韓国は歴史の悲劇を繰り返す?

 「THAAD」関連です。

http://mil.news.sina.com.cn/china/2016-07-23/doc-ifxuhukv7337500.shtml


民衆が大規模集会でTHAAD配備に反対 朴槿恵、戦略の迷路に陥る

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「民衆がTHAAD配備に反対」)

韓国に「THAAD」を配備することは「新たな冷戦」勃発の重要な印となっているが、韓国国内ではそれにもかかわらず「THAAD」が原因で「熱戦」が展開されつつある。韓国各地の抗議は次々に起こり、「THAAD」の定住地である慶尚北道星州郡はさらに「死をもって抗争」し、郡行政長官などの人が率先して血書を書いている。韓国首相の黄教安、国防長官の韓民求は7月15日、星州郡で憤怒する民衆によって卵やペットボトルを投げられ、専用車は6時間囲まれ足止めされた。これは韓国史上初である。二千名あまりの星州郡の一般民は21日ソウル駅広場で大規模集会を行い「THAAD」配備に反対した。

韓国現政府は何故国内民衆の抗議や中ロの断固たる反対にかまうことなく、あくまで「THAAD」を韓国に定住させようとするのだうか? 主要な原因は朴槿恵大統領が戦略の迷路に陥ったことである。彼女は韓国に「THAAD」を配備することはデメリットよりメリットが大きいだろうと考えているのかもしれない。朴槿恵政権に戦略の誤判が発生したのは、あるいは以下のいくつかの要素と関係があるかもしれない。

第1に、アメリカから来る圧力である。朴槿恵は就任以後、半島問題の上での立場はほとんどアメリカとの完全一致を保持し、韓日関係方面でもアメリカの圧力に屈服し、政府レベルで「慰安婦問題」という歴史的懸案を片付けたと考えられている。対中外交の上では、朴槿恵政権は以前は決して完全にアメリカの意見を聞いて従わず、例えば韓国はアジアインフラ投資銀行に加入し、また「9.3」大閲兵に参加したなどである。だが「THAAD」問題の上ではそれにもかかわらずアメリカの圧力に屈服し、アメリカの「アジア太平洋地域再バランス」戦略のために中ロに傷害を与えることを惜しまない。

第2に、国内政治的利益の需要から来ている。韓国与党新国家党は議会中間選挙の中で半数の議席を獲得していないため、朴槿恵は与野党ねじれの政権担当圧力に直面しており、韓国国内世論の朴槿恵に対する意見や非難は非常に多く、彼女の政治掌握コントロール力の低下をもたらし、彼女は「THAAD」配備によって保守派と世論の支持を挽回し、政治的に困難な状況から脱することを幻想している。当然、これは目的が達成されないだろうだけでなく、しかもさらに新たなより大きい問題をもたらすだろう。

第3に、韓国政府はこの挙が中韓関係、特に両国の経済貿易関係に傷害をもたらないだろうと判断ミスしている。「グローバル時報」7月20日の報道によれば、韓国首相の黄教安は19日議会の質問を受けた時、中韓関係はすでに「高度に密接」で、中国は現在韓国に対し経済制裁を実施することはできない、とした。韓国外務大臣の尹炳世は、中国政府方面は決してまだ韓国に対し経済制裁を実施すると言っておらず、この種の可能性があることを暗示する言論も発表していない、とした。このことは韓国があえて中国の戦略的利益に挑発を加える重要な原因の1つかもしれない。

第4に、中国に対し不利な時機を選択して「THAAD」配備決定を発表すれば、中国にかまっている暇をなくさせ、韓国は平安無事でいられると思った。韓米は時機の選択の上でもひとしきり苦心し、7月8日に韓米は共同で韓国に「THAAD」を配備する決定を宣言し、これは関心を集める南海仲裁案結果発表から5日の時間しか離れていなかった。また南海仲裁案が発表されたばかりの翌日すなわち13日、迅速に対外的に「THAAD」配備の確実な地点を発表した。その目的は中国に腹背に敵を受けさせ、全部にかまえなくさせ、韓国に対する圧力を軽減することである。まるで背後からの一太刀で、陰険な意図と言うべきである。

筆者は、韓国が「THAAD」配備を受け入れる行為は、実は引火焼身であり、戦略上の自殺行為でもあると考える。その最終的結果は「机関算尽太聡明、反誤了卿卿性命」(頑住吉注:周到なはかりごとをしたが逆に自分の害になるみたいな意味らしいです)である可能性が非常に高く、必ずや韓国の運命のターニングポイントとなる。

まず、地縁政治の角度から見て、半島国家である韓国はできる限り大陸勢力と海洋勢力の衝突の地となることを避け、大陸と海洋の交流協力の橋となるべきであって、これこそ生存と発展の道である。1894年の甲午戦争(頑住吉注:日清戦争)から1945年の第二次世界大戦終結まで半世紀の長きにわたる時間内、朝鮮半島は大陸勢力と海洋勢力のぶつかり合いと勝負の場所に身を落としたがゆえに、日本による植民統治何十年、しかも国土の長きにわたる分裂を直接もたらした。歴史はとっくに、もし大陸勢力と海洋勢力が半島でぶつかり合いや交戦を発生させたら、最初の被害者そして最大の被害者はいずれも韓国自身だということを証明している。

韓国現政府は歴史の教訓と傷の痛みを忘れたようだ。「THAAD」導入配備はアメリカと中国(さらにはロシアなどを含む)の戦略の対峙と衝突を直接的に引き起こすだろうことを意味している。中国国家指導者や政府は何度も、韓国に「THAAD」を配備することは地域の戦略バランスを打破すると強調し、かつ断固たる反対を表明しており、ロシアも同じ立場を持つ。韓国は、地域の戦略バランスがひとたび打破されれば、すぐに多事の地そして多事の時となり、矛盾と衝突が至る所で免れ難くなり、韓国は真っ先に矢面に立ち、韓国の運命にも必然的にターニングポイント的性質の改変が発生するだろうことを理解するべきである。

次に、中韓関係という角度から見ると、中国政府は中韓関係発展の成果を非常に重視しそして大事にしているが、韓国政府が中国の国家戦略的利益に深刻な損害を与える行為を許さないだろう。韓国経済は深刻に中国に依存しているため、もし中韓関係が悪化したら、必ずや韓国経済、社会に対し重傷をもたらすだろう。中国外交部長の王毅は7月9日記者のインタビューを受けた時、「我々は韓国の友たちが、『THAAD』システム配備が真に韓国の安全に有利か否か、真に半島の平和と安定実現に有利か否か、真に半島の核問題の解決の助けになるか否かを冷静に思考し、関係方面が必ず慎重に事を行い、大きな過ちを犯すことを避けることをも希望する。」とした。韓国にとって言葉に重みがあり心がこもっていると言え、中国サイドはまだ得難い中韓関係を愛護し、韓国が悔い改めることを希望し、同時に韓国に「大きな過ちを犯す事を避ける」ことも促していることを示す。

事実、中韓関係には微妙な変化が発生しつつある。フェニックス衛星テレビの報道によれば、韓米が「THAAD」配備決定を発表した前後、朴槿恵は中国指導者と電話で通話し説明を行うことを希望したが、拒絶に遭った。中国国務院総理の李克強は7月中旬にモンゴルを訪問し、かつウランバートルで開かれた第11回ASEM首脳会議に出席した期間、少なからぬ国家指導者と会見したが、朴槿恵とは会見しなかった。朝鮮中央通信社7月11日の報道によれば、中朝両国元首である習近平と金正恩は「中朝友好協力互助条約」55周年につき、互いに祝電をかけた。

筆者が1年前発表した文章では、「韓国の安全戦略はアメリカという戦車の上に縛り付けられ、それにもかかわらず韓国経済は中国という列車の上に縛り付けられ、この一対の調和できない構造的性質の矛盾は、短期間内は互いの間にいざこざはないかもしれないが、長期的には必然的に衝突を発生させる。」と考えていた。この予言は現実に変じつつあるようだ。中国は現在まだ正式に韓国に反撃していないが、これは韓国に余地とチャンスを与えているのであって、韓国が瀬戸際で踏みとどまりし、直ちに「THAAD」配備を止め得ることを希望しており、一歩下がれば広大な天空である。朴槿恵は7月21日に召集開会した安全保障会議で継続して「THAAD」配備の必要性を強調し、かついかなる圧力にも屈服しないだろうと表明した。韓国は間違った道の上をどんどん進んでいるようで、ならば歴史の悲劇は韓国で再現される可能性がある。


 でも「北朝鮮により強い圧力をかけて核・ミサイル開発をやめさせるからTHAAD配備はやめろ」とは言わないんですよね。






















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