中国の早期警戒機

 中国の早期警戒機に関する記事を2つまとめて紹介します。と言うか読んでいただければ分かる通りこれらは元々同じテレビ番組の内容を紹介する記事です。

http://military.china.com/news/568/20130121/17644745.html


運ー7早期警戒機の艦への搭載、主翼折りたたみと機格納庫の容量という難題に直面

人民ネット北京1月20日電(記者 ○嘉h)(頑住吉注:日本語にない漢字。門構えの中に「三」) 中央テレビ局の番組「今日の関心」は19日軍事専門家杜文竜と李莉を招いて中国の早期警戒機の話題を語らせた。杜文竜は、中国の空警ー2000および空警ー200は重量、体積などの原因により空母用の早期警戒機とすることは不可能で、中国の空母は非常に大きなスペースを占めない中型の早期警戒機を必要とする、と考えている。李莉は、ネット上に流れ伝わる運ー7改良型早期警戒機は現在ちょうど検証段階にある可能性があり、この機の艦への搭載は依然、主翼の折りたたみと機格納庫の容量などの問題に直面している、と考えている。

2012年末、香港の「大公報」のある文章が関心を引き起こし、2枚の中国の艦載早期警戒機の検証機らしき画像が広く流れ伝わり始めた。その後中国海軍ネットの一組の空母の模型の画像に、空母艦載早期警戒機が出現し、この模型とその前にネット上に流れ伝わった中国艦載早期警戒機は非常に似ており、このため多くの人がこの機がすなわち中国の「遼寧艦」空母上に装備されるのだと考えた。ロシアの「ペリスコープ」ウェブサイトの報道は、中国国産早期警戒機は運ー7を基礎に研究開発されてできる可能性が高いとしている(頑住吉注:この早期警戒機および模型の画像に関しては12月2日のコラムで紹介しています)。

中国海軍の艦載早期警戒機らしきものが明るみに出たことに対し、一部のアメリカの軍事専門家は、この運ー7から改良された早期警戒機の各方面の寸法から見て、「遼寧艦」に搭載しようとするのは非常に難しく、この検証型早期警戒機は未来の中国国産空母のために準備されたという方がありそうだと考えている。機体と発着架などの部分から判断して、この機は運ー7から改装された検証機種で、主に未来の国産艦載早期警戒機の空力外形の検証に用いられると見られ、その次に一部の電子システムの実験などの作業を併せ配慮している可能性がある、という。一方アメリカ安全保障業務科学技術ウェブサイトは、中国は一段と力を入れて空母と組み合わせる各種艦載機を研究開発しているところだとする。特に中国版のEー2「ホークアイ」艦載早期警戒機は、アメリカのEー2同様中国空母艦隊のために空中早期警戒を提供できる。この機の出現は、中国がまさに真の空母打撃群を作り出そうと力を尽くしていることを示しており、単に簡単な試験ではない。では中国空母は大型艦載早期警戒機を装備できるのか否か? 運ー型7早期警戒機こそがこの艦載早期警戒機であるのか否か?

(頑住吉注:これより2ページ目)

中国の現役の空警ー2000および空警ー200が空母に搭載するのに適するか否かの問題に対し、軍事専門家杜文竜は次のように明らかにする。我が国の現在の2機種の早期警戒機はいずれも艦への搭載には適していない。艦載早期警戒機には重量が軽く、体積が小さいことが要求される。この2機種の早期警戒機は重すぎる。空警ー2000はイリューシンー76の機体を採用し、各種の設備が加えられ、総重量は100トン余りに達する。このように大きな重量を空母甲板に搭載することは不可能である。空警ー200の総重量も数十トンあり、重量も体積も大きい。一方アメリカのEー2Cは重量が23トンしかない。艦に搭載される早期警戒機はサイズがちょうどよく、非常に大きなスペースを占める必要がないことが要求される。何故なら空母上のスペースは最も貴重だからである。我が国は中型早期警戒機を艦に搭載し、殲ー15あるいは未来の新世代国産艦載機と共同で作戦行動を行わせる必要がある。その時が来て、やっと真に海上攻防体系が健全なものとなるのである。

運ー7を改装した早期警戒機の艦への搭載可能性はより大きいのか否か? この質問に対し軍事専門家李莉は次のように考える。現在我々の空母は基本的な能力を具備し、殲ー15もすでに着艦に成功し、艦載早期警戒機をいかに解決するかの問題は現在間違いなく検証段階にあるはずだと言うべきで、これは基本的な発展の規律によって決定される。運ー7はサイズから見ると重量20トン余りで、艦に搭載する基本的条件は備わっている。だが艦に搭載できるか否かはさらにいくつかの基本的要素によって決まる。例えば現在の運ー7の検証型艦載早期警戒機の主翼は折りたためるのか否か? これはこの種の機が空母に搭載されるために具備することが必須の条件である。しかも、主翼の改装の難度は非常に大きい。また、空母の機格納庫はこの機の全高を満足させられるのか否か? 運ー7自体全高が比較的高く、一般に戦闘機にはこんなに大きな高さはない(頑住吉注:さらにお皿みたいなのを背負うのでもっと高くなりますね)。「遼寧艦」の機格納庫の容量は早期警戒機にマッチすることができるのか否か? これも非常に重要なポイントである。だが検証機としては我々は試験を行うことは完全にでき、甚だしきに至ってはさらにカタパルトの問題を同時に解決できるか否か試みることもできる。もしカタパルトの問題が解決されたらより理想的で、サイズの大きな機は完全に艦に搭載できることになる。

(頑住吉注:これより3ページ目)

杜文竜は言う。現在ヘリを早期警戒機とすることは遼寧艦の訓練の1つの項目であるが、「遼寧艦」が将来やはりこうするのかはまだ言いにくい。個人的には、遼寧艦が艦載早期警戒ヘリを使用し、艦載戦闘機およびその他の艦載プラットフォームなどと共同作戦を行うことはOKだと思う。だが今後きっと固定翼早期警戒機を艦に搭載して使用することが必要になる。こうしてこそ、探知計測範囲、高度、精度などが要求を満足させられるのである。現在ヘリを採用することは比較的役に立ち、占めるスペースが小さく、飛行が安定している。だがそのレーダーの作用には限度がある。もしヘリを早期警戒機とすれば、その偵察目標の高度は非常に大きな限定を受け、自身の飛行高度を超える範囲の偵察はできない。このことは直ちに非常に大きな問題を生む。早期警戒機の目標情報獲得能力の上で、固定翼早期警戒機と早期警戒ヘリとを比べると隔たりは非常に大きく、比較すればヘリの速度は遅く、飛行距離も余り長くはなり得ず、「家の門前」での活動ができるに過ぎない。このため、Ka-31を空母艦載早期警戒機とすることは、過渡的方案に過ぎないに違いない。


http://military.china.com/important/11132797/20130121/17643677.html


専門家、中国の空警ー2000は世界で最も遠くが見える早期警戒機である、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「空警ー2000早期警戒機は中国によって自ら研究開発され、すでに戦闘力を形成している。」)

中央テレビ局の番組「今日の関心」は19日軍事専門家杜文竜と李莉を招いて中国の早期警戒機の話題を語らせた。李莉は、中国の空警ー2000早期警戒機の「大円盤」内には3基のフェイズドアレイレーダーが装備され、これは世界で最も遠くが見える早期警戒機であると明らかにした。

1月18日、2012年度国家最高科学技術奨励賞が初めて軍事工業の専門家に授与された。奨励賞を獲得したのは中国工程院の学士院会員王小謨で、彼はまさに中国早期警戒機の開拓者であり基礎を確立した人である。空警ー2000は多くのカギとなる重要な技術指標上、世界で最も先進的な早期警戒機の主流たる機種、アメリカのE-3Cすら超越している。現在、中国はすでに世界でアメリカ、スウェーデン、イスラエルに続く第4の、早期警戒機を輸出できる国になっている。

特徴

「大円盤」内に3基のレーダーあり

何故「大円盤」を採用した空警ー2000が世界で最も遠くが見える早期警戒機になり得るのか? 李莉は考える。アメリカのE-3早期警戒機は登場してすでに30年余りになる。一方我々の早期警戒機は現代の先進的レーダー技術を採用している。外形から見て、アメリカのEー3早期警戒機と我が国の空警ー2000はよく似ている。だが内部に装備するレーダー設備は同じではない。E-3の「円盤」内に装備されているのはモノリシックレーダーで、このためその「円盤」は不断に回転する必要がある。このようなレーダーはある方向に回転して、やっとその方向に対する探知計測が行える。だが我々の空警ー2000は3基のレーダーによって組成され、3基のレーダーは三角形を呈してつなぎ合わされ、こうして空警ー2000の「円盤」は回転する必要がなく、リアルタイムにそれぞれの方向をスキャンできるのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「2009年10月1日の建国60周年大閲兵で、空警ー2000早期警戒機は神秘のベールを脱ぎ、誇らしい雄姿を見せた。」です。)

比較

アメリカのE-3Cに比べ1世代先んじている

アメリカ政府のシンクタンク、「ジェームズタウン財団」は次のような評論を発表した。中国の早期警戒機はフェイズドアレイレーダーを採用した空警ー2000早期警戒機であり、アメリカのE-3Cに比べまるまる1世代先んじている。この評価に対し杜文竜は、技術の体制から見てこの説は正確である、と考える。結局のところ我が国の早期警戒機は電子スキャンによって機械スキャンに替えており、しかもレーダーのタフネス、信頼性、維持修繕性の上で非常に大幅に向上している。だが主要部品の成熟度、信頼性の上ではまだ検証が待たれる。今後、訓練や実戦行動を通じ、これをより実用化に近づけることを必要とする。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。3ページ目は「空警ー2000は中国が自ら研究開発し、正式に配備した中国空軍の大型空中早期警戒コントロールプラットフォームであり、遠距離フェイズドアレイレーダー(Phased Array Radar)を搭載し、イリューシンー76大型輸送機を搭載機として採用し、機上の乗員は10〜15人(推定)である。」、4ページ目は「空警ー2000早期警戒機はフェイズドアレイレーダー、蝶型アンテナ、スーパーコンピュータ、コンソールおよびソフトウェアを装備している。」、5ページ目は「空警ー2000は解放軍のかつての早期警戒機を装備していないという空白を埋め、全世界を震撼させた。」、6ページ目は「「空警ー2000」の技術性能はイスラエルがインドのために研究開発した『ファルコン』(キャリアーはロシア製のイリューシンー76TD)に近い。空警-2000は5,000〜10,000mの高度において、600〜700km/hの速度をもって7〜8時間連続して勤務を執行できる(空中給油なし)。」、7ページ目は「もしイリューシンー78給油機の空中補給を得れば、そのパトロール時間はさらに大幅に延長される。空警ー2000の実際の最大飛行距離は5,000kmで、最大飛行重量は195トンである。」、8ページ目は「軍はさらに、中国の早期警戒機は世界のあらゆる早期警戒機の中で発射出力が最大だと称している。」)


 空警-2000は世代別で言えば世界で最も先進的ということになるが、基礎的技術力の問題から部品のグレードが低く弱点を抱えているということのようです。これに関しては艦載早期警戒機も同じであるはずです。












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