機は有人戦闘機と混成編隊を組み、艦載機連隊の監視、偵察、情報収集や打撃能力を向上させることができる。(筆者は大公軍事評論員) (頑住吉注:最後が繰り返しになってますが、たぶん元の記事では最初に出てきた方はキャプションだったんじゃないですかね。)

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「状況がどうあろうと、「利剣」は決してX-47Bに比べいくらも立ち後れてはいない」です。)

小飛猪

利剣は我が国が研究開発する新世代のステルス無人作戦機であり、この機は全ステルス設計を採用し、ステルス性能が良く、比較的強い防御突破能力を持つ。

我々は、現代の防空システムは探知計測範囲が大きい、攻撃能力が強い、制御誘導精度が高い、反応が迅速であるなどの特徴を持ち、防御を突破する作戦機にとって比較的大きな脅威を構成している、ということを知っている。このため現代の作戦機にとって、このような先進的な防空システムを突破したければ、最も徹底した方法は相手方のレーダースクリーン上から消失することだと言える。このようにすれば相手方はもう自分に対し攻撃を行うことはできず、非常に大きく作戦機の生存能力が向上する。

ステルス作戦機は性能が良く、防御突破能力が強いが、価格が非常に高く、特にステルス爆撃機だと、アメリカのB-2ステルス爆撃機の単価は20億アメリカドルを超え、このため他の国は無人ステルス作戦機を開発してステルス打撃任務を執行するしかない。無人ステルス作戦機は搭載荷、航続距離、作戦半径などの方面で、当然B-2と比較できないが、価格、使用の費用はずっと安いだろう。またこうした国はアメリカ空軍のようにグローバルな作戦任務を執行する必要もなく、このためこうした欠点は受け入れられるものでもあり、これは我が国がステルス無人作戦機を開発する理由の1つでもある。

外形から見て、利剣は無尾翼全翼+機の背部の空気取り入れルートの設計を採用している。これは無人ステルス作戦機の特徴的な設計である。全翼式レイアウトは比較的良好にステルス、航続距離、搭載荷など多方面の性能を併せ配慮することができ、メリットには主に次のものが含まれる。ステルス性能が良好。全翼式レイアウトは垂直尾翼と水平尾翼がなく、機の重量を軽減でき、同時に機体の断面が翼の形に近く、はっきりした境界がなく、比較的良好に一体に融合し、全体表面が平滑、スムーズで、機のステルス性能を顕著に増強している。航続距離方面では、全翼式レイアウトは亜音速の条件下で抵抗が比較的小さく、巡航時の揚力:抵抗比が比較的高く、このため航続性能が良く、同時に機の搭載荷を増やし、機が比較的強い攻撃能力を持つことも保証できる。背負い式空気取り入れルートのメリットは機体の容積を増加できることで、構造効率も比較的高く、このことは体積が限られた無人機にとって非常に重要と言える。また無人作戦機の多くは高空防御突破技術を採用し、機体が地上のレーダーに対する遮蔽物を形成し、直接空気取り入れルートを照射できなくさせる。背負い式空気取り入れルートにさらにS字型処理と空気取り入れルートのグリルなど技術を組み合わせれば、さらに一歩機のステルス能力を向上させることができる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「アメリカ製X-47B無人機の艦上試験」です。)

関連の画像から見て、利剣が使用するのはRD-93エンジンのようだ。このためそのサイズ、トン数はロシアのシビレエイ無人機と大差ないはずだ。主要な技術指標もいくらも差がないと見られる。シビレエイが採用するのも同類型のエンジンで、最大離陸重量はおよそ10トン、航続距離4,000km、作戦半径は1,200km、搭載荷は2,000kgである。

利剣の研究開発成功は我が国空軍の防御突破能力を有力に向上させる。1,000kmの作戦半径をもって計算すると、すでに第一列島線を作戦範囲に収めている。このようになればこの機は相手方が第一列島線内に配置した重要目標、カギとなる重要なポイントに対する攻撃が行える。例えば日本は少し前、宮古島に対艦ミサイルを配置し、我が国の北方海域から太平洋に進出する重要ルートの封鎖を企図した。ならば戦時において我が国は利剣を派遣してこうした対艦ミサイル陣地に対し攻撃を行うことができる。このようにすれば相手方の防御に対する圧力も増加するし、有人作戦機を派遣して作戦コストの増加がもたらされることも避けられる。

当然我が国にとって発展の目標が第一列島線に決して限られないということははっきりしている。このためステルス能力がより強いステルス作戦機が必要であり、このため将来は利剣の技術、経験の上に、国産ステルス爆撃機を研究開発し、もってさらに一歩我が国空軍の遠距離打撃能力を向上させることができる。(筆者は大公軍事評論員)

(頑住吉注:5ページ目)ネット上に流れ伝わる国産「利剣」無人機の画像

(頑住吉注:6ページ目)「利剣」無人機

(頑住吉注:7、8ページ目)初期に明るみに出た利剣無人機の機体のディテール


 これまで地上滑走から初試験飛行までは数日しかかからない機が多く、一方この機は約半年かかっており、全翼ステルス無人機の難度の高さがうかがえます。数日:半年の比率で今後の試験飛行期間も長く必要とされるとは限りませんが、例えば殲ー20は初飛行からもうすぐ3年になるのに実戦化にはまだしばらく時間がかかりそうで、「利剣」が実戦化されるまでには少なくとも数年はかかると思われます。しかし宮古島が史上初めてステルス無人機による攻撃を受ける場所になる可能性も確かにあるわけです。














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