いかにして空母上に着艦するか

 空母への着艦はどのように行うか、いかに困難かを画像を中心に説明したページです。

http://military.china.com/zh_cn/dthz/11126957/20120929/17458776.html


命に関わるキス! 殲-15が遼寧艦上でいかにして発着するかを詳しく解説

(頑住吉注:1ページ目の画像のキャプションです。「アメリカ海軍のF-14艦載戦闘機の着艦の瞬間。機の着艦フックが制動ケーブルをつかむことに成功している。」)

画像集の詳しい情報:

航空母艦(以下「空母」と略称)は巨大で複雑な海上作戦プラットフォームであり、海上を移動する飛行場である。艦載機の着艦と着陸の物理的環境には非常に大きな差があり、それは主に甲板の寸法が制限を受けること、空母が移動状態にあること、甲板風、艦尾気流が存在すること、パイロットの視界が制限を受けることに表れる。まさにこうした差異が機の着艦の難度をより高くし、危険要素をより多くし、衝突や海への墜落事故を発生させることがあるのである。このため、着艦の安全はずっと世界各国の空母の発展と使用の中の重大な課題なのである。

艦載機には固定翼機と回転翼機があるが、ここで論ずる必要のある艦載機の着艦は固定翼機のそれを指す。周知のように艦載機の発着は主に空母を基地として行われる。艦載機は空母という海上の「移動する陸地」に適応する必要があるのである。ここで、艦載機の着艦過程と陸上プラットフォームの航空機の着陸過程の分析比較を通じて、艦載機着艦の突出した特徴、および着艦の全過程の、各種の主要な関係する構造、装置、施設に対する特殊な要求を見てみよう。

固定翼艦載機の空母上への着艦は、毎時300kmでの空母甲板上への衝突に相当し(頑住吉注:「制御された墜落」なんて言葉もあるそうですね)、毎回の発着が常に命がけのチャレンジであり、常に艦載戦闘機飛行員の、身体的極限、飛行技術、意思の質から心理的素質までの極端な試練である。

(頑住吉注:2ページ目)中国海軍の初代艦載戦闘機殲-15が降着を準備する画面。画像から、殲-15艦載戦闘機の前部降着装置に空前の強化がなされ、機体のフレーム強度が殲-11Bに比べ極めて大きく向上していることが見て取れる(頑住吉注:脚はともかく機体の強度は画像から見て取れんでしょう)。

(頑住吉注:3ページ目)この空母上に特徴的に配備される「目視光学降着補助システム」は通常「Fresnelレンズシステム」と呼ばれる。このシステムの突出した特徴は、直線性が極めて良い柱型の光束を発することができることで、空間のある1つの特定の角度においてのみこの光束を見ることができる(頑住吉注:日本語版「Wikipedia」にも「フレネルレンズ」の項目がありました)。このため、このシステムは艦載機のために正確な下降ルートを指示できるのである。1970年代以後、アメリカ海軍は第2世代の降着補助システムを装備、使用に投入した。「全天候電子降着補助システム」である。しかし実際の艦にアプローチし着艦する過程では、目視による着艦は依然完全に取って代わられることができず、艦載機飛行員はやはり目視着艦の技術能力を持ち、もって各種の未知の状況に適応する必要がある。

(頑住吉注:4ページ目)アメリカ海軍のF-14艦載戦闘機がアプローチし着艦準備しているところ

(頑住吉注:5ページ目)「逃逸復飛」(頑住吉注:着陸復航に近いようですが区別されてます) このような各種の措置や設備があって着艦補助を行ったとしても、艦載機の着艦は陸上プラットフォームの航空機の着陸リスク係数との比較で言えば依然大きくなる。しかも正確な着艦であるには、さらに飛行甲板上で制動ケーブルによって50〜70m内で有効に制動する必要があり、これで着艦過程全体がやっと成功と評価できるのである。そこで、最大限に着艦の安全を保証するため、艦載機の着艦手順の中にはさらに非常に重要な1ピースが設けられている。すなわち艦載機の「逃逸復飛」である。陸上プラットフォーム航空機の着陸復航機動に比べ、「逃逸復飛」は着艦フックが制動ケーブルを引っ掛けることに失敗した後の機の復航機動を指す。運動学の角度から見ると、逃逸復飛機動は初速度がゼロではない加速直線運動である(この初速度は着艦下降過程の末端の、艦載機と空母がコンタクトする速度とするべきである)。例えば艦載機が安全に復航する必要があるなら、艦載機は規定の甲板の長さ以内で安全な離艦速度に加速し、新たに飛び立った後再び次の安全な着艦を図ることが要求される。まとめると、艦載機の着艦は機・艦マッチング性の上に建立される1つの総合的過程であり、陸上プラットフォームの航空機の着陸とは顕著な差があり、艦載機の設計、使用、そして改良さえ貫徹する重要な1ピースなのである。

(頑住吉注:6ページ目)ロシア海軍のスホーイ-33艦載機の空母上への降着。艦載機の艦へのアプローチ、下降、着艦までの過程で、必ずできる限り甲板の滑走路の真ん中の軸線に正確に合わせる必要がある。さもないと直ちに降着後甲板上の建築物や滑走路脇に駐機されている他の機にぶつかる可能性がある。さらに通常空母の飛行甲板は艦尾から艦首まで、空母の左舷側に寄って設計されており、空母の軸線とは外向きの角度を形成しているので、艦載機が下降し艦尾に接近する過程で、空母は不断に前進しているため、降着を待つ甲板の滑走路が空母の運動につれて不断に右前方に平行移動する結果がもたらされる。このため飛行員は最初に中心に相対するのに成功した後、さらに降着前の下降過程で滑走路の平行移動状況に基づいて、機の飛行方向を不断に右向きに修正し、艦載機が安全に甲板上に降着するまで、飛行方向が終始できる限り滑走路の中心線に正確に合うことを保証する必要がある(頑住吉注:なーるほど。そりゃ大変そうですな)。

(頑住吉注:7ページ目)ロシア海軍のスホーイ-33艦載機が飛行甲板の発艦位置に固定されている。戦備当番状態にあるところに違いなく、常に素早く発艦して作戦行動する準備をしている。

(頑住吉注:8ページ目)図は艦載戦闘機飛行員の着艦時の視界がどのくらいかの特徴である。我々はここから、戦闘機の着艦過程で終始飛行方向を保持するのがどんなに困難かに気付くことができる。戦闘機の視界と下降の軌跡には誤差も存在し、余りに大きな誤差は機が破壊され人が死ぬ結果をもたらすことになる可能性が高い(頑住吉注:機首上げの状態で着艦するのであまり下は見えないということでしょうか)。

(頑住吉注:9ページ目)図は下降転移機動の過程である。殲-15艦載機は厳格な試験を経ることが必須であり、これでやっと真の着艦を行うことができる。地面に接近するいかなる大仰角の飛行試験を行うより前に、より高い高度で多くの大仰角試験を完了することが必須である。試験では目標とする仰角より若干大きな仰角値を選ぶ必要がある。2つの可動式フレネル光学降着補助システム(FLOLS)は715フィートの間隔で飛行滑走路上に設置されている。2つのシステムはいずれも4度の下降ルートを提供するよう設定されている。アプローチ時は、まずは1つ目の降着補助システムに合わせる。(頑住吉注:知識不足の中一生懸命訳してきて、ここまでは大筋あっていると思うんですが、これ以後は難しすぎてよく分からんです。)甲板風は予定の艦上回収時の速度に接近し、制動装置は軌跡の角度が最小になるよう設定されるべきである。飛行員が操縦する状況下で、縦方向の操縦で獲得が期待される機動仰角に持っていき、飛行員は2つ目の降着補助システム上の中心の小球によって、あるいは最初に縦方向に入った5秒後、このうち先に発生した方を選び、機動が終わるまで行う。試験中飛行員はスロットルは使わない。もし機にアプローチパワーブースター(APC)機能があれば、試験はAPC機能オンの状況下で繰り返し行うべきである。

(頑住吉注:10ページ目)艦載機のアプローチ、着艦と復航の全過程を図示したもの。遼寧号空母上に出現した戦闘機の車輪による空母甲板上の摩擦痕はこの種の着艦復航が残した痕跡かもしれない。艦載機は殲-15、あるいは中国の殲教-9機かもしれない(頑住吉注:後者は高等練習機です http://news.xinhuanet.com/mil/2011-06/14/c_121535526.htm )。

(頑住吉注:11ページ目)艦載機発着の飛行の完全な図示

(頑住吉注:12ページ目)殲-15艦載機の下降着艦運動の軌跡

(頑住吉注:13ページ目)F-14戦闘機のアプローチ、降着。着艦フックがすでに伸び出ていることに注意

(頑住吉注:14ページ目)ロシア海軍のスホーイ-33艦載戦闘機が発艦の準備をしている

(頑住吉注:15ページ目)ロシア海軍のスホーイ-33艦載戦闘機がスキージャンプ甲板上で飛び立つ瞬間

(頑住吉注:16ページ目)ロシアのスホーイ-33戦闘機が空母上で発艦の準備をしている (頑住吉注:なお17ページ目もほぼ同じです)

(頑住吉注:17ページ目)ロシアのスホーイ-33戦闘機が空母上で発艦するスリリングな場面

(頑住吉注:19ページ目)F/A-18戦闘機が陸上で着艦飛行訓練を行っている

(頑住吉注:20ページ目)F/A-18艦載戦闘機が発艦時空母を離脱する瞬間

(頑住吉注:21ページ目)ロシア空母上に駐機されるスホーイ-33艦載戦闘機

(頑住吉注:22ページ目)ドックに入って維持メンテナンスを行うロシアの唯一の現役空母「クズネツォフ」号

(頑住吉注:23ページ目)ロシア海軍のスホーイ-33艦載戦闘機が空母上でスキージャンプ発艦する瞬間 (頑住吉注:25ページ目まで同じです)

(頑住吉注:26ページ目)アメリカ海軍のF/A-18戦闘機が空母上に降着する瞬間

(頑住吉注:27ページ目)アメリカ海軍のF-14戦闘機が空母上でカタパルト発進する

(頑住吉注:28ページ目)工場を出たばかりの殲-15艦載戦闘機。機体尾部の着艦フックがクリアに見える(頑住吉注:見えないよ、と思ったんですが、30ページ目の画像から縞模様の棒状のものがそうだと分かりました)。

(頑住吉注:29ページ目)八一建軍節での灰色に塗装されている中国海軍の殲-15艦載戦闘機 (頑住吉注:30ページ目も同じです)


 知識ある人からは当たり前だと言われそうですが、空母への着艦って想像以上に難しいものなんですね。しかし同じ人間が現にやっていることであり、中国人パイロットにできないことはないでしょう。


















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