F-35の機動性を論じる

 本当は先日紹介した「たとえ機動性が高くなくても警戒すべき」という論の前に紹介したかった内容ですが。3回に分けます。

http://military.china.com/news2/569/20170621/30793469_all.html#page_2


パリ航空展の飛行デモンストレーション F-35の機動性の良し悪しは依然はっきりせず

21世紀で最も重要な戦闘機の1つとして、F-35の機動性はずっと広範な疑問を投げかけられている。短距離離陸-垂直離着陸のために犠牲を払うF-35Bと空母で発着するため重量が増加しているF-35Cが疑問を投げかけられているだけでなく、空軍型のF-35Aの機動性がもう普遍的に好意的に見られていない。F-35Aがサブタンクを搭載したF-16Dとの模擬空戦の中で敗北したとの情報が明らかにされた後、F-35の機動性に対する疑問はさらにやかましく議論されている。

2016年5月、デンマークはF-35Aを選定して現有のF-16の代替とし、かつ比較評価報告の中でF-35Aの空戦性能を盛んに賞賛した。2017年2月、アメリカ空軍は、「レッドフラッグ」対抗演習の中で、F-35Aは圧倒的な20:1(開始時の15:1から上方修正)の勝利を獲得した、と言明した。だがこうした結果がどんな状況下で取得されたのか、関連方面は詳しく語らない。人々は依然として疑惑を持っている。F-35Aの空戦能力はいったいどうなのか?

ステルス戦闘機として、また最も先進的なレーダーや空対空ミサイルを持ち、F-35Aの待ち伏せ攻撃する能力は全く疑問の重点であったことはない。だが戦闘機は戦車のように、躱して不意打ちをかけるのが当然最も良いのだが、結局のところ突撃して敵陣を落とし、近距離での斬殺ができる必要がある。自らのレーダーや光電子システムには発見率の問題があり、自らのミサイルには命中率の問題があり、相手方も対抗手段を有する。もし一撃必殺が確実なら、戦闘機は必要なくなり、輸送機あるいは爆撃機が空対空ミサイルを装備してもう天空を一掃しているはずである。

戦闘機は機動性を必要とする。F-35は公開で自らの機動性を証明する必要がある。もし戦場でなければ、航空展でしかない。2016年、F-35Bはイギリスのファーンバラ航空展にお目見えしたが、飛行デモンストレーションは当たり障りのないもので、機動性の良し悪しは見いだせなかった。2017年のF-35Aによるパリ航空展でのデモンストレーションは重要なカギとなった。

航空展前、アメリカ空軍はずっと展示に参加しないだろうと言っていたが、最後の時になって前言を翻し、2機のユタ州のシール空軍基地から来たF-35Aを用いてパリ航空展に参加した。飛行機はアメリカ空軍人員によって維持保護および警備され、1機は地上静止展示され、もう1機はアメリカ空軍飛行員ではなく、ロッキード・マーティンの試験飛行員によって操縦されて飛行デモンストレーションを行った。ここでの曲折は後日になってのみやっと知られたが、人々が最終的に関心を注いだのは、F-35Aの機動性はいったいロッキード・マーティンが言うようなのか、F-18、F-16、ヨーロッパの「タイフーン」に比べさらに優秀なのか、甚だしきに至ってはF-22と比べられるのか、それとも反対者の言う通りで、羽の生えた豚でしかないのか? だった。

F-35は6月19〜21日に専業メディアおよび各国の軍に対しデモンストレーションし、24〜26日の公衆に対する公開日に公衆に向けデモンストレーションする予定とされた。北米時間19日朝、ロッキード・マーティンは意外にも飛行デモンストレーションの説明図を公表し、計画中の飛行デモンストレーションの動作を見せた。人々がまだ説明図に対し興味を持ち論争が絶えない時、F-35Aはロッキード・マーティンの試験飛行員ビリー フリンに操縦され、予定時間通り離陸しデモンストレーションした。

インターネット時代、6分23秒の動画はいち早くネットにアップされ、人々はF-35Aの真実の機動性を見ることができた。フリンはデモンストレーション前ハイテンションで、飛行デモンストレーションを用いて長年来のF-35Aの機動性に対する事実でない言葉を粉砕することになり、、これは一切の論争を終わらせる鐘の音となる、と言明した。鐘は鳴らされたが、反響音は長時間にわたり、決定打の意味はなく、F-35Aの機動性に関する論争はより大きくなった。

フリンの飛行デモンストレーションは滑走、離陸から直ちに垂直上昇に転じて開始され、移行後とんぼ返りをし、しかる後に大仰角低速水平飛行から垂直上昇に転じ、しかる後に小直径とんぼ返り後漂うような飛行の機動に転じ、最後は水平小直径旋回で、しかる後にデモンストレーションは終わった。フリンはデモンストレーション成功のため、すでに1年あまりの時間を費やしており、飛行シミュレーターで800回あまり飛び、1ヶ月前ゼネラルダイナミクスのフォートワース工場の飛行場で飛行練習を開始したが、真の飛行回数や時間は不明である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-35飛行デモンストレーションの図」)

フリンはロッキード・マーティンのエース試験飛行員で(興味深いのは、彼は元々カナダ空軍の飛行員だったことで、見たところ彼はトランプが強調する国外に締め出す必要がある外国人グループにはいない)、世界でF-35Aの飛行性能に対し最も熟知した人と評価できる。飛行の安全の許容範囲内で、フリンのパリ航空展でのデモンストレーションはF-35Aの極限の性能を見せたと考えることができる。

F-15のかの世に強い驚愕を与えた突然の急上昇に始まり、推力:重量比が1を超える高性能戦闘機の飛行デモンストレーションにはいくつかのお決まりの動作がある。垂直上昇、とんぼ返り、横転、小直径とんぼ返り、小直径旋回、快速ロール、大仰角低速水平飛行などで、F-35の下降中の漂うような飛行(制御可能なフラットスピンに似る)は新たな動作で、推力偏向がなくしかも単発の戦闘機では非常に珍しい。

フリンのデモンストレーションにはロールなどの動作もなく、パリ航空展の6分間しか与えられなかったデモンストレーション時間と関係があるかもしれない。彼は実際には23秒超過した。もし彼に10分与えられていたら、より多くの動作を見せることができたはずだが、最も機動性を見せられるカギとなる重要動作は全て包含されていたはずと信じられる。

フリンが離陸引き起こし後迅速に垂直上昇に転じたのはF-35の独特の機動である(頑住吉注:文脈から言って「ではない」の間違いだと思いますが)。事実、1970年代にF-15が初めてパリ航空展でこの看板たる動作をした後、離陸後垂直上昇できない新たに研究開発された戦闘機はすでに出生証明書を獲得するのが非常に難しくなっている。






















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