中国版OICW「戦略小銃」

 アメリカに先んじて実戦配備、という触れ込みなんですが‥‥。

http://military.china.com/important/11132797/20140225/18358662.html


中国最新の戦略級小銃の多くの項目の性能指標が明るみに

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネット仲間がネットの情報を根拠に作成した国産兵個人総合作戦システム改良型のCG画像。」)

1人が1挺の小銃を持っている、これは歩兵の伝統的イメージである。だがもし、歩兵が抱くこのパートナーが、小銃弾を発射できるだけでなく、さらに砲弾を撃ち出せたら、甚だしきに至っては戦車のような火力コントロール設備を搭載し、1発小銃弾を撃つ、1発砲弾を撃つたび常に特に正確な射撃ができたら‥‥このような歩兵は非常に屈強ではないだろうか?

これこそアメリカが1990年代から開発を開始している理想の兵個人戦闘武器(OICW)XM29の理念である。小銃、グレネードを合一し、指さすようにそこを撃ち、それぞれの兵士全てを有効な火力攻撃ユニットとするのである。

19日、中国海軍ネットは画像と文を発表し、海軍南海艦隊のある報告演出(頑住吉注:中国独特だと思うので分かりにくいですが、どうも軍事行動がこういう状況であったというのを演劇的に表現したパフォーマンスらしいです。2ページ目の画像がそれですね)の状況を報道した。男子が「前進せよ、海兵隊兵士」を集団で踊る中、突然ネット上に流れ伝わってすでに久しい新型兵個人総合武器システムが出現した。少し前、中央テレビ「猶抱琵琶半遮面」(頑住吉注:古典由来の慣用句らしいですが意味はよく分かりません)で明るみに出た後、今回はこの中国版OICWが初めて当局のルートではっきり明るみに出たのである。

事実、これまでアメリカのOICW計画はまだ成功を獲得していない。重量超過がひどすぎ、しかも小銃部分の問題が非常に重大で、グレネードランチャーだけ独立して完成させ、かつこれをアフガニスタンの戦場でバトルプルーフさせるしかなかったのである。

解放軍は部隊装備後にやっと当局が明るみに出すという慣例によれば、中国のこの小銃・榴弾合一兵個人武器は、すでに就役済みである可能性が高い。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「国産兵個人総合武器システムがデビューした舞台」です。これが例のパフォーマンスですね。)

充分軽便:

火力コントロールシステムを外せばあるいはAK-47と同じ重さか


OICWとは理想の兵個人戦闘武器(Objective Individual Combat Weapon)であり、目標はアサルトライフルとグレネードランチャーを合一し、かつ同一の発射機構を使用し、プログラミングの設計を持つ榴弾を使用して面殺傷、あるいは構築物内の目標の殺傷を行う武器の研究開発である。アメリカと中国を除き、さらにフランス、韓国などもこの種の武器を研究開発中である。

安全保障業務展での公開の情報によれば、この国産OICWは兵個人総合作戦システムの火力サブシステムで、小銃、グレネードランチャー、散弾銃を合一した武器で、5.8mm銃弾と20mmエアバースト榴弾が発射できる。20mm口径はすでに「砲」の範疇に足を踏み入れている。

中国海軍ネットが発表した画像のディテールから見て、この武器はコンピュータ火力コントロールシステム、光電子照準システム、スマートグレネードランチャー、小銃の4つの部分からなり、プログラミング可能な榴弾と先進的な総合光電子システムを採用している可能性がある。その銃器部分は、すでに部隊装備されている03式アサルトライフルとよく似ている。「現役の小銃を基礎に改良を行うことは、コストが節約できるだけでなく、さらに戦闘力をできるだけ早く形成する助けになる。」と軍事科学普及作家(頑住吉注:これも中国独特の肩書でしょうね)張明は分析する。

2012年1月、公開の刊行物「機械設計」が発表した論文「兵個人武器システム協同シミュレーションの方法」の中で、国産兵個人総合武器の榴弾の射程は800m、榴弾の重量は85g、800m離れた目標を打撃する時の飛行時間は4.72秒であると言及されていた(頑住吉注:等速運動とすると毎秒約170mの速度ですが、当然空気抵抗で減速するので初速はもっと速いことになり、M203などに使う40mmグレネードよりはるかに高初速、というか.45ACPに近い初速があるのかもしれません。しかしそれでは反動が強烈すぎるのでは)。空中爆発の設定時は殺傷半径7.7m、殺傷面積は186平方mに達するという。

文中の注意するに値するデータは、銃の全長930mm、重量4.27kg、というものである。これは著名なAK-47アサルトライフルと同じ重さで、実戦への適応に全く問題ない。あるいはこのデータは「逆天」(頑住吉注:本来は天意に背く、といった意味らしいですが、ここではオーバーくらいの意味でしょう)過ぎるかもしれず、少なからぬ分析者は、4.27kgというのは火力コントロールモジュールを取り外した重量に違いなく、全体重量は5kgに達するはずだ、と推測する。

米軍のXM29のサンプル銃の実際の総重量は8.2kgに達し、比較すると中国版OICWはずっと軽い。

(頑住吉注:これより3ページ目。以後の画像のキャプションは全て1ページ目と同一なので省略します。)

威力は驚異的:

演習中のOICW榴弾の殺傷威力は大


新型兵個人総合武器が明るみに出た後、多くのネット仲間が疑問を提示している。現代アサルトライフルは吊り下げタイプのグレネードランチャーを搭載でき、機動が敏捷で、外したければすぐ外せる。どうしてもこんなにかさばって重い、固定された小銃・グレネードランチャー合一武器をまるごと作り出さねばならないのか? と。

「吊り下げ式グレネードランチャーの砲身は非常に短く、初速は遅い。しかもこの種の榴弾の形は太短くもあり、飛行抵抗が大きい。射程は非常に短く、小銃と大差ない。」 小火器専門家馬式曾はこれに関し解析した。「だがOICWのグレネードランチャー部分は、砲身がより長いだけでなく、砲弾もより細長く、当然遠くまで撃て、しかもより正確である。」 例えば、米軍のXM29の榴弾の射程は1,000mに達し得る。

また、馬式曾はさらに次のように補充した。「吊り下げ式グレネードランチャー発射時の後座力は、銃身や銃本体に比較的大きな湾曲させるモメントをもたらし、時間が経つにつれ当然精度に影響してくる。だがOICWの榴弾の後座力は直接ストックを介して射手の肩に伝達され、銃本体を折るように湾曲させるモメントが生じることはない。」

2009年に公開された論文「歩兵作戦シミュレーションの中の榴弾損傷モデルの研究」は次のように明らかにしている。赤サイドの歩兵大隊が都市に駐留して守る青サイドの歩兵大隊を攻撃するシミュレーション演習の中で、国産OICWの着発、空中爆発という2種の榴弾が殺傷した人員は、各種歩兵武器の総戦果の半分を占め、このうち空中爆発榴弾が27%を占めた。文章が出した結論は、兵個人が小銃・グレネードランチャー合一武器システムを装備することは、極めて大きく兵個人の火力打撃能力を向上させる、というものだった。

(頑住吉注:これより4ページ目。)

高い透明度:

「戦略小銃」文芸演出を通じてデビュー


事実、2012年以来、国内ネット軍事フォーラムにたびたび兵個人総合武器システムの画像が示され、画像の紹介から我々は、この新型銃器が中国陸軍下層部隊でテスト中であることを見いだすことができる。「神竜見首不見尾」(頑住吉注:実態がよく分からないくらいの意味だと思います)なので、この武器はふざけて「戦略小銃」と呼ばれている。

今年2月9日、中央テレビは中央軍事委員会副主席許其亮が、総装備部の内モンゴルに位置する某試験基地を視察するのを報道し、兵個人総合武器システムが初めて公開され明るみに出た。

一方この銃器の鮮明なデビューは文芸の舞台というこの解放軍が新たな武器をデモンストレーションする特殊なルートによった。解放軍には非常に厳密な秘密保持制度があり、もし秘密保持審査を経ていなければ、こうした画像が当局メディア上に公開され出現することはあり得ないのである。種々の特殊なルートを通じて国産先進武器を「明るみに出す」ことは、中国の軍事の透明度の高まりを反映している。

中国海軍ネットの報道によれば、南海艦隊の今回の報告演出は航路護衛艦隊をテーマとしており、このためその中に出現した武器装備は、アデン湾航路護衛行動の中で実際の軍事行動に参加した可能性がある。

(頑住吉注:これより5ページ目。)

軍情解析

年老いて牙が抜けた単発手動ボルトも戦場の需要に適応できる


兵個人総合武器システムが明るみに出たことは、数年来海軍マニア、空軍マニアを「ひどくうらやましがり嫉妬していた」小火器マニアたちを一度は「喜びの大きさにあまねく走らせ」た。だが、彼らが拡大鏡を用いて仔細にこの新しい銃器を詳しく見ると、多くの人が失望して止まなかった。

何故なら、国産OICWのこの「榴弾砲」はマガジンを省略し、半自動機構を省略し、「安っぽい」手動ボルトを採用していたからである。最も彼らを「吐血」させたのは、銃器内に1発の20mm榴弾しか装填できないことだった! 「ポン」と1発砲弾を撃ち出した後、すぐ装填し直さねばならないのである‥‥

米軍のXM29およびこれを基礎に発展したXM25グレネードランチャーは、マガジン内に5から6発の榴弾を装備する。

マガジンを省略し、単発構造に改めれば、銃全体の重量を軽減し、信頼性を向上させ、持つ兵士の疲労を減らすことができるのは全く明らかなことである。だが、きっぱりと榴弾の重火力の持続性を放棄することは、得より損の方が大きくはないか?

「OICWが採用するのは高速の榴弾で、チャンバー圧力と後座力がいずれも比較的大きく、連発は全く不可能である。何故なら人体が耐えられないからである。もしマガジンがあっても、1発1発撃つしかない。1発撃つごとに銃を安定し直させ、照準し直し、レーザーで距離を測定し、弾道を計算なければならない。もしマガジンがあっても、いくらも発射速度は向上しない。」

軍事科学普及作家張明は、普通の兵士が手に持つ武器上の榴弾に連発を追求するのは非現実的だ、と考える。「本当に連射が必要なら、それは支援や制圧火力であり、例えばトライポッド上に装備した30、40mm口径のグレネードランチャーだ。」

「三八大蓋」(頑住吉注:三八式歩兵銃)時代の手動ボルトを選択使用したことにに関し張明は、その構造は簡単で、信頼性が向上でき、重量が軽く、体積が小さく、携帯に有利であり、また単発手動ボルトは弾薬種類の交換の時半自動方式に比べ容易である、と考える。だが、20mm榴弾の威力は不足であるということに関しては軍事マニアの中に共通認識が形成されている。「榴弾は面殺傷武器であり、頼るのは破片飛散の威力である。」 張明は、アメリカのOICWも本来は20mmを用いたが、その破片威力がケブラー防弾衣とヘルメットを貫通できないことが分かり、後にグレネードランチャーが独立した後、25mmの使用に改められたのだ、と明らかにする。

だが彼は、中国の20mm榴弾がもし延長されていたら、実際の威力は米軍の25mm榴弾と同等になり得る、と考える。


 グレネードランチャーのチャンバーはずっと後方にあり、砲身はライフル用バレルの上に位置するようですね。全体的にあまり使いやすそうではなく、特に左利き射手の使用には問題があるでしょう。単発の擁護論は何だか旧日本軍を思わせます。しかし単発であっても、同等の装備を持たない軍隊、特に自衛隊に対し優位に立つ可能性はあり、今後「島奪取部隊」に装備されるのかどうかなどを警戒する必要があると思われます。
















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