中国の新型戦略爆撃機の実力は

 バックファイア導入関連などでも何度か触れましたが、中国の轟-6爆撃機の新型が就役しつつあるということです。

http://military.china.com/important/11132797/20130318/17732374.html


「戦神」轟ー6Kは解放軍の「戦略空軍」元年を創始する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネットに流れ伝わる轟ー6K『戦神』の原型機(資料画像)」)

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」の報道によれば、解放軍空軍は轟ー6K「戦神」と呼ばれる新型爆撃機をすでに持ち、この機は射程が2,500kmに達する空中発射遠距離巡航ミサイル、および噂を聞いてすでに久しい射程400km、速度が音速の数倍に達する鷹撃ー12対艦ミサイルを搭載できる。轟ー6Kの量産、就役は解放軍の「戦略空軍」の空中基地戦略打撃能力と「海洋コントロール」能力が1つの新たな段階に踏み出したことを示している。

香港の「週刊アジア」3月24日第1期(繰り上げ出版)が発表した文章は、轟ー6型爆撃機は西安飛行機社がソ連のツポレフ-16中型爆撃機を元に研究開発した亜音速の中型ジェット爆撃機で、作戦半径は1,800km、最大弾薬搭載料は9,000kgであるとされる、とする。轟ー6型爆撃機は解放軍の戦略打撃戦力の主力として、ずっと弾薬搭載量が少ない、作戦半径が小さい、飛行性能が劣る、機の設計が遅れているなどの欠点があった。しかもステルス設計が欠け、極めて敵戦闘機の迎撃に遭いやすく、解放軍に近代化された戦争の中でその戦略打撃任務の必要を満たすことを保証することを満足させることはできなかった。

文章は、こうした条件の制約によっってかもしれないが、解放軍の「戦略空軍」の建設は長期にわたりずっと「階段の響きだけ聞こえて人が降りてくるのは見られない」という状態で、このため中国には今までまだ「戦略空軍」と呼べる爆撃機の編隊1つもない、と指摘する。

作戦半径大幅拡大

文章は、西安飛行機社が研究開発した轟ー6K「戦神」の就役は、解放軍戦略空軍発展の曙光のようだ、と考えている。D-30KPIIジェットエンジンに換装された轟ー6Kの作戦半径は3,000kmを超えると見られ、主翼下の6つの搭載架には核弾頭あるいは通常弾頭を装備できる、射程が2,500kmに達し得る空中発射遠距離巡航ミサイルが搭載でき、轟ー6Kに距離5,000km離れた敵の戦略目標に対し「核、通常兼備」の戦略打撃を行わせ、打撃範囲は「全アジア」をカバーし得るし、甚だしきに至っては遠くオーストラリアに達し得る。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「戦略戦役方面では、轟ー6Kは遠距離奇襲、大区域巡航、防衛区域外攻撃(核および非核)能力を具備し、その作戦模式の選択は多く、完成する任務の種類は多く、打撃目標は多く、機動は敏捷で、平和な時期にあなどれない威嚇力がある。」です。)

100機の爆撃機編隊は600発の巡航ミサイルを投射でき、敵サイドの主要な戦略目標に重大な打撃をもたらし得る、とされる。文章は、現在アメリカとロシアの戦略空軍しかこのような打撃能力は持たない、と指摘する。

ここ2年で、中国はロシアから250台のD-30KPIIジェットエンジンを輸入し、一部のエンジンがイリューシンー76輸送機の維持修繕および運ー20大型輸送機の試験飛行に用いられたのを除き、残るジェットエンジンは西安飛行機が2個解放軍空軍爆撃機師団と1個海軍航空隊爆撃機師団のために轟ー6K爆撃機の換装を行うのに充分である。

文章は、西安飛行機社には爆撃機設計の経験が欠けているので、新型爆撃機設計のリスクを下げるため、轟ー6Kの空力外形は轟ー6と似たものになっている、と指摘する。だがこれを除けば轟ー6Kは新たに設計された機と言ってよい。新たな飛行コントロールシステムおよび航空電子設備は飛行員の作業負担を大幅に軽減し、爆撃機の長距離奇襲に有利である。

複合材料を大量に使用し、機の自重を大幅に軽減し、有効に機の構造強度を向上させ、機の搭載重量を増加させた。より多くの燃料搭載のため、西安飛行機社は本来の轟ー6型爆撃機の爆弾倉を燃料タンクに改造し、轟ー6Kにより多くの燃料を搭載できるようにしたと推測される。将来空中給油設備を追加装備すれば、さらに一歩轟ー6Kの作戦半径が延長できる。

「超飽和攻撃」の有力な武器

この前ある学者は、中国は南海を主軸とし、太平洋、インド洋を東西の両翼とする「一軸両翼」海洋安全戦略を積極的に構築すべきであると提案した。新たな形勢の下での「海洋安全戦略」に直面し、戦略空軍はより積極的、より重要な役割を演じ得る。しかも現在中国はまさに全力で遠洋海軍を発展させているところであり、遠距離巡航ミサイルを配備した戦略爆撃機は「優勢の相互補完」の組み合わせである。強大な空中基地対艦打撃能力は、中国の現在における水上艦隊の「海空一体」作戦能力の不足を補強することができる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「轟ー6Kの作戦半径は3,500km、加えて射程が1,500〜2,000kmの戦略巡航ミサイルの搭載があり、その戦略目標に対する攻撃距離は4,000〜5,000kmに達する(最低基準)。」です。)

文章は、射程が空母の「艦載機作戦半径」を超え、終末段階で極超音速飛行できる巡航ミサイルは、解放軍海軍航空隊が空母戦闘群に対しミサイルの「超飽和攻撃」を行う有力な武器であるとする。解放軍の轟ー6K爆撃機1個師団が発動する超飽和攻撃は、すでに空母戦闘群に対し極めて大きな脅威を構成するに足りる。

轟ー6Kの、海軍遠洋艦隊の西太平洋および南中国海における戦略配備、常態化された戦備巡航と戦術演習との組み合わせは、中国の「海洋コントロール」を強化し得る。轟ー6Kがもし長時間の滞空能力を持つ「翔竜」戦略無人偵察機と組み合わされれば、中国の「一軸両翼」海域における全時間、全天候の監視コントロール、およびその対艦、対潜打撃能力を大幅に強化できる。雲貴高原の空軍基地に配備され、発進する轟ー6Kは真っ直ぐインド洋を目指し、インド洋上の敵海軍艦隊に対し打撃を行うことができる。

文章は、轟ー6Kは解放軍の技術が成熟した、自主性の高い戦略打撃武器であると指摘する。轟ー6Kの就役はアメリカ本土に脅威を構成するには至らないが、周辺国および東アジア地域のアメリカ軍基地に対し深刻な脅威を構成する。戦略空軍は「三位一体」戦略で脅して阻止する不可欠の主要戦力であり、このため轟ー6Kの量産、就役は、解放軍の「戦略空軍」元年と呼ぶことができる。(参考情報ネット)

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。4ページ目は「轟ー6は防御突破能力が強くないので、ミサイルのプラットフォームとして防衛区域外において打撃を実施するのにしか適しない。」、5ページ目は「現在轟ー6Kは海上、甚だしきに至っては中国本土の範囲内においてもう周辺の敵対国家および地域の本土に対し縦深打撃が実施できると言える。」、6ページ目は「現在戦略爆撃機は戦略任務を執行できるだけでなく、戦術任務も執行できる。正確制御誘導武器の出現は、戦略爆撃機の目標打撃能力を非常に大きく増大させている。轟ー6Kもこの能力を持つ。」、7ページ目は「轟ー6Kの最大航続距離は8,000km以上に達するはずで、最大作戦半径は3,500km近くなる。」、8ページ目は「一般的に言って、轟ー6は通常爆弾搭載機として作戦任務を執行する時、一般に弾薬搭載量は3〜5トン前後である。轟ー6Kは6発の巡航ミサイルを搭載し、ミサイルの体積と重量はYJ-83を参考にして知ることができる。1発の重量は810kg前後で、6発の重量はおよそ6トン、旧型機に相当する。」、です。)


 本文が中国の兵器などを批判し、キャプションが反論するパターンが多いですが、この記事では文章が画期的であると持ち上げ、キャプションが冷静な立場からいさめているような印象です。旧式な爆撃機が安全な空域から長射程の極超音速に達し得る巡航ミサイルを発射するという手法の有効性については私にはよく分かりません。













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