偵察弾道ミサイルが未来の戦争を変える?

 単なる軍事マニアの書いた文章らしく、どこまで現実味があるのかは疑わしいですが。

http://military.china.com/critical3/27/20150817/20208913.html


偵察ミサイルが中国の射程2千kmの対艦ミサイルを誘導:アメリカ空母さらに苦境に置かれる

偵察ミサイルが中国の射程2千kmの対艦巡航ミサイルを誘導

前書き:中国航空宇宙部門が新型の偵察型弾道ミサイルを開発したとの公開の報道を根拠に、何日か前に国外の専門家は中国がすでに「偵察型弾道ミサイル+攻撃型弾道ミサイル」のコンビネーションパンチを開発済みであると推断し、かつこれを対空母作戦の革命と称している。何故ならこの種の偵察型弾道ミサイルは使い捨ての低コスト衛星と見なされ得るからで、戦時には敵サイドの空母および大型艦隊の隊形に対し連続追跡位置決定および弾道の誘導を形成することができる。これを見て私は5年前のこれと似た作品「偵察弾+攻撃弾:中距離/大陸間ミサイルの正確な空母狙撃殺傷を確保し空母を狙殺」を思い出した。実は私は当時この種の技術構想に基づきさらにいくつかのバージョンを思いついたが未発表であり、これはその中に含まれた「偵察弾道ミサイル+遠距離巡航ミサイル:敵空母艦隊を狩り殺す」である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像は何らかの刊行物の一部と思われ、次のような内容です。)

2015年7月24日、ある中国の新型武器試験のニュースが西側メディアの高度の関心を引き起こした。「中国航空宇宙報」の報道によれば、中国航空宇宙技術集団社一院某特定項目機種任務試験チームが最近西北高原で第三回「大会戦」を行い、某機種新型武器の試験を開始した。この報道は何度もこの武器が敵サイドの画像を送り返す能力を持つことを暗示し、文章は「指揮コントロールビルディングのスクリーン上にはこの機種が送ってきた画像が表示され、幅数(頑住吉注:意味不明)、解像度、カバー範囲は全部設計上の要求を満足させた」、としている。

アメリカの「週刊航空」の多くの技術専門家はネット、ブログ上でこの中国から来た「スーパー武器」を深く検討しており、理解されているところによれば、この新型武器は空射弾道ミサイルシステムと呼ばれ、それは空中発射あるいは陸上基地発射の偵察型弾道ミサイルと空中発射攻撃弾道ミサイルからなり、その登場は全く新しい空対地/艦攻撃模式を確立し、弾道ミサイルに巡航ミサイルのいくつかの特性を持たせ、世界の対空母武器のまた1つの革命と呼ばれている。外国の分析人員は、この制御誘導方式は全く新しいミサイルの種類、すなわち偵察型弾道ミサイルを創始した、とする。

いわゆる「偵察型弾道ミサイル+遠距離巡航ミサイル」対艦模式は原理上「偵察型弾道ミサイル+攻撃型弾道ミサイル」対艦作戦と同じである。すなわちまず偵察型弾道ミサイルをもってアクティブ/パッシブレーダーシステムを投入して敵艦に対し連続的な正確位置決定を行い、これを基礎に巡航ミサイルが自主的に敵艦に命中するまで、遠距離巡航ミサイルの攻撃座標の正確な修正を実施する。この種の新型打撃模式の中で、遠距離ミサイルは利剣、一方偵察型弾道ミサイル/ロケットは目である。某種の意味から言って目は利剣に比べより必要である。何故なら現在弾道ミサイルも巡航ミサイルも簡単に何千kmかなたを打撃できるからである。だが何故軍艦というこの種の目標を打撃するのがそれにもかかわらず困難なのだろうか? 重要なカギとなる原因はこの種の目標が時速20から30ノットで不断に移動するからである! あなたが衛星あるいは遠距離飛行機がまず目標を発見した後ミサイルを発射したら、ミサイルが半時間後予定のポイントに到達した時には敵艦はすでに15海里走っており2〜3時間後には軍艦はすでに最初に予定されたポイントから60〜90海里(120〜160km)離れている。特に巡航ミサイルは亜音速飛行を採用するので、指令に接してから準備まで、さらに目標区域接近までの時間がより長く、敵艦は予定のポイントからより遠くまで走っている。

このため遠距離対艦ミサイル、特に飛行時間が長い亜音速巡航ミサイルにとって、目標の位置に対する持続的更新は命中を確保するカギとなる重要な性質の要素なのである。

敵艦に対し正確位置決定を行う方式は非常に多くあるが、戦時に強敵に対し連続位置決定を実施する手段は非常に多くはない。衛星について言えば大量の星座を建立することを必ず必要としてやっと実現でき、しかもアメリカは現在対衛星能力も日増しに成熟している。遠距離有人/無人機、偵察艦艇、潜水艦が戦時に敵艦に対し位置決定を行うこともできるが、敵サイドの厳密な保護の下で何時間かの連続位置決定を実現する難度も非常に高いのである。

一方偵察型弾道ミサイル/ロケットのメリットは防御突破性と連続性の強さにある。敵艦が最初に位置を暴露しさえすれば、即間歇的な発射によって敵艦に対する連続ロックオンを形成することができる。敵サイドの防衛力量がどんなに強くとも、この種の偵察を阻止することは不可能であり、これは他の偵察システムには具備し難いメリットである。

敵艦に対する遠距離連続位置決定を完成させた後、即遠距離巡航ミサイルを動員して攻撃を実施することができる。現在遠距離対艦巡航ミサイルの開発はすでに各国海軍の1つの趨勢となっている。例えばアメリカ海軍は射程「千km級」の対艦ミサイル開発の入札募集を行っているところである。それには2つの選択肢としての方案があり、1つ目は全く新しいステルス対艦巡航ミサイルLRASMの開発で、射程は500海里(750km)である。もう1つの選択肢は現有のトマホークIV巡航ミサイルに対し改装を行い、対地攻撃能力を保持させることを基礎に直接艦艇を攻撃できるようにするものである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「LRASMが956型ミサイル駆逐艦を攻撃するシミュレーション図。画像の中の956駆逐艦は我が軍の塗装である。」)

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ライセオン社が製造するトマホークBlock IVミサイル」です。)

中国もこの2種の模式を参考にできる。

1)現役の長剣10、空地20などの遠距離巡航ミサイルに対し直接的に改良を行い、対地攻撃能力を保持するのと同時に2000km離れた移動する艦艇に対し打撃を実施する能力を具備させる。この種の方案の技術的要求は敵艦の位置、特に巡航ミサイルが間もなく命中する段階での敵艦の位置に対する正確な位置決定の実施である。もし中国が偵察型弾道ミサイルを使用したら、この種の位置決定能力およびデータ通信能力を完全に具備する。

2)専用型の遠距離対艦巡航ミサイルを開発する。主に全天候レーダー誘導弾頭をもって赤外線誘導弾頭に取って代わらせ、かつミサイルのステルス能力を向上させ、アメリカのLRASMステルス対艦ミサイル相当の水準に到達させる。この種の新型遠距離対艦巡航ミサイルをさらに弾道式偵察ミサイルの誘導と結合すれば、超遠距離目標に対する有効な打撃の実現がより易しくなる。

実戦の中ではさらに「偵察型弾道ミサイル+対艦巡航ミサイル」攻撃模式と「偵察型弾道ミサイル+攻撃型弾道ミサイル」攻撃模式を混用し、したがって「偵察型弾道ミサイル+攻撃型弾道ミサイル+巡航ミサイル」の遠距離混合対艦模式を形成することができる。すなわちまず偵察型弾道ミサイルをもって敵艦を確定し、かつそれを連続し、その後さらに弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射して連合打撃を実施する。この種の打撃方式は弾道ミサイルの高い防御突破性をも発揮できるし、同時にまた巡航ミサイルの低コスト大数量の優勢も発揮でき、敵サイドの大型艦隊に対しより有効な破壊力を形成できる。

以下は「日本艦隊を閃撃」の戦例を想定し、もって「偵察型弾道ミサイル+弾道ミサイル+遠距離対艦巡航ミサイル」の攻撃過程および威力を見せる。

2019年、中日に衝突が発生する。日本は4つの「十十艦隊」を移動集合させ全兵力を動員し尽くす。日本の軍隊の配備は次の通りである。2つの艦隊を東京外海に配備し、日本の首都に対し取り囲む守備を形成する。2つの艦隊を第一列島線に依拠し沖縄以東に配備し、機をうかがい中国艦隊に対する封鎖と奇襲を実施しようとする。

日本の挑発に直面し、中国海軍は作戦の決心を下す。すなわち、日本艦隊を全滅させ、日本の海上能力を完全に剥奪する、である。

T0時、中国はそれぞれ東北と華東からそれぞれ4つの日本艦隊の所在する区域に対し多数の偵察型弾道ミサイルを発射する。

T3分、12発の弾道式対艦ミサイルが発射され、その目標は4つの「十十艦隊」の核心たる4隻のヘリ空母である。中国はそれぞれの日本のヘリ空母のために3発の対艦弾道ミサイルを装備する。

T5分日本艦隊は中国の弾道ミサイルの攻撃を発見し、散開型の緊急機動を開始する。

T12分、多数の偵察型弾道ミサイルが日本艦隊上空に到達する。弾頭が放出したアクティブ/パッシブレーダーがすぐに四方に逃げ散った艦艇の中から4隻の日本のヘリ空母を探し出し、かつその位置に対する正確なロックオンを行う。

T13分、12発の攻撃型弾道ミサイルが目標の最新の座標位置を受け取り、かつ軌道を変更し各自の目標に向かう。

T14分、攻撃型弾道ミサイルが大気圏に突入し、ブラックアウト区域を突破する。

T15分〜T16分、攻撃型弾道ミサイルがレーダー/赤外線誘導弾頭をONにし、偵察弾道ミサイルが3分前に正確誘導した区域で目標を発見し、巨大な爆発音の中4隻の日本のヘリ空母は撃沈される。

(頑住吉注:これより3ページ目)

T20〜T40分、120発の射程が2,500kmに達する「長剣」巡航ミサイルが発射され、それらの目標はああした海上を逃げる日本の駆逐艦、護衛艦および補給艦、中小艦艇である。中国はそれぞれの日本艦艇に3発の「長剣」巡航ミサイルを準備している。

T60分、中国は4つの日本艦隊に向け再度8発の偵察型弾道ミサイルを発射する。その目的は、日本艦隊の生き残った各艦艇に対する再度の位置決定の実施である。飛行過程にある対艦ミサイルに対し質問を行い、もって故障あるいは迎撃によって失踪したミサイルに対する補充発射の実施に便とする。

T90分、中国は4つの日本艦隊に向け再度8発の偵察型弾道ミサイルを発射する。その目的は日本艦隊に対し再度位置決定を行い、飛行中の巡航ミサイルと再度中継連絡し、日本の各艦の最新の座標を各ミサイルに送ることである。

T100分、中国は沖縄以東に位置する2つの日本艦隊に向け再度偵察型弾道ミサイルを発射する。その目的はT120分に攻撃位置に到達する中国の巡航ミサイルのために再度目標の位置を確定し、かつ巡航ミサイルに対するデータ中継誘導を実施することである。

T115分、中国集群が発射した巡航ミサイルが2つの日本艦隊付近に到達し、偵察型弾道ミサイルが最後に提供した目標位置データをキャッチし、後方の指揮システムと最後のデータ交換を行う。

T120〜125分、中国の巡航ミサイル集群は自らのレーダーおよび赤外線設備を利用して日本の艦を発見し、かつ致命的なスパートを実施し、起伏する爆発と煙や火の中、日本の艦に弾が命中し次々に沈没する。

T150分、中国は東京付近の2つの日本艦隊に向け再度偵察型弾道ミサイルを発射する。その目的は日本の艦に対し再度位置決定を行い、かつ飛行中の巡航ミサイルに対し質問を行うことである。

T160〜165分、中国は再度東京付近の日本艦隊に対し多数の偵察型弾道ミサイルを発射し、T180分に攻撃を実施する巡航ミサイルのために最後の位置確定を行い、かつ中継誘導を行う準備をする。

T180分、偵察型弾道ミサイルが日本艦隊上空に到達して最後の偵察を実施し、かつ関連の目標データをそれぞれの攻撃巡航ミサイルに分配してやる。中国の集団で到達した巡航ミサイルは日本艦隊に対し飽和攻撃を発動し、数分後海面上に煙と火、漂う日本の水兵が現れ、海上にはすでに日本の艦艇は1隻もない。

中国の第1発目の偵察型ミサイルが発射されてから、中国の最後の1発の巡航ミサイルが目標に命中するまで、たった3時間で日本艦隊はもうすでに全軍壊滅している‥‥

この仮定された戦例により以下のいくつかの結論が得られる。

1)偵察型弾道ミサイルの偵察およびデータ中継能力は強大でかつ取って代わることのできないものである。短時間内に敵サイドの種々の迎撃や対抗を突破し、高い脅威の地域に対し連続した偵察を実施するのは偵察型弾道ミサイルのみがやっと達成できることである。しかもそれは伝統的な衛星が殲滅され、妨害され、あるいは到達できない状況下でミサイルのためにデータ中継が提供できる。

2)有効な誘導の状況下での弾道対艦ミサイルと巡航対艦ミサイルをコンビネーションしての使用は敵の遠方の艦隊に対しより有効な殺傷を構成し得る。弾道式対艦ミサイルは防御突破能力が強いがコストが高く、敵サイドの空母、上陸艦など大型核心目標に対し快速殺傷を形成するのに適する。だが弾道ミサイルを用いて敵サイドの大量の駆逐艦・護衛艦を攻撃しようというのは非現実的である。巡航ミサイルのメリットはコストが低く、数が多く、かつ戦闘部の重量が足り、敵サイドの大規模な艦隊に対し攻撃を実施するのに適することである。

要するに、「偵察型弾道ミサイル+対艦巡航ミサイル」、「偵察型弾道ミサイル+攻撃型弾道ミサイル」は極めて大きく海戦の伝統的思想を書き換えることになる可能性がある。中国というこのような後発の海洋大国に対してはなおさら飛躍的ブースト作用を果たし得る。


 いったいどこまで本気にしていいのやら私にはさっぱり分かりませんが、技術はともかくコスト的には今の中国には充分できそうな気もします。






















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