異世代機間コンビネーションの問題 その2

 続きです。

http://military.china.com/important/11132797/20171004/31541282_all.html#page_2


アメリカ空軍は第一歩でまずF-22戦闘機のLink 16システムの中に新世代戦術目標照準ネットワーク(TTNT)モジュールを追加装備し、この機の低い脅威状態下でのその他のプラットフォームとの情報共有能力を大幅に向上させた。第2歩目は「増量」3.2プロジェクトの中で、F-22戦闘機のためにF-35「ライトニング」IIと同じ最新型MADLデータリンクシステムを追加装備し、かつ現有のIFDLに対し
改良を行うことを計画した。だがこの計画が実施できるか否かはまだ経費が実行できるか否か頼りである。結局のところ現役の183機のF-22戦闘機の中の150機に対し「増量」3.2グレードアップを実施するのにも少なからぬ出費が必要なのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-22戦闘機のLink 16データリンクの中に新世代戦術目標照準ネットワーク(TTNT)モジュールを追加装備したことは、情報共有能力を向上させた。」)

F-22+F-15:ダブルイーグルコンビネーション

ちょうどアメリカ空軍がF-22とその他の実戦機のコンビネーション作戦能力を向上させるために苦悩している際、ボーイング社は時機を失せずある妙計を出してきた。これこそ現役のF-15戦闘機を改良し、それにF-22の作戦使用の要求により接近できるようにさせるものだった。この方案はコストパフォーマンスがより高いだけでなく、しかも短期間内にもう実現でき、ボーイング社はそれをF-15 2040C計画と称した。

具体的に言うと、F-15 2040C計画は主に現役のF-15戦闘機に対し2方面の改良を行う。1つはTalon HATEデータ通信吊り下げポッドの搭載である。この吊り下げポッドの主要な使命はF-22戦闘機のIDFLとデータの送受信を行うことで、同時にさらにJTRSとLink 16を利用し、その他のプラットフォームとの間の情報共有を実現できる。このようになれば、Talon HATEデータリンク吊り下げポッドを中継ユニットとして、もう比較的満足いく形でF-22がIDFLを利用し空中作戦体系との間で情報共有する問題を解決できる。

もう一方で、F-15 2040C計画は現役のF-15戦闘機の空対空ミサイルの搭載能力に対し大幅な改良を行い、それを「小型武器庫」にさせ、もって最大限度F-22ステルス戦闘機の内部に置かれた弾薬庫の弾薬量が比較的少ない不足を補う。

ボーイング社の方案、構想によれば、F-15戦闘機は機体両側の一体燃料タンクおよび主翼下の複合搭載架を利用し、最多で16発の空対空ミサイルを搭載することができ、この16発の空対空ミサイルのうち自衛に用いる2発の近距離空対空ミサイルを除き、残る14発は全部中遠距離空対空ミサイルである。

作戦中、F-22はその出色のステルス性能を利用して敵サイドの空域に深入りし、ひとたび敵サイドの空中目標を発見すれば、すぐIDFLを使用して遠く味方サイドの空域にいるF-15 2040Cと情報を交換し、後者によって新世代の射程がより長くかつミサイル搭載データリンクを有するAIM-120D中遠距離空対空ミサイルを発射する。その後、F-22はリアルタイムに空中作戦体系に向け目標情報を更新し、かつF-15 2040Cあるいはその他のプラットフォームによってAIM-120Dミサイルに向け修正指令を発し、これは目標がミサイルのアクティブレーダー制御誘導弾頭の探知計測範囲に入り、自主誘導を実現するまでである。最終的に、さらにF-22によって目標破壊評価が行われ、補足射撃を行うかそれとも次の目標を打撃するか決定される。

この作戦模式最大の戦術的優勢はF-22のステルス性能が出色なことおよびF-15のミサイル搭載能力が強大な特徴を充分に発揮し、両者各自に長所を発揮させ、長所を伸ばして短所を避け、最も優れたコンビネーションを形成させることにある。この戦術の中で、F-22はこれまでの単一の「斬首者」の役割を脱し、「位置決定者」に化身する。それは自身が搭載する空対空ミサイルを利用したのでは数が非常に限られた目標しか打撃できないが、全ステルス状態下で不断に敵サイドの目標情報を提供すれば、味方サイドの強大な遠距離攻撃プラットフォームの助けを借りて敵サイドに対しほとんど壊滅的性質の打撃を実施することができる。これは今アメリカ空軍が意外にもあえて「浸透型制空」(PCA)というこの革命的理念を叫ぶ原因の在処でもある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-15 2040Cの想像図。正真正銘の武器庫機である」)

中国に対する啓示

すでに殲ー20ステルス戦闘機を装備している中国空軍に対して言えば、この機を利用してF-22に似たような「ドアを蹴破る者」の役割を執行させることは決して難しくない。だがより重要なのは殲ー20により良く、より速く現有の空中作戦体系の中にとけ込ませることである。まず、さらにデータリンクシステムから着手し、帯域幅がより大きく、秘密保持性がより強く、同時にステルス戦闘機の低い被キャッチ・探知計測性能の要求に適応できるJTRS体系を作り上げる必要がある。

殲ー20の後発の優勢として、F-22のデータリンク方面でのミスを避け、直接新世代であるF-35のデータリンク構造設計を照準することができる。

同時に、現役の第3世代および第3世代改良型戦闘機、例えば殲ー10A/B/C、殲ー11B/D、殲ー16などに対し相応の設備グレードアップを行い、もって殲ー20とコンビネーション作戦の特殊な要求に適応するのに便とする必要もある。

また、ボーイング社のF-15 2040C計画の考え方の筋道も中国空軍が参考および学習するに値する。殲ー11B/Dおよび殲ー16を利用して改装を行い、殲ー20遠距離作戦を支援する武器庫機とすることができる。我が国は近年来遠距離、超遠距離空対空ミサイル方面の技術進歩が非常に顕著である。200〜300km以上の敵サイドの空中目標に対し正確打撃を実施するのはもはやすでに夢想ではない。さらに加えて殲ー11B/Dおよび殲ー16本体内部の燃料搭載量は大きく、航続距離は長く、搭載能力は強く、事実F-15に比べ武器庫機としての使用に適している。このため、もし中国空軍が殲ー20ステルス戦闘機+殲ー11B/Dあるいは殲ー16武器庫機のコンビネーション作戦模式を探索するなら、アメリカ空軍の類似のコンビネーションに比べより良い戦術効果が得られると信じる。


 日本にもF-15のミサイル搭載能力を強化するプランがあるようですが、この場合F-35を敵上空に深入りさせることになるんでしょうか。ただ将来的にはこの役割は偵察と通信の能力だけ持つステルス無人機に任せるのがいいような気もしますね。

















戻るボタン