北朝鮮による中国漁船拿捕事件解決

 まずこちらから。

http://military.china.com/important/11132797/20130521/17843811.html


船長:返航時、船のディーゼル油が大部分盗み去られているのに気付く

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「事件発生海域」)

ネットワークニュースの放送:【中国サイドの北朝鮮により拘留されていた漁船と船員釈放される】 「遼普漁25222」の船主である于学君が明らかにしたところによれば、5月21日早朝3時50分、彼は船長からの電話を受け、「北朝鮮は我が船舶と船員を釈放し、船長は自分たちはすでに返航を開始したと言っている。十数日の間北朝鮮サイドは船員の自由を制限し、また返航時船のディーゼル油が大部分北朝鮮によって盗み去られているのに気付いた。」という。于学君は「外交部に感謝します。皆さんありがとう。」と言った。


 記事は続いてますが省略し、こちらの前日の詳しい記事を。

http://military.china.com/news/568/20130520/17842965.html


中朝、海上国境線を未確定 東経124度、デリケートな海域となる

中朝「グレー」海域の波風再び起こる

今月5日、遼寧省大連市のコードナンバー「遼普漁25222」の漁船が中国の海域において北朝鮮巡視艇によって阻止された後、北朝鮮海域に連行された。船上には全部で16人の船員がいた。相手サイドは船主に対し19日12時前、丹東のある会社に60万元の費用の支払いを要求し、期限を過ぎて金を払わなければ、北朝鮮サイドは船を没収し、船員は送還することになる、とした。

昨日昼、すなわち北朝鮮サイドが出した最終期限前、抑留された中国漁船船主于学君は記者に、彼がすでに相手方の7〜8回の「身代金」要求の電話を受け、最後の通話は5月18日だった、と事実確認した。

「16名の船員の生命の安全が本当に心配だ」と于学君は電話で繰り返し言い、非常に憂慮していた。于学君は、彼らはすでに遼寧省海警総隊のある支隊に通報し、中国の駐北朝鮮大使館に領事による保護も求めた、とした。

中国駐北朝鮮大使館は昨日、大連市の漁船「遼普漁25222」号が北朝鮮によって拿捕された事実を確認した。5月10日、船主の于学君は大使館に向け電話で助けを求めた。大使館は直ちに北朝鮮外務省領事局に向け交渉を提案し、北朝鮮サイドができる限り早く船と人を解放し、我が抑留されている船員の生命財産の安全と合法な権益を適切に保護するよう要求した。交渉の状況はすでに船主に告知され、まさに北朝鮮サイドにできる限り早く適切に処理するよう懇切に促しているところである。

昨晩に記者が原稿を送る時までに、于学君はまださらに一歩の情報を受け取っていなかった。

16名の船員との連絡が途絶えて2週間

于学君が提供した資料は、抑留された16名の船員はそれぞれ遼寧省、黒竜江省、内モンゴル自治区、湖北省から来ており、船長は姚国治というということを明示している。「遼普漁25222」と「遼普漁25221」はペアのトロール漁船で、それぞれ340トンである。姚国治と姚国峰の兄弟は2人それぞれ2隻の漁船の海上作業を担当していた。

于学君は記者に次のように伝えた。2隻の漁船は5月2日大連湾の漁港を離れて深海の漁に行き、25日前後で港に帰る予定だった。その間昼間はイカナゴ漁をし、夜は作業海域で休息した。2隻の船が最後に連絡を取ったのは5月5日夜10時頃で、当時「遼普漁25222」のいた位置は東経123度53分500、北緯38度18分だった。1時間後、「遼普漁25222」との連絡が取れなくなった。「当時2隻の漁船の距離は300m前後だった。」と于学君は語った。

「遼普漁25221」船は作業海域付近で捜索を開始したが、一向に捜し当てることはなかった。5月6日早朝4時前後、ある丹東籍の木造船の船員が、「遼普漁25222」が北朝鮮巡視艇に連れられ東に向け航行しているのを見た、と話した。事件発生海域から東に向かえば、すなわち北朝鮮の海域である。

5月7日夜7時頃、于学君は初めて北朝鮮サイドからの電話を受けた。相手方が使用したのは衛星電話で、番号は13492269515であることがはっきり示された(頑住吉注:電話番号出していいんすかね)。「北朝鮮サイドは『遼普漁25222』は北朝鮮の海域に入ったのだとし、私に丹東のある会社に120万人民元を支払うよう要求し、そうすればこそ船と船員を返すことができる、とした。」于学君は語った(頑住吉注:丹東は遼寧省の地名で、よく分からんのですが北朝鮮の出先機関的な会社があるということでしょうか)。

北朝鮮サイドの中国語がよくないため、抑留された「遼普漁25222」船長姚国治は間接的情報伝達の方式で于学君との通話ができた。于学君は、姚国治は電話の中で彼に、この船を押収したのは北朝鮮の189艇隊のある機械船で、十数名の北朝鮮人が銃を携帯して漁船を抑留した、と知らせた。

于学君は記者に、船が抑留された後、北朝鮮サイドはすでに何度も彼と連絡を取り、身代金は120万人民元から60万人民元にまで下がり、出された最終期限は5月19日昼12時で、期限を越えて金を払わない場合北朝鮮サイドは船を没収し、船員は送還するとしている、と教えた。

「私はそんなに多くの支払いに充てる金を持っていない。船上の物資がもし奪い去られていなければ、まだ4〜5日は持ちこたえられる。」と于学君は言った。だが、中国漁船が連れ去られてから、すでにまるまる14日になる。

于学君は、事件発生後、彼はすでに遼寧省海警総隊のある支隊、大連湾国境警備派出所に通報した、と語った。遼寧省海警総隊のある支隊のある責任者はこの情報を事実確認したが、いかなる案件の情報も漏らしていない。南方都市報の情報によれば、中国公安システムサイドはすでに北朝鮮に向けて書簡を発し、抑留された船員と船の無条件釈放を要求している。

デリケートな「東経124度」

「遼普漁25222」船主于学君は、漁船が最後に連絡を取った位置は東経123度53分500、北緯38度18分だとしている。

于学君の言う位置だとすると、この一帯は中国の伝統的漁場で、海底は砂地で、イカナゴと呼ばれる魚類が比較的多く、ペアのトロール船が多数この付近で漁の作業をしている。漁船は中国の海域で作業中に拿捕され、これは中国の主権の侵犯である。また、漁船は夜間に北朝鮮人員によって拿捕されているが、漁船は夜間は決して漁をしていない。

しかし事実として、中朝双方には明確な海上国境線が確定されていない。北朝鮮は1977年6月21日に政令を発布し、200海里排他的経済水域の建立を宣言した。排他的経済水域は領海基本線から200海里で、200海里の水域が分けられない時は海洋中間線が引かれる。この範囲は中国の認可を決して得てはいない。

現地の漁民は記者に、2010年からこの海域は「デリケート」なものに変わってきて、北朝鮮の法執行船舶が「内部コントロール線」に停留し、北朝鮮サイドが一方的に中国サイドの漁船の作業を観測している、と教えた。「内部コントロール線」は東経124度で、これは漁民たちが口頭で伝えてきた境界線で、当局の認可は決して得ていない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

一方において朝中海域の境界がはっきりしないというのは歴史的現実であるし、一方においては漁で生計の道を図る生存の必要がある。中朝の「グレー」海域にはすでに、中国国境貿易「仲介人」と北朝鮮軍人の共同管理の潜在的規則が形成されている。

南都は公安の事情を知る人物の情報を引用し、漁船の拿捕事件はこれまでにも発生しており、「遼普漁25222」船拿捕事件も今年初ではなく、最近はより頻繁になっている、とする。この人物は、丹東市では3隻の漁船が拿捕されており、別の2隻の漁船はすでに釈放され、船主が要求された身代金は最多で30万元に達する、とする。

去年5月、同様にこの「グレー」海域において、3隻の大連漁船の、全部で28名の中国船員が北朝鮮軍人によって抑留された。漁船が拿捕された時、北斗衛星の明示した数値は統計123度16分、北緯38度18分だった(頑住吉注:北斗システムは漁船にも普及してるんですね)。中国外交部は当時、漁船拿捕に関する事件は漁業案件に属すると態度表明した。

この事件の中で、北朝鮮サイドは抑留された中国船員に文書に署名するよう要求し、文書の記述は「中国サイドの船員は境界を越えて逮捕され、朝中関係の配慮から、船員の行為に対し追及は行わない」とされていた。28人は最終的にいかなる費用も払わない状況下で釈放され中国に送り返された。

翌月、すなわち去年6月、中国農業部は通知を発して、中朝双方は漁船が北朝鮮東部海域に赴いて非合法に漁をすることを厳しく打撃する、と強調した。(朝刊記者 権義 北京発)


 この事件発生を知った時は北朝鮮も血迷ったかと思いましたが、身代金を払わないと船員を返さないとか、まして危害を加えるという話ではなく、船を没収して船員は送り返すということだったようです。北朝鮮の目的はあわよくば少しでも金を手に入れることで、ディーゼル油を抜き取るということからもその困窮ぶりがうかがえます。しかし目的はそれだけではないと思われます。「北朝鮮サイドは抑留された中国船員に文書に署名するよう要求し、文書の記述は『中国サイドの船員は境界を越えて逮捕され、朝中関係の配慮から、船員の行為に対し追及は行わない』とされていた。」とありますが、中国とフィリピンの領海争いの中でフィリピンも中国の船員に対し同様の「領海侵犯を認める」文書への署名を求めています。こうしたことで「ここはうちの領海。現場の相手国の漁民もそれは認めている。」という証拠作りをしたいというのもあるんでしょう。万一尖閣周辺で中国の公務船に日本の漁船が拿捕され、「領海侵犯を認める」との文書に署名するよう強要されたらどうするのか、念のため考えておいた方がいいのではないでしょうか。













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