中国、ロシアからのステルス戦闘機共同開発提案を拒絶?

 「中国のステルス機はアメリカの秘密情報をハッキングして得た結果」という説はもう何度か出てきていますが、これもそれに関する内容です。

http://military.china.com/important/64/20121129/17555479.html


中国サイド、ロシアとの第5世代機共同研究を拒絶 ロシアメディア、何と中国が秘密を盗むのに成功したせいだ、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国が研究開発した殲-10Bは2機種のステルス機のための技術的蓄えを行った。」)

【グローバルネット総合報道】ロシアの週刊「軍工信使」は11月28日、次のように報道した。2012年中国珠海航空展は非常に大きな成功を勝ち取り、中国は一連の新型軍用機と民間機、ヘリ、無人機、ミサイルやその他の航空宇宙装備を登場させ、これには武直-10近代化攻撃ヘリや「翼竜」新型無人機が含まれ、中国航空製造業が近年手にした大きな成果を充分に見せた。だが中国の航空エンジン製造領域における問題と隔たりは、依然非常にはっきりしている。

ロシアメディアは言う。中国は理解できる原因から珠海航空展に軍事航空装備領域のいくつかの新製品を登場させなかった。だが、新製品に関する情報は、航空展開幕前にすでにネットを通じて国際社会に向け独特の展示を行っており、特に第5世代大型戦闘機である殲-20と中型戦闘機殲ー31がそうである。10年前、中国航空工業はまだ戦闘力を持つ国産戦闘機を1つも持たなかったが、現在中国はすでにFC-1「梟竜」/JF-17「雷電」、殲-10という2種類の戦闘機を装備しており、その性能は世界で最も先進的な戦闘機に匹敵する(頑住吉注:F-22と? それはないでしょう)。これと同時に中国はさらに、伝統的なミグ-21を基礎に研究開発してできた、物は良くて廉価な国産戦闘機の供給を継続している。中国航空工業はさらにスホーイ-27の国産コピー生産品である殲-11B、およびスホーイ-33艦載機の中国バージョンである殲-15を研究開発した。この他、中国の2大飛行機工業集団社である成都と沈陽は相次いで新世代ステルス戦闘機である殲-20と殲-31の試験サンプル機を製造し、しかもこれらの戦闘機のために航空ミサイル、およびその他の新世代航空設備の生産ラインを拡大した。これにはアクティブフェイズドアレイ機載レーダーや赤外線捜索照準システムが含まれる。

殲-20と殲-31戦闘機研究開発プロジェクトを成功裏に実現させた技術的ジャンピングボードは殲-10Bかもしれない。中国は2010年末の殲-20大型戦闘機の突然の登場後、ステルス技術プロジェクトの地位を詳細に説明してはいないのではあるが。最近明らかにされた殲-31中型戦闘機の寸法は、アメリカの第5世代戦闘機F-35と大体同じであり、このことは殲-31が殲-20大型戦闘機と共に、中国空軍のライト・ヘビー、ハイ・ローミックス、相互補充の将来戦闘機配置方案の中での取り換えのきかない組成部分になることを表している。殲-20と殲-31は構造、輪郭、寸法上それぞれ異なっているが、両者のプロジェクトの進展はいずれも非常にスムーズで、しかも2種の原型機の寸法はいずれも殲-10より大きく、このことは中国空軍の、将来これら3種のクラス別の戦闘機の混合配置を形成する意図を表している。今後何年か、中国戦闘機の発展の歩調は加速することになる。2005年における中国の重点実行戦闘機プロジェクトに、主にJF-17、殲-10、殲-11Bがあったと言うならば、今日は殲-10Bと殲-15プロジェクトの実行と同時に、成都飛行機と沈陽飛行機はさらに努力して新世代ステルス戦闘機殲-20および殲-31の研究開発を行っているのである。中国の成都飛行機とパキスタンが協力し共同研究開発したJF-17戦闘機は、中国サイドがミグ-21戦闘機の研究を基礎に自主的に設計、研究開発した全く新しい製品で、1999年にフランスのパリのル・ブルジェ航空展で初公開され、現在十年余りが過ぎ、中国・パキスタン両国はすでにこの戦闘機を量産しているだけでなく、対外的輸出も開始している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは1ページ目と同じです)

アメリカの専門家は中国の軍事航空製造業の積極的な発展の動向を分析する時、この種の発展は、中国の西側の工業領域に照準を合わせた、非常に有効な、目標が明確なネット情報偵察活動のおかげをこうむっているが、エンジン製造技術は依然中国航空工業発展の制約要素だと考える。何故なら中国のあらゆる近代的実戦機は今に至るも依然ロシア製航空エンジンを装備することを迫られているからである。ネット情報偵察活動が中国の軍事科学技術の進歩にどの程度の促進作用を引き起こしたかに関しては、現在評価することは難しい。だが西側は、そのコンピュータネットワークへの浸透の企図は、一種の恒常的な脅威であり、主に中国から来るものだ、と言う。だが2006年以前、西側はずっとこれに気付くことができなかった。また中国が近年明るみに出した新型軍用機と武器装備は、主にこの1段階前の研究開発の成果である。以前の航空作戦装備領域の協力は、中国とロシアの軍事技術協力の前途の方向性の1つであり(頑住吉注:以前は協力関係が密接だったが中国のコピー生産で冷え込み、これを復活させることは今後の選択肢の1つだ、ということでしょう)、ロシアサイドはかつて、中国と協力しての第5世代戦闘機共同研究開発の実行可能性問題を考慮したことがあり、プロジェクトの費用は120〜150億アメリカドルと見積もられた。ロシアサイドは何度も中国サイドにこのための共同の努力を提案した。だが中国サイドの支持は得られなかった。あるいは中国の情報機関の特殊情報分隊が当時すでに必要な情報の獲得に成功していたのかもしれない。アメリカの第5世代戦闘機Fー22およびF-35研究開発プロジェクトに参与するトップメーカーのコンピュータネットワークに進入し、アメリカのステルス戦闘機の詳細情報と技術を掌握し、これにはステルス材料、表面、輪郭の処理方法、キャビンドアの構造、アクティブフェイズドアレイ機載レーダーの口径などが含まれ、殲-20,殲-31、殲-10B戦闘機に応用されたのではないか。中国の新型ネットワーク武器領域における成功がロシアサイドの提案を拒絶させ、ロシアとインドに第5世代戦闘機共同研究開発を迫る原因になったのか否かに関しては、現在まだ研究されていない。

西側の専門家は、ネットワーク情報偵察活動が無線電信技術による偵察(頑住吉注:無線の傍受?)と、飛行機による空中偵察に対する最も価値ある潜在的補充であり、この種の方式を通じて獲得されたデータは、より多くの、より詳細な技術情報を包含することができ、自由に末端のユーザーに伝達でき、しかも関連の情報人員の身にも危険は有り得ないのだ、ということは非常にはっきりしている、と考える。

ロシアメディアは言う。もし西側の専門家の上述の視点に同意するならば、中国軍事航空製造業の近年の成績は比較的大きな程度において、有効なネット情報偵察システムのおかげをこうむっており、ならば何故航空エンジン技術は今に至るもやはり中国航空工業の障害になっているのか? アメリカの専門家は、主要な原因は西側諸国が軍用機のために信頼性の高い高度科学技術エンジンを研究開発、生産する時、主にシステム分業が極めて細かくしかも厳格なコントロールを受ける供給メーカーの基地に頼っていることにある、と考える。この挙は、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアといった世界航空製造領域のトップにいる国にのみ高度科学技術エンジン供給能力があることを保証している。指摘が必要なのは、以前の軍事航空製造業の空前の発展が民間機のエンジン領域の進歩を促したとするなら、今日商業エンジン市場は比較的高い性能と寿命を保証するため、すでに軍用エンジンの製造技術の使用を開始しているが、中国のエンジン研究開発企業はしばらくの間まだ関連の部品や技術供給のチェーンの中に入ることができない、ということだ。このため中国が獲得した西側の情報がどんなに広範であろうとも、航空エンジン製造領域の進展は依然として遅れ、今に至るもなお克服し難い隔たりがあるのである。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは、「中国の殲-20研究開発の進度は人を不思議がらせる」です。)

アメリカの「週刊航空宇宙技術」は指摘する。中国のWS-10Aターボジェットエンジンの大量生産時期は2015年より早くはないと見られる。何故なら中国はロシアに399台のAL-31FNエンジンの購入を要求しており、このうち最も新しい123台の供給契約は2011年に署名され、殲-10戦闘機の今後4年の生産量をカバーするからだ。2011年までに、ロシアサイドはすでに276台のエンジンを引き渡した。中国サイドはこれを220機余りの殲-10戦闘機、および殲-11B,殲-15戦闘機に装備した。一部の消息筋の人物は、中国のWS-10Aエンジンは研究開発段階にあり、殲-10Bと殲-11B戦闘機上で試用されているところだ、とする。

ロシアメディアは言う。ロシアの「サターン」科学生産連合体は今回の珠海航空展に117S将来ジェットエンジンを初展示することを決定し、すぐさまメディアの広範な推測を引き起こした。ある推測は、この製品は中国に供給される潜在的可能性があり、ジェット戦闘機殲-20用か、スホーイ-35戦闘機のあり得る交易の一部分としてかだ、とする。117SエンジンはAL-41Fを基礎に研究開発されてできたもので、現在すでにロシアのスホーイ-35とT-50戦闘機に装備され使用されている。ここ2年余り、中国空軍はすでにこれに対し濃厚な興味を示してきたが、ロシアサイドは中国サイドが技術をコピーして類似品を製造する可能性を心配しているため、中ロ双方にはこの問題でずっと実質的進展がない。

スホーイ-35プロジェクトの枠内で117Sエンジンを中国に供給する問題も同様に比較的複雑である。中ロはかつて48機のスホーイ-35戦闘機と複数の予備の117Sエンジンを発注する可能性につき討論したことがある。ロシアサイドは中国が今年12月に商業的提案を提出することを期待している。ロシア連合航空製造集団の公式スポークスマンは珠海航空展でイギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」のインタビューを受けた時、2010年、ロシアの当時の国防大臣セルジュコフが北京で中国当局の代表とスホーイ-35戦闘機、および多数の117Sエンジンの供給問題につき討論したことがあるが、後にロシア当局は中国の提案に回答していない、とした。中国航空工業と中国空軍は現在依然117Sエンジンに対し非常に興味を持っているが、現在までロシアはいかなる、中国向けの1台の117Sエンジンの輸出契約にさえ署名してはおらず、あらゆる製品はしばらくロシア軍機の使用にのみ供される。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは3ページ目と同じです。)

ロシアの当局者とロシア国防輸出社は今に至るも依然スホーイ-27SKライセンス生産貿易後の知的財産権問題に注目している。以前ロシア工業の代表は、中国サイドに厳格な担保を要求してスホーイ-35戦闘機、117Sエンジン、「雪豹」機載レーダーの知的財産権を効果的に保護し、中国企業の不法な複製を禁止することの要求を堅持し、これらの条項がスホーイ-35戦闘機供給の話し合いの話題となるのは必須だ、とした。ロシア連合航空製造集団の公式スポークスマンは次のように強調する。ロシアサイドは中国がスホーイ-35戦闘機交易の枠内で「雪豹」機載レーダー、117Sエンジン、将来航空電子設備を得ることを希望していると完全に分かっている。だがロシアサイドは現在、ロシアサイドの技術をコピー生産あるいは盗み取ることを企図するはずのない国々にだけ向けてスホーイ-35戦闘機をセールスすることに努力しており、中国を主要な輸出の相手とは見なしていないのだ。

ロシアメディアは言う。これに比べウクライナの専門家は中国航空エンジン製造能力を高く評価している。特に中航工業が今回の珠海航空展に登場させた国産「岷山」新型2軸2回転子固体燃料ブーストエンジンがそうで、これは中国がロシアのヤコブレフ設計局の助けの下で研究開発されたL-15高等練習機が使用するウクライナのAI-222-25ターボジェットエンジンと交換される計画で、その最大推力は4700sと、AI-222-25アフターバーナー型エンジンにやや勝る。ウクライナのシーチエンジン社とイフチェンコ「進歩」国有エンジン企業の専門家は「週刊ジェーン安全保障業務」に対し、ウクライナは中国の「岷山」エンジンの研究開発に参与しておらず、これは完全に中国による自主設計、研究開発、生産であるとした。だが、「岷山」の部分的構造はL-59練習機が使用するスロバキアのDV-2エンジンが基礎で、一方DV-2はウクライナのAI-25エンジンが基礎である。また、「岷山」エンジンの構造の中にはL-159小型襲撃機に装備されるアメリカのF124エンジンの面影も見いだせる。このため、「岷山」はこれら数種のエンジンを組み合わせた製品で、全体性能はなかなかだが、いくつかの方面には依然不足があり、例えば燃料消費効率はウクライナのエンジンに比べ20%低い。しばらくは中国製品がウクライナのエンジン市場を急速に奪うことを心配する必要はない。

ウクライナのイフチェンコ「進歩」国有エンジン企業の代表は指摘する。中国の航空エンジン製造領域の専門家たちの最新の成果は祝賀に値し、ウクライナサイドは中国がこの方面において前進を継続することを歓迎するが、中国は航空エンジン製造領域において依然世界の大国のレベルに遅れている。中国企業は「岷山」エンジンをウクライナのAI-222-25エンジンとの交換に使用する提案をしてもよいが、それが採用されるかは別問題である。このためには中国空軍、飛行員、航空機メーカー、国外ユーザーに、L-15高等練習機を国産エンジンに改装することが賢い決定であると確信するよう説き伏せることが必須である。だが現在の状況から見て、「岷山」エンジンのセールス業務は楽なものではないと言える。

まとめると、今回の珠海航空展は、中国軍事航空製造業と先進国の航空工業の間の技術的隔たりが縮小中であることを示したが、相対的に遅れていることは依然明確な事実である。当然、中国航空工業は自主独立で第4世代戦闘機、近代的戦闘爆撃機、多用途ヘリ、ダブル回転子ターボジェットエンジンの研究開発と生産が完全にでき、第5世代戦闘機の試験サンプル品も製造できるが、研究開発、設計領域および生産能力方面の比較的大きな隔たりは依然存在している。結局のところ他国(アメリカを含めて)はすでにより先進的な航空作戦システムの研究開発と装備を開始しているのである。

今後の中国軍事航空製造業が軍事先進国との技術的隔たりを消し去ることができるか否かは、多くの要素が決めることになる。これには生産能力、技術水準、財政資源、航空工業の経済状況、競争の度合い、資本管理レベル、労働力資源、技術市場、企業のあらゆる生産形式などが含まれる。


 「ロシアサイドは現在、ロシアサイドの技術をコピー生産あるいは盗み取ることを企図するはずのない国々にだけ向けてスホーイ-35戦闘機をセールスすることに努力しており、中国を主要な輸出の相手とは見なしていない」って言いますが、そうした国は往々にして高価な最新戦闘機を多数買うほど豊かではないですから難しいところですね。







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