スコルペヌ級潜水艦の秘密漏洩はどれだけ大事か

 もうインドが購入数を減らすかなんていうニュースも出ているようですが。

http://military.china.com/news2/569/20160902/23455730.html


陳虎:スコルペヌ級潜水艦の秘密が漏洩 この件は一体どれだけ大きいのか?

最近、フランスのスコルペヌ級潜水艦の技術資料が漏洩したことに関するニュースが広範な関心を引き起こしている。フランスのスコルペヌ級潜水艦はフランスの最も先進的な通常潜水艦で、国際兵器市場での成績も素晴らしく、以前インドがこの潜水艦を購入している。オーストラリア次世代潜水艦の競争入札の中で、スコルペヌ級潜水艦は基本的にこれに勝利している。マレーシア海軍もスコルペヌ級潜水艦を購入するか否か深く検討しているとされる。

こんなにも人気の通常潜水艦に、突然秘密漏洩事件が出現したのであり、皆こぞって関心を注いでいるのも不思議はない。スコルペヌ級潜水艦の秘密漏洩というこの事件は、スコルペヌ級潜水艦を使用する海軍にどのくらい大きな影響をもたらすのだろうか?

潜水艦といったような作戦プラットフォームでは、その秘密漏洩事件は基本的に2種類に分かれる。1つは技術上の秘密漏洩である。主に生産、研究開発サイドの技術的コツあるいは技術設計の中のいくつかのカギとなる重要なものが流出し、もたらされる直接の結果は他人がその中の設計思想、具体的技術措置を吸収できる、というものである。もう1つはデータ性の秘密漏洩である。主要な影響は使用サイドの底が見透かされ、将来の作戦でしてやられる可能性があることである。

今回のスコルペヌ級潜水艦の秘密漏洩の状況は見たところ主に後者に属し、戦術技術データの秘密漏洩である。

それぞれの機種の武器装備には全てそれなりの長所があり、弱点もある。技術データの秘密漏洩は、非常に容易に相手方に技術的弱点を探し出し、この技術的弱点を根拠に、専門にいくつかの相応の技術を設計して対応させる。言い換えれば、このようなデータの秘密漏洩は、相手方の対潜に有利な条件を提供するだろう。

歴史上かつてこのような事例が発生したことがある。

例えば第二次世界大戦時の日本の零式戦闘機は、戦争に投入されたばかりの時は非常に凄かったが、後に技術性能、技術的構造などのデータに秘密漏洩が出現した(頑住吉注:アリューシャン列島で不時着した零戦がほぼ無傷で米軍の手に落ちた件ですね)。米軍はこうしたデータを手にした後、零式戦闘機には非常に大きな弱点があることを発見した。この機は機動性と敏捷性を保証するため、構造設計上一部の強度を犠牲にしていたのである。この弱点に照準を合わせ、高速急降下の方法を用いて零式戦闘機の攻撃を避ける戦術が、空戦の態勢を逆転させた。実戦の中で、この戦術は零式戦闘機を大いに苦しませ、甚だしきに至ってはある零式戦闘機には高速急降下で相手方を追跡している時に強度不足で解体する事例が発生した。

これは潜水艦に対しても道理と言え、例えば水中持続潜航時間の秘密漏洩は、相手方に某ポイントで潜水艦を発見した後、持続潜航時間を根拠に「丸」を描かせることができる。ひとたびこの「丸」を超えたら、直ちに潜水艦は頭を露出して換気する必要があると判断でき、相手方はさらに一歩の捜索、位置決定を行い、攻撃を発起することができる。

だが、スコルペヌ級潜水艦の秘密漏洩というこの件の影響は、本当にこんなに大きいのか否か? 実は必ずしもそうではない。何故ならある優秀な武器装備は、各方面の設計が相対的にバランスがとれたものであって、一部のデータの秘密漏洩が必ずしも相手方にそのいわゆる致命的欠点を探し出せ得るようにはさせない。

また、スコルペヌ級潜水艦は国際大市場に出されて販売されているものである。販売したければ、装備展に出す必要があり、質問する側のために大量の相応の技術パラメータを提供する必要がある。およそ国際市場で販売されている潜水艦、特に販売状況が素晴らしい潜水艦の、いくつかの基礎戦術技術データは、基本的に人々は皆知っている。

また、ある新型潜水艦の出現後、その関連の技術データは、非常に多くのルートを通じ全て分析、研究判断できる。

このため、スコルペヌ級潜水艦のこのようないわゆる秘密漏洩は、それが大事だと言えば小さいことではないかもしれないが、小さな事だと言えば、あまり大きなことではない可能性もある。ならば何故こんなにわいわいがやがやと騒ぐ必要があるのだろうか?

この件は騒ぎ立てる人全てにそれぞれのけちなそろばん勘定があると推測してもかまわない。例えば、フランスのメーカーの一種の広告行為ではあるまいか? いくつかの本来もうすでにほとんど公開されている資料を放出し、しかる後にメディアを利用して騒ぎ立て、生きた広告とするのである。

また、技術的ライバルが、わざとフランスのメーカーを貶めた可能性はあるか否か? 彼らは競争に敗れた後、手段を通じてこうした戦術技術データを獲得し、しかる後にそれを公開し、スコルペヌ級潜水艦を買おうと思っている買い手に嫌わせようとしているのではないか。

もう1種類ある可能性は、この事件を利用して某いくつかの特定の国に照準を合わせ、「顔に泥を塗る」式の騒ぎ立てを行う、というものである。いくつかの国外メディアにはこの事件を騒ぎ立てる時、すでにこの種の芽が出現している。

外国メディアはスコルペヌ級潜水艦のデータ漏洩は使用サイドに損失をもたらすと仮定しているが、皆は秘密を盗んだ者は誰だと推論しているのか? そこでひとわたり合理不合理の推測を経て、中国が最大の利益獲得者かもしれないと推測する。続いてさらに一歩の推測に延伸するかもしれない。すなわち、中国のスパイがやったのか否か? 中国のハッカーがやったのか否か? 強引に中国の顔に泥を塗るのである。

現在メディアの各種報道が全てあるが、中国の顔に泥を塗るこの種の趨勢は警戒に値する。この技術データの秘密漏洩は、まだわいわいがやがやと騒ぐことができ、おそらく某一部の人の心中には別の心づもりがある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スコルペヌ級潜水艦(資料画像)」)


 いくら何でもメーカーがやったというのは無理あるでしょうし、「中国の顔に泥を塗る」ことを批判しながら明らかに遠回しに日本がやった可能性を匂わせようとしてるのもどうかと思いますね。

















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