中国の平和維持軍の歩兵戦闘車が攻撃を受け死傷者が出る

 中国では大きな話題になっているようです。長いからというより時間がないからですが今回も2回に分けます。

http://military.china.com/jszmt/02/11173748/20160719/23094863.html?noadaptive


中国の平和維持部隊の92B歩兵戦闘車、襲撃に遭遇 四大問題が深思に値する

南スーダン現地時間7月10日午後、首都ジュバの市街区で両派が持続的に交戦し、任務を執行中の中国の南スーダンに赴いた平和維持歩兵大隊の1両の歩兵戦闘車が砲弾の命中を受けた。中国サイドの人員2名の犠牲がもたらされ、5人が負傷した。このうち2人は重傷で、3人は軽傷だった。犠牲となった人員は伍長の李磊と四級軍曹の楊樹朋である。これは6月1日に中国駐マリ平和維持部隊が襲撃に遭遇しかつ人員の死傷がもたらされたのに続く、また一度の深刻な流血事件でもある。中国政府と中国軍は上述の襲撃に対し大きな驚愕を感じかつ強烈な非難を行い、犠牲になった人員に対し悲痛を深く感じかつ深く哀悼の意を表し、負傷した人員および負傷者の家族に対し心からの慰問を表明した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「南スーダン各派系軍隊は普遍的に武装ピックアップ、4連装高射機関銃、迫撃砲などの大型武器を装備している。」)

誰が中国の平和維持歩兵大隊を襲撃したのか?

7月8日から始まり、南スーダン政府軍と反政府軍は首都ジュバ市街区で交戦している。ニュースビデオから見て、双方いずれもメインバトルタンク、武装ピックアップ、4連装高射機関銃、迫撃砲などの大型武器を出動させ、戦況も甚だしく激烈である。主観的に言って、南スーダン政府軍だろうと反政府軍だろうと、いずれにも中国の平和維持部隊を襲撃する必要はない。これは平和維持部隊が中立、双方の武装衝突に介入しない立場を厳守しているからというだけでなく、さらには故意に平和維持部隊を襲撃すれば必ずや全世界の強烈な非難に遭うからで、これは独立したばかりで、国際社会の援助を切迫して必要としている南スーダンにとって、メリットよりデメリットが大きいと言える。

このため、今回中国の平和維持部隊が襲撃に遭遇した事件の発生は、南スーダン政府軍あるいは反政府軍が故意にしたのではなく、偶発した意外な事件のはずである。特に交戦双方の訓練の程度がいずれも非常に低いことを考慮すると、火砲などの技術装備に対する掌握の程度も高くなく、誤爆事件の発生は決して不思議ではない。だが情勢が複雑なため、一方が故意に中国の平和維持部隊を襲撃して別の一方に罪を着せようとした可能性も完全には排除できない。これは国連平和維持行動歴史上、何度も発生していることでもある。

しかし意図せずでもわざとでも、国連と中国方面はいずれも今回の襲撃遭遇事件に対し徹底した調査を行い、かつ悪事の当事者の厳罰を要求する権利がある。同時に直ちに応急メカニズムを始動させ、さらに一歩安全防備措置を強化し、もってこの種の事件の再発を途絶させる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「攻撃に遭った中国サイドの戦闘車の内部の画像」)

どんな武器が中国サイドの戦闘車に命中したのか?

当局メディアが発表した中国の平和維持部隊が襲撃を受けた画像およびビデオから見て、砲弾に命中されたのは国産の92B型装輪式歩兵戦闘車である。現場でインタビューを受けた兵士たちの描写によれば、「砲弾は歩兵戦闘車の両窓の間から撃ち込まれ、車体内部で爆発した。砲弾の尾翼はまだ車の窓の上に残っており、さらに当時皆が砲弾が飛行する軌跡を見た。」 しかもネット上にはさらに1枚の現場の砲弾の残骸の画像が流れ伝わっている(だがこの画像の真偽はまだ確認できない)。このことはより直接的な手がかりを提供している。

戦士たちの描写から見て、この砲弾は飛行の軌跡が見え、しかもさらに尾翼が付属していた。このことは砲弾の初速が高くなかったことを説明しており、だからこそ肉眼で飛行の軌跡が見えたのである。だが普通のカノン砲、榴弾砲、高射砲の砲弾は、初速が非常に高いため、肉眼では飛行の軌跡は全く見えない(当然曳光弾を使用する状況は除外する)。まさに初速が高くないからでもあるが、飛行の安定を保持するため、さらに尾翼を装備していた。現在世界各国が生産、装備する砲弾の中で、主にロケット弾、迫撃砲弾、低速グレネード、低速成形炸薬弾、一部の戦車砲弾(例えば尾翼で安定するサボ付き徹甲弾)などが尾翼を装備している。

まず排除できるのは戦車砲弾である。戦車砲弾の初速は相対的に高く、肉眼で飛行の軌跡を見るのは非常に難しい。しかも戦車砲弾の威力は非常に大きく、ひとたび92Bといった種類の装輪式歩兵戦闘車に命中すれば、壊滅的結果がもたらされ、人員の死傷はより大きかっただろう。一方ロケット弾の可能性も高くない。現在戦闘区域で最もよく見られるのはRPG-7といった種類の兵個人対戦車ロケットランチャーで、この種のロケットランチャーは平射をメインとし、決して曲射武器ではない。襲撃に遭遇した画像から見て、歩兵戦闘車は頂部に弾が命中したようで、これは明らかに平射武器では達成し難い。次は迫撃砲弾である。迫撃砲は典型的な曲射武器だが、その砲弾は一般に人員、構築物、防御のない車両の殺傷をメインとし、戦車、歩兵戦闘車といった種類の防御のある車両を攻撃するのには決して適していない。しかも迫撃砲弾の信管は主に空中爆発あるいは触発信管で、もし戦車、歩兵戦闘車の攻撃に用いたら、砲弾は半空中あるいは車体に接触した瞬間に爆発し、それが生じさせる弾片も戦車あるいは歩兵戦闘車の頂部装甲を貫通することは非常に難しい。唯一あり得るのは、92B装輪式歩兵戦闘車頂部の「天窓」が襲撃遭遇時に閉まっておらず、迫撃砲弾が直接車内に飛び込んで内部で爆発した、というものである。

最後は低速グレネードおよび低速成形炸薬弾だが、この種の砲弾は主に低圧火砲によって発射され、例えばBMP-1歩兵戦闘車上の73mm低圧火砲、BMP-3歩兵戦闘車上の100mm低圧火砲、SPG-9無反動砲などである。もしネットに伝わる現場の砲弾の残骸の画像が本物なら、中国の平和維持部隊の歩兵戦闘車を襲撃した「犯人」がこの種の砲弾だとほとんど肯定することができる。この種の砲弾の初速は高くなく、その運動の軌跡は肉眼で見られ得るし、弾の尾部には一般にネットに伝わる画像に似た折り畳み式尾翼が装備されている(明らかに迫撃砲弾の固定式尾翼とは異なる)。もし比較的高い場所から直射しても、中国の平和維持部隊の歩兵戦闘車の頂部を打撃することができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の平和維持部隊が装備する92B型装輪式装甲車」)















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