中国・ロシアの潜水艦分野での協力が実現?

 「中国のロシア新型潜水艦導入」とテーマが同じで内容にも重複がありますが、ずっと詳しいページの内容を紹介します。なお今回も本文の内容にキャプションが必死で反論するパターンです。

http://military.china.com/important/11132797/20130408/17766179.html


中国の「元」級潜水艦の騒音の低下は難しい 敵艦がすぐ近くに来るのを待つしかない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ここ何年か、中国海軍は不断に新型潜水艦を装備している。潜水艦部隊の装備構造は不断に向上している。」)

ロシア軍事工業総合体ウェブサイト4月4日の報道によれば、中国は4隻の「アムール」級潜水艦購入につきロシアと談判を行っている。消息筋の人物のリークによれば、このうち2隻の潜水艦はロシア国内で建造され、残る2隻は中国企業がロシアサイドの提供する技術に基づいて生産を担当する。中国にロシアから新型の677E型「アムール」級ディーゼル・電池潜水艦を購入する意志があるのは、完全に関連の技術の獲得のためであり、潜水艦自体ではない。

ある専門家は次のように指摘する。「中国のインターネットメディアは『元』級潜水艦は不断に改良されているとしているが、事実として中国の潜水艦の騒音レベルは依然NATO基準に達していない。」 では「アムール」級と「元」級には一体どんな差異があるのか? 中国は「アムール」級潜水艦購入でどんな先進技術を獲得し得るのか? 「アムール」級潜水艦の技術獲得は中国に対しどんな影響を生むのか?

「元」級にはどんな欠点があるのか?

041型「元」級潜水艦は中国の最新にして最も先進的な通常動力潜水艦である。この艦の排水量は3,000トン余りで、その艦橋には「キロ」級潜水艦の設計理念が融合されている。資料は、この艦には涙滴線形と先進的な国産化されたAIPシステムが使用され、その研究開発時間の短さ、設計上の要求の高さ、使用される新技術の多さは、いずれも第2世代の039「宋」級潜水艦をはるかに超えていることをはっきり示している。このことは「元」級潜水艦を設計の最初からもうすでに世界の先進通常潜水艦のレベルに置き、中国がこれより世界先進レベルの通常潜水艦を設計、建造する能力を持ったことを宣言するものでもある。

「元」級は線形設計上の比較的大きな突破ゆえに、水中快速性、機動性、音の隠蔽性においていずれも非常に大きな程度の向上が達成されている。特にその線形性能はすでに世界の先進通常潜水艦の線形と同一レベルにあり、これは中国の潜水艦設計人員が長年の努力によって獲得した成果であり、意義は重大である。「元」級潜水艦の大量装備と共に、中国の通常潜水艦部隊はAIP時代に入り、このことは人民海軍の潜水艦部隊の戦闘力向上、周辺海域ないしアジア太平洋地域全体の戦争ポテンシャルに対し、いずれにも重大かつポジティブな正面からの影響を引き起こす。

だが、アメリカの週刊「安全保障業務ニュース」ウェブサイトの報道によれば、中国の「宋」級と「元」級ディーゼル・電池推進システムには1つ欠点が存在し、それは「戦場環境では基本的に静止し、敏捷に移動して艦船に対し迎撃を行うことができない‥‥それらは敵艦が自らすぐ近くにやって来るのを待たねばならず、それでやっと攻撃ができる。」ことだという。しかも、中国の潜水艦の製造技術は消音と水中音響特色の軽減方面において、中国の行う技術的手段、処理にはまだ大いに欠陥がある。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「伝えられるところによれば外国サイドが命名したという中国の『元』級通常潜水艦。中国潜水艦の性能に関し、外界はまだ主観的に推測している段階にある。」です。)

中国潜水艦は200mの中等深度において「静音」状態にすることができない。そしてAIP技術を採用しても、中国潜水艦はより良い消音キャビンを追加装備する必要があり、それでやっと真の静音能力を持つことができる。しかも、信じられているところによれば中国最新のディーゼル・電池潜水艦には先進的な武器コントロールシステムが欠けており(非貫通性マストなど)、このため実際の作戦性能は限られている。

またある噂は、中国最新の041型「元」級AIP潜水艦の全体的作戦能力はロシア製の「キロ」級、現在購入しようとしている「アムール」級潜水艦に比べ、技術的にいくらも遅れていない、と考えている。だが西側諸国はすでに「元級」AIP潜水艦のソナー特性を掌握しているとされ、この分析によりこの艦は依然中国潜水艦共通の欠点から脱していないと考えている。すなわち騒音が高めだという問題である。

しかも「元」級潜水艦の画像から見て、この艦はまだロシア製の「キロ」級の小グリル式流水孔を使用し続けており、先進的なスリット式流水口ではない。これもこの艦が敵サイドの対潜戦力によって探知計測されるに至る1つの要素である。「元」級潜水艦の小グリル式流水孔は「宋」級の大グリル式流水孔に比べれば少なからず先進的だが、革命的な技術の進歩ではなく、国外の先進的潜水艦、例えば日本の「そうりゅう」級が使用する先進的なスリット式流水孔とでは1世代の隔たりがある。もし潜水艦が水中で敵サイドに探知計測された場合、「元」級潜水艦のソナーの反響波の値を10とすれば、スリット式流水孔を採用する「そうりゅう」級は1〜2かもしれず、明らかに差異は極めて大きい。

艦体への消音スレートの敷設方面では、「元」級は「宋」級に比べて非凡な進歩があり、敷設技術は特に進歩が非常に大きく、このため効果もなかなかのものだ。だが遺憾なのは、「元」級潜水艦のいくつかの部位、例えば艦首や艦尾などの場所で、非常に多くの部位が決して完全にカバーされてはおらず、依然金属の艦体を暴露していることだ。これらの部位は依然ソナーの重要な反射区域であると信じることができ、このことは「元」級潜水艦の全体的ステルス効果に対し非常に不利である。

まとめると、国産通常潜水艦の中では「元」級潜水艦は最も先進的なものに属するが、依然非常に大きな改良の必要性があり、速やかにより多くの先進技術をもってこの艦にさらに一歩の改良を行う必要がある。これは現在比較的通用している説である!

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「中国はカギとなる重要装備の製造、および潜水艦の静音技術などカギとなる重要技術領域において、すでに非常に大きな突破に成功している。もはやすでに過去の陳腐で古い観念を用いて見ることはできない。」です。)

「アムール」級にはどんなメリットがあるのか?

「ラダ」級潜水艦はロシアがソ連解体後に研究開発した初の非原子力潜水艦であり、「キロ」級潜水艦の成功した技術と経験が取り入れられ、静音化総合設計が注意深く行われている。異なるユーザーの必要に基づき、ロシアの「ルビー」設計局は最終的に「ラダ」級潜水艦ファミリーの設計作業を完成させ、標準排水量の差異によりそれぞれ550型、750型、950型、1450型、1650型、1850型と命名し、これはロシア潜水艦発展史上初めてのことである。この艦は高度に自動化された戦闘システムを装備し、したがって艦員は35人にまで減少している。この級の艦のあらゆる機種はいずれも同じ設計と全体レイアウトを採用し、統一された設備を使用し、主要な違いは潜水艦の外形寸法の差異とこれによりもたらされる潜水艦の武備の数、海上自力持久力、航続力、艦員編成の差異にある。

「ラダ」級潜水艦はモジュール化された系列設計を採用しているので、異なる需要に基づいて相応のトン数の潜水艦を建造することができ、このため比較的高いコストパフォーマンスを持つ。この級の艦は集成化された戦闘情報、管理システムを持ち、操縦、作戦、設備の運行などのデータが全艦で共有、交換され、しかもモジュール化されたライブラリーを採用し、もって潜水艦の自動化された操作が保証される。この艦の新型蓄電池ユニットはより大きな水中航続力が提供でき、超大面積ソナーベースアレイアンテナの捜索能力はより強い。

ロシアメディアが明らかにするところによれば、677型「ラダ」級ディーゼル・電池潜水艦はロシア海軍艦艇建造の中で最も鮮明で斬新な特徴を持つプロジェクトであり、全部で120余りの項目の斬新な技術、工程が使用され、170余りのこれまで生産されたことのない国産機器とシステムが装備され、その主要な特徴は戦闘力がより強く、騒音レベルがより低く、ステルス性能がより高く、自力持久力がより大きく、航続距離がより長いことである。以前のディーゼル・電池潜水艦と比べると、この艦には艦体構造上顕著な差異があり、しかも新材料が大量に使用され、多くの設備、装置、メカニズムが全く新しい。この艦は完備されたナビゲーションシステムと唯一無二の設備を使用しており、航行の安全性を充分に保証でき、艦員に最高の正確度をもって迅速に目標を照準し火蓋を切らせることができる。この艦は新型対ソナー塗装層を使用し、ステルス性能の向上が確保でき、しかもこの艦のために特別に研究開発された動力電気エネルギー発電器は、全出力運転時であってもほとんど無音である。

「ラダ」級の対外的輸出型は677E型「アムール」級(「アムール950」と「アムール-1650」)で、対外販売専用の機種である。ロシアメディアが言明するところによれば、この級の潜水艦は強大な攻撃能力を持ち、18種類の武器が搭載できる。これには大型魚雷、3M-54E1対艦ミサイル、SA-N-25型対空ミサイルなどが含まれ、各種の目標に対し攻撃が発動できる。この級の艦の海上巡航時間は45日という長さに達し得、3ノットの経済航行速度時の航続距離は6,500海里に達し得る。潜行時、この級の潜水艦は電池の電力を使用し450km航行できる。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「実際には新型国産潜水艦がインターネット上に明るみに出るたびに、少なくとも外観上不断に変化があり、しかも製造技術もどんどん良くなっている。」です。)

「アムール」級ディーゼル・電池潜水艦はロシアが建造した自力持久力、航続距離、作戦能力、ステルスなどの方面の性能において優越した新世代潜水艦であり、「深海の黒い穴」からの「海底のハンター」である。この艦は魚雷、ミサイル攻撃が発動でき、水上艦艇、輸送船舶、潜水艦、海岸縦深目標を含むいかなる目標も破壊でき、主に近海、狭窄した海湾など面積が限られた海域において作戦任務を執行するのに用いられる。

しかも、「アムール」級はさらに集成化された先進戦闘情報・管理システムを持ち、操縦、作戦、設備の運行などのデータが全艦で共有、交換され、またモジュール化されたライブラリーを採用し、潜水艦の自動化された操作が保証される。ある専門家は、「アムール」潜水艦は性能上西側諸国の同類製品より優れており、これにはフランスとスペインが合同で研究開発した「Scorpene」、ドイツの212型潜水艦が含まれる、と考えている。

「ラダ」級潜水艦に対する描写はこのように先進的というものだが、ロシアの「リンク」ネットの報道によればロシア海軍総司令ウラジミール ヴィソツキーは、ロシア海軍は677型「ラダ」級ディーゼル・電池動力潜水艦の建造を放棄すると言明している。その主要な原因はこの型の潜水艦の動力装置が充分に完備されたものではないからで、その現在の状況はまるで新型の指揮システムと武器を第二次大戦レベルの動力設備とミックスしたようであり、現在の「ラダ」級潜水艦はロシア海軍が必要とするものではない、という。あるいはまさにこうだからか、ロシアが輸出型「ラダ」級、すなわち「アムール」級潜水艦を登場させて以来、ロシアのセールスに向けた努力は決して少なくはないが、今に至るも本来見込んでいた買い手、例えばインド、ベネズエラ、インドネシアなどの国にはいずれも購入の希望はなく、逆に計画にはなかった中国が、今初の購入国となる可能性があるのだ!

このためカナダの月刊「漢和安全保障業務評論」4月号(繰り上げ出版)に掲載された文章は、中国海軍が現在の状況下で確かにロシア潜水艦のいくつかの先進技術、特に水中静音能力、作戦武器システムなどを重視している可能性がある、としている。このため中国サイドには、ロシアと「ラダ」級潜水艦を基礎に改良型の「アムール」級を合同研究開発し、「ラダ」級潜水艦の設計のいくつかの長所だけを取り入れて、「アムール」級のために使用する意向があるのである。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「ロシアの『キロ』級潜水艦。中国海軍も大量装備しており、カギとなる重要な時期に間違いなく中国海軍潜水艦部隊の戦闘力を非常に大きく向上させたものでもある。」です。)

「アムール」購入のいくつかの考慮

長期にわたり中国海軍はずっとロシアの潜水艦技術に対し興味にあふれており、この前購入した「キロ」級に満足していることはこれで説明される。だが外国メディアは、中国最新の「元」級潜水艦は静音と作戦システムの性能上、依然「アムール」級および「キロ」級とでは比較的大きな隔たりがある、と考えている。このため、中国海軍は合同研究開発、あるいは「アムール」級の潜水艦技術に基づいて現役潜水艦を改良し得ることを希望している。別の言い方をすれば中国人が興味を持っているのは「アムール」級潜水艦の技術獲得だけである。あるいは、中国サイドはこうした技術を利用して2013年以後に建造される国産の「元」級潜水艦を改良することを希望しているのかもしれない。

今回中ロが協議を達成させた4隻の「アムール」級潜水艦購入契約は、2+2の形式をもって中国海軍のために合同で設計、建造されるもので、このうち2隻はロシアで建造され、もう2隻は中国で建造される。これはあるいは、単に中国が「アムール」AIP潜水艦を購入するだけでなく、ロシアサイドの中国サイドに対する技術移転が含まれる可能性があるに違いない、ということを意味している。中国はAIP技術を採用して「元」級の潜航時間と隠蔽攻撃能力を向上させたが、騒音性能上は依然比較的容易に西側諸国の対潜システムに探知計測され、これは「元」級艦の唯一の欠陥かもしれない! だがロシアの新型である「アムール」級潜水艦はちょうど良く静音能力が非常に突出しており、だが燃料電池技術は難関を突破しておらず、しかもその他のいくつかの方面において非常に特色を持つ。これも中国がこの艦を見込んだ主要な原因である。

「アムール」級潜水艦の設計の重点は快速攻撃と偵察に置かれ、主旨は対水上艦艇と対潜および海上偵察任務の執行にある。このため、この潜水艦は集成化された先進戦闘情報・管理システムを採用し、全艦のあらゆる電子設備と武器システムを同時に指揮コントロールし、かつ最良の戦術的手配をすることができる。これにはさらにこの艦が使用する、近年先進国で流行し始めている共通型ベースアレイ技術が含まれる。この技術は潜水艦の前部外殻の外部に装備されるトランスデューサーアレイを指し、そのアレイは艦体外殻に密着し、艦首部で弧形を呈してレイアウトされ、「貼殻ソナー」、「保角ソナー」などとも呼ばれる。現在アメリカ・ロシア両国だけがこの技術を実際に掌握している。この技術は搭載する艦のソナーの作用距離をより遠く、探知計測精度をより高くすることができ、しかも艦首の魚雷発射管のレイアウトにも影響しない。ソナー技術の発展から見て、「アムール」級潜水艦の共通型ベースアレイ技術は明らかに「元」級潜水艦の球形ソナーより優れていると思われ、これも中国が「アムール」級潜水艦を導入するあり得る要素の1つである。

(頑住吉注:これより6ページ目。画像のキャプションは「ロシア海軍の677型『ラダ』級ディーゼル・電池潜水艦の第1号艦『サンクトペテルブルグ』号。現在唯一の艦でもある。」です。)

「アムール」級潜水艦の静音性能は「キロ」級潜水艦に比べさらに10%軽減されているとされる。これは主に潜水艦表面の消音塗料とより静音な推進装置のおかげである。しかも、設計時潜水艦のあらゆる内部機械に消音の要素が考慮された。この静音性能はまさに中国が追求する能力であり、直接ロシアから静音技術を得ることはないが、その原理さえ分かれば、中国造船工程技術人員にとって決して何の難事でもないと信じられる。静音能力が顕著に改善されてこそ、「元」級潜水艦はやっと完備されたAIP潜水艦となり、やっと真に西太平洋において日韓の同類潜水艦と水中の勝負を行うこともできるのである!

「アムール」級潜水艦が採用する最新の技術成果の中には、もう1つ重要な乗員救命システムがある。「ルビー」設計局の責任者スパスキーは、以前は緊急に艦を離れる時、20ステップの完了を必要とし、必要な時間は数十分にも達したが、現在「サンクトペテルブルグ」号潜水艦では4ステップでもう充分であり、時間で言えば1〜2分しかかからない、とする。このことはすでに、隔離室を経て緊急に艦を離れるためのより近代化された条件を創造している。これは潜水艦の緊急救援に対し全く不可欠と言え、貴重な時間は例え1分でも、より多くの生き延びるチャンスを増やすのである。中国の潜水艦に一貫して欠けているのもこの脱出技術であり、もしロシア潜水艦の脱出理念を参考にすることができれば、今後中国のあらゆる潜水艦に応用され、これはヒューマニズムの追求と言ってもよい。

また、「アムール」級潜水艦に配備される対空ミサイルシステムも中国が非常に切迫して必要とする装備である。携帯式対空ミサイルから発展してできた、潜水艦から発射される対艦ミサイルの発射方式に似た艦載新型SA-N-25型対空ミサイルは、魚雷のように発射管から発射することができる。このミサイルは自動的に空中目標をキャッチして攻撃を実施することもできるし、光ファイバーによる双方向情報通信によって「アムール」級潜水艦内の操作人員によって遠隔操作で攻撃することもできる。このミサイルは完全自主全方向攻撃能力を持ち、対潜ヘリなど航空プラットフォームの「アムール」級潜水艦に対する空中の脅威を極めて大きく低下させることができる。今中国の潜水艦は米日の対潜機の飽和包囲攻撃に近いものに直面しており、もし「元」級潜水艦もこのシステムを装備すれば、自らの生存確率が非常に大きく向上し、米日が配備する対潜機にあえて軽易に接近、捜索、攻撃させないようにさせる。

またもうすぐ今年の年末には中国の南海における競争相手であるベトナムがロシアの最新改良型「キロ」級潜水艦、6隻の「アロサ」(636M型)級ディーゼル・電池潜水艦を導入する。この艦は先進的ステルス技術を採用し、作戦範囲が拡大しており、しかも対地、対艦、対潜目標打撃能力が向上している。外界は普遍的に、ベトナムがこの潜水艦を購入するのは中国海軍に対抗し、南海情勢に対応するためだと考えている。しかも、中国の潜水艦に対抗するためのベトナムの特別の要求に応え、ロシアはこれらの潜水艦に対し特殊な改造を行い、これらに中国の現役通常潜水艦と戦って勝てる能力を具備させたとされる。将来6隻の潜水艦が就役すれば、ベトナムの潜水艦戦力の空白、水中作戦能力が弱い弱点を埋めることができるだけでなく、さらにベトナム海軍の総合作戦能力を向上させることもでき、特に中国の水上艦艇と潜水艦、甚だしきに至っては将来南海に配備される国産空母に対し深刻な脅威を構成する。これに対する中国の重視は避けられないものである。

(頑住吉注:これより7ページ目。画像のキャプションは「サンクトペテルブルグ号は2004年10月にすでに進水している。長年にわたり種々の問題が不断に現れ、ロシア海軍は長期にわたって引き取りを拒絶した。この潜水艦は実は決してロシアサイドが宣伝するように優秀ではないのだ!」です。)

「アムール」級と「元」級は相互補完できるか否か

ある談判のプロセスを熟知するロシアサイドの消息筋の人物は、中国向けに供給される「アムール-1650」型潜水艦は外国製のAIP動力装置を配備することになる、と指摘する。外国ユーザーの要求に基づき、潜水艦の動力装置は彼らが自分で生産する、と。これは、中国が購入する4隻の「アムール」級ディーゼル・電池動力潜水艦が、中国が「元」級潜水艦に装備している国産AIP装置を採用することを意味している可能性がある。「元」級艦には中国が自ら研究開発したスターリングエンジンが装備され、すでに相次いで何度も当局メディアの中で事実確認されており、しかも技術的に充分成熟し、これはあるいはこのクラスの潜水艦の最も自慢するに値するところかも知れない!
 
もし中ロ双方が、中国のAIP技術+ロシアのその他の装備を使用するという協議を達成させれば、中ロ両国にとってウィンウィンだと言える。中国はこの協力をチャンスに、欲しかった多項目のロシアの先進技術が得られ、一方ロシアも中国のAIP技術と「ラダ」級改良に必要な資金を得ることができ、双方それぞれが必要とするものを取り、皆がハッピーというべきである。何故ならロシアにとって「アムール」級潜水艦の最も困惑する、余りにも長く遅延している主要な原因は、ロシアが研究開発するAIP技術が難関を突破しておらず、したがってロシア海軍の受け取り拒否をもたらしていることだからである。もしロシアが自らの使用する「アムール」級に中国の「心臓」を装備したら、この潜水艦はもう完全にロシア海軍の要求を満たしていることになり、したがってこの型の艦の量産、ロシア海軍への就役の障害もクリアされる。一方中国海軍はロシアの一部の先進技術を獲得し、さらに自らのAIP技術を結合させれば、「元」級潜水艦に比べ全体的に先進的な新型AIP潜水艦を獲得することになり、周辺における日韓のAIP潜水艦と対峙する条件を持つことになる。

中ロの協議に基づき、4隻の「アムール」級の最初の2隻はロシアで建造され、こうしてロシアが中国の先進的なAIP技術応用を学習するようにする。後の2隻は中国で建造し、ロシアは技術を提供して中国の同業者にロシアの先進的潜水艦建造技術を学習させる。全部で4隻の潜水艦の建造過程は、中ロ間の相互学習、長所短所の相互補完の過程である。もし今回中ロが本当に協力の方式をもって「アムール」級潜水艦を共同で建造できれば、両国の潜水艦の技術レベルは共々新たな段階に入ることになる。

(頑住吉注:これより8ページ目。画像のキャプションは「2011年に建造が停止された『ラダ』級の後続艦。中国がその輸出型を導入する時、中ロ双方は技術レベルでの『平等』な交流を行い、中国はすでに立ち後れた『学生の役割』ではない。」です。)

いわゆる装備があり得るAIP技術は、中国が枠外で購入するヨーロッパの国の技術ということもある。EUの武器禁輸の規制により、中国が直接ヨーロッパから先進的なAIP技術を購入することは不可能だが、ロシアはこの制限を受けていない。中国が金を払ってロシアが購入し、さらにロシアによって中国が購入する「アムール」級潜水艦に取り付ける、このようにすればEUの軍事販売禁令の制限を迂回して回避することができる。

当然、「アムール」級潜水艦の優勢は決してこれらに限られない。例えば消音スレートでほとんど覆われた潜水艦の艦体全体で、甚だしきに至っては魚雷発射管のカバーも漏れておらず、しかも敷設のレベルが高く、中国の最も先進的な「元」級でも比較にならない。また、「アムール」級潜水艦のスリット式流水孔も「元」級が「キロ」級に学んだグリル式後傾斜流水孔に比べより先進的である。「アムール」級のは敵サイドの探知計測ソナーに反響する音波を有効に遮蔽できるが、「元」級のは一定程度上反響する音波の強度を減少あるいは低下させることができるに過ぎない。

しかも「アムール」級潜水艦は単殻体構造を採用しているので、その限られた排水量と有効なスペース内に、より多くの武器と設備を搭載できるようにし、したがってより強い作戦能力が実現されている。特に単殻体構造の外観はよりシンプルで、快速作戦任務執行に有利で、特に近海作戦に適している。「アムール」級潜水艦のこの特徴が、さらに中国の先進的なAIP技術と組み合わされれば鬼に金棒と言うべきである。さらに重要なのは、中国にはすでに「元」級潜水艦に応用されている「交直流ダブルライン発電器システム」でロシアと交易する可能性があることだ。このシステムは中国海軍工程大学の馬偉明教授による世界初の発明で、1台の発電器を使って同時に交流と直流という2種の電気を発することができる。この技術を潜水艦に応用すればスペースの占有を減少でき、したがって新型潜水艦に強力な「中国の心臓」を持たせ、非常に大きく海軍潜水艦部隊の戦闘力を向上させることができる。

もし中ロ両国の「アムール」級潜水艦に関する協議が双方の潜水艦技術の相互補完を実現できれば、これは中国が一方的に「アムール」級潜水艦を購入するものだとは考えられず、あるいはこれは中ロ両国の、各自の需要に適した新型潜水艦をそれぞれ共同研究開発するものだと解釈することができる。何故なら中ロ両国は各自自らの得意技を出し、そしてそれが結合されて中ロの技術を同時に持つAIP静音潜水艦ができるのだからである。あるいは将来この艦は中ロ両国でそれぞれ建造され、輸出されるかもしれない!

(頑住吉注:これより9ページ目。画像のキャプションは「全体的に言って、『ラダ』級にはまだ多くの問題が存在するが、その個別のシステムの先進性は否定されない。少なくとも、ロシアサイドの専門家の、中国がこの技術に対しより興味を抱いているという判断には道理がある。」です。)

中国の将来の潜水艦に対する影響

中ロが達成させた協議がひとたび執行を終えれば、中国の先進的な通常動力潜水艦は静音能力上の突破を果たし、ほどなく中国の原潜にも比較的大きな静音能力の改変が起きると信じられる。こうした静音潜水艦の作戦配備が実現すれば、アメリカ、日本、オーストラリア海軍のアジアにおける対潜網は非常に大きな圧力に直面する。何故なら解放軍の潜水艦は数と地域上の優勢を占め、こうした水中の「猛獣」のどんどん神秘的になる行方を調査、追跡しようと思っても、ほとんど成功しそうにない任務だからである。また、潜水艦に搭載される武器の射程範囲が徐々に拡大するにつれ、中国の潜水艦は安全な海域において予定された目標に対し火力打撃を行うことが完全にできるようになり、相手の対潜戦力をどうしようもなくさせる。

もし「アムール」級が南中国海に配備されれば、東南アジア諸国が現在続々と導入している通常潜水艦は、もはや彼らが想像しているように中国に対抗することはできなくなる。例えばベトナムが現在導入している6隻の「アロサ」は比較的先進的だが、「アムール」級に比べればやはりずっと劣る。中国は4隻を導入するだけだが、その先進的な作戦能力から見れば、ベトナムの6隻に対応するに足りる。だが中国がこれを南中国海に置くことはあり得ないと見られ、より重要な場所でその特徴を発揮させやすくすると信じられる。例えば数は限られているが極めて戦闘力を持つ「アムール」級を東海に配備すれば、日本の先進的通常潜水艦に対抗する能力を持ち、あるいはそのずば抜けた静音性能と先進的作戦能力は、アメリカが中国の近海に前進配備する艦艇に対し重大な脅威を構成するかもしれないのである。

また、「元」級潜水艦が「アムール」級を基礎に中国が獲得した、改良された静音能力を得れば、中国の通常潜水艦の水中生存能力を制限していたボトルネックが打破されることになる。もし「元」級が水中での2週間前後の連続静音巡航の実現に成功すれば、潜在的敵対国家の対潜封鎖チェーン突破の成功率が非常に大きく向上し、その作戦海域、攻撃区域がいずれも倍増する。このことは中国通常潜水艦部隊の作戦機能に質的飛躍を起こさせ、しかも中国潜水艦部隊の戦時における潜在的敵対国家に対する交通破壊、狙撃、偵察、機雷敷設などの作戦行動の有効性を顕著に向上させる。アメリカがここ何年か連続して賃借したスウェーデンの「ゴトランド」号AIP潜水艦で対潜訓練を行っている事例は、中国がAIP潜水艦を装備した場合アメリカ海軍にもたらされる巨大な圧力を直接証明するものでもあり、アメリカに対応する方法を考えざるを得なくさせる。

また中国の造船部門はロシアと共同で「アムール」級潜水艦を建造、設計することによって、一連の熟練した設計人材を養成し、かつ潜水艦を設計する機関の研究開発経験を豊富にし、将来作戦能力がより強く、静音性能がより良く、水中航続力がより長く、総合性能がより先進的な新世代国産通常潜水艦を研究開発するために良好な基礎を打ち立てることにもなる。同時に発展を加速させる中国潜水艦工業もより急速に中国と世界の最新潜水艦科学技術との隔たりを埋めることができ、これにより中国潜水艦を世界のその他の国の海軍に販売するより多くのチャンスをも生じさせる! (筆者:広聞)


 それすら認めない中国人もいますが客観的に見て航空機分野では中国はロシアにほとんど一方的に教えられる対場であり、潜水艦ではそうではなく対等なのだ、というのが嬉しくてたまらない様子が伝わってきます。しかし「元」級の唯一の欠点が静音性が低いこと、というのは「このステルス機の唯一の欠点はレーダーに探知されやすいこと」というようなもので、技術の根本に重大な問題があるのではないか、そのAIP技術も言うほど高度なものではないのではないかという疑いがあります。しかし中国とロシアが協力することによって本当に両国の潜水艦技術が大きく向上する可能性がないとは言えず、警戒が必要だと思います。














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