日中関係論2題

 全く方向性の違う2つの記事をまとめて紹介します。

http://military.china.com/critical3/27/20131209/18204782.html



ネット仲間:中国が日本に対し仇討ちを語るのは幼稚でお笑いだ (頑住吉注:次にスラングが続いていますが意味不明です)

いわゆる復仇に関し、非常に多くの中国人には誤った考えがある。それはまるで第二次大戦の件につき日中間に断絶がなかったかのように考える誤りである。実はこれはあいまいにされた部分なのである。

1945年第二次大戦が終結した時、中華民国は戦勝国として、すなわち連合国と共に日本に対する戦争の精算を開始した。精算されたからこそ、1948年の東京裁判があったのである。戦争の賠償と両国の講和条約はずっと棚上げ状態で決まらなかった。何故なら蒋介石があの時まさに内戦の事で忙しかったからである。だが国際社会が中国の内戦終結を待ってやっと戦後の国際秩序の正常化を開始するというのは不可能で、だからこそ1951年の「サンフランシスコ講和条約」があったのである。誰も中国を代表してサンフランシスコ講和条約の署名に参加しなかったため、日本政府は中国と講和条約を結んで両国の戦争状態を終わらせることを希望した。当時の日本の首相吉田茂は新たに生まれた中華人民共和国政府と講和条約を締結することを希望したが、当時の国際情勢およびアメリカの中国に対する態度にかんがみれば、不本意ながら蒋介石の台湾中華民国政府と慌ただしく「華日合約(頑住吉注:「日本国と中華民国との間の平和条約」)」を締結するしかなかった。蒋介石は戦争の賠償を放棄した。ここに至り、両国の精算は終わりを告げ、さらに復仇を語ることはできなくなったのである。その後は、新たにして正常な両国関係の開始である。

1949年の中華人民共和国の成立こそ中国を代表する唯一の合法な政府であり、しかも我々は「サンフランシスコ講和条約」も承認していないのであるから、我々と日本の間の恩と仇はまだ終わっていないのだ、と言う人がいる。OKである。ならば1972年になって中日が国交を樹立し、相互に承認し、さらに1978年に「日中平和友好条約」を締結し、中国が再度正式に戦争の賠償を放棄したことはどうか。中日両国の第二次大戦に関する恩と仇はすでに完全に精算されているのである。新たな型の国家関係の建立を開始してこそ、一衣帯水(頑住吉注:ごく狭い水で隔てられた近い関係)の友好な隣国があるのであり、それでこそ両国人民の代々続いていく友好があるのである。周恩来は大政治家であり、彼の教えと導きは深思熟慮を経たものなのである。

今では戦争終結からすでにもうすぐ70年であり、中日両国関係正常化からもすでに40年近くなる。再び復仇など持ち出すのはひどく幼稚で可笑しいではないか!

釣魚島に関し、中国政府が当時のサンフランシスコ講和条約を承認していない以上、事実として琉球群島および釣魚島の信託統治すら承認していないのであり、それでもまだ何の「島購入」を心配するのか? 「島購入」とは一体誰が誰の島を購入するのか? だから中国が急いで釣魚島問題を解決する必要は全くない。ケ小平が言ったのはごく正しい。すなわち後の人に残す、である。後の人とは誰か? これがカギとなる重要な問題である。


 最後の部分だけいまいち何が言いたいのか分かりませんが、非常に冷静で論理的な主張です。しかしこれは法的、政治的な問題の解決の話であって、「恩と仇」といった感情の問題が解消されないのはある意味でやむを得ないことでもありますね。ちなみに、

http://military.china.com/critical3/27/20131211/18209899.html

 アホらしいんで訳しませんけど「時は来た! 中国は日本に対し改めて戦争の賠償を提起すべき」なんていうことを公然と主張する人もいます。

http://www.junshi.com/wangshangtanbing/112254/


専門家:日本が根本的に憲法を変える前に中日に戦争が勃発する可能性は高くない

ある人は安倍晋三は「右翼首相」だと言う。事実としては、「右翼」より「鷹派」の言葉を用いて今日の安倍晋三を形容する方がむしろより適切である。「右翼」は日本国内外で常に熱狂と理知なき者の代表であるが、安倍晋三の種々の言行は、明らかに激情あるいは個人的好悪に源を持つのではなく、目的があり、ステップを踏んで日本を隣国に挑戦する「鷹派」路線に連れて行っているのである。

中日関係の雪解けにどんどん逆行

劉江永教授は「グローバル人物雑誌」記者に、安倍晋三およびその顧問たちが現在このように勢いづいているのは、アメリカの威を借りてのことだ、と教える。アメリカは日本の遠縁の親戚と言え、一方中国は日本の最も重要な隣人のはずである。日本はかつて中国に師事したが、安倍晋三は「遠くの親戚より近くの他人」というこの中国で千年流れ伝わっている道理を理解せず、頑として過激な挙動をなしている。

グローバル人物雑誌:総括をお願いしたいのですが、安倍晋三が再度の就任以後推し進めたのはどのような対中政策なのでしょうか?

劉江永:総体として、安倍晋三は再度就任して以後、緊張を作り出す対中強硬政策を推し進めてきたのだと言えます。具体的に言うと、まず釣魚島問題で領土をめぐる争いを認めない態度を採った他、さらに狙いを持った防衛大綱をを制定し、かつ軍事演習を強化しました。第2に、戦争観と歴史観の上で、民主党政権に比べ深刻に後退し、中日間の新たな矛盾を引き起こしました。閣僚の靖国神社参拝を容認した他、彼はさらに日本の内閣の通常の慣例を打破し、執政一年来、日本が歴史上隣国にもたらした傷害に対し一度も正式に態度表明したことがありません。第3に、安倍晋三は内閣改造後、何度かの重要な国会演説の中で、中国と北朝鮮を並列で日本が直面する国際情勢緊張の外的要素と見なしています。中国に対するこのような位置付けの両国関係に対する傷害は極めて大です。

グローバル人物雑誌:安倍晋三の対中国政策は中日関係にどのような影響を生じさせるのですか?

劉江永:野田佳彦政権時期(2011年9月から2012年12月)、中日両国は元々日本のいくつかのやり方ゆえに関係がよくありませんでした。ですが安倍晋三就任から1年以来の対中国政策は中日両国関係の雪解けを実現しなかっただけでなく、逆に両国関係の「雪」をどんどん厚くし、両国関係が全く進展しないだけでなく、悪化が継続する可能性があります。このことは中日両国の発展と地域の安定いずれに対しても非常に不利です。

グローバル人物雑誌:安倍晋三の真の目的はどこにあるのですか?

劉江永:安倍晋三は中国の「脅威」を強調しており、また釣魚島問題の上でもその対中政策を推し進めており、その真の目的はいずれも日本の憲法を変えて第二次大戦後の日本に対する種々の束縛を打破することです。これが安倍晋三の最大の政治目標だと言うことができます。

グローバル人物雑誌:安倍晋三の計画は実現し得るのですか?

劉江永:実は歴史を振り返って見るといくつかの規則性に気付くことができます。40年余り前、佐藤栄作が日本の首相を担当していた時、アメリカと非常に親密で、中国を脅威と見なし、中国が国連の中での合法な地位を回復するのに反対しましたが、国際情勢が静かに変化していることを知りませんでした。ニクソンは1969年にはまだ佐藤栄作に向け日本と手を携えて中国に対処することを保証していましたが、ほどなくアメリカは日本を飛び越し、ニクソンが中国を訪問しました。このことは佐藤栄作に対し深刻な打撃をもたらし、彼はすぐ政権の座から降りました。その後田中角栄が素早く中日関係正常化を実現したのです。

(頑住吉注:これより2ページ目)

安倍晋三は今当時の佐藤栄作とある一点でよく似ています。それは国際情勢を誤判していることです。再バランス化とアジア太平洋地域回帰というこの2つの政策はアメリカにとってすでに長年の古い事柄と言えます。アメリカは決して中国との対抗を希望しておらず、中国の新世代の指導者と付き合うことの重要性もよく知っています。習近平訪米時、オバマと習近平が語れば何時間にもなり、一方安倍晋三は何回か多国間の場でオバマとの会見を望みましたがいずれも成功しませんでした。この種の状況下で、安倍晋三はまだ釣魚島などの問題を通じてアメリカと中国の対抗を誘導し、自らを機に乗じて「東アジアの旗手」とし、アメリカを自らの将棋の駒とすることをひたすら期待していますが、これは自分を過大に見ていることに他なりません。国際情勢がはっきり見えず、いつも自分に対し有利な要素を無限に拡大する、これは非常に幼稚なことです。安倍晋三がもしこのようにし続けたら、必然的に佐藤栄作の轍を踏むことになります。

グローバル人物雑誌:安倍晋三の対中政策に対し、中国はどのようにすべきでしょうか?

劉江永:まず、中国は自分のことをうまくやることが必須です。国内問題をうまく処理し、さらに一歩自身の総合国力を増強する、このようにしてこそ発生し得る各種の状況に根本から対応できるのです。第2に、中国はアメリカ、ロシアなどいくつかの大国との関係を強固なものにし、また正常化する必要があります。こうした国、特にアメリカは往々にして日本の外交政策の制定に対し非常に重要な影響があります。第3に、外交のバランスに注意し、大国との関係を強化するのと同時に、周辺国との友好協力関係も強固なものにする必要があります。この一点が達成されれば、安倍晋三がさらにどのように彼らを丸め込んで味方に引き入れようとしても、その目的の達成は非常に難しくなります。

長期的に見れば、中日関係の中の対抗の要素は上昇しつつありますが、全体的にはやはり非対抗性なのです。日本の憲法が根本的に変えられる前に、中日間に戦争が勃発する可能性は大きくありません。双方はいずれも局地的対抗が両国関係を妨害するのを防止する上で多くの技量を注ぐべきです。


 「国際情勢がはっきり見えず、いつも自分に対し有利な要素を無限に拡大する」傾向が自身にもあることに気付いていないようですが、「中国がどうすべきか」の部分にはかなり参考になる部分がありそうです。




















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